投資信託がマイナスのときは放置すべき?持ち続けるコツや放置リスク、売却パターンを解説

投資信託がマイナスのときは放置すべきのイメージ

保有している投資信託が含み損になり、資産がマイナスになっていると「このまま放置してもいいのか」といった不安を感じやすいです。

一般的に、長期で投資信託を運用するなら、一時的な値下がりでも売らずに持ち続けるのが理想です。しかし、資産がどんどん減っていくと不安が強まるだけでなく、精神的なストレスで冷静な判断ができなくなる場合もあります。

本記事では、値下がりしている投資信託を放置するリスクや対処法、売却すべきタイミングについて解説します。

老後やライフイベントに向けて資産を作り上げるための参考にしてみてください。

投資信託がマイナスのときは放置しても良い

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長期目線で利益を狙っているときは、たとえ投資信託の値下がりで資産がマイナスになっても放置するのがおすすめです。

投資信託には長期での運用を前提とした商品が多いからです。たとえば、NISAのつみたて投資枠で買える商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」に限られています。

また、投資信託は複数の株式や債券などに分散投資する商品であり、長期的にリスクを軽減する効果があります。

株式や債券を20年以上にわたって運用すると「元本割れしにくい」というデータもあるため、一時的な値下がりが起きても投資信託を持ち続けるのが無難でしょう。

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投資信託をマイナスで放置する3つのリスク

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マイナスになった投資信託を放置していると、以下の3つのリスクを伴います。

注意点を正しく理解することで、損するタイミングでの売却を防げるようになるでしょう。

短期間では回復しにくい

 

投資信託の基準価額は、一度下がると回復に時間がかかりやすいです。個別株の場合、トレンドや企業の業績によって株価が高騰するケースも多く、一気に資産が回復することがあります。

一方で、投資信託はさまざまな投資先に分散投資しており、組み入れ銘柄が全体的に上昇しないと基準価額は上がりません。

短期での回復は現実的ではないため、含み損を放置しているとなかなか利益を確保できないでしょう。

損失が広がる可能性がある

投資信託をマイナスの状態で放置すると、損失がさらに広がる可能性があります。

「20年以上運用し続ければ元本割れしない」という金融庁のデータもありますが、あくまで過去のデータに基づいた参考情報です。

市場の値動きはだれにもわからないため、たとえ投資信託であっても価格が100%回復する保証はありません。

とくに運用実績が乏しい投資信託や、特定の地域・セクターに偏った商品の場合、長期で運用し続けても含み損の状態が続くリスクが高いです。

さらなる値下がりに不安を感じやすい

マイナスになった投資信託を放置すると「もっと下がるかも」や「回復せず老後資金が足りなくなるかも」といった不安を感じやすくなります。

とくに、含み損の状態が長く続くほど、精神的ストレスは大きくなるものです。不安感から焦って売ってしまうと、回復したときの利益を逃すことになります。

マイナスになった投資信託を放置する5つのコツ

マイナスになった投資信託を放置するコツのイメージ

マイナスになった投資信託を放置し、長期で利益を狙うためのコツは以下の5つです。

「あのとき売らなければ良かった」と後悔しないための参考にしてみてください。

余剰資金で投資する

投資信託の購入は、必ず余剰資金でおこないましょう。余剰資金とは「失っても生活に支障がない範囲の資金」のことです。

投資に熱中するあまり、生活費や急な出費に備えるお金を切り崩して投資していると、少しの値下がりでも焦って売ってしまう可能性があります。

一方で、余剰資金内の投資で資産がマイナスになっても、生活に支障がでにくいです。

投資信託に限らず、株や債券などへの投資も余剰資金で挑戦するのが無難でしょう。

運用のゴールを決める

一時的な値下がりで資産がマイナスになっているときは、改めて資産運用のゴールを見直すのがおすすめです。

目標を再認識すれば、目の前の値下がりを許容できる可能性があります。とくに、以下3つのゴールを見直せば冷静な投資判断ができるようになるでしょう。

ゴール設定概要
目的何のために資金が必要なのか老後の生活費を補うため
期限資金が必要となるタイミングはいつなのか定年(65歳)までに
目標金額どのくらいの資金が必要なのか2,000万円が必要

 

投資を始める前に「運用のゴール」を決め、含み損で不安なときは目標を見直すことで感情任せな行動を防げます。

投資のゴール(出口戦略)については、こちらの「新NISAで活用できる5つの出口戦略!取り崩し金額のシミュレーションを紹介」記事で解説しています。

保有銘柄の運用実績を把握する|長期目線

保有銘柄の運用実績を把握するのも、値下がりを許容するための対策のひとつです。

値下がりを経験しながらも徐々に右肩上がりとなっている投資信託なら、含み損も一時的であると割り切れるでしょう。

たとえば、三菱UFJアセットマネジメントが運用している「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー」は、2018年の運用開始時より2025年6月現在2倍以上に値上がりしています。

「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー」は、2018年の運用開始時より2倍以上に値上がりのチャート

参照元:三菱UFJアセットマネージメント

自信を持って買った投資信託の値下がりに不安を感じているときは、過去チャートを見ると冷静になれるかもしれません。

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複数の投資信託に分散投資する|不安な方

 

とにかく損失リスクを下げたい方は、複数の投資信託を組み合わせてみてください。分散効果が高まり、値下がり時でも含み損を最小限にできるはずです。

参考までに、目的ごとにおすすめの組み合わせの例を以下に列挙しました。

リスクを抑えながら多くのリターンを狙いたい

  • 全世界株式インデックスファンド×米国株式インデックスファンド

全世界の株式にバランスよく投資したい

  • 先進国株式インデックスファンド×新興国株式インデックスファンド

株価暴落に備えて株式以外にも投資したい

  • バランス型インデックスファンド×全世界株式インデックスファンド

ただ本来は、インデックスファンドなら1本で十分な分散効果が期待できます。

むやみに複数の投資信託を組み合わせると、手数料の負担が増えたり管理が面倒になったりする可能性があります。

投資信託の組み合わせについてもっと知りたい方は、「NISAで複数銘柄を買うデメリットは?組み合わせ例と選び方を紹介」記事を参考にしてみてください。

定期的にポートフォリオを見直す|年1回程度

年1回程度は、投資信託のポートフォリオを見直しましょう。保有銘柄が自分の運用スタイルに合わなくなっている可能性があるからです。

たとえば、運用開始時に「株式50%:債券50%」の比率だったとしても、株式が好調に推移すると「株式70%:債券30%」になることがあります。

上記の場合、株価の大暴落で資産が一気に減る可能性があるため、株の一部を売却して債券を買い増すなどの調整が必要です。

ただ、何度も調整を繰り返すと、かえってリターンを減らすことにもつながります。

ポートフォリオの定期的に見直しながら、資産配分が極端に変わっているときはリスクとリターンのバランスを保つための調整を検討してみてください。

投資信託のマイナス時に対処すべき2つのパターン

投資信託がマイナスになったときの対処法は「放置」以外に2つあります。

場合によっては対処すべきタイミングもあるため、上記の戦略についても知っておきましょう。

損失を最小限に抑えたい場合|損切り

 

損切りとは、値下がりで「含み損」となっている投資信託を売却する戦略です。

回復が見込めないときや損失を最小限に抑えたいときは、早めに損切りをします。しかし、将来的に回復したときの利益を見捨てる行為でもあるため、感情的な損切りはおすすめしません。

自分のリスク許容度にあった損切りラインを決めておけば、冷静な損切り判断で損失を最小限に抑えられるでしょう。

株の損切が苦手な方はこちらの記事を参考に「【塩漬け株に悩む方】株の損切りができない本当の理由と損切りラインの見極めポイントを実例をまじえて解説

将来の値上がりが見込める場合|買い増し

 

将来への期待値が高い投資信託の場合、値下がりのタイミングで買い増すのが良いでしょう。

安いときに買っておけば、今後の値上がりで多くの利益を得られる可能性があります。しかし、今が底値と思って買い増した後に、投資信託がさらに値下がりするケースもあります。

損失を広げないためにも、買い増しをするときは必ず余剰資金内で実践してみてください。

投資信託の売却を検討すべき3つのタイミング

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投資信託の売却を検討すべきおもなタイミングは、以下の3つです。

売るべきタイミングがわかると、投資信託で含み損が出たときでも自信を持って対処できるようになります。

信託報酬が割高になったとき

信託報酬とは、投資信託を運用・管理してもらうために投資家が支払う手数料です。まれに、投資信託の信託報酬が変更されることがあります。

信託報酬が高くなると運用益が削られるので、割高になったら売却を検討しても良いでしょう。

目安としては、インデックスファンドなら0.1%以下、運用コストがかかるアクティブファンドは2.5%以下の商品への乗り換えがおすすめです。

購入時だけでなく、ポートフォリオを見直す際にも信託報酬に変化がないかを確認してみてください。

投資先が大きく変更されたとき

 

保有している投資信託の運用方針が大きく変わったときも、売却を検討するタイミングです。たとえば、以下のように運用方針が変わると、自分の投資目的に合わない商品になる可能性があります。

  • 日本株中心のファンドなのに、海外株の割合が増えた
  • 安定重視のファンドなのに、債券の割合が減って株式の割合が増えた
  • 大手企業中心のファンドなのに、中小企業にも投資するようになった

上記のような変更は珍しいですが、ファンドによっては投資先が変わる可能性が十分にあります。

年に1回程度は投資配分を確認し、自分の投資スタイルにあっているのかを確認すべきです。

ライフイベントで現金が必要なとき

ライフイベントでの出費で現金が必要になったときも、投資信託を売却するタイミングです。老後資金や住宅購入の頭金、子どもの教育資金のために投資で資産形成をしている方も多いでしょう。

現金に余裕がある場合を除き、タイミングがくれば、運用成績に関わらず投資信託を切り崩して活用してみてください。

ただし、すべてを一度に売却するのではなく、必要最小限の金額のみを現金化することで、残りの資産を運用し続けられます。

投資信託がマイナス時によくある質問

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投資信託がマイナスになったときによくある質問を紹介します。

順番に回答します。

投資信託がマイナスになる理由は?

 

投資信託の値下がりで資産がマイナスになる理由は、株の値動きに連動しているからです。

そもそも、投資信託はいろいろな企業の株式に投資する「詰め合わせパック」のような商品です。株価が下がれば、もちろん投資信託の基準価額も下がります。

マイナスになりにくい投資信託の選び方は?

 

マイナスになりにくい投資信託を選ぶために、以下のポイントを意識してみてください。

  • 信託報酬が低い
  • NISAのつみたて投資枠の対象である
  • 一定以上の運用期間や運用実績がある
  • 国内債券型のファンドから選ぶ
  • 全世界に分散したファンドを選ぶ
  • 複数の資産(株、債券、不動産など)に分散したバランス型ファンドを選ぶ

手数料が低いうえに、分散効果の高いファンドを選べば、短期の値下がりに不安を感じにくくなるでしょう。

投資信託だけだと資産の増え方が少ないと実感されている方には、少額資金から個別株を始めてみるもの1つの方法です。しかし、個別株は難しいので自分ではできないという方には、投資顧問の利用をおすすめします。当サイトを運営するライジングブル投資顧問は、株の「売買サポート」を行っております。ライジングブルの売買サポートサービスは、3ヶ月9,000円で買い推奨だけではなく、売却、銘柄入替するところまで、リスク管理をしながらサポートします。

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まとめ

投資信託のイメージ

長期的に投資信託を運用し続ける場合、一時的な値下がりで資産がマイナスになっても放置するのがおすすめです。

むしろ、感情任せに焦って売ってしまうと、将来狙えたはずの利益を逃すことになります。以下のポイントを参考に投資信託を運用していれば、マイナス時でも冷静に回復を待てるでしょう。

  • 余剰資金で投資する
  • 運用のゴールを決める
  • 保有銘柄の運用実績を長期目線で把握する
  • 複数の投資信託に分散投資する
  • 年1回程度ポートフォリオを見直す

ただし、場合によっては損切りや現金化を検討すべきタイミングもあります。

少しずつお金の知識を身に付けながら投資信託を運用することで、生活資金に困らない老後を迎えられるはずです。

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