
NYダウが、5月17日に終値として初めて4万ドルを突破したというニュースは記憶に新しいところではないでしょうか。
NYダウは、米国の株式市場でよく見聞きする投資指数で、別名、ダウ・ジョーンズ工業株価平均、もしくは、ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価と呼ぶこともあります。
iFree NYダウ・インデックスは、そのNYダウをベンチマークとしたインデックスファンドで、NYダウの動きに連動した投資成果を目指して運用されています。
今回は、iFree NYダウ・インデックスはどんな投資信託なのか?また、どういう人に向いているのかを解説します。
目次
NYダウとは
NYダウは、米国株式市場の代表的な投資指数です。1896年に誕生し、当初は12銘柄でスタートしましたが、誕生から32年後の1928年に現在と同じ30銘柄からの構成となりました。
NYダウの30銘柄は、企業の評判や成長の実績など総合的に評価して選定しており、構成銘柄は随時入れ替わっています。
なお、NYダウに採用されている銘柄の大半は米国の代表的な別の投資指数であるS&P500に組み入れられています。具体的には、S&P500 指数の時価総額の25%~30%を占めています。
NYダウの30銘柄
iFree NYダウ・インデックスは、NYダウに採用されている30銘柄すべてに投資を行っています。
NYダウの選定銘柄を次に示す通り(2024年4月30日時点)、有名優良企業が名を連ねていることがわかります。
一般的に、これらの銘柄へ個別に投資を行うには相当の資金が必要ですが、NYダウをベンチマークとしているiFree NYダウ・インデックスを購入すれば、少額の投資資金からでもすべての銘柄に投資が可能です。
銘柄名 | 業種・業態 |
3M | 消費財、ヘルスケアなど多角経営企業 |
IBM | 米国を代表するIT企業。現在はクラウドやデータ分析、AI開発にも力を入れている。 |
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | グローバル総合金融サービス会社 |
アップル | 日本でもおなじみのスマートフォン、タブレット、パソコンメーカー |
アメリカン・エキスプレス | クレジットカード会社大手 |
インテル 世界最大の半導体メーカー | 世界最大の半導体メーカー |
ウォルト・ディズニー | 世界有数のメディア・エンターテイメント系総合企業体 |
ウォルマート | 世界最大の小売りチェーン。日本の系列店舗では西友が有名 |
セールスフォース | 企業向け顧客管理ツールのクラウドベースでは世界首位 |
キャタピラー | 油圧ショベル、ブルドーザーなどの重機メーカー |
ゴールドマン・サックス・グループ | 投資銀行業務、資産運用、システム開発など金融サービスを提供 |
コカ・コーラ | ノンアルコールの飲料メーカー |
シェブロン | 総合エネルギー会社 |
シスコシステムズ | ネット接続用のルーター、スイッチ等でシェアが高い |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | 総合ヘルスケア製品企業 |
アマゾン・ドット・コム | 世界的なネット企業 |
ダウ | ダウ・デュポン社から2019年分離、独立 |
トラベラーズ | 米国大手の保険会社 |
ナイキ | 世界最大のスポーツ用品ブランド |
ビザ | クレジットカード会社。カードは世界200以上の国、地域で使用できる |
アムジェン | 世界有数のバイオ医薬品メーカー |
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) | 世界最大の一般消費財メーカー |
ベライゾン・コミュニケーションズ | 通信サービス。米ヤフーの買収でネット広告に進出 |
ボーイング | 世界最大の航空機メーカー |
ホーム・デポ | ホームセンターで米国業界首位 |
マイクロソフト | 世界最大のソフトウェア会社 |
マクドナルド | 世界最大級のハンバーガーチェーン |
メルク | 世界的な製薬会社 |
ハネウェルインターナショナル | 1886年創業の多国籍副業企業。現在では、航空宇宙、産業向け制御装置など、事業の裾野は広い |
ユナイテッドヘルス・グループ | 個人向け、企業向けの各種医療保険を提供 |
NYダウの値動き
下図は、過去1年のNYダウの値動きです。変動はあるものの、ここ1年で大きく値上がりしています。
後述しますが、このNYダウの値動きに連動して、iFree NYダウ・インデックスも高いパフォーマンスを出しています。
(出典:ブルームバーグ)
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iFree NYダウ・インデックスとは
iFree NYダウ・インデックスの特色
iFree NYダウ・インデックスは、大和アセットマネジメントが運用するiFreeシリーズの投資信託です。NYダウに連動した成果を目指すiFree NYダウ・インデックスは、NISAで購入できる低コストで長期運用に適した投資信託です。
【基本情報】
(基準日2024.5.21)
運用(委託)会社 | 大和アセットマネジメント |
設定日 | 2016.09.08 |
償還日 | 無期限 |
純資産額 | 37.11億円 |
基準価額 | 37,662円 |
決算日 | 毎年9月7日 |
商品分類 | インデックス型 |
ベンチマーク | ダウ・ジョーンズ工業株価平均(配当金込み・円ベース) |
投資対象地域 | 海外(米国) |
投資対象資産 | 株式 |
為替ヘッジ | なし |
購入時手数料 | 無料 |
換金手数料 | 無料 |
信託報酬(運用管理費用) | 年率0.2475%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
NISA成長投資枠/つみたて投資枠 | 購入可能 |
iFree NYダウ・インデックスのリターン
前述のNYダウの値動きに連動しているため、特に直近1年は高いパフォーマンスを出していることがわかります。
(2024年4月末時点)
1年 | 3年 | 5年 | 設定来 | |
リターン(年率) | +34.86% | +19.35% | +17.14% | +18.56% |
為替ヘッジなしのファンドが円安により受ける影響
iFree NYダウ・インデックスのように、為替ヘッジなしで海外資産へ投資を行っているファンドでは、パフォーマンス(運用成果)が為替変動の影響を受けます。
為替が円安に動けば、円ベースでの成果がプラスになり、反対に円高になれば成果は目減りすることになります。
1年前(2023年5月23日)の為替レートは1ドル138円程度、現在が156円程度とみると、円安が進行していることも高いパフォーマンスに一役買っています。
iFree NYダウ・インデックスのリターンで運用成果をシミュレーション
iFree NYダウ・インデックスの設定来のリターンである年率18%を使用して10年間、積立投資を行った場合の運用成果をシミュレーションしてみましょう。
- 毎月積立金額:3万円
- 積立期間:10年
- 想定利回り:18%
- 積立元本:360万円
- 運用収益:634万円
- 運用成果:994万円
運用益には通常、20%の税金がかかりますが、NISAで運用すれば、運用収益に税金がかからず全額が運用成果として手元に残せます。(注:信託報酬は考慮しない)
NISAの積立投資では、運用中に生じる利益(分配金)は投資家へ還元せずに元本に上乗せして運用します。分配金が利息を生み出す仕組みのため、運用期間が長くなるほど複利効果が高まることがメリットです。
NISAの積立投資は年間360万円を上限として、投資額ベースで1,800万円まで非課税運用が可能です。

年間360万円というと1ヶ月あたり30万円になりますので一般的には十分な金額と言えるでしょう。
ただし、シミュレーションは過去の実績に基づいた架空の数字であって将来の収益を保証するものではないことは理解しておきましょう。
関連ページ
【円安時に注目すべき株式銘柄ガイド】為替通貨変動の勝者になるために
iFree NYダウ・インデックスへの投資が向いている人は?
iFree NYダウ・インデックスは初心者でも買いやすい?
新NISAの発足を機に投資を始めたという人が増えています。
現在、個人が購入できる投資信託は約6,000本あります。そのうちNISAで購入可能なファンドは約2,000本となっており、その中から、つみたて投資枠で積立購入できるインデックスファンドは約230本程度です。
iFree NYダウ・インデックスはNISAのつみたて投資枠、成長投資枠の両枠で購入可能な商品です。iFree NYダウ・インデックスは、積立でも購入できるファンドです。積立投資の場合、少額から投資が始められるため、初心者にも買いやすいファンドと言えるでしょう。
iFree NYダウ・インデックスのメリット・デメリット
インデックスファンドの中には、多くの国や地域、数百から数千の銘柄に投資をしているファンドがある一方で、投資先が少ないファンドもあります。
iFree NYダウ・インデックスは、米国を代表する企業とはいえ、投資対象は米国の30銘柄と限定的です。
一般的に、投資のリスクとリターンは比例すると考えられるため、投資先が限定的であるiFree NYダウ・インデックスのリスク・リターンは、多くの国、地域、銘柄を投資先としているファンドよりも大きくなりやすいと考えられます。
結果的に良いパフォーマンスが出れば、投資先が少ないことがメリットになりますが、逆の場合はデメリットになります。
そのため、リスクを許容して大きなリターンを期待するのか、リスクを最小限に抑える中で資産を運用したいのかということを、投資を始める前に自分の中で整理することが大切です。
一口にインデックスファンドと言っても、ベンチマークとしている指数によって投資対象が異なります。投資信託の購入を決める前に、投資信託の交付目論見書などで、投資対象となっている資産を確認することが大切になります。
どんなケースの運用に向いている?
住宅購入資金、教育費、老後資金など、資産形成の目的をもって投資を始める人も多いでしょう。
積立投資の場合、投資信託の価格変動は運用期間がある程度吸収してくれるため、老後資金など投資期間が長くとれるケースであれば、リスク・リターンが大きいとされるファンドへの投資もしやすくなります。
逆に、住宅購入費や教育費など、数年後に確実に必要となる資金の場合、投資先の限定されているファンドでの運用はリスクが高くなることが考えられます。
将来的な投資信託の値動きや為替変動を正確に予測することは不可能なため、正解を導き出すことはできません。しかし、少なくとも投資を始める前に、投資信託の違いを知り、運用の目的や運用できる期間と照らし合わせれば、自分にとっての最適解が出せるかもしれません。
株の売買は思っていたよりも難しい、とくに売る時に迷ってしまって売れないことが多いという方が多くいらっしゃいます。利益を確保するのは大事ですが時には損切も必要になり、これができないと株で資産形成は難しくなります。しかし自分ではできないという方には、投資顧問の利用をおすすめします。当サイトを運営するライジングブル投資顧問は、株の「売買サポート」を行っております。ライジングブルの売買サポートサービスは、3ヶ月9,000円で買い推奨だけではなく、売却、銘柄入替するところまで、リスク管理をしながらサポートします。
個人の方には難しい売り推奨のアドバイス実績も豊富にあり、
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他のiFreeシリーズ
大和アセットマネジメントのiFreeシリーズには他にも様々な商品があります。
S&P500インデックス
米国を代表する株価指数であるS&P500の動きに連動を目指すファンドです。
iFree 日経225インデックス
日経平均トータルリターン・インデックスの動きに連動を目指すファンドです。
iFree JPX日経400インデックス
投資指数「JPX日経インデックス400(配当込み」に連動した投資成果を目指すファンドです。
iFree TOPIXインデックス
TOPIX(東証株価指数)をベンチマークとした投資信託です。
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
米国の大手IT系企業が多く含まれるNASDAQ100の動きに連動を目指すファンドです。
iFree 8資産バランス
iFree8資産バランスは、国内債券、先進国債券、新興国債券、海外リート、国内リート、新興国株式、先進国株式、国内株式の8つの資産クラスに均等に分散投資をしています
iFree新興国株式
iFree新興国株式は新興国(ブラジル、チリ、中国、インド、インドネシア、マレーシア、メキシコ、サウジアラビア、南アフリカ、台湾など)を投資対象地域とし、「FTSE RAFIエマージングインデックス」を指標としています。
まとめ
iFree NYダウ・インデックスは、米国の投資指数であるNYダウに連動した投資成果を目指したファンドであることを解説しました。
NYダウは米国を代表する30銘柄から構成されており、日本人にもおなじみの優良有名企業が名を連ねています。
iFree NYダウ・インデックスは、NISAの積立投資も可能なため、投資の初心者にも買いやすいファンドと言えます。
インデックスファンドのリスクやリターンが異なるのは、ベンチマークとしている指数の違いが主な要因です。投資信託を選ぶときには、交付目論見書で何に連動したファンドなのかを確認してください。そして、自分の投資の目的と照らし合わせて、そのファンドのリスクが許容できる範囲なのかを判断して購入を決めることが大切でしょう。
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