
「リセッションってどういう意味?」
「もし不景気になったら、自分の生活や資産はどうなるの?」
こうした不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
リセッションとは、景気が悪化していく局面を指す経済用語です。
株価の下落や雇用環境の悪化など、投資面にも生活面にも影響がおよびます。2026年現在も、原油価格の高騰や中東情勢の緊迫を背景に、世界的なリセッション懸念が高まっている状況です。
この記事では、リセッションの意味や原因などをわかりやすく解説します。
目次
リセッションとは:景気が悪くなる局面のこと

景気には「好況→後退→不況→回復」の4つの局面があり、数年単位で循環しています。
リセッションは、景気がピーク(山)から底(谷)に向かう「後退」の局面を指す用語です。認定の基準は国ごとに異なります。
日本では、内閣府が毎月公表する景気動向指数が基準です。なかでもDI(ディフュージョン・インデックス※)の値が50%を下回る状態が続くと、リセッション入りの目安とされています。

※ディフュージョン・インデックスとは、景気の現状や方向性(上向きか下向きか)を測る指標のこと。
欧米では、GDP(国内総生産)が2四半期連続でマイナス成長になった場合をリセッションとみなすのが一般的です。つまり「景気が山を越えて下り坂に入った」と、各国の基準で公式に認定された状態がリセッションと呼ばれます。
参考元:野村證券|リセッション
リセッションが起こる3つの原因
リセッションが起こるおもな原因として、以下の3つが挙げられます。
それぞれ詳しく解説します。
個人消費の落ち込み
景気を支える原動力は、私たちの日常的な買い物や外食などの「個人消費」です。
消費が減ると企業の売上が落ち込み、人件費の削減や採用の抑制が進みます。
収入が減った消費者はさらに支出を絞る傾向にあるため、この悪循環がリセッションを引き起こす要因の一つです。とくに米国ではGDPの約7割※を個人消費が占めており、消費の減退がリセッションに直結しやすい構造です。※参照元:野村證券|個人消費支出
企業の設備投資の減少
リセッションを招きやすい要因に、企業が工場の新設や設備の導入といった投資を控える動きがあります。
企業が投資を絞れば関連産業の受注も落ち込み、経済全体の需要が縮小していくでしょう。
需要の減少は雇用の削減にもつながり、個人消費の落ち込みと連鎖してリセッションを加速させます。
なお、企業が投資を控える背景には景気の先行き不透明感があります。
政策変更や国際情勢の緊迫など、将来の見通しが立ちにくい状況では「様子を見よう」といった判断が広がりやすくなるでしょう。
参考元:帝国データバンク|2025年度の設備投資に関する企業の意識調査
金利上昇による景気の冷え込み
中央銀行による金利の引き上げが、リセッションを引き起こす要因になるケースもあります。
本来、利上げは景気の過熱やインフレを抑えるための政策手段です。
しかし、利上げが行われると企業の借入コストが増え、新規投資に消極的になりやすいでしょう。
住宅ローンの金利も上がるので、個人の大きな買い物も控えられる傾向があります。
実際、1970〜80年代には米国FRBのボルカー議長がインフレ退治のために大幅な利上げを実施しました。その結果、2度のリセッションを招いています※。景気の過熱を防ぐための引き締めが、行き過ぎると景気を冷やしすぎるリスクもあるのです。
※参考元:一般社団法人 JA共済総合研究所|インフレ抑制に苦悩した米国1970年代の教訓とは?>
リセッションによる影響

リセッション局面では、雇用や株価、個人の生活など幅広い分野に影響がおよびます。
企業の業績悪化が進むと、コスト削減として採用の抑制やリストラ、給与・ボーナスの減少につながるでしょう。
収入が減れば個人消費も冷え込み、企業の売上がさらに下がる悪循環に陥ります。
加えて、景気の悪化は金融機関の融資姿勢にも影響します。貸し出し審査が厳しくなれば企業は資金調達がしにくくなり、事業の縮小や倒産にまで発展するケースもあるでしょう。
こうした影響が連鎖的に広がっていく点が、リセッションの怖さです。
米国(アメリカ)のリセッションが注目される3つの理由
リセッションはどの国でも起こり得ますが、とくに米国の動向は世界中から注目されています。
その理由は以下の3つです。
米国(アメリカ)が世界最大級の経済大国だから
米国の名目GDPは以下のように、約29.3兆ドルと世界1位です(2024年時点)。世界全体のGDP約4分の1を占めており、その経済規模は圧倒的といえるでしょう。
出典:グローバルノート|世界の名目GDP国別ランキング・推移(IMF)
これほどの規模を持つ米国で消費や投資が落ち込めば、輸出入を通じて各国の経済にも波及します。
米国のリセッションが世界的な景気後退の引き金になりやすいのは、この経済規模の大きさが背景にあります。
世界の金融市場の中心だから
ニューヨーク証券取引所やNASDAQは世界最大規模の株式市場です。
S&P500やNYダウといった主要な株価指数を各国の投資家が注視しています。
そのため、米国株が大きく下落すると、日本を含む各国の株式市場も連動して下落しやすくなるでしょう。また、外国為替市場では対米ドルの通貨ペアが取引全体の約89%※を占めています。
米国発のリセッション懸念は、株式だけでなく為替や債券を含む世界の金融市場を揺さぶるでしょう。
ドルが基軸通貨だから
米ドルは世界の貿易や金融取引で最も広く使われている通貨で「基軸通貨」と呼ばれています。
原油をはじめとする国際的な商品の取引もドル建てが主流です。
米国がリセッションに入ると、景気を下支えするために利下げが行われ、ドル安が進みやすくなります。
ドルの価値が変動すれば、ドル建てで取引する各国の企業や生活にも影響がおよぶでしょう。
参考元公益財団法人国際通貨研究所|基軸通貨/オイルマネーと原油取引のドル建て表示
リセッションへの対策方法

リセッションは景気循環の中で必ず起こりうる状況です。リセッションは株価に大きな影響を与え、実生活にも影響を及ぼします。リセッションに対して投資家ができる対策について、ご紹介します。
分散投資を心がける
リセッションになると世界的に株価は下落していきます。それゆえ、リセッションに強い安全資産を事前に保有しておくことでリスクヘッジになります。
具体的には債券やゴールドなど不景気に強い金融商品にも分散して投資しておくのがおすすめです。
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ペーパーアセット以外にも投資する
かつて株式のリスクヘッジとして債券が有利とされてきました。
それは、リセッション時に株式と債券の価格が反比例するからとされているのですが、最近はいずれも同じような値動きをすることが増えています。
それゆえ、ペーパーアセット以外の実物への投資をしておくのも良いでしょう。
具体的には不動産やゴールドでも地金などを保有することです。
不動産であれば、物件等の売却益でなく、家賃収入などのインカムゲインが見込めて不景気に強いとされています。
ディフェンシブ銘柄を検討する
株式の中でも不景気に強い銘柄=ディフェンシブ銘柄というのがあります。
個人消費が停滞しても、食料品など生活に必要なものは必ず購入します。それゆえ、リセッション入りしても株価が下落しにくい銘柄を検討することがリセッション対策になります。
例えばガスや電気、通信といったインフラ関連のディフェンシブ銘柄をポートフォリオに組み入れておくなどです。
生活防衛資金などを確保する
リセッション入りするということは、世の中が不景気に向かっていくことを意味します。
それゆえ、人によっては給与が減ったり、リストラをされるといったことが起こり得ます。
景気が悪いので相次いで企業が倒産するなど世間で暗いニュースが流れることもあります。
それゆえ、人によっては投資どころではない経験をする人もいます。
生活するお金がなければ、精神的な余裕もなくなってしまうことでしょう。
市場が好調な時は投資に資金を回したいでしょうが、生活防衛資金をしっかり確保しておくことは何より重要です。
どのような環境になっても生活できないといった事態を避けるために、まとまった資金を確保しておきましょう。
預貯金を持つというのも、安定した資産形成には必要なことです。
「これからリセッションが来ると思うと株なんて怖くてできない。」という方がいらっしゃいます。危機に備えるのは大事ですが、そのために機会損失をしている可能性も。また、そういった危機でも、しっかり資産を守りながら増やすのがプロです。しかし自分ではできないという方には、投資顧問の利用をおすすめします。当サイトを運営するライジングブル投資顧問は、株の「売買サポート」を行っております。ライジングブルの売買サポートサービスは、3ヶ月9,000円で買い推奨だけではなく、売却、銘柄入替するところまで、リスク管理をしながらサポートします。
過去のリセッション事例
過去に起こったリセッションの事例を紹介します。
引用:日興アセットマネージメント|米国の景気後退局面では株価は底打ちする傾向
ブラックマンデー
ブラックマンデーは、1987年10月19日月曜日に始まったニューヨーク株式市場の大暴落のことです。
当時のアメリカは、財政赤字と貿易赤字の双子の赤字を抱えていました。
財政再建策を実施するも、改善は見られず赤字は拡大していきます。また、世界的なドル安が進み、投資家の不安も加速し、大暴落が起こりました。
リーマンショック
リーマンショックは、2008年9月15日にアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻したことを機に、世界中に広がった金融危機のことです。
低所得者を対象とした高金利の住宅ローンであるサブプライムローンが不良債権化したことで、サブプライムローンを大量に保有していたリーマンブラザーズが破綻し、他の金融機関も相次いで破綻していきました。
リーマンショックの影響は、アメリカ国内にとどまらず、世界中に影響を与えました。
日本でも日経平均株価が約50%下落するなどの影響がありました。
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株価暴落はいつまで続く?過去の事例から原因と今後の対策を解説
リセッションに関するよくある質問

最後に、リセッションに関するよくある質問を紹介します。
- 日本のリセッションはいつ起きますか?
- 2026年現在のリセッションはどのような状況ですか?
- リセッションに強い資産はありますか?
- リセッションとS&P500の関係性は?
- リセッションは何年続く?
- 米国株のリセッションはいつですか?
- リセッション入りすると株価はどうなる?
日本のリセッションはいつ起きますか?
2026年3月時点で、日本は正式なリセッションには入っていません。内閣府が公表した景気動向指数(2026年1月分速報※)でも上昇傾向が続いており、景気後退を断言する状況にはないでしょう。
ただし、正式な景気後退の認定は内閣府が事後的に判定する仕組みのため、リアルタイムでの断言は困難です。
内閣府の景気動向指数は毎月公表されているので、定期的にチェックしておくとリセッションの兆候を早めに把握しやすくなるでしょう。
※参照元:内閣府|景気動向指数(令和 8(2026)年 1 月分速報)
2026年現在のリセッションはどのような状況ですか?
2026年3月時点で、日米ともに正式なリセッション入りは宣言されていません。
ただし、中東情勢の悪化を受けて原油価格が急騰しており、企業のコスト増や物価上昇から景気が悪化するとの見方も広がっています。
原油高が長引けば、世界的なリセッションにつながる可能性もあるため、今後の動向には注意が必要です。
参考元:日本経済新聞|「米国不況の確率5割超」、悲観に傾くウォール街 紛争長期化備え
リセッションに強い資産はありますか?
債券や金(ゴールド)などの安全資産は、リセッション局面で強いとされています。不動産のように家賃収入(インカムゲイン)が見込める実物資産も、比較的値動きが安定しやすいでしょう。
株式であれば、食料品やインフラなどの生活に欠かせない業種の「ディフェンシブ銘柄」が相対的に下落幅が小さい傾向にあります。
ただし、どの資産も必ず値下がりしないとは限りませんので、分散投資を心がけておきましょう。
リセッションとS&P500の関係性は?
S&P500は米国の代表的な株価指数で、リセッション局面では大きく下落する傾向があります。過去の実績では、リーマンショック時に約55%※、コロナショック時に約34%※の下落を記録しました。
下落幅は大きいものの、長期的にはいずれも回復しているため、慌てて売却せず長期目線での積立が大切です。
※参照元:三菱UFJ eスマート証券|リセッション(景気後退)が来る!?アメリカの株価下落率はどうなる?
リセッションは何年続く?
米国の例では、1960年以降の平均期間は約10.6ヵ月※です。
最短は2020年のコロナショック時で2ヵ月※、最長は2008〜2009年のリーマンショック時で18ヵ月※でした。
なお、リセッションはいずれ回復局面に移行します。過度に悲観する必要はないでしょう。
※参照元:日興アセットマネジメント|米国の景気後退局面では株価は底打ちする傾向
米国株のリセッションはいつですか?
2026年3月時点で、NBERによる新たなリセッションの認定はありません。
ただしNBERの発表は速報性が低く、景気後退に入っても時間が経たないと正式に認定されません。
リセッションの兆候を早めにつかむには、米国の雇用統計やGDP成長率が参考になります。
長短金利差(長期金利と短期金利の逆転)にも注目しておくとよいでしょう。過去の局面では、長短金利の逆転が起きてから5〜16ヵ月後にリセッション入りする傾向がみられています。
リセッション入りすると株価はどうなる?
リセッション局面では、世界的に株価が下落する傾向があります。
たとえばリーマンショック時には、アメリカのダウ平均株価は約54%※下落しました。日経平均株価も約1ヵ月半で約41%※下落しています。
なお、株価はリセッションの正式認定より先に下落をはじめ、終了を待たずに底を打つケースも多くあります。
リセッションが宣言されてから慌てて売却すると、すでに安値圏で手放す結果になりかねませんので、慎重に判断しましょう。
※参照元:松井証券|リーマンショックとは?いつ・どうやって・なぜ起きた?基本をわかりやすく解説
まとめ:リセッションを正しく理解し冷静な資産防衛を

リセッションとは、景気がピークから底に向かう「後退局面」を指す経済用語です。
企業の業績悪化や雇用の縮小、株価の下落など幅広く影響がおよびます。
とくに米国のリセッションは基軸通貨ドルの影響力もあり、日本を含む世界経済に波及しやすい構造です。
2026年4月現在、日米ともに正式なリセッション入りは宣言されていませんが、中東情勢や原油高騰など不透明要因は増しています。
ただし、リセッションは景気循環の一部であり、過去の局面でも回復に転じてきました。
個人への影響を最小限にするためにも、分散投資や生活防衛資金の確保など、今のうちから備えを進めておきましょう。
【ご注意事項】
本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
株式投資には元本割れのリスクがあります。
投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
記載のデータは2026年4月5日時点のものです。
最新情報は各企業のIR資料等でご確認ください。

引用:日興アセットマネージメント|米国の景気後退局面では株価は底打ちする傾向

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