年初から投資信託への資金の流入が続いています。新NISAがスタートしたことが背景にあり、個人投資家の活発な投資意欲が反映されていると考えられています。
インデックスファンドが人気の中心ですが、多くのインデックスファンドの中から何を選ぶか迷う人が多いことも事実です。
インデックスファンドとは、特定の株価指数に連動した投資成果を目指すファンドのことを指しています。
本記事で解説する「たわらノーロードNYダウ」は、NYダウ指数に連動した成果を目指す投資信託です。
NYダウ指数とは?たわらノーロードNYダウはどのような投資信託なのか?
その基本情報と評判、そしてNISAの積立投資についてお伝えします。
目次
株価指数「NYダウ」とは
NYダウは、ニューヨーク証券取引所とNASDAQに上場する企業の中の優良企業30銘柄から構成されている株価平均型の指数です。正式名称は「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」といい、有名な株価指数の一つです。
その他の認知度の高い株価指数としてS&P500がありますが、S&P500は、500銘柄の時価総額加重型を採用しているのに対し、NYダウは株価平均型であるため、30銘柄のうち株価の高い銘柄の変動に指数が影響されやすいことが特徴です。
日本の株価指数で言うと、「日経225」は「NYダウ」、「TOPIX」は「S&P500」と同じ方式です。
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投資信託「たわらノーロードNYダウ」の評判
たわらノーロードNYダウの特徴
たわらノーロードNYダウは、アセットマネジメントOneが運用する「たわらノーロード」シリーズの投資信託で、ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)に連動した運用成果を目指しています。
売買手数料や信託財産留保額の負担はありません。信託報酬(運用管理費用)のみが、投資者の信託財産から日々、差し引かれます。また、NISAで売買が可能な投資信託です。
【基本情報】
(基準日2024.3.28)
運用(委託)会社 | アセットマネジメントOne |
設定日 | 2017.03.21 |
償還日 | 無期限 |
純資産額 | 181.76億円 |
基準価額 | 29,228円 |
決算日 | 毎年10月・12日 |
商品分類 | インデックス型 |
ベンチマーク | ダウ・ジョーンズ工業株価平均 |
投資対象地域 | 海外 |
投資対象資産 | 株式 |
為替ヘッジ | なし |
購入時手数料 | 無料 |
信託報酬(運用管理費用) | 年率0.2475%(税込) |
信託財産留保額 | 無料 |
NISA成長投資枠/つみたて投資枠 | 購入可能 |
たわらノーロードNYダウの組入業種・銘柄トップ10
【業種別】
(基準日:2024.2.29)
順位 | 業種 | 割合 |
1 | 金融サービス | 14.41% |
2 | ソフトウェア・サービス | 14.35% |
3 | 資本財 | 13.27% |
4 | 医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス | 9.12% |
5 | 一般消費財・サービス流通・小売り | 8.85% |
6 | ヘルスケア機器・サービス | 8.01% |
7 | 消費者サービス | 4.74% |
8 | テクノロジー・ハードウェアおよび機器 | 3.69% |
9 | 保険 | 3.54% |
10 | 銀行 | 2.96% |
【銘柄別】
順位 | 銘柄 | 割合 |
1 | UNITEDHEALTH GROUP INC | 8.01% |
2 | MICROSOFT CORP | 6.55% |
3 | GOLDMAN SACHS GROUP INC | 6.32% |
4 | HOME DEPOT INC | 6.07% |
5 | CATERPILLAR INC | 5.30% |
6 | SALESFORCE INC | 4.82% |
7 | MCDONALD’S CORPORATION | 4.74% |
8 | VISA INC | 4.59% |
9 | AMGEN INC | 4.46% |
10 | THE TRAVELERS COMPANIES INC | 3.54% |
投資対象企業はそもそも厳選された30銘柄ですが、上位10銘柄は、ユナイテッドヘルス、マイクロソフト、ゴールドマンサックスなど、誰もが知る米国を代表する企業です。
たわらノーロードNYダウの基準価額と純資産総額の推移
資金の流出入の波はあるものの、投資信託の安定運用の目安とされる純資産総額100億円を超えました。
たわらノーロードNYダウの騰落率
たわらノーロードNYダウの期間ごとの騰落率は下記の通りです。(基準日:2024.3.28)
騰落率(%) | |
1か月前から | +2.89 |
3ヶ月前から | +13.22 |
6ヶ月前から | +20.95 |
1年前から | +44.58 |
3年前から | +77.00 |
5年前から | +130.96 |
設定来 | +192.28 |
騰落率は、任意の期間の最初と最後の基準価額を比較した数字です。たとえば、5年前(2019年)の3月28日を起点とすると、今現在(2024年3月28日)の基準価額は3割増えたことになります。
2017年のファンドの設定から7年間で基準価額は約2倍となっていることがわかります。
たわらノーロードNYダウのリターン
たわらノーロードNYダウの期間別リターンを確認してみましょう。リターン年率は、分配金を再投資した場合の基準価額を用いて、ファンドの収益率を年率換算したものです。
(更新日:2024.3.24)
6ヶ月 | 1年 | 3年 | 5年 | |
リターン(年率) | 45.97 | 46.21 | 21.01 | 17.86 |
仮に、1年前にたわらノーロードNYダウに100万円投資をしていたら、含み益は46万円となっている計算です。
たわらノーロードNYダウは、NYダウ指数を上回る成果を出していますが、下記、NYダウの株価指数の推移が2023年11月以降、右肩上がりであることがリターンを裏付けています。
【NYダウ指数 1年推移グラフ】
積立投資の複利効果とは
分配金を再投資する積立投資の場合、運用期間が長くなるほど複利効果が高まるため、効率的な資産形成が期待できます。
たとえば、毎月5万円を20年間、積立投資する場合で複利効果を検証してみましょう。
想定利回りは①5% ②8% ③10%の3つです。(税金を考慮しない)
(金融庁:資産運用シミュレーション)
短期間の運用の場合は運用成果の差はそれほどありませんが、運用期間が長くなるほど、分配金が利息を生む回数が増えるため運用成果の幅が広がることがわかります。
たわらノーロードNYダウでシミュレーション
たわらノーロードNYダウの5年リターンの実績を用いて、10年間積立投資した場合をシミュレーションしてみましょう。(信託報酬コストは考慮しない)
積立元本120万円に対して運用益は191万円。約20%の税金控除後の手取り額は273万円となる計算です。
積立投資を始めるならNISAを活用しよう
2024年は投資初心者の投資元年
日銀のマイナス金利政策が解除され、ようやく日本も金利のある世界へ動き出しました。
日銀の発表後、各金融機関では、続々と預金金利の引き上げが発表されていますが、年金の先細りや今後の物価上昇を考えると、資産を預貯金のみに預けておくには不安を感じます。
2024年、新NISAの発足により、一般の人にとって投資をしやすい環境は整ったと言えます。
ただ、投資を始めるには、一定の程度の知識が必要です。なぜなら投資には元本保証はなく全ては自己責任で行わなければならないからです。
投資信託で資産運用を始めるのであれば、投資信託の仕組みや種類の違いなどを理解しておくことが大切です。
資産形成は長期運用が基本
過去のデータでは、投資信託を10年以内に解約してしまうと、損失が出る確率が一定程度ありますが、保有期間が15年を超えると損失の確率は大幅に減少することがわかっています。
運用実績(リターン)はあくまで過去の実績であり、将来のリターンを約束するものではありませんが、投資信託を選ぶ際の参考とすることはできるでしょう。
投資の損失を最小限に抑えるコツは、長期運用、分散投資です。
分散とは、値動きの違う投資信託に分散投資するという考え方のほか、購入時期を分散するという意味もあります。
たとえば、価格が高い時期に、100万円を一括投資してしまうと、価格が下がった際の含み損が大きくなりますが、10万円×10回に分けて投資をすれば、損失を小さくできる可能性があります。
購入資金を定期定額に設定しておけば、価格が安い時には多くの投資信託を購入でき、価格が高いときには少しの投資信託を購入することになります。
購入価格を平準化することが目的のこの方法は、一括投資の場合よりも平均取得額を抑える効果が期待できます。
NISAを利用すれば運用益は全額が収益になる
上記のたわらノーロードNYダウの投資シミュレーションは課税口座で運用した結果であるため、運用成果の手取り額は、税金分が目減りしていました。
仮に、NISAで同じ投資をした場合には、利益に税金はかかりません。本来税金として徴収されるはずの38万円を含めた273万円が手元に残ります。
NISAで積立投資をする場合、投資額ベースで年間360万円以内から生じる利益は非課税です。投資の合計額が1,800万円に達するまで利益に税金がかかりません。
さらに新NISAは無期限に利用ができるようになったため、売買のタイミングを気にすることなく投資が可能です。たとえ運用途中で一時的に含み損が出た場合でも、慌てずに値上がりを待つことができます。
関連記事
新NISA活用ガイド!初心者にわかりやすく新NISAの仕組みとメリットや活用事例を解説
たわらノーロードシリーズの他のファンド
アセットマネジメントOneが運用する「たわらノーロード」シリーズには他に下記のファンドがあります。
追加型投信で投資先資産を国内外の株式とするインデックス型の投資信託です。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし)に連動する投資成果を目指しています。
追加型投信で投資先資産を先進国の株式とするインデックス型の投資信託です。MSCIコクサイ・インデックスに連動する投資成果を目指しています。
追加型投信で投資先資産を日経225指数に連動した運用成果を目指するインデックス型の投資信託です
まとめ
たわらノーロードNYダウは、NYダウ指数に連動した成果を目指すインデックスファンドです。
NYダウ指数は30と少数の銘柄で構成されているため、多くの銘柄を指数対象としているインデックスファンドよりも値動きが大きくなる確率は高いでしょう。
投資信託の特性を理解し長期分散投資を心がけ、NISAの税制優遇を受ければ、効率的な資産形成が期待できるでしょう。
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