
将来が不透明な昨今、資産形成や投資を行う人が増えてきました。巷では、投資を指南する書籍やネット上での情報があふれています。
また、日本の投資環境は個人投資家が参入しやすくなり、NISAなどの非課税優遇制度なども充実してきました。アベノミクスの影響もあって、日本株市場も好調に推移しています。
しかし、株式市場は過去に何度もリセッションを経験し、リーマンショックやコロナショックなどに見舞われてきました。
リセッション経験がない投資家も増えている今、再びリセッションが起こるのでは?という声も出てきています。
最近投資を始めたばかりだと、そもそもリセッションとは?と思っている人もいることでしょう。
この記事では、リセッションの意味やその原因、リセッション時にとるべき行動などについて解説していきます。
来たるべくリセッションに向けて、やっておくべきことなどをしっかり学んで着実な資産形成を目指しましょう。
目次
リセッションの基礎知識
まずリセッションの意味やその原因について説明します。リセッションは投資の世界で株価に大きく影響を与えるので、その内容をしっかりと理解しておく必要があります。
そもそもリセッションとは?
リセッションは、景気後退局面のことを指します。
景気は拡大と縮小を繰り返し、景気の拡大がピークに達した時点を景気の山、景気の後退がピークに達した時点を景気の谷と表現します。
リセッションとは、景気の山から景気の谷に向かっている期間のことです。
リセッションの始まりは景気悪化の初期段階、リセッションの終わりは不景気の最大期となります。
つまり、世の中が好景気から不景気へと変化していく期間のことをリセッションと呼びます。
リセッションが起こる原因
そもそも景気は常に循環しています。つまり、景気は大きなサイクルで良くなったり悪くなったりを繰り返します。
景気は企業の商品やサービスが売れ行き好調であれば、企業の利益が増えます。
企業は利益を設備投資や、従業員の給与や株主への配当金などに配分します。
従業員や個人投資家にお金が回れば、消費につながり、さらに企業の売り上げが増えて好景気になっていくわけです。
しかし、企業のモノやサービスの需要がひと段落すると、今度は以前ほどモノやサービスが売れなくなります。
商品が売れなければ企業の利益は落ちて、従業員の賃金や株主への配当金なども削減されていきます。
お金が回らなければ、消費が抑制されてますます企業の利益が落ちていくことになります。
こうして好景気から徐々に不景気になるリセッションが起こるというわけです。もちろん、景気は循環しているので、リセッションもいつまでも続くわけではありません。
新たなモノやサービスが登場し、人々の購買意欲などが高まっていけば、不景気から好景気への流れが出てきます。
景気後退局面から景気拡張局面へと変化すれば、リセッションも終焉を迎えるというわけです。
リセッションの判断材料
リセッションは各国で定義が異なります。なぜならば、リセッションであるかどうかを判断する際に、いくつかの経済指標が参照されるためです。
一般的に日本では、DI(=Diffusion Index)とGDP(Gross Domestic Product)が判断材料に挙げられます。
DIとはさまざまな景気動向を指数化したものです。毎月内閣府によって公表されています。
DIが50%を下回る状態が継続している場合リセッション入りと判断されます。
GDPとは、国内総生産のことです。
一定期間に国内で生産されたモノやサービスの付加価値の合計額を指します。
GDPは国の成長率を表し、GDPの数値がマイナス続きだとリセッション入りしたと判断されます。
リセッションによる影響等について
リセッションが起きると株価などに大きく影響します。特に米国のリセッションは世界的に注目されており、多くの人に影響を及ぼします。
リセッションによる一般的な影響とは
リセッションとは景気が後退する時期です。
したがって、好景気から不景気に向かう時期なので企業の売上が上がらず、株主などは利益を得づらくなります。
また、企業の利益が減少するため、いわゆるコストカットが起こります。
設備投資なども停滞し、従業員がリストラされたりします。その結果、個人消費なども冷え込み、不景気に拍車がかかっていきます。
米国のリセッションが注目される理由
さまざまな国でリセッションが起こる可能性がありますが、特に米国のリセッションが投資家から注目されています。
なぜかといえば、アメリカは世界でGDP第一位の経済大国だからです。
世界中でサービスが利用されているAmazonやMacrosoftといった大企業もアメリカに本社を置いています。
アメリカの企業は多国籍企業でもあり、米国の景気状況が世界に与える影響は少なくありません。
アメリカがリセッション入りするということは、アメリカ以外でも景気が後退していく可能性が高いです。
それゆえ、世界的なリセッションをアメリカに端を発すると考えられており、多くの人の注目を集めているわけです。
過去のリセッション事例
過去に起こったリセッションの事例を紹介します。
引用:日興アセットマネージメント|米国の景気後退局面では株価は底打ちする傾向
・ブラックマンデー
ブラックマンデーは、1987年10月19日月曜日に始まったニューヨーク株式市場の大暴落のことです。
当時のアメリカは、財政赤字と貿易赤字の双子の赤字を抱えていました。
財政再建策を実施するも、改善は見られず赤字は拡大していきます。また、世界的なドル安が進み、投資家の不安も加速し、大暴落が起こりました。
・リーマンショック
リーマンショックは、2008年9月15日にアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻したことを機に、世界中に広がった金融危機のことです。
低所得者を対象とした高金利の住宅ローンであるサブプライムローンが不良債権化したことで、サブプライムローンを大量に保有していたリーマンブラザーズが破綻し、他の金融機関も相次いで破綻していきました。
リーマンショックの影響は、アメリカ国内にとどまらず、世界中に影響を与えました。
日本でも日経平均株価が約50%下落するなどの影響がありました。
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リセッションへの対策方法
リセッションは景気循環の中で必ず起こりうる状況です。リセッションは株価に大きな影響を与え、実生活にも影響を及ぼします。
リセッションに対して投資家ができる対策について、ご紹介します。
分散投資を心がける
リセッションになると世界的に株価は下落していきます。それゆえ、リセッションに強い安全資産を事前に保有しておくことでリスクヘッジになります。
具体的には債券やゴールドなど不景気に強い金融商品にも分散して投資しておくのがおすすめです。
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ペーパーアセット以外にも投資する
かつて株式のリスクヘッジとして債券が有利とされてきました。
それは、リセッション時に株式と債券の価格が反比例するからとされているのですが、最近はいずれも同じような値動きをすることが増えています。
それゆえ、ペーパーアセット以外の実物への投資をしておくのも良いでしょう。
具体的には不動産やゴールドでも地金などを保有することです。
不動産であれば、物件等の売却益でなく、家賃収入などのインカムゲインが見込めて不景気に強いとされています。
ディフェンシブ銘柄を検討する
株式の中でも不景気に強い銘柄=ディフェンシブ銘柄というのがあります。
個人消費が停滞しても、食料品など生活に必要なものは必ず購入します。
それゆえ、リセッション入りしても株価が下落しにくい銘柄を検討することがリセッション対策になります。
例えばガスや電気、通信といったインフラ関連のディフェンシブ銘柄をポートフォリオに組み入れておくなどです。
生活防衛資金などを確保する
リセッション入りするということは、世の中が不景気に向かっていくことを意味します。
それゆえ、人によっては給与が減ったり、リストラをされるといったことが起こり得ます。
景気が悪いので相次いで企業が倒産するなど世間で暗いニュースが流れることもあります。
それゆえ、人によっては投資どころではない経験をする人もいます。
生活するお金がなければ、精神的な余裕もなくなってしまうことでしょう。
市場が好調な時は投資に資金を回したいでしょうが、生活防衛資金をしっかり確保しておくことは何より重要です。
どのような環境になっても生活できないといった事態を避けるために、まとまった資金を確保しておきましょう。
預貯金を持つというのも、安定した資産形成には必要なことです。
「これからリセッションが来ると思うと株なんて怖くてできない。」という方がいらっしゃいます。危機に備えるのは大事ですが、そのために機会損失をしている可能性も。また、そういった危機でも、しっかり資産を守りながら増やすのがプロです。しかし自分ではできないという方には、投資顧問の利用をおすすめします。当サイトを運営するライジングブル投資顧問は、株の「売買サポート」を行っております。ライジングブルの売買サポートサービスは、3ヶ月9,000円で買い推奨だけではなく、売却、銘柄入替するところまで、リスク管理をしながらサポートします。
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まとめ
リセッションとは景気後退局面のことを指します。
景気は基本的に好景気と不景気の波が交互にやってくるもので、リセッションは好景気から不景気に向かっていく期間のことです。
したがって、株価は下落基調になりますし、経済環境は悪化していく時期でもあります。
世界各地でリセッションが起こっていますが、世界的な経済大国であるアメリカのリセッションについては、世界的な影響も大きいので常に注目されています。
かつてブラックマンデーやリーマンショックなどの世界的な経済危機がありましたが、すべてはアメリカのリセッション入りが始まりとなっています。
投資家は、来るべきリセッションに向けて情報収集するとともに、自分の投資についてもリスクヘッジをしておく必要があります。
リセッションへの対策方法として、分散投資や安全資産の保有が挙げられます。
リセッションは、ある程度予測できても思いもよらぬ時にやってくるものです。
しっかりと対策をし、実際にリセッションが起きた場合にも安心できる資産形成を心がけたいものですね。
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