
トヨタ自動車株式会社(東証プライム:7203)は、自動車の販売台数が4年連続で世界1位の自動車メーカーです。
本記事では、トヨタ自動車の配当金額やいつもらえるか、配当利回り、配当性向について解説します。
目次
トヨタ自動車の配当金はいくら|15円アップ予想
2025年3月期(2024年4月1日〜2025年3月31日)のトヨタ自動車の配当金は、年間90円(1株あたり)の予想です。100株(単元株)あたりで受け取れる配当金は、年間9,000円となります。
直近6期分の配当金の推移(1株あたり)を、以下の表にまとめました。
事業年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計額 |
2025年3月期 | 40円 | 50円(予想) | 90円(予想) |
2024年3月期 | 30円 | 45円 | 75円 |
2023年3月期 | 25円 | 35円 | 60円 |
2022年3月期 | 24円 | 28円 | 52円 |
2021年3月期 | 21円 | 27円 | 48円 |
2020年3月期 | 20円 | 24円 | 44円 |
2025年3月期の配当金は前年比15円アップが予定されており、実現すれば5期連続の増配となります。トヨタは今後も増配を続ける方針なので、トヨタの株を持っていれば、配当金で効率よく資産を増やせるかもしれません。
ただ、配当金には税金がかかるので、2025年3月期に受け取れる配当金額は、100株(単元株)あたり年間7,171円です。
【計算式】 (90円×100株)×(1-20.315%)=7,171.65円
この配当金をもらうための最低購入価格は305,200円です。(税金等除く)
【計算式】 3,052円(2024年1月7日株価)×100株
配当金の税金や節税方法については、こちらの章で解説しています。
トヨタ自動車の配当金はいつもらえる
トヨタ自動車の配当金は、中間と期末の合計2回にわけて支払われます。トヨタの配当金が支払われる時期と権利確定日を、以下の表にまとめました。
項目 | 中間配当 | 期末配当 |
権利確定日 | 9月30日 | 3月31日 |
支払われる時期 | 11月〜12月頃 | 5月〜6月頃 |
トヨタの配当金を受け取るには、株主名簿への登録が必要です。反映に時間がかかるので、2025年の期末配当を受け取るために、基準日の2営業日前(2025年3月27日15時30分)までに株を購入しましょう。
トヨタ自動車の配当利回りと配当性向
トヨタ自動車の配当利回りは2.94%(2025年3月期予想)で、配当性向は20.4%(2024年3月期実績)です。直近5期分の推移については、以下の表をご覧ください。
事業年度 | 配当利回り | 配当性向 |
2025年3月期 | 2.94%(予想) | ー |
2024年3月期 | 2.88% | 20.4% |
2023年3月期 | 2.97% | 33.4% |
2022年3月期 | 2.60% | 25.3% |
2021年3月期 | 3.32% | 29.8% |
配当利回りは、約3%で推移しています。日経平均やプライム全銘柄の利回りの平均値は1.8〜2.2%なので、トヨタ株で狙える配当益は高水準です。
また、トヨタの配当性向は、20〜30%で推移しています。自社の利益を新規事業や設備投資にも回しつつ、安定して株主に還元していると考えられます。
そのため、トヨタの株を持っていれば、継続して平均以上の配当をもらえる可能性があるでしょう。
以下の表では、2025年のトヨタの配当利回りと配当性向を競合他社と比較しているので、銘柄選びの参考にしてみてください。
会社名 | 配当利回り(2025年3月期予想) | 配当性向(2024年3月期実績) |
トヨタ自動(7203) | 2.94% | 20.4% |
本田技研工業 (7267) | 4.24% | 30.1% |
日産自動車(7201) | – | 18.1% |
マツダ(7261) | 5.04% | 18.2% |
参照元:みんかぶ
マツダの配当金の詳細を知りたい方は、マツダは過去最高益で特別配当も! 気になる配当金と配当時期を解説の記事で詳しく解説しています。
配当性向と配当利回り
配当利回りとは
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるかを示す指標です。計算式は次のようになります。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当性向とは
配当性向は、税金を差し引いた企業の純粋な利益である当期純利益のうち、配当に回される額を表した割合です。計算式は次のようになります。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
目安となる数値や詳しい計算方法については、配当利回りと配当性向とは?違いや計算式、目安となる数値を解説 の記事で解説しています。
トヨタ自動車の株主優待
トヨタ自動車株式会社がすることを、2025年3月3日の15時30分に株主優待を新設することを発表した。
優待内容は、「100株以上を保有する株主に、保有株数と保有期間に応じて500~3万円分の『TOYOTA Wallet(トヨタウォレット)』の残高を贈呈。さらに、保有株数や保有期間にかかわらず全株主に、抽選でモータースポーツの観戦チケットやTOYOTA UPCYCLE(トヨタアップサイクル)アイテムを贈呈」というもの。
詳細は、以下参考にしてみてください。
100株以上を保有する株主への優待内容
対象:100株以上を保有する株主 (3月の期末決算時点)
割引内容:基準日における保有株式数および継続保有期間に応じて、TOYOTA Wallet残高を進呈いたします。
保有株式数 | 継続保有期間 | 進呈残高 |
1,000株以上 | 5年以上 | 30,000円分 |
100株以上 | 3年以上 | 3,000円分 |
1年以上~3年未満 | 1,000円分 | |
1年未満 | 500円分 |
保有株式数や継続保有期間に関わらない株主への優待内容
対象:保有株式数や継続保有期間に関わらずトヨタ自動車の株主
割引内容:ご希望に応じて以下の[A]~[E]の抽選のいずれか1つに応募が可能。
商品 | 詳細 |
[A]2025 FIA 世界耐久選手権 第7戦 富士6時間耐久レース ペアチケット | 【抽選】 当選人数:1,000名様 日時:2025年9月26日(金)~28日(日) 場所:富士スピードウェイ(静岡県) |
[B] 2025年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第9戦・第10戦 ペアチケット | 【抽選】 当選人数:1,000名様 日時:2025年10月11日(土)~12日(日) 場所:富士スピードウェイ(静岡県) |
[C] スーパー耐久シリーズ2025 第7戦 ペアチケット | 【抽選】 当選人数 1,000名様 日時:2025年11月15日(土)~16日(日) 場所:富士スピードウェイ(静岡県) |
[D] TOYOTA UPCYCLE トートバッグ | 【抽選】 |
[E] TOYOTA UPCYCLE ペンケース | 【抽選】 LEXUSの車両に使用される上質なシートレザーの端材をアップサイクルして生まれたトヨタのStationeryシリーズからペンケースを贈呈 |
応募方法
基準日(3月末日)時点の株主様に、申し込み方法等の詳細なご案内を定時株主総会招集ご通知に同封し、5月下旬にお送りいたします。5月下旬にお送りいたします。TOYOTA Wallet残高は5月下旬以降に、レース ペアチケットおよびTOYOTA UPCYCLEアイテムは8月以降に進呈予定です。
参考:トヨタ自動車|株主優待について
トヨタ自動車の業績
2025年3月期(2024年4月1日〜2024/9/30時点)を含む、過去6年分のトヨタ自動車の業績を以下の表にまとめました。
(単位:百万円)
決算情報 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
2025年3月期 | 23,282,450 | 2,464,217 | 2,732,069 | 1,907,113 |
2024年3月期 | 45,095,325 | 5,352,934 | 6,965,085 | 4,944,933 |
2023年3月期 | 37,154,298 | 2,725,025 | 3,668,733 | 2,451,318 |
2022年3月期 | 31,379,507 | 2,995,697 | 3,990,532 | 2,850,110 |
2021年3月期 | 27,214,594 | 2,197,748 | 2,932,354 | 2,245,261 |
2020年3月期 | 29,866,547 | 2,399,232 | 2,792,942 | 2,036,140 |
トヨタの2023年の世界販売台数は約1,125万台で、前年比7.2%増の過去最高を達成。フォルクスワーゲンを抑えて4年連続で世界一となりました。
さらに、円安による利益の押し上げ(約6,850億円)もあり、2024年3月期のトヨタの営業利益は、日本の上場企業で初めて5兆円を突破しました。※
しかし、2025年3月期の中間決算では、認証不正問題やリコールの影響により、純利益が前年同期比26%減の1兆9,071億円に減少しています。
ただし、これは前年度の業績がとくに高かった影響もあるので、今後も成長への期待値は高いでしょう。
トヨタ自動車の事業内容
トヨタ自動車のおもな事業内容は、以下の4つです。
- 自動車事業
- マリン事業
- 金融事業
- 住宅事業
それぞれ紹介します。
自動車事業
自動車事業は、トヨタの中心産業です。クルマの企画・開発から生産までを行っており、2023年にはトヨタグループ全体で1,151.8万台の自動車を生産しました。
また、電気自動車は「充電場所の不足」や「販売価格の高さ」などの課題が続いているため、日本のハイブリッド車への需要が伸びています。トヨタのハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)は海外でも高い評価を得ており、とくにアメリカ市場ではハイブリッド車のシェアが約6割に達しています。
マリン事業
マリン事業では、約12名が乗れる船の生産・販売を行っています。
海でも「トヨタの走り」を実現するため、自動車のエンジンや整備技術を応用しながら、安全で快適な船を製造。通常のクルーザーから、スポーツタイプの「プレミアムスポーツクルーザー」まで、さまざまな製品を手掛けています。
金融事業
金融事業では、トヨタファイナンシャルサービス株式会社(TFS)が中心となって、世界40カ国以上で金融サービスを展開しています。
2000年7月にトヨタ自動車の100%出資で設立され、自動車ローンやリースを主軸としたサービスを提供。「自動車を身近に利用できる金融サービス」を目指した事業を行っています。
住宅事業
住宅事業は、戸建てや賃貸、マンションなどの建築を行っている分野です。省エネルギー住宅(ZEH)の建築や、最長60年間の長期保証の提供など、品質管理に力を入れています。
また、2018年には住宅専業メーカーとして初めて、品質管理で世界最高峰の賞である「デミング賞」を受賞しました。
トヨタ自動車と競合他社の業績比較
トヨタ自動車と競合他社の業績を比較してみましょう。2024年3月期の業績は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
会社名 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
トヨタ自動車(7203) | 45,095,325 | 5,352,934 | 6,965,085 | 4,944,933 |
本田技研工業(7267) | 20,428,802 | 1,381,977 | 1,642,384 | 1,107,174 |
日産自動車(7201) | 12,685,716 | 568,718< | 702,161 | 426,649 |
マツダ(7261) | 4,827,662 | 250,503 | 320,120 | 207,696 |
参照元:みんかぶ
純利益は本田技研の約4.5倍、日産の約11.6倍、マツダの約23.8倍と、トヨタの業績は圧倒的に高いです。
トヨタが力を入れている「ハイブリッド車」の製造・販売は、今後も需要が見込まれている分野です。そのため、トヨタの株を持っていると、今後も値上がりや増配で利益を狙える可能性があります。
トヨタ自動車の株価
トヨタの株価は、3,052円(2025年1月7日終値)です。以下のチャートでは、直近10年間の株価の推移を示しています。
2015年から2021年まで、トヨタの株価は1,000円台で推移していました。2021年9月に2,000円を突破してから徐々に株価が上がり、2024年3月に最高値の3,891円を記録。2025年1月7日時点では、3,000円前後で推移しています。
トヨタの株が値上がりしている理由としては、以下の要因が考えられています。
- 半導体企業に出資している
- 2024年3月期に為替の影響で利益が増えた
- 日本のハイブリッド車が再注目されている
- ハイブリッド車を中心とする自動車の販売が好調だった
実際に、アナリストの中には、トヨタの株価が1年後に最高で3,800円※になると予想しているところもあります。
そのため、トヨタの株を持っていれば、配当益と値上がり益のどちらでも利益が狙えるかもしれません。リアルタイムの株価を見たいときは、こちらのYahoo!ファイナンスで確認できます。
また、トヨタと競合他社の株の値動きについては、以下の表を参考にしてみてください。
会社名 | 現在の価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
トヨタ自動車(7203) | 3,052円 (以下2024/12/24終値) | 3,891円(2024/3/27) | 2,183円 (2024/8/5) |
本田技研工業(7267) | 1,604円 | 1,960円 (2024/3/22) | 1,214円 (2024/12/19) |
日産自動車(7201) | 479.6円 | 652円 (2024/3/22) | 338円 (2024/12/7) |
マツダ(7261) | 1,087.5円 | 1,961円 (2024/2/8) | 942円 (2024/12/5) |
参照元:Yahoo!ファイナンス|日本株
トヨタ自動車の自己株式取得
トヨタ自動車は、過去に何度も自己株式取得を実施しています。直近で実施された自己株式の取得内容は、以下のとおりです。
取得対象株式の種類 | 当社普通株式 |
取得した株式の総数 | 18,611,000株 |
株式の取得価額の総額 | 49,589,825,436円 |
取得期間 | 2024年11月1日~2024年11月29日 |
参照元:トヨタ自動車株式会社|自己株式の取得状況に関するお知らせ
2025年4月末までに約5.3億株(上限)の取得も予定されています。株価の維持・向上のため、トヨタは今後も自己株式の取得を行う可能性があります。
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まとめ
本記事では、トヨタ自動車の配当金について解説しました。
2025年3月期のトヨタの配当金は、1株あたり年間90円が予定されています。100株あたり年間9,000円が支払われますが、実際に振り込まれる金額は税引後の7,171円です。
トヨタ株には、株主優待がありません。しかし、金額は前期より15円アップが見込まれており、実現すれば5期連続の増配となります。
直近5期において、トヨタ株の配当利回りは約3%で推移しています。日経平均やプライム全銘柄の利回りの平均値は1.8〜2.2%なので、トヨタ株の配当利回りは高水準です。権利確定日は毎年「9月末」と「3月末」で、それから2〜3ヶ月後に証券口座に支払われる予定です。
トヨタのハイブリッド車は世界中で再注目されており、とくにアメリカでのシェア率は約6割を占めています。2024年3月期には、日本の上場企業で初めて営業利益が5兆円を超えており、トヨタの収益力の高さが示されました。
株の値上がりも期待されているうえに、トヨタ自身が「今後も増配を続ける」と公表しているので、トヨタの株を持っていれば長期的に資産を増やせるかもしれません。
銘柄選びの参考にしてみてください。
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