【VHT解説】セクターETFヘルスケア株の魅力と投資戦略

セクターETFヘルスケア株のイメージ

ヘルスケアセクターに特化したETFのバンガード・米国ヘルスケアセクターETF【VHT】は、ディフェンシブETFとも呼ばれ、不景気にも強いといった特徴があります。

セクターETFとは、金融、不動産、生活必需品、テクノロジーなど特定の分野にまとめて投資ができるETFです。そのため、相場の状況にあったセクターに投資できれば大きな利益を生み出すことが可能です。

今回は、ヘルスケアセクターの特徴や、VHTのメリット・デメリット、投資方法などについて解説していきます。

VHTとは?ヘルスケアセクターETFの特徴もあわせて紹介

ヘルスケアセクターETFのイメージ

「VHT」は、米国の大手資産運用会社バンガードが販売するETFでヘルスケア分野にまとめて分散投資ができる商品です。

ここでは、ヘルスケアセクターの特徴とあわせて解説していきます。

ヘルスケアセクターETFの特徴は?

ヘルスケアセクターは、医療といっても幅が広く、製薬・バイオテクノロジー・医療用品・保険など、医療に関わるさまざまな分野の銘柄が含まれます。

高齢化が加速している現代では、医療への関心や需要の高まりから、市場規模が年々拡大しているのも特徴です。

米国市場の動きを示すS&P500銘柄中で、ヘルスケアセクターは、情報技術に次ぐ構成比となっており、全体の14%ほどを占めているのです。

安定した利回りや、不況に強いといった特徴から多くの投資家から投資対象としていることがわかります。

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VHTの上位銘柄や組入割合

VHTは、米国のヘルスケアセクター412銘柄に投資しており(2024年5月時点)、医療関係に幅広く投資することが可能です。

投資先の上位銘柄や、さらに細かい組入割合も確認していきましょう。

【VHT上位組入企業】

企業名組入比率
1イーライリリー10.08%
2ユナイテッドヘルス・グループ7.35%
3ジョンソン&ジョンソン6.11%
4メルク5.37%
5アッヴィ5.16%
6サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック3.61%
7アボット・ラボラトリーズ3.17%
8ダナハー2.81%
9ファイザー2.52%
10アムジェン2.44%

※2024年5月バンガードHPより

ジョンソン&ジョンソンやファイザーは日本でも馴染がありますが、そのほかでも医薬品の製造や開発関連の企業が上位を占めています。VHT組入業種比率も確認していきましょう。

順位セクター組入比率
1医薬品28.70%
2ヘルスケア機器18.90%
3バイオテクノロジー18.40%
4生命科学機器・サービス11.20%
5健康マネジメント11.20%
6ヘルスケアサービス4.80%
7ヘルスケア販売業2.50%
8医療施設1.90%
9ヘルスケア用品1.30%
10ヘルスケアテクノロジー0.80%

※2024年5月 バンガードHP より

一番構成比が高いのは、医薬品関連となっています。コロナの影響などで、医薬品関連の株価が高騰しているのも要因でしょう。

VHTのチャートやリターン・配当を確認

続いて、VHTの値動きや、トータルリターンを確認していきましょう。

【VHT月足チャート】

 

【VHTトータルリターン推移と配当利回り】

ティッカー1年トータルリターン3年トータルリターン5年トータルリターン直近配当利回り
VHT8.71%4.34%10.94%1.25%

※2024年5月Bloombergより

テクノロジー株等と比較すると、直近のリターンは低いですが、5年のトータルリターンが10%超えは好調な成績です。安定しているといっても良いでしょう。

VTHの配当1.25%はまずまずの数字です。のちほどほかのETFとの比較でも紹介します。

VHTに投資するメリットは?

投資のメリットのイメージ

‬VHTに投資するメリットとしては次の点があげあげられます。

  • 不景気でも価格変動が少ない
  • 長期的な成長が見込める
  • 分散投資できる

それぞれ解説していきましょう。

不景気でも価格変動が少ない

ヘルスケアセクターのメリットとして、不景気に強いことがあげられます。

その中でも、ヘルスケアセクターに分散投資しているとVHTは、リーマンショックや、2022年のコロナショックでもそれほど大きく下げることなく推移しています。

ヘルスケアセクターの商品やサービスは人々が生活していくうえで欠かせない分野です。

不況時でも大きく下がることがないのが特徴といえます。

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長期的な成長が見込める

現在世界各国、特に先進国では、高齢化が深刻になっています。

多くの資産家が不老長寿薬の開発に投資を拡大しており、今後この分野については、需要の高まりとともに、大きく伸びていくことが期待できます。

さらに生活水準が上がり徐々に上がっている新興国などでも需要が拡大していくことが見込まれます。

医薬品や医療分野は、長期的に見ても成長が見込めるセクターでしょう。

分散投資できる

VHTは、ヘルスケア中心に組み立てられているETFですが、組入銘柄としては、412銘柄と非常に多くの銘柄に分散投資されています。

構成比が最大のイーライリリーでも、約10%の構成比となっており、それ以外の銘柄は一桁台の構成比と、少ない銘柄に集中していることもありません。

 

VHTに投資するデメリットは?

VHTに投資するデメリット

‬長期的に多くのメリットが見られるVHTですが、いくつかのデメリットも考えられます。デメリットとしては、次の点があげられます。

  • 少額投資できない
  • 為替変動の影響を受ける

それぞれ確認していきましょう。

少額投資できない

ETFは、1株単位での買付となるため、少額からの投資ができないのがデメリット。VHTの現在の価格は、約262ドルのため、現在の円安のレート150円で計算すると40,000円ほど必要になります。

毎月積み立てをするにも、40,000ほどの資金が必要となるため、少額で毎月積み立てをしたいといった方には向いていない金融商品です。

為替変動の影響を受ける

VHTに限りませんが、海外ETFの投資では為替変動の影響があります。

円安が続く状況であればリターンが大きくなりますが、円高となると為替の影響で株価が上がっていてもマイナスとなる可能性があります。

ただし、為替は上がったら下がるのを繰り返すものですので、長期的に投資をするのであれば、それほど気にすることはありません。まとめて投資せずに分散投資することが大切でしょう。

VHTとほかのETFを比較

株の比較のイメージ

不景気にも強い安定したリターンを求めるのであれば、米国生活必需品ETFの「VDC」があげられます。VDCもVHTと同じバンガード社が販売する生活必需品セクターに分散投資できるETFです。

あわせて米国株全体に投資するS&P500に連動したETFの「VOO」とも比較してみましょう。

VHT・VDC・VOOの月足チャート(数字は指数)

VHT・VDC・VOOの月足チャート

S&P500の中でもヘルスケア銘柄の構成比が高いため、VHTはVOOと近い動きをしています。その中でも変動がS&P500ほど大きくないのが特徴ですね。

また、VDCについては、大きく伸びてはいないものの、安定した値動きをしているのが特徴です。景気に左右されずに一定の利益を得たい、リスクはできるだけ取りたくないといった方にはおすすめの商品でしょう。

【VHT・VDC・VOOのトータルリターンと経費率を比較】

ティッカー1年トータルリターン3年トータルリターン5年トータルリターン直近配当利回り経費率
VHT8.71.%4.34%10.94%1.25%0.10%
VDC6.42%6.22%9.83%1.66%0.10%
VOO28.57.%8.84%14.52%1.29%0.03%

※2024年5月Bloombergより

VOOについては、テクノロジー株の構成比も高いため、最近のAIブームの影響もあり大きく伸びています。経費率も低いのが特徴です。VDCについては、安定したリターンが見込めることがわかります。

 

VHTに投資する方法

VHTに投資する方法のイメージ

VHTは2024年から開始された新NISA成長投資枠の対象となっていますので、NISAの中で投資するのが、税金の免除もありお得になります。投資方法についても確認していきましょう。

NISA成長投資枠で投資

NISAは、つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円の計360万円まで年間に投資でき、最大で1,800万円まで投資に対する利益が非課税となる制度です。

通常株式投資の利益については、約20%の税金がかかりますので、投資をするうえで使わない手はない制度です。

VHTは、成長投資枠での投資対象となりますので、年間240万円の枠内で買付をします。先ほどのデメリットの部分でも触れたように、為替の影響を受けるため、投資する場合は一気に買付せずに分散していくのが大切です。

資金に余裕があれば、価格が下がったときに多めに買い、価格が上がったときは少なめに買うなどすると、平均価格を下げられるのでおすすめです。

注意点としては、NISAの場合、ほかの株式と損益通算ができませんので、NISA枠の投資対象がマイナスの場合、利益確定してもほかの株式のプラス分との相殺はできません。NISAは長期投資を前提に作られた制度ですので、短期で売買を繰り返す投資は避けたほうが良いでしょう。

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特定口座や一般口座で投資

NISA成長投資枠を使い切った場合や、特定口座との損益通算を行いたい場合などは、特定口座や一般口座で投資することも可能です。

特定口座や一般口座で投資をする場合は、利益に対して税金はかかりますが、ほかの株式などの損失と損益通算ができます。

個別株などにも投資をしていて、評価損が出ている場合は、利益が出ている投資先とあわせて利益確定することで、利益を減らして税額を下げられます。

また、配当金については、確定申告すれば米国で課税される二重課税を取り返せせますので確認しておきましょう。

投資額が大きく、さまざまな種類の株式や投資信託、ETFなどに投資している方は、特定口座や一般口座で投資することになります。

VHTなどのセクターETFや投資信託は興味があるけれど、実は個別株も気になっている・・・・でも、株式投資はよくわからないから不安で踏み出せない、日本や世界の企業の中から、「どの銘柄を購入すれば良いか全くわからない」という方には、信頼できる投資顧問の利用をおすすめします。当サイトを運営するライジングブル投資顧問は、株の「売買サポート」を行っております。ライジングブルの売買サポートサービスは、3ヶ月9,000円で買い推奨だけではなく、売却、銘柄入替するところまで、リスク管理をしながらサポートします。

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まとめ

ヘルスケアのイメージ

VHTは世界最大級の投資運用会社、バンガード社が発売するETFで、ヘルスケアセクターの幅広く投資をしているのが特徴です。

ヘルスケアセクターは、今後高齢化が進む中で、医薬品や医療関連がさらに求められることになるため、将来的な成長が期待できるセクターです。

また、ヘルスケアセクターは、生活に欠かせない業界となりますので、不景気でも価格変動があまりないのもメリットとしてあげられます。

VHTは、値上がり益の面では、テクノロジー関連株などに比べてそれほど高くはありませんが、長期的に安定した運用ができるETFといえるでしょう。

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