
新NISAのスタートを機に投資に興味を持つ方が増えています。
NISAでは上場株式や投資信託などへ非課税投資が可能ですが、選択肢が多すぎるために、特に投資初心者は、投資先を選択するときに迷子になりやすい傾向があります。
長期的な運用を目指すのであれば投資信託への積立投資がおすすめです。
本記事では、大和アセットマネジメントが運用するiFreeシリーズの一つである、iFree8資産バランスについて解説します。
目次
iFree8資産バランスはどんなファンド?
iFree8資産バランスは大和アセットマネジメントが運用する追加型投資信託です。NISAのつみたて投資枠、成長投資枠の両枠で投資が可能です。
値動きの違う8つの資産クラスに分散投資をしているため、安定的で着実な収益を見込めるファンドです。
iFree8資産バランスはバランス型投資信託
投資信託には、「株式型」「債券型」「バランス型」の3種類があります。
iFree8資産バランスは、バランス型の投資信託です。
簡単にいうと、株式型は国内外の株式に投資するタイプで、リスク幅も大きいですが、成長が見込める投資信託です。債券型はリスクも小さいですがリターンも小さいという安定型の投資信託です。
そして、バランス型はさまざまな資産(投資先)を取り入れている投資信託です。
iFree8資産バランスは、国内債券、先進国債券、新興国債券、海外リート、国内リート、新興国株式、先進国株式、国内株式の8つの資産クラスに均等に分散投資をしています。
各資産は、対象インデックスに連動する運用成果を目指しています。
【各資産クラスの対象インデックス】
国内債券 | NOMURA-BPI総合指数 |
先進国債券 | FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース) |
新興国債券 | JPモルガンガバメント・ポンド・インデックスーエマージング・マーケッツブローバルダイバーシファイド(円換算) |
海外リート | S&P先進国REIT指数(除く日本)(円ベース) |
国内リート | 東証REIT指数(配当込み) |
>新興国株式 | FTSE RAFIエマージングインデックス(円換算) |
先進国株式 | MSCIコクサイ指数(配当込み、円ベース) |
国内株式 | 東証株価指数(TOPIX)(配当込み) |
一般的に、インデックス指数が上昇しているときにはマーケットは好調で、反対に下落時にはマーケットは低調と考えられます。したがって、値動きが同じ資産に投資をする種類のファンドの場合、対象とするインデックスの振れ幅により、リターン率が大きく変動することがあります。
一方、iFree8資産バランスは値動きの違う8つの資産に均等に分散投資をしているため、リターンのブレが小さいことが特徴です。
iFree8資産バランスの基準価額の推移とリターン率
(2024年1月9日基準)
基準価額 | 16,681円 |
純資産 | 648.42億円 |
設定日 | 2016年9月8日 |
引用:大和アセットマネジメント株式会社iFree8資産バランスチャート
決算は年1回、収益分配金はファンドへ再投資され運用されます。
過去5年の期間別のリターンは下記の通りです。
6ヶ月 | 1年 | 3年 | 5年 | |
リターン(年率) | 9.49% | 16.87% | 9.28% | 8.96% |
(2024年1月5日更新)
投資先の値動きが違うために、リターンが株式型の投資信託のように大きな変動を見せることは少ないですが、安定的、着実な収益を上げています。
iFree8資産バランスの運用シミュレーション
iFree8資産バランスを予定利率8%として、NISAで積立投資した場合の運用益を次の2つのケースでシミュレーションしてみましょう。
ケース1)
毎月定額を20年間積立投資した場合の運用成果は?
毎月積立額 | 運用期間 | 投資元本 | 運用益 | 元本+運用益 |
2万円 | 20年 | 480万円 | 698万円 | 1,178万円 |
月々2万円を投資した場合、元本480万円に対して、20年後には1,100万円超の運用成果が得られるというシミュレーション結果です。
ケース2)
15年後に2,000万円を形成したい場合の月々の積立額は?
投資成果 | 運用期間 | 投資元本 | 毎月積立額 | 運用益 |
2,000万円 | 15年 | 1,040.3万円 | 約5.8万円 | 959.7万円 |
15年後に2,000万円の資金を準備したい場合、月々5.8万円を投資すれば良いという結果です。たとえば今50歳の方でも老後資金に間に合います。
ただし、投資のリターンの考え方は預貯金と違いますので注意してください。リターンが年率8%だったとしても、毎年コンスタントに8%ずつ増えるわけではありません。リターン率には波があり、結果として投資期間中平均すると8%であったと考えます。
つまり、投資は運用成果が約束されているものではありません。期待以上、期待以下の結果もあり得るということです。
iFree8資産バランスの手数料
投資信託を運用するには、主に次の3つの手数料が必要です。
(上記の運用シミュレーションには手数料を加味していません。)
手数料 | 説明 | 費用 | |
購入時 | 購入時手数料 | 商品説明や投資情報の提供等に対する対価 | 無料 |
保有期間中 | 信託報酬(運用管理費用) | 運用・管理等に対する対価 | 年率0.242%(税込) |
売却時 | 信託財産留保額(換金時手数料) | 売却し換金するときの費用 | 無料 |
NISAで買付可能な投資信託は手数料が低めの設定です。また、投資信託の購入時と売却時には手数料がかからないファンドが多く、iFree8資産バランスもファンドの売買時の手数料は無料で、信託報酬のみが必要です。
iFree8資産バランスの信託報酬は年率0.242%(税込)です。信託報酬は保有残高に対して日々計算されます。
たとえば、10万円分を保有していて、1年間ファンドの基準価額が変わらないと仮定すると1年間にかかる信託報酬は、10万円x0.242%=約242円です。
信託報酬は、信託財産から差し引かれますので、保有期間が長くなればそれだけコストはかさみます。同じ種類の投資信託であれば、信託報酬が低いファンドを選んだ方が効率的な資産形成ができます。
iFree8資産バランスをNISAで運用するメリット
なぜNISAなのか?
NISAは長期で安定的な資産形成を後押しするための少額投資非課税制度です。
これまで投資といえば、余裕資金のある一部の人の特権のように思われていましたが、NISA制度により、投資は多くの人にとって身近なものになりました。
積立投資であれば数千円程度から投資信託が購入可能ですので、これまで預貯金に回していた資金をNISAで運用するという選択ができます。余裕資金での投資に限らず、この先迎える様々なライフイベント用の準備金としてNISAを活用する方が増えるでしょう。
新しいNISAは再投資可能
NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠があり、各枠ごと120万円、240万円が設定されており、年間360万円を限度に非課税投資ができます。非課税で保有可能な合計金額は購入額ベースで、1人につき1,800万円が上限です。1,800万円に達した後は、そのまま運用を続けることも可能です。
NISAの運用商品は運用中、いつでも売却して換金することができます。
新しいNISAでは、投資商品を換金しても、翌年に非課税投資枠が復活し再投資が可能となりました。購入→売却→再購入のサイクルを年間360万円以内、累計1,800万円の限度額内であれば何度行っても構いません。
特に運用期間が短い場合、換金したいタイミングで利益が出ているかわかりませんが、一旦換金しても再投資できるという点は安心材料のひとつです。ライフイベントに合わせて柔軟にNISAが利用できます。
iFree8資産バランスはNISAで運用しよう
iFree8資産バランスは、地域、資産の異なる動きをする資産に投資をしています。一般的に、株式市場が好調であれば債券価格は下がりますし、株式が低調なときは債券価格は上がります。このように一つの方法に向かわないからこそリスクが抑えられる投資信託です。
先述の通り、リターンが極端に大きいわけではありませんが過去の実績ベースでは、着実に利益を出しています。
NISAの最大のメリットは、利益が非課税であることです。
たとえば、保有残高が50万円、リターン率が8%の場合の分配金は4万円です。課税口座だと約20%の税金がかかり、実質利益は3.2万円です。
一方、NISAであれば4万円が全額収益です。非課税の効果が実感できます。
そして、NISAでつみたて投資枠の対象となっている投資信託の場合、分配金は元本に組み込まれて運用が続けられます。
翌年、50万円を運用するのと54万円を運用するのとでは、運用成果に差がでます。利息も運用すれば効率的に資産形成ができます。NISAの積立投資は運用期間が長くなるほど利息が利息を生むという複利効果が高まります。
しかも、税金はかからず、運用益全額が手元に残せます。
iFree8資産バランスが向いている人
投資信託は株式投資と比較してリスクが低いと言われますが、投資信託とはいえリスクがあり、種類や運用方針によりその大きさも異なります。
iFree8資産バランスは、投資先の資産が分散しているため、株式型や債券型などの限られた資産を投資先としているファンドよりもリスクが分散しています。
iFree8資産バランスはリスクをあまり取りたくない、もしくは取れないと考えている方、ハイリターンは望まず着実に資産を増やしたい方に向いている投資信託です。
他のiFreeシリーズ
大和アセットマネジメントのiFreeシリーズには他にも様々な商品があります。
S&P500インデックス
米国を代表する株価指数であるS&P500の動きに連動を目指すファンドです。
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
日経平均トータルリターン・インデックスの動きに連動を目指すファンドです。
iFree 日経225インデックス
日経平均トータルリターン・インデックスの動きに連動したファンドです。
iFree JPX日経400インデックス
投資指数「JPX日経インデックス400(配当込み)」の動きに連動を目指すファンドです。
iFree TOPIXインデックス
TOPIXは、プライム市場の全銘柄から構成される日本の代表的な株価指数の1つです。そこに連動を目指すファンドです。
まとめ
今回は、投資信託を株式型、債券型、バランス型の3つの観点から解説しました。iFree8資産バランスは、バランス型の投資信託です。
バランス型の投資信託は、異なる種類の資産を投資先としています。
株式型のリスクは不安だけれども、債券型では物足りないと感じる方や、取り敢えず投資をはじめたい、という方に向いているでしょう。
NISAの積立投資は長期的に運用を行うことで成果が得られやすい投資です。数百円や数千円からでも投資可能ですので若い方でも取り組みやすい投資です。
NISAの運用先として、バランス型投資信託「iFree8資産バランス」を候補の一つとしてみてはいかがでしょうか。
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