
株式会社ブリヂストン(東証プライム:5108)は、日本のタイヤメーカーのなかでトップクラスの業績を誇る企業です。
4期連続で配当金を増やしており、2025年12月期(2025年1月1日〜12月31日)の配当金は1株あたり年間230円が見込まれています。
しかし、2024年の業績は前年と比べて悪化しており、2024年5月以降の株価の急落でブリヂストンに投資すべきか迷いはじめた方もいるでしょう。
本記事では、ブリヂストンの配当金や株主優待、業績、株価の推移について解説します。
ブリヂストンの株はNISAの成長投資枠でも買えるので、非課税での運用も可能です。
目次
ブリヂストンの配当金はいくら|1株で年間230円予想
2025年のブリヂストンの配当金は、1株あたり年間230円です。100株を持っていれば、年間23,000円の配当金がもらえます。
この配当をもらうために必要な投資額は595,400円です。(2025年4月3日の株価5,954円で計算)。
今期も予定どおり配当金が支払われれば、5期連続の増配となります。
過去5年分の配当金の推移を、以下の表にまとめました。
(1株あたり)
事業年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計額 |
2025年12月期(予定) | 115円 | 115円 | 230円 |
2024年12月期 | 105円 | 105円 | 210円 |
2023年12月期 | 100円 | 100円 | 200円 |
2022年12月期 | 85円 | 90円 | 175円 |
2021年12月期 | 85円 | 85円 | 170円 |
配当からは税金が差し引かれます
ただし、配当所得として20.315%の税金が差し引かれるので、実際に支払われる金額は18,327円です。
【税引後に受け取れる配当金】
(230円×100株)×(1−20.315%)=18,327.55円
配当金の税金や節税方法については、こちらの配当金に税金はかからない?節税のコツや新NISAで非課税で受け取る方法を解説」の記事を参考にしてみてください。
ブリヂストンの配当金はいつもらえる|9月と翌3月
ブリヂストンの配当金は、中間と期末の合計2回にわけて支払われる予定です。配当確定日と支払い開始日を、以下の表にまとめました。
項目 | 中間配当 | 期末配当 |
権利確定日 | 2025年6月30日 | 2025年12月31日 |
支払い時期 | 2025年9月上旬頃 | 2026年3月下旬頃 |
ブリヂストンの2025年12月期の配当金を受け取るには、株主名簿への登録が必要です。反映に時間がかかるので、基準日の2営業日前までに株を買いましょう。中間配当は2025年6月26日(木)15:30までです。
ただし、証券会社によって買付日が異なるケースがあるため、できるだけ早めに注文するのが無難です。
ブリヂストンの配当利回りと配当性向
2025年のブリヂストンの配当利回りは4.05%、配当性向は59.7%となる見込みです。
直近5年分の推移は、以下の表を参考にしてみてください。
事業年度 | 配当利回り | 配当性向 |
2025年12月期 | 4.05(予想) | 59.7%(予想) |
2024年12月期 | 3.46% | 50.5% |
2024年12月期 | 3.58% | 41.3% |
2022年12月期 | 3.49% | 40.5% |
2021年12月期 | 3.59% | 30.4% |
過去4年間で見ると、ブリヂストンは約3.5%の配当利回りを維持しています。
日経平均やプライム全銘柄の平均利回り(約2.0〜2.5%)※より高い水準であるため、配当収入を狙ってブリヂストンの株を買う方も多いでしょう。
2024年までのブリヂストンは「連結配当性向40%」を目安に配当金を出していましたが、2025年から50%に引き上げました。
今後も業績にあわせて積極的な増配をする方針なので、ブリヂストンの株を持っていれば、継続的に配当金で利益を狙える可能性があります。
また、ブリヂストンと競合他社の「配当利回り・配当性向」については、以下の表を参考にしてみてください。
(2024年12月期実績)
会社名 | 配当利回り | 配当性向 |
ブリヂストン(5108) | 3.46% | 50.5% |
住友ゴム工業(5110) | 3.46% | 154.62% |
横浜ゴム(5101) | 2.79% | 20.94 |
参照元:みんかぶ
配当性向と配当利回りは、企業を評価するときに使う指標です。
配当利回りとは
購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるかを示す指標です。計算式は次のようになります。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当性向とは
税金を差し引いた企業の純粋な利益である当期純利益のうち、配当に回される額を表した割合です。計算式は次のようになります。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
目安となる数値や詳しい計算方法については、こちらの「配当利回りと配当性向とは?違いや計算式、目安となる数値を解説」記事で解説しています。
ブリヂストンの株主優待|なし
ブリヂストンには、株主優待がありません。
株主優待がもらえる銘柄を見たい方はこちらの「株のプロのアナリストが教える株主優待銘柄の探し方とおすすめ穴場銘柄8選」記事をご覧ください。
ブリヂストンの業績|2024年の純利益は前期比14%減
ブリヂストンの業績を以下の表にまとめました。
(単位:百万円)
決算情報 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
2025年12月期(予想) | 4,330,000 | 505,000 | – | 253,000 |
2024年12月期 | 4,430,096 | 443,319 | 421,437 | 284,989 |
2023年12月期 | 4,313,800 | 481,775 | 444,154 | 331,305 |
2022年12月期 | 4,110,070 | 441,298 | 423,458 | 300,305 |
2021年12月期 | 3,246,057 | 376,799 | 377,594 | 394,037 |
ブリヂストンは安定して利益をあげていましたが、2024年12月期の純利益は前年比14%減の2,850億円となりました。
さらに、2025年12月期の純利益は2,530億円に減少する(前期比11.2%減)と予想されており、今期も業績が伸びにくいでしょう。
2024年12月期の業績が悪化した要因として、以下の3つが挙げられます。
・アルゼンチンのインフレで南米事業の売上が減少した
・天然ゴムをはじめとする原材料の価格が高騰している
・国内外でゴム製品の需要が下がって生産量が減少している
ただ、ブリヂストンの財務状況は安定しており、2024年12月期の総資本は前期(2023年12月期)より3,811億円も増加しています。
ブリヂストンは2025年を「緊急危機対策年」と位置づけ、海外事業の再編成と国内での多角化事業(タイヤ以外の事業)に力を入れる方針です。
2026年からは再び積極的な成長戦略に切り替わる予定なので、ブリヂストンの株主は今後も四半期ごとに企業方針をチェックしながら売買時期を検討しましょう。
ブリヂストンの事業内容
ブリヂストンは世界でもトップシェアを誇るタイヤメーカーとして、さまざまな車両のタイヤを製造しています。
おもな対象車両は、以下のとおりです。
- 乗用車用
- 二輪車用
- 航空機用
- トラック、バス用
- 農業機械用(トラクター、耕運機)
- 鉱山・建設車両用(ダンプ、クレーン車)
また、産業用ホースや建築物向けの免震ゴム、橋の支柱に使われるゴム支承など、ゴム製品を幅広く製造しています。
スポーツ分野ではゴルフボールやゴルフクラブなども手がけており、プロゴルファーからも高い評価を得ています。
ブリヂストンと競合他社の業績比較|ゴム製品業界で国内トップ
ブリヂストンと競合他社の業績を比較してみましょう。前期(2024年12月期)の業績は、以下のとおりです。
(百万円)
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | |
ブリヂストン(5108) | 4,430,096 | 443,319 | 421,437 | 284,989 |
住友ゴム工業(5110) | 1,211,856 | 11,186 | 16,251 | 9,865 |
横浜ゴム(5101) | 1,094,746 | 119,157 | 115,359 | 74,919 |
参照元:みんかぶ
日本のゴム製品業界で、とくに業績が高いのが上記3社です。
なかでもブリヂストンの業績はトップクラスで、2024年の純利益は住友ゴムの約28.9倍、横浜ゴムの約3.8倍を誇ります。
2023年の世界のタイヤ市場シェア(売上高ベース)でも、ミシュラン(14.4%)に次ぐ2位の成績(13.3%)を記録。
多角化事業(タイヤ以外の事業)も幅広く展開しているため、今後も日本のタイヤメーカーのなかでは高い業績を維持していくでしょう。
ブリヂストンの株価|2024年5月から急落した理由
ブリヂストンの株価は、5,954円(2025年4月3日終値)です。
以下のチャートでは、直近10年間の株価の推移を示しています。
出典:Yahoo!ファイナンス|(株)ブリヂストン【5108】
2015年頃、4,000〜5,000円台で推移していたブリヂストンの株価は、その後上げ下げを繰り返し、2016年と2020年に3,000円台前半まで下落しました。
しかし、2020年10月以降は徐々に株価が上がり、2024年5月には一時7,000円を突破。
その後、2025年1月には5,200円まで急落し、現在は5,500〜6,000円程度で推移しています。
過去最高額を記録した後にブリヂストンの株価が急落した理由は、アルゼンチンでインフレが加速し、南米市場での業績が悪化したからです。
実際に、2024年8月には純利益で230億円の下方修正が行われ、急な業績悪化に投資家が反応し、株価が下落したと考えられています。

高配当利回りの高さと株主還元強化の姿勢は配当投資先としては大変好ましいのですが、2025年12月期は2期連続の最終減益予想となっており、業績悪化が続けば今後の増配持続性に影響する可能性が出てくるので業績には注意が必要です。
また、ブリヂストンと競合他社の株の値動きについては、以下の表を参考にしてみてください。
会社名 | 現在の価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
ブリヂストン(5108) | 5,954円 (以下2025/4/2終値) | 6,255円 (2025/3/28) | 5,209円 (2025/1/10) |
住友ゴム工業(5110) | 1,826円 | 1,990円 (2025/3/26) | 1,584円 (2025/4/3) |
横浜ゴム(5101) | 3,364円 | 3,840円 (2025/2/19) | 3,078円 (2025/4/3) |
参照元:Yahoo!ファイナンス|日本株
ブリヂストンの自己株式取得
2025年にブリヂストンは自己株式を実施しています。直近で実施された内容を、以下の表にまとめました。
取得株式の総数 | 4,838,900株 |
取得価額の総額 | 29,095,536,100 円 |
取得方法 | 自己株式取得に係る取引一任契約に基づく市場買付 |
取得期間 | 2025年3月1日~2025年3月31日 |
参照元:株式会社ブリヂストン|自己株式の取得状況に関するお知らせ
また、ブリヂストンは3,000億円の取得価額を上限に、2025年2月20日〜2025年12月23日の期間で自己株式取得を行うと公表しています。
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まとめ
本記事では、ブリヂストンの配当金について解説しました。
2025年のブリヂストンの配当金は、1株あたり年間230円の予定です。
100株あたり年間23,000円の配当金がもらえますが、実際に振り込まれる金額は税引後の18,327円です。
株主優待はありませんが、過去4年間の配当利回りは約3.5%の高水準を維持しています。
しかし、南米のインフレや原材料の高騰などによって、2024年にブリヂストンの業績は悪化しており、過去最高額を記録した株価も急落しています。
それでも、総資本は右肩上がりに成長中で、2025年は1株あたり20円の増配を行う予定です。
1年後には再び株価が上がると予想するアナリストも多いので、ブリヂストンの株を持っていれば、配当金でも値上がりでも利益が狙える可能性があります。
銘柄選びの参考にしてみてください。
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