米国株ETFの代表銘柄VTI vs VOO!新つみたてNISAでおすすめなのはどっち?

VOOとVTI、新NISAでおすすめ銘柄は?

2024年から始まるつみたてNISAでは、あなたはどの銘柄を選びますか?初心者でも人気の米国株ETF、VTIとVOO。これらの違いやどちらがよりおすすめかを株のプロであるアナリストがわかりやすく解説します。新NISAでの投資戦略を考える際の一助として、この記事をご参考にしていただけたら幸いです。

運用会社ヴァンガードについて

先ずは、米国株ETFを語る上で欠かせないバンガード社について簡単に触れておきましょう。VTIもVOOもヴァンガード社の頭文字を取っています。

ヴァンガード(Vanguard)は、米国ペンシルベニア州に本拠を置く世界最大級の運用会社です。「インデックス・ファンドの父」として知られる創業者のジョン・ボーグル(1929年~2019年)は1975年にバンガードを創立し、1976年に現在S&P 500インデックス・ファンドとして多くの人に知られる世界初のインデックス・ファンド「ファースト・インデックス・インベストメント・トラスト」を設定しました。

ヴァンガードは、投資家に対して低コストの資産運用商品を提供し、長期的な資産運用を奨励している投資運用会社です。

2020年1月31日の時点で、世界で19か所にある拠点を通して、約2,000万人に対し、約6.2兆ドルの資産を市場で運用しています。

VTIとは

VTIは、Vanguard Total Stock Market ETF(バンガード・トータル・ストック・マーケット・ETF)の略称です。これは、バンガード(Vanguard)が投資会社が提供する上場投資信託(ETF)の1つです。

引用元: tradingview.com

VTIは、中小企業を含め全米株式市場全体をカバーするように構築されたETFであり、S&P Total Market Indexなどの指数に連動するように設計されています。つまり、アメリカ合衆国の株式市場全体にわたる幅広い企業の株式を含んでいます。このETFは、異なる規模や業種の企業をカバーしているため、多様な市場セグメントへの投資を可能にします。

VTIは、投資家が低コストで全米株式市場への幅広い分散投資を行う手段として人気があります。バンガードは一般的に低コストな投資商品を提供することで知られており、VTIもその一環として広く利用されています。

関連記事→【米国株ETF】VTIとは?30万円の投資でのVTI vs アップル株の比較&今後の見通しをわかりやすく解説

VOOとは

米国株投資初心者向け証券会社の選び方のイメージ

「VOO」は、Vanguard Group(バンガード・グループ)が提供する米国の投資信託(ETF)のシンボルです。正式名称は「Vanguard S&P 500 ETF」であり、このETFはS&P 500指数に連動するように設計されています。

引用元:tradingview.com

S&P 500指数は、アメリカの株式市場における代表的な指数の一つで、500社の大手株式を対象にした株価指数です。この指数はアメリカの経済全体の健全性や株式市場の動向を示す重要な指標とされており、多くの投資家が市場全体の動向を把握するために利用しています。

VOOは、このS&P 500指数のパフォーマンスに連動するように運用されており、投資家はVOOを通じて幅広いS&P 500銘柄に分散投資することができます。これにより、市場全体の変動やリスクに対する露出を持ちながら、比較的低いコストで株式市場への投資を行うことができるとされています。

 

VTIとVOOの比較

比較のイメージ

1.連動対象

VTIの連動対象は約4,000社に対して、VOOは約500社であることからVTIの方が連動対象の分散が多く効いていると言われています。

VTI
Vanguard Total Stock Market ETF。S&P Total Market Indexなどの指数に連動するETFで、アメリカの株式市場全体をカバーしています。大規模な優良企業の株だけではなく中小企業の株も連動対象となっています。大中小企業の約4,000社の株が対象

VOO
Vanguard S&P 500 ETF。S&P 500指数に連動するETFで、アメリカの上位500銘柄をカバーしています。主に大規模な優良企業の株が連動対象となっています。

2.組み入れ銘柄の比較

2003年8月時点での、VTI、VOOの上位10の組み入れ銘柄は以下のとおりとなっています。

VTI

順位名称割合(%)    セクター
1アップル    6.67情報技術
2マイクロソフト5.82情報技術
3アマゾン・ドット・コム2.62一般消費財
4エヌビディア2.29情報技術
5アルファベット クラスA1.91通信サービス
6テスラ1.62一般消費財
7メタ・プラットフォームス1.46通信サービス
8バークシャー・ハサウェイ1.40金融
9アルファベット クラスC1.39通信サービス
10ユナイテッドヘルス1.03ヘルスケア
25.94

VOO

順位名称割合(%)    セクター
1アップル    7.69情報技術
2マイクロソフト6.79情報技術
3アマゾン・ドット・コム3.12一般消費財
4エヌビディア2.81情報技術
5アルファベット クラスA1.91通信サービス
6テスラ1.89一般消費財
7メタ・プラットフォームス1.70通信サービス
8アルファベット クラスC1.66通信サービス
9バークシャー・ハサウェイ1.63金融
10ユナイテッドヘルス1.20ヘルスケア
30.4

このようにVTI、VOOの組み入れ銘柄の上位10社は、大規模なハイテク企業を中心とした同じ顔ぶれとなっていますが、VTIの方が分散が効いている分ウェイトが低くなっています

例えば、エヌビディアのウェイトはVTIが2.29%、VOOが2.81%です。

また、VTI、VOOともに時価総額加重平均型の株価指数を採用していますので、時価総額が大きい企業ほど組み入れ比率が高く、VTI、VOOともに上位10社で全体の3割程度の割合を占めています。

3.配当比較

一般的に大企業は比較的安定した配当を提供することが多い一方、中小企業は成長に焦点を当てる場合があるため、配当が低いことケースが多く見られます。

その結果、大企業の株を多く含むVOOの方が、中小企業の株を含むVTIより若干配当率が高い結果となっています。

ただ、配当面では大差なく高配当を望むなら、SPYDやVYMなど選択肢を変えた方がよい。配当などインカムゲインと売買利益のキャピタルゲインのうちVOOやVTIはキャピタルゲイン狙いです。

VTI

1.49%(2023.8.11時点) 

VTIは全米株式市場全体をカバーするため、大小様々な企業の銘柄を含みます。VTIの配当は、全米株式市場全体の銘柄の配当を反映します。したがって、大企業の株から中小企業の株まで幅広い企業の配当が含まれます。

VOO

1.54%(2023.8.11時点)  

 VOOはS&P 500指数に連動するため、その構成銘柄の配当を反映します。S&P 500銘柄は大企業の株が中心で、一般的には安定した配当を提供する銘柄が多い傾向があります。

4.リスクとリターンの比較

VOOはVTIより分散が効いており米国全体の経済成長に連動する意味合いが強くなります。一方で個別株のアップルやエヌビディアが大きなリターンがあるのに対しVTIやVOOは10%前後というのは、平均化されてしまうからなのです。

VTI

株価の値動きが大きい中小企業も連動対象となっているため、リスクとリターンの幅が大きくなる傾向があります。

VOO

大規模な優良企業の株に焦点を当てているため、市場全体よりもリスクが低い可能性がありますが、リターンも市場全体よりも小さめになる可能性があります。

5.運用成績の比較

下の表は、コロナショック後の2021.3~2023.8までのVTIとVOOの運用成績の比較表です。

2021.3~2023.8までのVOOとVTIの運用成績の比較表

ブルーのラインは2021.3~2023.8までのVOOの運用実績で+16%となっています。一方、ローソク足のチャートはVTIの運用実績で+9.8%となっています。当該期間はVOOの方が若干良いパフォーマンスとなっていますが、過去にはVTIの方が良いパフォーマンスの期間もありました。

因みに、VTIは2010年10月58ドル→2023年8月末日223ドルへ3.8倍なったのに対し、VOOは2010年10月の102→2023年8月末日413へ4倍とあまり大差はない。

切り取る期間によって、若干両者のパフォーマンスに開きが出る可能性もありますが、米国株個別株との違いに比べると、気にするレベルではありません。

VTIとVOOはつみたてNISAで購入できる?

つみたてNISA

結論を先に言ってしまうと、VTI、VOOは楽天証券やSBI証券で購入は可能ですが、つみたてNISAを利用して購入することはできません。これは、どちらも米国ETFであり、つみたてNISAの対象外だからです。

しかし、以下で紹介する投資信託の商品を購入することで、間接的にはなりますがVTI、VOOを購入することが可能となります。

「楽天VTI」と「SBI-VTI」を比較すると、純資産額が「楽天VTI」の方が多い一方、実質コストは「SBI-VTI」の方が低くなっています。そのそのため、NISA口座を楽天証券、SBI証券のどちらで開設しているのかで決めていきましょう。

関連記事 →初心者だからこそ知っておきたい!投資信託のデメリットとは?

1.VTI関連投資信託

 

 

楽天VTI

楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)は、主としてVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)に投資して全米の株式市場(CRSP USトータル・マーケット・インデックス)に連動する運用成果を目指す投資信託です。

・設 定 日 ・・・ 2017年9月29日
・純 資 産 ・・・ 10,720億円(2023.8.11時点)
・実質コスト ・・・ 0.1870%

SBI-VTI

SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(SBI-VTI)は、楽天VTI同様、主としてVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)に投資して全米の株式市場(CRSP USトータル・マーケット・インデックス)に連動する運用成果を目指す投資信託です。信託報酬が楽天VTIより低く設定されていりのが特徴です。

・設 定 日 ・・・ 2021年6月29日
・総 資 産 ・・・ 1,793億円(2023.8.11時点)
・実質コスト ・・・ 0.1102%

2.VOO関連投資信託

どちらも優秀なインデックスファンドなので甲乙つけがたいです。どちらも元々は、米国株の分散投資で十分すぎるほど分散がされています。

パフォーマンスもあまり大差はなく、つみたてNISAである限り、神経質になる必要はないと思います。

SBI証券または楽天証券にNISA口座を開設して積み立てNISAをしていきましょう。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はアメリカの株価指数であるS&P500に連動するように運用されるインデックスファンドです。

・設 定 日 ・・・ 2018年7月3日
・総 資 産 ・・・ 25,173億円(2023.8.11時点)
・実質コスト ・・ 0.1212%

関連記事→eMAXIS Slim米国株式(S&P500)がつみたてNISAの推奨銘柄になる7つの理由

SBI・V・S&P500

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)同様、アメリカの株価指数であるS&P500に連動するように運用されるインデックスファンドです。

・設 定 日 ・・・ 2019年9月26日
・純 資 産 ・・・ 10,693億円(2023.8.11時点)
・実質コスト ・・ 0.1123%

 

まとめ

米国株ETFの代表銘柄であるVTIとVOOについて比較しながら解説してきました。

VTIとVOOを比較した中で、最も大きな違いは、連動する会社数の違いでVTIは約4,000社、VOOは約500社となっています。

しかし、両ETFともに、時価総額加重平均型の株価指数を採用していることから、同じ顔触れの時価総額の高い大型のハイテク銘柄などが組み入れ比率の全体の約3割を占める状態となっています。

そのような理由から、配当や過去の運用実績についても、ごくわずかな差しかなく、どちらを選んだとしても今後のパフォーマンスには大差はないものと思われます。

つみたてNISAであれば、上述の投資信託であれば、おすすめできます。ただ、同じような動きのETFや投資信託を両方購入しても、あまり意味がありません。どちらも、米国経済全体を購入するという意味合いは一緒だからです。

エヌビディア、アップル、VOO、VTIチャート比較

しかし、同じ上位組み入れ銘柄であるエヌビディアやアップルの米国株に個別投資するのと、VTI、VOOに投資するのを比較すると大差がつきます。企業ごとに、成長力や好不調の時期などに大きな違いあるからです。この比較は非常に意味があります。

上表のグラフは、エヌビディアが赤のライン、アップルが紫のライン、青のラインがVTI、チャートがVOOです。VTIとVOOの違いを細かく気にするよりも、この違いを意識することが重要だと言えます。

つみたてNISAは米国経済を購入するという意味で、VTIやVOOの連動銘柄を選び、一般NISAの成長投資枠NISAは個別米国株を選ぶことがライジングブルではおすすめの投資スタイルです。

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