個別株と投資信託はどっちが儲かる?失敗しないための選び方

個別株と投資信託はどっちが儲かる?失敗しないための選び方のイメージ

「個別株と投資信託はどっちが儲かるのかな……」
投資を本格的にはじめてみたい方は運用方法について迷っている方も多いのではないでしょうか。

実際、”個別株”と”投資信託”それぞれに魅力があり、運用スタイルも異なります。しかし、運用方法を知らずに失敗すれば今まで貯蓄している資産をすべて失う結果になります。

本記事では、個別株と投資信託のどっちが儲かるのか利益率や具体的な違いを解説しているので、最後まで読んでみてください。

個別株と投資信託はどっちが儲かる?利益率と具体的な違い 

武田薬品の配当利回りと配当性向

ここでは、個別株と投資信託の両者の具体的な違いを表でまとめました。

個別株投資信託
期待リターン(年率)短期間で数倍〜数十倍も可能長期運用で平均約3〜10%
安定性△(不安定、短期急落リスクが高い)◎(分散効果で安定的、長期保有で複利効果が期待できる)
初心者向け△(知識・経験が必要)◯(少額から可能・プロが運用)

それぞれ解説します。

個別株

個別株は、投資信託と比較して短期間で資産を大きく増やせる可能性があります。

たとえば、業務用食品スーパーの「業務スーパー」を展開する神戸物産(東証プライム:3038)では、2012年ごろに60円前後だった株価が、2020年12月には3,710円と過去最高値を更新しました。つまり約8年間で約60倍の上昇です。

このように、100万円の投資が1,000万円以上になる「テンバガー」と呼ばれる現象も実際に起こります。

一方で、個別株は企業の業績悪化や不祥事、業界全体の不況などの要因で株価が大きく変動しやすく、安定性に欠ける特徴があります。

最悪の場合、投資先の企業が倒産すれば投資額がゼロになることもあるでしょう。

これらのリスクと専門知識の必要性から個別株は高いリターンが期待できる反面、初心者にとって難易度の高い投資手法といえます。

投資信託

投資信託は、個別株のような短期的な爆発力は期待しにくいものの長期で着実に資産を増やすなら、おすすめの投資手法です。

実際に、世界中の株式に投資するMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは、過去20年間で年率約9.9%の安定した成長を記録しています。

このように投資信託は、複数の銘柄に分散投資されているため個別企業のリスクを抑え、安定した運用が可能です。

また、運用で得た利益が再び投資に回る「複利効果」が働くことで雪だるま式に資産が増えていくことも期待できます。

運用もプロにおまかせできるうえ、100円など少額から投資できるため経験や高度な知識がない初心者にもはじめやすいでしょう。

個別株と投資信託のリスクに関する違い|3選

個別株と投資信託のリスクに関する違いのイメージ

ここからは、個別株と投資信託のリスクに関する違いを3つ紹介します。

個別株は値動きが激しく、投資信託は分散でき安定しやすい

個別株は企業ごとの事情が株価に直結するため、株価の変動が大きいのが特徴です。実際の個別株の値動きに関するリスク事例としては、次のようなものがあります。

企業不祥事

  • 2015年に東芝(上場廃止)の不正会計が発覚した際、株価は500円前後から約50%下落

    東芝2015年に東芝の不正会計の株価チャート

製品リコール

  • 2012年にトヨタ自動車(7203)が大規模リコールを発表した際、株価はわずか1週間で約18%下落

    2010年にトヨタが大規模リコールを発表した際、株価はわずか1週間で約18%下落の株価チャート

業績の下方修正

  • 2023年にモンスターラボホールディングス(5255)は、通期業績予想を大幅に下方修正し、株価は約8ヶ月間で約67%下落

    2023年にモンスターラボホールディングスは、通期業績予想を大幅に下方修正し、株価は約8ヶ月間で約67%下落した株価チャート

このように、個別株は一社の不祥事や経営問題が株価に直撃しやすいのが大きなリスクです。

一方で、投資信託は複数銘柄への分散投資が強みです。一部の銘柄が下落しても他がカバーするため、全体として安定した値動きを期待できるでしょう。

個別株は景気や業種の影響を受け、投資信託は市場全体の下落に連動しやすい

個別株は、その企業が属する業界や景気の動向に大きく左右されるのが特徴です。以下は、実際に個別株の大幅な下落を巻き起こした事例です。

要因時期影響を受けた業界影響例
金利上昇2024年銀行業 ・ 不動産業日銀の利上げにより、銀行株は上昇した一方、不動産株は住宅ローン金利の上昇懸念から三井不動産が9.4%安、住友不動産が11%安となるなど、軒並み下落しました。
原油価格上昇2025年エネルギー業アメリカによるロシアへの追加制裁懸念から原油価格の上昇を受け、INPEXやENEOSホールディングスなどのエネルギー関連企業の株価も上昇しました。

一方で投資信託は複数の銘柄に分散投資しているため、特定の業種や企業の影響を受けにくいですが、市場全体が下落する際にはその影響を避けられません。

以下は投資信託の大幅な下落を巻き起こした事例です。

要因時期影響例
リーマンショック2008年S&P500は、約1年8ヵ月の間に約63%も下落し、リーマンショック前の高値水準に回復するまでには約4年2ヵ月かかりました。
コロナショック2020年S&P500は、約1ヵ月で約40%下落しましたが、各国政府の金融緩和策などにより、約5ヵ月後には下落幅を完全に回復しました。

このように、投資信託は世界規模でも市場全体のリスクからは逃れられないことを踏まえて、長期的な視点で投資にのぞみましょう。

株価が大幅にの事例を見たい方はこちらの記事をご覧ください。
株価暴落はいつまで続く?過去の事例から原因と今後の対策を解説

個別株は感情的な売買に陥り、投資信託は暴落時は不安になる

投資では感情に左右されないことが大切ですが、個別株はその影響を受けやすい投資商品です。

日々の値動きが激しいため、株価が下がると焦って売却したり、逆に上昇局面では高値づかみしたりするケースも少なくありません。

とくに以下のような感情的な判断は、長期的なリターンを損なう要因となります。

計画性のないナンピン買い株価下落の根本的な原因を分析せずに、単に平均購入価格を下げる目的で買い増しを繰り返すこと。
利確タイミングの判断ミス「もう少し上がったら売ろう」と利益確定を先延ばしにし、相場急落で大きな含み益を失うこと。

一方で投資信託は、プロが運用し自動積立を通じて淡々と続けられる仕組みです。

ただし、市場全体が暴落したときは、基準価額が大きく下がるため「このまま積立を続けて大丈夫かな……」と不安に陥る投資家も少なくありません。実際に2024年8月の株価大幅下落の際に不安心理から投資信託やETFを解約した方が増えました。

このように長期では安定しやすいものの、暴落時においても「市場サイクルの一部」ととらえる強い意思が必要になります。

個別株と投資信託の時間と手間に関する3つの違い

個別株と投資信託の時間と手間に関する3つの違いのイメージ

ここでは、個別株と投資信託の時間と手間に関する3つの違いを解説します。

個別株は銘柄選びに時間がかかり、投資信託は運用を任せられる

個別株は、どの企業の株を購入するかを自分で選ぶ必要があります。たとえば、以下のおもな分析手法を学び経験を積む時間が重要です。

ファンダメンタル分析:ファンダメンタル分析とは、企業の価値と株価とを比較検討することで株式相場を分析する手法。「ファンダメンタル」とは経済指標を表しており、決算や成長率、収益率などの指標を基にしている。

テクニカル分析:テクニカル分析は企業の株をどのタイミングで売買するかを判断するのに適した方法。データや経験則をもとに、ローソク足や移動平均線、ボリンジャーバンドなどの「テクニカル指標」と呼ばれる指標を使って分析している。

一方、投資信託はプロのファンドマネージャーが複数の銘柄を組みあわせて運用してくれます。

そのため投資に関する難しい知識は必要なく、細かな情報収集や銘柄選びに時間を費やす必要がありません。この点は、初心者にとっても投資をはじめやすい大きな利点です。

個別株は売買を自分で判断する必要があり、投資信託は自動で積立できる

個別株は「いつ、いくらで売買するか」をすべて自分で判断しなければなりません。とくに市場が大きく変動する局面では、常に株価をチェックし冷静な判断を下す必要があります。

売買タイミングの判断は、投資家の感情に大きく左右され多くの人が失敗しやすいです。

一方投資信託の多くは毎月決まった日に決まった金額を自動で買い付ける「積立投資」が可能です。

この手法はドルコスト平均法とも呼ばれます。

ドル・コスト平均法とは、価格が変動する商品に対して「常に一定金額を、定期的に購入する方法」です。投資金額を一定にすることで、価格が低いときには購入量(口数)が多く、価格が高いときには購入量(口数)が少なくなり、平均購入単価を抑えることが期待できます。

ドルコスト法の説明画像

このように、投資信託では長期的な資産形成をするうえで感情に左右されることなく、淡々と投資を続けられます。

個別株は情報収集や分析が必要で投資信託は定期確認だけで済む

個別株に投資する場合、購入後も企業の最新ニュースや決算発表、業界全体の動向など常に幅広い情報にアンテナを張る必要があります。

長期保有の場合であっても、経済・金融・社会情勢などの幅広い知識や情報収集の時間が必要となるでしょう。

これに対して投資信託は、日々の細かい情報収集や分析が必要ありません。定期的に送られてくる運用報告書を確認し、当初の投資方針とズレがないかをチェックするだけで済みます。

プロが常に市場を分析し適切な銘柄の入れ替えや配分調整をしてくれるため、投資家は手間を大幅に省けるでしょう。

個別株と投資信託で100万円運用した場合のシミュレーション

個別株と投資信託で100万円運用した場合のシミュレーションのイメージ

ここでは、個別株と投資信託に100万円を投資した場合、資産がどう変化するのかをシミュレーションしてみます。

個別株

個別株は銘柄によって株価の変動は大きく変わります。ここでは、インパクトがあった年に100万円を一括投資していた場合のシミュレーションをみていきます。

成長例「神戸物産」

銘柄期間100万円の結果
神戸物産3年間(2018年9月〜2021年9月)約670万円(6.7倍)

神戸物産は、2021年9月10日に終値4,605円と過去最高額をたたき出しました。上昇の主な要因は、コロナ禍での内食需要増加とメディア・SNSでの話題化による知名度向上です。

もし3年前の2018年同月に100万円を一括投資していた場合、約670万円になっていたことになります。利益にして約570万円です。

暴落例「SUMCO」

銘柄期間100万円の結果
SUMCO1年間(2024年4月〜2025年4月)約30万円(0.3倍)

SUMCOは半導体ウェーハメーカーとして注目されていましたが、2024年4月7日の2,524円から2025年4月7日には748円まで大幅に下落しました。下落のおもな要因は、半導体市場の供給過剰による業績悪化と大幅な減益でした。

もし1年前に100万円を一括投資していた場合をシミュレーションすると、約30万円に下がっていたことになります。わずか1年間で約70万円の損失です。

このように個別株は、運用する銘柄によって大きく変化することがわかります。

投資信託

投資信託を毎月積立で運用した場合、ドルコスト平均法により価格変動リスクを抑えながら、着実に資産形成ができます。

ここでは、投資信託の一般的なリターンである年利5%を想定し、総額100万円を積み立てた場合のシミュレーションをみていきましょう。

積立年数毎月の積立額100万円の結果
10年8,333円約129万円(1.29倍)
20年4,167円約171万円(1.71倍)

先述した個別株の成功例である神戸物産のような短期的に高いリターンではありませんが、10年以上の長期運用により手堅く資産を増やすことが期待できます。

実際に野村アセットマネジメントの調べによると、世界株式では15年以上保有していた場合はどのタイミングで投資をはじめてもマイナスとなることはありませんでした。

このように、積立投資は時間と複利を味方につけ、安定した資産形成を目指す方にとって有効な手段でしょう。

参照元:積立かんたんシミュレーション|楽天証券、参照元:説明資料(P3)|金融庁

個別株と投資信託どっちが儲かるに関するよくある質問

1320325066

個別株と投資信託どっちが儲かるに関するよくある質問にそれぞれ回答します。

個別株を運用していると疲れますか?

はい、慣れないうちは疲労を感じることがあるでしょう。

個別株は日々の株価が激しく動き、常に企業の業績やニュースを気にする必要があります。

とくに投資で損失を出したときには「自分の判断が間違っていた」と、精神的な負担が大きくなることがあります。

このような疲労を避けるためには、以下の対策が有効です。

短期的な売買を控える・デイトレードのように短期で利益を狙うのではなく、中長期的な視点で投資に取り組む
投資に使う時間を決める・「一日1時間まで」のように、自分でルールを設け意識的に投資から離れる時間を作る
専門家を頼る・投資の判断や不安を一人で抱え込まず、プロのコンサルタントや投資顧問などの専門家に相談する

大切なのは、無理しないことです。

自分の心身の状態を冷静に把握しルールを決めて一人で抱え込まないことが、投資を長く続けるうえで重要なポイントとなるでしょう。

投資信託と個別株は併用した方がいいですか?

投資目的やリスク許容度に応じて、併用は有効な戦略です。

まずは、投資信託で資産の土台を築いたうえで目的に応じて個別株にも投資するのがおすすめです。

この方法なら、投資信託でリスクを抑えながら市場全体の成長をとらえつつ、個別株で特定の企業の成長や株主優待を狙うことが可能になります。

たとえば以下の楽天証券のシミュレーションのように、S&P500に100万円投資した場合とS&P500に80万円・個別銘柄に20万円投資した場合を比較すると、後者のほうが高いリターンを狙える可能性があります。

の楽天証券のシミュレーション出典:楽天証券

 

このように、それぞれの良い部分を組み合わせることでリスクを管理しながらも、より高いリターンを追求できるでしょう。

個別株はほったらかしでも大丈夫ですか?

個別株のほったらかし投資は一般的におすすめできません。

個別株は企業の業績や経営状況に直接影響されるため、定期的なチェックが必要です。

たとえば経営不祥事や業績下方修正などの悪材料が出た場合、株価が大幅に下落するリスクがあります。気付かぬうちに取り返しのつかない損失を被る可能性があるでしょう。

もし、ほったらかしで個別株に投資をしたい場合は、投資信託で資産の土台を築いたうえで個別株を組み入れる方法をおすすめします。

なお、個別株はポートフォリオ全体の10〜20%程度に抑え、定期的なメンテナンスを心がけましょう。

まとめ:個別株と投資信託にはそれぞれの利点がある

株式投資に役立つ指標のイメージ

個別株と投資信託のどっちが儲かるかは、状況によっても異なります。

自身の運用できる資産額や適用性を把握したうえ、個別株と投資信託どちらの運用をするか決めるようにしましょう。

弊社では月あたり3,000円の会費(3か月9,000円)で、ネットで株式の売買をサポートする成功ナビを行っており、多くのお客様からご満足いただいております。株式投資をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

また、LINEで資産運用に関する情報も無料で提供しているので、気になる方は登録して資産運用に関する情報を勉強してみてはいかがでしょうか。

お金を増やす知識を学べる
【投資初心者向け無料メルマガ】
登録受付中!

このメルマガをよむと意外と知らないお金を増やす基礎知識が学べます。

  • 貯金VS株投資どっちがいい?
  • 何もしないと、お金は減る?
  • NISAは本当にお得?
  • そもそも株って本当にもうかるの?
  • 損しないための証券会社の選び方

このようなテーマでとてもわかりやすくお金を増やす知識を解説します。

無料のメールマガジン登録はこちらから

メールアドレスを送信するだけ

コメントComment

CAPTCHA


お客様の資産形成を強力にサポートします。3万人を超える信頼のサポート実績!
お客様の資産形成を強力にサポートします。
3万人を超える信頼のサポート実績!