スタグフレーションとは?原因や影響、対策法についてわかりやすく解説

スタグフレーションとはのイメージ

コロナ禍が明けて、海外旅行に行く人も増加している昨今、海外との物価の違いに驚く人も多いのではないでしょうか。

そのうえ、多くの企業が値上げを発表し、賃金は上がらないのに生活費がかさんで辛いという声もよく聞きます。

日本の景気だけが海外から取り残されている現状を、「スタグフレーション」という事態だとする経済学者なども出てきています。

しかし、「スタグフレーション」という単語は聞き馴染みがなく、その実態を正しく理解している人は多くありません。

この記事では、スタグフレーションは何か?という基本的なことから、個人が取り組める対策方法などについて分かりやすく解説していきます。

スタグフレーションとは?

スタグフレーションとはのイメージ

まずスタグフレーションの定義からみていきます。

スタグフレーションが起こる原因や似たような言葉であるインフレやデフレとの違いについても説明します。

スタグフレーションの特徴

 

スタグフレーション(stagflation)とは、景気が停滞している中で、物価が持続的に上昇し続ける状態を指します。

停滞を意味するスタグネーション(stagnation)と、物価上昇を意味するインフレーション(inflation)を組み合わせた言葉です。

基本原則として、景気が停滞している局面では物価は下落し、景気が上向いている局面では物価は上昇します。

つまり、経済循環の理論上からいえば、スタグフレーションは一般原則に当てはまらない状態といえます。

スタグフレーション

スタグフレーションの原因

 

スタグフレーションの原因は以下のようなものが挙げられます。

・原油、天然ガスなどの一時産品の物価高騰

日本など資源を他国から輸入することで成り立っている国は、原材料や素材関連の価格上昇などによって不景気の中でも物価が上昇することがあります。

ロシアのウクライナ侵攻などで、世界的に供給が不足している昨今、スタグフレーションは起きやすい状況といえます。

・各国の金融政策などによる急激な通貨安

自国の通貨が安くなることで、相対的に輸入品が高くなります。

例えば米国の利上げなどが進んで円安になることで、国内は不景気な状況のまま、物価上昇が続くといったことが起こります。

インフレやデフレとの違い

スタグフレーションに似た言葉としてインフレーション(インフレ)やデフレーション(デフレ)といった言葉があります。それぞれの意味は以下の通りです。

・インフレーション

企業の売上や利益が増えることで従業員の賃金も上昇している状態。好景気の中で、消費が活発になり、物価も継続的に上昇し続ける状態を指します。

スタグフレーションとの違いは、「好景気の中での物価上昇」か、「不景気の中での物価上昇」になります。

したがって、スタグフレーションのことを悪いインフレと表現することもあります。

・デフレーション

企業の売上や利益が減少することで従業員の賃金も下落している状態。不景気なので消費が落ち込み、物価も継続的に下落していく状態を指します。

スタグフレーションの違いは、「不景気の中で物価上昇する」か、「不景気の中で物価下落する」になります。

スタグフレーションの影響について

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スタグフレーションが起きると、消費者の生活にも大きな影響を与えます。

世間の雰囲気もインフレやデフレの時と大きく変わります。

スタグフレーションの一般的な影響

 

スタグフレーションが起きると以下のような影響が出ます。

・各家庭の生活費が増える

物価が上昇するので、生活必需品の購入や光熱費など生活するために避けて通れないものにも以前よりお金がかかります。

賃金は上がらない状態で生活費がかさむので、消費者の負担は大きくなります。

・金融資産の価値が下がる

スタグフレーションが起こると、自国通貨の価値が下がります。それゆえ、現金や銀行預金、日本株などの金融資産の価値は目減りすることになります。

生活費の増加同様、賃金は上がらない中で資産の価値が下がるので、消費者側の負担は大きくなります。

スタグフレーションの過去事例

 

過去にあったスタグフレーションには以下のようなものがあります。

1970年代のオイルショック

中東戦争やイラン革命を契機に、OPEC(世界石油輸出国機構)が原油価格を引き上げたことによって急激なインフレが世界各国で起こりました。

日本も物価高と景気悪化に見舞われ、第一次オイルショック時にはトイレットペーパーの買い占め騒動など社会的混乱も起こりました。

米国の利上げ政策

日本においては、米国の利上げによってスタグフレーション懸念が度々起こっています。

現在、円安が加速しており、輸入品の価格上昇やハワイ旅行などの高価格化が話題になっています。


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スタグフレーションへの対策法

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スタグフレーションが起こると、不景気の中で物価高になります。

それゆえ、企業も余裕がなくなり、新たなものが生まれにくくなるなどの弊害が起こります。

消費者の生活も経済的に圧迫されるので、世間的にも暗い雰囲気になることが多いです。

また、スタグフレーションは個人の力で状況が改善するのは難しく、時期によっては何年間も続く可能性があります。

終わりが見えない分、精神的なストレスを抱える人も増える状況です。自分の身を守るためにも、スタグフレーションに備えてできることについて説明します。

外貨を保有する

 

スタグフレーション下では、給与は上昇しないし、給与額が変わらなくても通貨の価値自体が下がっています。預貯金などの資産価値も下がるので、金融資産が目減りする一方です。

しかし、自国通貨が安い=他国通貨が高いという状況なので、外貨を保有することでスタグフレーションに備えることができます。

外貨を保有する方法として、日本円を米ドルなどに変えておく、株式や投資信託をドルなどの外貨で購入・保有するといった方法があります。

人によっては海外から仕事を受けて、給与をドルなどの外貨で受け取るといった方法もあります。

いずれにせよ、円に頼った生活をするのではなく、円安時を見据えて外貨資産などを積み上げておくのが良いでしょう。

不動産や金に投資する

 

スタグフレーションになると、円による資産が目減りする上、企業の業績などが下がるため株式などのペーパーアセットは大きな影響を受けることになります。

それゆえ、ペーパーアセット以外の現物資産などを保有することで、リスクヘッジになります。

具体的には、インフレ時に強い不動産や金(ゴールド)などが向いています。給与なども減る可能性があるので、不動産からの家賃収入などは生活防衛にもなるといえます。

金(ゴールド)はインフレ時に強いといいますが、スタグフレーション時にも強いです。金(ゴールド)はいざという時に換金性があり、国内外問わずに売買できるのも強みです。

無駄遣いを減らす

 

スタグフレーション下では、生活費がかかるため、今までと同じ生活水準を維持するのが難しくなります。

それゆえ、以前と同じ生活をしていると、支出ばかりが増えて、貯蓄や投資といった将来に向けてのお金を捻出できません。

急激な節約は難しいでしょうが、家賃や通信費などの固定費を見直すなどして物価上昇の波に備えていくと良いでしょう。

余裕があれば、食費などの変動費も定期的に見直してみましょう。

定期的に見直すことで、新しい節約ポイントが見つかり、生活コストを下げられます。

生活コストを下げることへの抵抗を減らしておくのも環境変化の大きい時代には必要なことといえるでしょう。

不景気に耐えられる収入源を確保する

 

スタグフレーションは物価高に加えて、世の中が不景気になっていく状況です。

したがって、人によっては仕事を失うといった可能性もあります。

不景気になると企業は従業員を雇う余裕がなくなるため、転職活動などもしづらくなります。

それゆえ、常に必要とされる人材として自己研鑽をし、他社でも通用する能力を高めておくと良いでしょう。

もしくは本業以外にも収入を得られる方法を持っておくのも良いでしょう。

本業の合間に副業をしておくのもスタグフレーション時に有効です。

本業を失うことはなくても、給与が減額される可能性もあるので、生活費の補填になります。

本業が忙しく副業までできない場合でも、お小遣い稼ぎなどから始めておくと環境の変化に強くなれるのでおすすめです。

できれば収入を1つのところに依存せず、複数の収入を組み合わせておければいざという時に動揺せずに済みます。

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まとめ

スタグフレーションのイメージ

スタグフレーションは不景気にもかかわらず、物価が上昇する現象を指す言葉です。

不景気なので企業の売上や利益は少ないため、賃金も上がらず、消費も冷え込みます。

そのうえ、物価も上昇するため、生活必需品をそろえるための生活コストも高くなり、消費者の財布を圧迫することになります。

スタグフレーションは、原油価格の高騰や各国の金融政策、戦争といった日本を含めた国際情勢の中で起こる出来事などに起因します。

したがって、海外の情勢による要因が大きく、個人の力や日本一国だけで簡単に完結できる状況ではありません。

時に何年も続くことも予想され、個人に対しては生活苦が重くのしかかることもあります。

スタグフレーションへの対策方法として、自国通貨である円にばかり頼らない生活を構築するのがおすすめです。

具体的には、円以外で収入を得るとか、外貨や海外資産に自分の資産を分散させておくといったことが該当します。

適切な分散投資を心がけておけば、いざスタグフレーションが起きたとしても慌てずに資産保全ができるでしょう。

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