【米国株ETF】今、話題のレバレッジ型ETF「SOXL」とは?~ICE半導体指数3倍連動型ETFとは何か?

SOXL業界を表す半導体イメージ

半導体業界は近年急速な成長を遂げています。スマートフォン、クラウドコンピューティング、AIなどの技術進歩に伴い半導体は生活やビジネスに不可欠な存在となりました。そのため、米国の半導体指数に連動するETFが注目されています。

特に注目すべきなのがICE半導体指数(ICEセミコンダクターズ・インデックス)3倍連動型ETFであるSOXL(Direxion Daily Semiconductor Bull 3x Shares)です。

SOXLは、ICE半導体指数に連動して3倍のリターンを目指すレバレッジETFです。エヌビディア株やAMD株、クアルコム株など米国半導体株が上昇するときは、レバレッジが効き3倍上昇することから注目されています。

しかし、レバレッジETFはリスクも大きいため、十分な理解と注意が必要です。

この記事では、SOXLの仕組みやそのリスクについて詳しく解説します。半導体業界への投資を検討している方や、SOXLに興味がある方、レバレッジETFに興味のある方はぜひご覧ください。理解が浅い方でも、この記事を読めばSOXLやレバレッジETFについて正確かつ詳細に理解できるでしょう。

SOXLとは

引用元: tradingview.com

SOXLは、Direxion Daily Semiconductor Bull 3X Sharesのティッカーシンボルです。これはレバレッジETF(Exchange Traded Fund)の一つで米国ICE半導体指数(ICEセミコンダクターズ・インデックス)のパフォーマンスを日々300%(または3倍)目指すという目的を持つものです。

フィラデルフィア半導体セクター指数のSOXは半導体産業に焦点を当てた主要指数で、NASDAQのフィラデルフィア取引所(PHLX)が管理しています。SOX指数は、アメリカの半導体製造企業を表すものです。

つまり、SOXLは半導体業界が急速に成長するときには非常に大きなリターンを提供する可能性がある一方で、この業界が下降した場合、投資家は大きな損失を被る可能性があります。

したがって、SOXLに投資する前には、そのリスクを完全に理解し、リスク許容度と投資目標に合致しているかどうかを確認することが重要です。

関連ページ:【米国株ETF】今話題のレバレッジ型ETF「TECL」とは何か?

ティッカーとは?
ティッカーとは、日本株の銘柄コードのように、個々の銘柄を識別するためにつけられた記号です。シンボルとも言います。 米国では個別株、ETFともにアルファベットで表します。

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SOXLの特徴と値動きは?

TECLの特徴と値動きは?

SOXLは、ICE半導体指数(ICEセミコンダクターズ・インデックス)に3倍連動することにより、100→110へICE半導体指数が上昇すれば130へ上昇し、100→90へ下落すると70へと下落する性質を持ちます。

ICE半導体指数とは、フィラデルフィア半導体株指数と似ていますが、組入銘柄数は30銘柄で、対象はニューヨーク証券取引所、シカゴオプション取引所、アメリカ証券取引所、ナスダックです。

米国株が大きく下げた2022年には、半導体セクター指数が大幅に下落したことにより、損失を被る投資家もいました。上がることだけでなく、下がることも考えておく必要があります。ちなみに、2022年初の株価は69ドルでしたが、安値は6.21ドルまで下げました。

100株購入したとしたら、102円/(当時の為替レート1ドル)×100株×69ドル=69万円→7万円を切るところまで下げたことを意味します。あっという間に10分の1になりました。このような値動きの怖さを知っておくことは理解の第一歩です。

逆に、2022年安値6ドルから2023年7月は1株25.69ドルと上昇しています。あっという間に10%・20%上下します。乱高下がとても激しいので十分にお気をつけください。

レバレッジETFの運用が得意な運用会社

レバレッジETFの運用に特化した会社はいくつか存在しますが、TECLはDirexion(ディレクション社)が運用会社です。Direxion(ディレクション社)は、1997年に設立されたETF運用会社です。アメリカや香港などに拠点を置き、レバレッジやインバースETFを提供する運用会社です。その大部分が3倍のレバレッジを提供するレバレッジETFと逆ETFの広範なラインナップで知られています。製品は株式市場、セクター、商品など様々な市場をカバーしています。

SOXLはいくらで買える?経費は?

いくらで買える?経費は?

ETF(上場投資信託)の購入単位は1株単位でSOXLは1株55.32ドル(株価、為替レートは2024年3月8日現在)です。為替は1ドル147.07円ですから8,135円で1株購入できます。

10株で81,350円、100株で約813,500円です。

SOXLのコスト

SOXLの年間の経費率は0.76%です。(2024年3月11日現在)他に米国株の取引き手数料などは各証券会社で異なりますがSBI証券で0.45%(税込)、813,500円の約定としても3,660円程度です。経費を知っておくことは重要です。(実際の手数料は証券会社でご確認ください。)

SOXLの運用成績

TECLの運用成績

SOXLのトータルリターン

 

期間トータルリターン
3ヶ月106.97%
1年211.77%
3年21.80%

(2024年3月11日現在)

SOXLの配当金と配当利回り

SOXLの配当金は通常、四半期ごとに配当が出ます。支払時期は3月、6月、9月、12月の年4回です直近の配当利回りは0.52%です。

分配金

直近配当額は0.06318(2023年12月21日)です。

藤村 哲也

この銘柄は分配金には期待しない方がよいです。

SOXLの組み入れ銘柄

構成銘柄のイメージ

SOXLの目的はICE半導体指数(ICEセミコンダクターズ・インデックス)の日々のパフォーマンスを3倍にすることです。したがって、このETFは主にICE半導体指数セクターに含まれる銘柄に投資します。

具体的な銘柄とその比率は、時間の経過とともに変動する可能性がありますが、2023年7月12日現在ではアップル, マイクロソフト、 アドビ、 ゴールドマンサックス、ペイパルなどが含まれます。アップルとマイクロソフト、Dreyfus Government Cash Manaの割合が高い状況です。

SOXLの組み入れ銘柄

レバレッジ型ETF「SOXL」構成銘柄

Bloomberg

組み入れ銘柄について

エヌビディア(NVIDIA Corporation)(組み入れ比率4.79%)
NVIDIA Corporation(エヌビディア)は、GPUおよびAI関連テクノロジーの開発で世界的に知られるアメリカの半導体企業です。現在でゲーム、データセンター、自動運転車など、さまざまな分野で活用される高性能なGPUを製造販売しています。特に注目すべきは、NVIDIAが開発したGPUが、深層学習という形のAIの計算を高速化するのに役立つということです。これにより、NVIDIAはAIとデータサイエンスの分野で非常に重要な役割を果たしています。

・ブロードコム株(組み入れ比率0.98%)
ブロードコムは、半導体とインフラストラクチャソフトウェアソリューションを提供する大手半導体企業です。データセンター、ネットワーキング、ソフトウェア、ブロードバンド、ワイヤレス、およびストレージおよびインダストリアル市場で使用されています。2016年には、シンガポールのアヴァゴ・テクノロジーズによる370億ドルの買収が完了し、新会社はブロードコムの名前を引き継いだ。これは、テクノロジー産業における史上最大の取引の一つであり、半導体市場の競争力を高めました。現在、ブロードコムは半導体業界の主要なプレイヤーであり、その製品は世界中のテクノロジー製品とインフラに広く使用されています。

SOXLのメリットとデメリット

メリット・デメリット

米国系の半導体企業は、やはり世界的に強く、投資対象として魅力があります。SOXLはそれら魅力的な投資対象をパッケージ化し、複数有望企業に1株3,000円程度で購入できるので、いろいろな使い方ができます。ただし、レバレッジが3倍掛かっていますので、下がるときもあっという間ですので、くれぐれも、購入は慎重にお願いいたします。

SOXLのメリット

上昇するときはあっという間に資産が増加します。その時には管理費は気にならず、3倍のレバレッジ効果はすさまじいものがあります。上手く使っていけば、資産運用の武器になります。

●高いリターンの可能性

半導体業界は今後の成長性が高い分野であるため、ICE半導体指数に対して3倍レバレッジをかけた値動きを目指すSOXLは半導体市場が好調な場合には大きな利益を得る可能性があります。

●短期投資で利益

半導体指数の3倍レバレッジをかけた値動きを目指すため、市場が上昇している時には短期的な売買でも利益を得られる可能性があります。

SOXLのデメリット

上昇があっという間ということは下落もあっという間です。レバレッジ商品であるため、価格変動リスクも高いことに留意する必要があります。

●価格変動リスクが高い

半導体指数に3倍レバレッジがかかるので、価格変動リスクが高まる可能性があります。半導体業界や株式市場全体に影響を与える要因が変化すると、SOXLの価格も急激に変動する可能性があります。

●管理費用が高い

 レバレッジETFは、非レバレッジETFよりも管理費用が高いのが通常です。SOXLの管理費は0.76%です。ノーロード型のETFが管理費0に対して、年々管理費がかかることはデメリットの一つです。他に後述するように手数料が掛かります。年に1%近く管理費が掛かることから、管理費が年々負担になっていきます。

●セクターに関するリスクがある

半導体企業はインテルなど米国企業だけでなく、欧州やソニーなど日系企業、Samsungなど韓国企業や中国の半導体メーカー、台湾のTSMCなど数多くの半導体メーカーがあります。競争も激しく日進月歩です。かつて日立など一時期勢いのあった日系半導体メーカーもあっという間に苦しい立場に追い込まれました。PC向けCPUで謳歌したインテルはスマフォの台頭で凋落し、浮き沈みの激しい業界です。年々資金負担も増しています。

半導体産業自体の成長は疑いないですが、価格競争や設備投資力の違いによって、浮き沈みがとても激しい業界です。リスクを認識した上で検討されることが重要となります。

●為替リスクがある

米国ETFはドル建てで取引されるため、為替リスクがあります。為替市場は非常に変動しやすく、外部要因や経済情勢によって為替レートが大きく変動することがあります。これにより、SOXLの投資パフォーマンスが予想外の方向に進展する可能性があります。たとえば、SOXLの株価が好調だった場合でも、為替レートの変動によって日本円ベースでの収益が減少することが考えられます。

●つみたてNISA等の対象ではない

大きく下がってしまうリスクがあるため、つみたてNISAなどでは組み入れ対象銘柄にはなっていません。

 

SOXLの購入方法は?

米国株購入

SOXLはどうすれば購入できるのか?

①SOXLを取り扱っている証券会社で口座開設する
②外国株式口座を開設する
③口座に入金する
④外国株式口座に資金を振り替える
⑤注文を出す

SOXLを購入するためには、証券会社の口座を開設しなければなりません。証券総合口座だけでなく外国株式口座の開設もお忘れなく。また、証券会社の中にはSOXLを取り扱っていないところもあるので、事前に確認してから口座開設をしましょう。証券会社によっては、証券総合口座から外国株式口座に資金を振り替えないと、外国株式が購入できないところもあるので注意してください。また、レバレッジETFは高リスクであり、投資前にリスクを理解し、適切な投資アドバイスを受けることが重要です。

SOXLが買えるおすすめネット証券

弊社では下記の2社をおすすめしています。

SBI証券楽天証券
米国株式の場合の手数料1注文あたり約定代金の0.495%(税込
最低手数料:0ドル、
上限手数料:22ドル(税込)
1回の取引につき約定代金の0.495%(税込)
最低手数料:0ドル、
上限手数料:22ドル(税込)
外国株式の取引で無料は以下となります。
①米国株式のお取引で、約定代金が2.02米ドル以下のお取引
②海外ETF(米国・中国・韓国)のNISA預りでの買付のお取引
③一部の米国ETFの買付のお取引
米国上場ETFは15銘柄を対象に買付手数料を無料
貯まるポイントTポイント/Pontaポイント/dポイント/Vポイントなど楽天ポイント
NISAの取扱あり
(NISA/つみたてNISA/ジュニアNISA)
あり
(NISA/つみたてNISA/ジュニアNISA)
つみたてNISA195本192本

上記以外に一部のSOXLの取り扱い大手証券会社の例
マネックス証券、野村証券

SOXLは今、買い時なのか?

TECLは今、買い時なのか?

今のSOXLの株価は1株55.32ドル。2021年高値69ドルから2022年の安値6ドルまで大暴落し、今はようやく55.32ドルまで戻ってきたところです。2021年は世界中の資金が米国の半導体株に集まりました。その結果、金融引き締め、金利引き上げで、一気に熱が冷めていったのが、2022年。2023年はようやく傷が癒えてきた局面といえるでしょう。

2021年の過熱は冷めて、再度過熱感が高まるようであれば、金利引き上げ気運が高まってくるでしょう。そのため2021年の高値69ドルを越えていくような展開は当面は難しいかもしれません。レバレッジ3倍が効いているため、上げ方も下げ方もあっという間ですし、かつ為替が円高になった場合はダブルパンチになるリスクもあるので気をつけましょう。

投資金額は少額にして、少しづつ様子を見ながら、下がったら買い足していくようなイメージがいいかもしれません。もしくはSOXLに関しては、短期トレーディングと割り切るかです。

世界中の資金は、現在は割安感の強い日本株に目がいっている時期です。米国株は1回、2021年にピークとなりましたので、割安な日本株にも目を向け、国際分散投資の視点をもつことも重要となります。

SOXLは怖いけどETF内容には魅力を感じる方におすすめの銘柄

TECLは怖いけどETC内容には魅力を感じる方にはXLKがおすすめ

SOXLは3倍レバレッジがかかっていますが、下記ファンドは対象は同じICE半導体指数(エヌビディア株やブロードコム株など)ですが、レバレッジがかかっていません。3倍のリスクを取るのが怖いけど、米国株の半導体株に魅力を感じているのであれば、これらレバレッジが効かないETFも選択肢としてありです。

SOXX(iシェアーズ半導体ETF)

SOXXはICE半導体指数が上昇すれば100→110へ上昇すれば110へ上昇し、100→90へ下落すると90へと下落する性質を持ちます。

SOXXは、iShares PHLX Semiconductor ETFのティッカーシンボルで、これは半導体セクターに投資するための取引所取引ファンド(ETF)です。SOXXは、ICE半導体指数に連動するように設計されています。

SOXL以外のセクター別レバレッジETF

2~3倍のレバレッジが掛かるレバレッジETFにはいくつも種類があります。SOXLはセクター別レバレッジETFの部類に入ります。特定の市場セクター(金融、エネルギー、テクノロジーなど)を追跡し、そのパフォーマンスを倍化します。

項目内容
逆レバレッジETFこれらのETFは、基準となる指数が下落するときに利益を出すように設計されています。つまり、これらのETFは指数が下落すると価格が上昇し、指数が上昇すると価格が下落します。これらは通常、ベアマーケットや市場が下落すると予想される期間に使用されます。

●SOXS(Direxionデイリー半導体株ベア3倍ETF)

SOXLはICE半導体指数が上昇すれば3倍上昇しますが、逆に3倍下落するのがSOXSで、下がると思ったときに購入出来ます。ICE半導体指数が下落すると、SOXSはその価値を3倍に増加させることを目指し、逆に、指数が上昇すると、SOXSの価値は減少し、これも3倍の要素で考慮されます。つまり、ICE半導体指数が100→110へ上昇すれば70へ下落し、100→90へ下落すると130へと上昇する性質を持つのがSOXSです。

グローバルX 半導体 ETF

2023年4月13日にグローバルX 半導体 ETF(銘柄コード:2243)が新規上場しました。「ICE半導体指数」ではなく「フィラデルフィア半導体株指数(SOX)」との連動を目指すETFで円換算したのがグローバルX 半導体 ETFです。2023年7月12日現在1株1,226円です。ちなみに、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)とは、半導体の製造・流通・販売を手掛ける企業(インテル、AMD、クアルコムなど30銘柄)の株式で構成される単純平均株価指数で、2021年以前はSOXLなどが連動を目指していた指数です。

まとめ

SOXLは、そのレバレッジ性質と、半導体産業の成長の可能性から、一部の投資家にとって魅力的な投資先となっています。このETFは、半導体産業のパフォーマンスを3倍に増幅することで、この分野での上昇トレンドから大きな利益を得る可能性があります。しかし、レバレッジETFはリスクも大きいことを十分認識することが重要です。

市場が逆に動いた場合、SOXLの損失は普通のETFよりもとても大きくなる可能性があるからです。また、レバレッジETFは長期的な投資に向いていないことも認識しておくべきです。これは、日々のリバランスがコストを増加させ、長期的なリターンを食いつぶす可能性があるからです。

結論として、SOXLは半導体産業の強気の動きを利用したい投資家にとっては有用なツールとなり得ます。しかし、その潜在的なリターンに惹かれる前に、レバレッジETFのリスクと特性を完全に理解し、半導体産業の浮き沈みや自身の投資目標、リスク許容度、投資期間と照らし合わせるべきです。賢明な投資は十分な情報と理解に基づくものであるべきだと思います。

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