HDVとは?高配当で注目!米国株式投資の新たな選択肢を徹底紹介

HDVとは?のイメージ

投資先を選定するのに、投資信託やETF、個別株など選択肢がたくさんあり、何を基準に選んだら良いか迷ってしますよね。

そんな中、今回は米国高配当ETFの「HDV」を紹介します。

HDVは、NISA成長投資枠でも購入ができ、定期的な配当と値上がり益の両方を狙える選択肢として注目されています。

HDVのリスクやリターン、HDVはどんな人に向いているかも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

HDVとは?高配当ETFのメリットも解説

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HDVとは、世界最大級のアメリカ資産運用会社ブラックロック社が運用する、インデックス型のETFです。

正式名称は、iシェアーズ・コア米国高配当ETFで、モーニングスター配当フォーカス指数に連動した値動きをするように設計されています。

高配当ETFとは

ETFはExchange Traded Fundsのことで日本語では上場投資信託と呼ばれています。

米国ETFであれば、ナスダック総合指数やNYダウ工業株30種平均、S&P500など米国主要株式指数に連動するインデックス型ETFを選択することで、個別銘柄を選ばなくでも幅広く米国株式に投資ができます。

さらにETFは投資信託と違い、証券取引所でリアルタイムに売買が行えることや、特にインデックス型ETFは経費率と呼ばれる運用コストが比較的安いのも特徴です。

今回紹介するHDVはその中でも高配当株式を中心に組み入れられた商品で、値上がり益のほかに、配当益を狙うことができる高配当ETFです。

HDVの組み入れ銘柄とセクター構成比をチェック

HDVの組み入れ銘柄やセクター(業種)構成比を見ていきましょう。

ベンチマークになっているモーニングスター配当フォーカス指数は、ファンドの評価機関であるモーニングスター社が、米国株式市場において、財務の健全性が高く、かつ持続的に平均以上の配当を支払うことができると認めた75社の銘柄で構成されています。

上位10銘柄は以下のようになっています。

順位 銘柄名 業種 組入比率
エクソンモービルエネルギー8.19%
アッヴィヘルスケア6.43%
ベライゾン・コミュニケーションズ通信6.03%
ジョンソン&ジョンソンヘルスケア5.98%
シェブロンエネルギー5.95%
メルク ヘルスケア 4.61%
フィリップモリス生活必需品4.11%
コカ・コーラ生活必需品3.84%
ペプシコ生活必需品 3.56%
10 IBM 情報技術3.55%

※引用:2024年2月ブラックロックHP

モーニングスターが財務の健全性が高いと評価している銘柄のため、歴史が長く安定している企業が多い印象です。

続いてセクター別の構成比を見ていきましょう。

順位 セクター構成比
1 ヘルスケア23.22%
エネルギー21.28%
生活必需品17.43%
情報技術9.62%
公益事業8.94%
金融7.86%
通信 6.32%
素材2.16%
資本財・サービス0.73%
10キャッシュ、ディリバティブなど0.42%

※引用:2024年2月ブラックロックHP

ヘルスケア・エネルギー・生活必需品で全体の60%ほどを占めており、人々の生活に欠かせない商品が中心となるため、景気にあまり左右されずに安定した値動きをする可能性が高いと見て取れます。

現在伸びているIT関連の銘柄がほとんどないため、大きく伸びることはないものの安定した値動きをするのが特徴でしょう。

HDVのチャートも確認

それでは実際のチャートの動きを確認してみましょう。

HDV週足チャート

 

2022年のコロナショックで一時期下がったものの、順調に伸びていることがわかります。安定した値動きと言って良いでしょう。配当とあわせて値上がり益も狙えます。

HDVと他の高配当ETFを比較してみよう

HDVと他の高配当ETFのイメージ

米高配当ETFには、HDVの他にも、別の運用会社が販売しているものがあります。

ステート・ストリートが販売しているSPYD(SPDRポートフォリオ S&P500高配当ETF)やバンガードが販売しているVYM(バンガード米国高配当株式ETF)がそれにあたります。

値動きをチャートで比較してみましょう。

 

【HDV、SPYD、VYMのチャート比較】

HDV、SPYD、VYMの値動きをチャート

HDVは、大きく伸びてはいないものの、安定した値動きをしているのがわかります。それに対してSPYDは、コロナショックで大きく下げています。

それぞれの特徴は以下となっています。

ティッカー(名称)運用会社基準価格配当利回り経費率
HDV ブラックロック106.00ドル 3.69%0.08%
VYNバンガード115.56ドル3.81% 0.06%
SPYDステート・ストリート 38.83ドル5.50% 0.07%

※Bloombergより2月24日時点の価格を引用

比較すると配当利回りが良いのがSPYD、経費率が低いのがVYMとなります。長期的に安定した運用と配当利回りを考えるのであれば、HDVといえるでしょう。

また、基準価格で見ると、HDVは100ドルを超えていますので、一株買うのに1ドル150円であれば15,000円以上必要です。毎月少額から買いたいという方は、約38ドルから買える、SPYDもおすすめです。

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HDVのリスクやリターンは

HDVのリスクやリターンのイメージ

HDVを購入して運用するにあたってのリスクやリターンについても確認しておきましょう。

HDVのリスクは

HDVで運用するうえでのリスクとしては次の点が挙げられます。

構成銘柄に偏りがある
為替による影響がある

HDVは、上位3つのセクターで全体の60%を占める上、取り扱い銘柄が75社と少ない銘柄数で運用されています。上位銘柄の構成比も高いため、エネルギー関連株が下がった場合などは大きな影響がでる可能性があります。

ただし、組み入れ銘柄については、定期的に見直しがされているため、一度下がっても長期的に見れば上がっていく可能性が高いと考えられます。

また、HDVに限らず、米国株ETFは為替の影響を受けることは避けられません。現在1ドル150円の円安となっていますが、米国の金利引き下げにより円高になった場合は、利益率は大きく下がってしまいます。

しかし、為替は上がればまた下がるものです。基本的には長期の運用で、為替の変動を吸収していくようにするのが良いでしょう。

HDVのリターンは?

HDVは安定した値動きと高配当が魅力のETFです。配当金を再投資して試算したリターンも比較してみます。

ティッカー1年トータルリターン 3年トータルリターン5年トータルリターン
HDV8.15% 9.00%6.84%
VYM10.60%10.45%9.57%
SPYD0.52%10.01%5.38%

※Bloombergより2月24日時点の実績を引用

 

ここ5年間のトータルリターンで見ると、VYMが優れていますが、今後の動きは読めません。セクターの構成比が異なるため、どちらかが上がって、どちらかが下がるといったことは今後も起こります。

エネルギー関連の多いHDVにIT関連を組み入れるため、HDVとVYMを組み合わせて買う、または、配当金を重視するなら、SPYDを組み入れるなども選択肢としてはあるでしょう。

HDVに向いている人は?

HDVに向いている人はのイメージ

ここまでHDVの特徴を紹介してきましたが、HDVはどんな人に向いているETFなのでしょうか?

次のような投資に対する考えをしている方に向いていると考えられます。

投資に時間はかけたくないので個別株は難しい
安定した配当を得たい
もうすぐ引退を考える年齢となっている

HDVなどのETFは幅広い銘柄にまとめて投資ができる商品ですので、個別株をそれぞれ調べて投資する必要はなく、投資にそれほど時間をかけたくない方にもおすすめの商品です。

また、HDVのセクターは、ヘルスケアやエネルギー、生活必需品中心となっているため、大きく値上がりはしないものの、安定した値動きをすると考えられます。

基本的に長期に買い持ちをして、積み立てなどで資産を増やし、配当金は再投資して複利を生かしていく商品ですが、高配当なETFは、定期的な配当が見込めるため引退後は生活費として配当を考えることもできるでしょう。

HDVに投資する方法

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HDVは2024年から始まったNISA成長投資枠での投資が可能です。そのほか特定口座で購入する方法もあわせて紹介します。

NISA成長投資枠で購入する

NISAは、つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円の合計年間360万円までの投資が非課税になる制度です。最大で1,800万円までが非課税となります。

HDVは、新NISAの成長投資枠での購入が可能となっており、証券会社でNISA口座を開設すれば購入できます。

通常米国ETFを買うには販売手数料がかかりますが、現在はネット証券会社中心に、販売手数料無料で購入できるところが増えてきています。NISAであれば無料の場合もありますので、買い付け前に確認しましょう。

定期的に積立での購入を考えているのであれば、手数料が負担となりますので、手数料無料のネット証券会社で口座開設をすることをおすすめします。

注意点として、海外ETFからの配当については、米国で10%の源泉徴収となり、差し引かれた分が振り込まれます。こちらは控除することはできません。

海外ETFは、1株単位での買い付けとなるため、毎月定額での積み立てはできません。定額で積み立てたい場合や、NISAのつみたて投資枠を使いたいといった場合は、同じ高配当ETFのVYMに連動した、「楽天・米高配当株式インデックス・ファンド(楽天VYM)」も選択肢となります。

こちらは投資信託なので、配当金は自動的に再投資され、自分で配当を再投資する必要がないのもメリットといえるでしょう。

一般口座・特定口座で購入する

NISAで上限まで投資してしまった場合は、特定口座や一般口座で買い付けをします。

個別株なども含めて特定口座や一般口座で投資を行なっている場合は、評価損が出た場合に、利益がでているETFや株式の利益と相殺ができる損益通算がメリットとなります。NISA口座では損益通算ができないので注意が必要です。

また、配当金にかかる米国での課税についても確定申告をすることで、外国税額控除が受けられます。

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まとめ

HDVのまとめのイメージ

HDVは、世界最大級の投資運用会社ブラックロックが販売する高配当ETFです。米国のファンド評価会社モーニングスターが、財務の健全性が高く、かつ持続的に平均以上の配当を支払うことができると認めた75社の銘柄で構成されているETFとなりますので、安定感のある値動きと高配当が見込める商品といえるでしょう。

HDVは、2024年から始まったNISA成長投資枠での買い付けできる商品ですので、非課税の恩恵が生かせます。

将来的に配当金を生活費に充てることなども検討しているのであれば、選択肢の一つとして組み込むこともおすすめします。

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