アメリカ(米国)株のROEが高い理由は?2026年版 日本株との違いと投資リスクを解説

アメリカ(米国)株のROEが高い理由は?日本株との違いと投資リスクのイメージ

日本株と米国株を比べるとき、ROEの差が気になった方もいるのではないでしょうか。事実として、アメリカ企業のROEは日本企業を大きく上回る傾向があります。

ただ、ROEが高い理由や仕組みを知らないままでは、自分に合った投資先かどうかを正しく判断できません。

本記事では、日本株との違いを踏まえて、アメリカ企業のROEが高い理由について解説します。

仕組みを理解した上で投資することで、想定外の損失を避けやすくなるでしょう。

アメリカ(米国)株のROEは高いのか?|日本株の平均2倍以上

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ROEとは「株主のお金を使ってどれだけ効率よく利益を生み出したか」を示す指標です。このROEにおいて、アメリカ企業は日本企業と比べて高い傾向にあります。

一般的に、「米国のS&P500」の平均ROEは約20.9%、「日本のTOPIX」は約9.4%(2024年実績)で、約2.2倍の差があります。

詳しくは 次の章で解説しますが、ROEが高い理由は「米国企業の利益率の高さ」に加え、自己資本を効率よく使う経営が重視されているからです。

ROEを見ることで、その企業が自己資本をどれだけ有効に使って利益を上げているかを把握しやすくなります。

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アメリカ(米国)株のROEが日本株より高い理由|3つ

アメリカ(米国)株のROEが日本株より高い理由|3つのイメージ

アメリカ(米国)株のROEが日本株より高い理由として、以下の3つが挙げられます。

  • 高収益・高付加価値の企業が多い
  • 自社株買いと配当による株主還元に積極的だから
  • 借入でレバレッジを効かせた経営をしている企業が多いから

アメリカ株と日本株への投資で迷っているときでも、ROEが高くなる背景を知ることで、自分に合った投資先を見つけやすくなるでしょう。

高収益・高付加価値の企業が多いから

アメリカにはApple・MicrosoftAlphabetなど30〜50%超の高ROEを維持している高収益・高付加価値の企業が多いため、ROEも高くなります。

高付加価値の事業とは、他社が簡単に真似できない製品やサービスを提供することで高価格を設定できるビジネスです。

価格競争に巻き込まれにくい分、売上に対する利益の割合が高くなりやすく、結果として利益率が上がります。

経済産業省の資料でも、米国企業は日本企業より利益率が高く、研究開発や無形資産を活かして稼ぐ構造が示されています。(参照元:経済産業省|第3節 企業の稼ぐ力についての国内外の比較

利益率が高いほど同じ自己資本でも大きな利益を生み出せるため、ROEの上昇につながるといった仕組みです。

自社株買いと配当による株主還元に積極的だから

自社株買いと配当による株主還元に積極的なことも、アメリカ(米国)株のROEが高い理由のひとつです。

自社株買いを実行すると発行済み株式数が減り、ROEの分母である自己資本が小さくなる※ため、ROEが上がりやすくなります。

※ROE=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

実際に、日本証券業協会の比較でも、米国企業は日本企業より自社株買いを含む株主還元に積極的であること※が示されています。※参照元:日本証券業協会|ステークホルダー資本主義

日本企業のように利益を内部留保として積み上げると自己資本が膨らみ、ROEが下がりやすくなるのとは対照的です。

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借入でレバレッジを効かせた経営をしている企業が多いから

アメリカ企業のROEが高い理由のひとつに、借入を活用して資本効率を高める経営が広く浸透していることが挙げられます。

ROEは「売上高利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ」に分けて考えられます。

財務レバレッジとは、自己資本に対してどれだけ負債を活用しているかを示すものです。

適切な借入は少ない自己資本でより大きな利益を生み出せる手段であり、ROEが上がりやすくなります。

一般的に、アメリカ企業は資本効率を意識して負債を活用する傾向がある一方、日本企業には無借金経営を健全とみなす考え方が根強く残っているのが現状です。

アメリカ(米国)株と日本株の違い|企業の稼ぐ力

アメリカ(米国)株と日本株の違い|企業の稼ぐ力のイメージ

米国株と日本株の違いを、企業の稼ぐ力と利益の使い方という視点でまとめました。

比較項目米国株日本株
ROEの平均水準約20.9%(S&P500・2024年)約9.4%(TOPIX・2024年)
利益率の水準高い傾向高収益企業が多い米国株より低め
自社株買いへの積極性高い株主還元に積極的比較的控えめ
株主還元の姿勢配当と自社株買いを重視社内に利益を残しやすい
資本効率を意識した経営重視されやすい改善途上
付加価値の高い事業の多さ多い傾向米国株より少なめ
余剰資金の活用姿勢還元や成長投資に回す慎重な活用になりやすい

米国株は利益を生み出す力に加えて、稼いだ利益を株主還元や成長投資に積極的に活用する傾向があります。

ROEの数値だけでなく、利益率や資本の使い方をあわせて確認することで、より精度の高い投資判断ができるようになるはずです。

米国株投資でROE以外に見るべきポイントは、こちらの章で詳しく解説します。

ROEの高いアメリカ(米国)株に投資するリスク|3つ

ROEの高いアメリカ(米国)株に投資するリスク|3つのお、エージ

ROEの高いアメリカ(米国)株に投資するリスクとして、以下の3つが挙げられます。

数字の高さだけで判断せず、あらかじめ注意点を知っておくことで、自分に合った投資先か判断しやすくなります。

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ROEが高くても円高で利益が相殺される|為替リスク

米国株への投資には、為替リスクが伴います。為替リスクとは、為替相場の変動によって円で受け取る最終的な利益が増減するリスクのことです。

たとえば、米国株が10%上昇しても、同じ期間に円が10%円高になれば、円換算の利益はほぼゼロになります。

ROEの高さや株価の上昇だけで安心せず、最終的な受取額が想定を下回る可能性がある点を理解しておきましょう。

レバレッジで膨らんだROEが金利上昇で崩れやすい

レバレッジで高まったROEは、金利上昇局面で低下しやすいデメリットがあります。

借入でROEを高めている企業は、金利が上がると利払い負担が増え、利益が圧迫されやすいからです。

ROEは「売上高利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ」に分解できます。

借入によって財務レバレッジを高めるとROEは上がりますが、これは収益力が上がったわけではないため、金利上昇で利払い負担が増えると一気に崩れやすいです。

高ROEとなった背景に「借入」が多く含まれていないかも確認してみてください。

ROEの高い企業の株は割高になりやすい

ROEの高い企業の株は、すでに割高な株価になっている場合があります。

ROEは投資家が重視する指標のため、数値が高い企業ほど多くの投資家に注目されて株価が上がりやすくなるからです。

結果、好決算を発表しても「想定通り」と受け止められ、株価がほとんど動かないケースもあります。

ROEの高さだけで判断すると、すでに買われすぎた銘柄に投資するリスクがあるため、PERやPBRなどの指標もあわせて確認しましょう。

ROE以外にアメリカ(米国)株投資で見るべきポイント|3つ

3つのポイントのイメージ

ROE以外にアメリカ(米国)株投資で見るべきポイントを3つ紹介します。

ROEはあくまで企業の収益性を示す指標のひとつです。

上記の指標をあわせて確認することで、割高な銘柄をつかむリスクを減らし、より根拠のある投資判断ができるようになります。

PER|株価が割高になっていないか

PERとは、株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを示す指標です。数値が高いほど投資家からの期待が大きい一方、割高になっている可能性もあります。計算式は以下のとおりです。

PER=株価 ÷ 1株あたり純利益(EPS)

一般的に、PERは15〜20倍が目安とされています。

業種や成長性によってそれぞれ異なるため、割高かどうかを正確に見極めるときは競合他社や過去の水準と比較しましょう。

なお、企業のPERは、証券会社の個別銘柄ページや個別銘柄レポートの「株価指標欄」で確認できます。

PBR|ROEの高さがすでに株価に反映されていないか

PBRとは、株価が1株あたり純資産の何倍まで買われているかを示す指標です。

数値が高いほど、投資家からの期待が株価に反映されている状態だといえます。計算式は以下のとおりです。

PBR=株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)

一般的に、PBRは1倍を下回ると割安、1倍を上回ると割高の目安とされています。

ROEが高い企業は投資家から注目されやすいためPBRも高くなりやすく、すでに期待が株価に反映されている場合、その後の値上がり余地が限られることがあります。

割高かどうかを見極めるときは、同業他社や過去の水準と比較しましょう。

なお、企業のPBRは、証券会社の個別銘柄ページや個別銘柄レポートの「株価指標欄」で確認できます。

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買うべき株を見極める!PBRを使った5つの手法とは?

フリーキャッシュフロー|実際に利益が出ているのか

フリーキャッシュフローとは、本業で稼いだお金から設備投資などに使ったお金を差し引いたあとに、企業の手元へ残る資金のことです。

「ROE」は会計上の利益をもとに計算されるため、数値が高くても実際に手元資金が増えているとは限りません。

設備投資や運転資金の負担が大きければ、自由に使えるお金はほとんど残らないケースもあります。

フリーキャッシュフローが安定して黒字であれば、ROEの高さが実態を伴っている可能性が高く、より信頼性の高い投資判断ができるようになるでしょう。

なお、フリーキャッシュフローは、米国株の場合は、キャッシュフロー計算書のフリーキャッシュフロー、日本株の場合、決算短信のキャッシュ・フロー計算書で確認できます。

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日本株よりアメリカ(米国)株への投資が向いている人

日本株よりアメリカ(米国)株への投資が向いている人のイメージ

日本株よりアメリカ(米国)株への投資が向いている人は、以下のとおりです。

  • 株主還元に積極的な企業へ投資したい人
  • ROEや利益率など、企業の稼ぐ力を数字で確認しながら投資したい人
  • 日本株中心の運用に偏らず、投資先の地域や通貨を戦略的に分けたい人
  • 配当や自社株買いなど、株主還元の仕組みまで含めて投資先を選びたい人
  • 目先の上げ下げより、5年後・10年後の企業価値の伸びを重視して保有したい人

米国株にはROEが高く株主還元に積極的な企業が多く、企業の稼ぐ力や資本効率を重視して投資先を選びたい人と相性が良いです。

ただし、為替や金利の影響は避けられないため、中長期の視点で保有できる人に向いています。

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まとめ|アメリカ(米国)株のROEが高い理由

まとめ|アメリカ(米国)株のROEが高い理由のイメージ

現状、アメリカ企業のROEは日本企業より高い傾向にあります。

株主還元に積極的な企業が多いことや、資本効率を意識した経営が広がっていることなどがおもな理由です。

一方で、ROEが高い銘柄でも、金利上昇でROEが低下したり、株価に期待が先に織り込まれていたりすることがあります。

そのため、米国株に投資する際はROEだけで判断せず、PERやPBR、フリーキャッシュフローなどの指標をあわせて確認しましょう。

ROEの背景にある利益率や株主還元、資本の使い方を理解できれば、自分に合った投資先を見つけられるはずです。


※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
※株式投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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