上場インデックスファンド225は日興アセットマネジメント運用する日経平均株価(日経225)への連動を目指すETFです。
上場は2001年ですので、長く実績のあるファンドです。
今回は、上場インデックスファンド225の実績と評価、また、同じく日経225をインデックスとする他のETFや、同じく日興アセットマネジメントが管理するTOPIX連動ETFとも比較して解説します。後半では、ETFの特徴や向いている人についてもお伝えします。
目次
上場インデックスファンド225とは
上場インデックスファンド225の基本情報
上場インデックスファンド225は、基準価額を日経平均株価(日経225)の動きに連動させることを目指したファンドです。
売買手数料は取扱会社が定める手数料とされているため証券会社によって異なります。売買単位は1口単位、信託報酬率は純資産総額に応じて変動する段階料率を採用しています。
段階料率とは、純資産総額が増えるほど料率は下がり、逆に売り越しが大きくなって運用資産が小さくなると上がる仕組みです。
【上場インデックスファンド225】
2024年8月28日時点
上場日 | 2001年7月13日 |
基準価額(1口あたり) | 39,576円 |
取引所価格(1口あたり) | 39,600円 |
純資産総額(百万円未満切り捨て) | 5,049,676百万円 |
口数 | 127,595,740口 |
分配金利回り | 1.6%(税引き前・直近1年間) |
信託報酬率 | 年率0.099%(税抜 |
上場インデックスファンド225の分配金
上場インデックスファンド225の決算日は毎年7月8日の年1回です。過去5年間の一口あたりの基準価額と分配金の実績は下表の通りです。
決算日 | 1口あたりの基準価額 | 1口あたりの分配金額 |
2024年7月8日 | 42,046円 | 634円 |
2023年7月8日 | 33,333円 | 55.6円 |
2022年7月8日 | 27,199円 | 494円 |
2021年7月8日 | 28,877円 | 359.9円 |
2020年7月8日 | 23,021円 | 393.9円 |
上場インデックス225の投資先上位10銘柄
上場インデックス225の投資先として組入比率が高い10銘柄は下表の通りです。
(2024年8月27日時点)
順位 | 銘柄コード | 銘柄名 | 組入比率 |
1 | 9983 | ファーストリテイリング | 11.92% |
2 | 8035 | 東京エレクトロン | 6.70% |
3 | 9984 | ソフトバンクグループ | 4.37% |
4 | 6857 | アドバンテスト | 4.18% |
5 | 4063 | 信越化学工業 | 2.75% |
6 | 9433 | KDDI | 2.48% |
7 | 6762 | TDK | 2.45% |
8 | 6098 | リクルートホールディングス | 2.27% |
9 | 4543 | テルモ | 1.88% |
10 | 4519 | 中外製薬 | 1.88% |
上場インデックス225は日経平均株価(日経225)に連動した成果を目指していますので、日経225の騰落率を当ファンドの騰落率と一致させることを目指してポートフォリオを組んでいます。
下図からもわかるとおり、日経平均株価が上昇すれば当ファンドの基準価額も上昇しますし逆の場合も同様であることがわかります。
類似ETFと運用コストを比較
長期運用を考える場合、日々かかる信託酬費用は運用効率に影響を与えます。上場インデックスファンド225の信託報酬率は、運用する純資産総額の増減に応じて変動する仕組みです。
上場インデックス225の信託報酬率を他の日経225連動ETFと比較してみたところ、当ファンドの信託報酬率は低いことがわかります。
(2024年7月31日現在)
名称 | 管理会社 | 信託報酬率(税抜) |
上場インデックスファンド225 | 日興アセットマネジメント | 0.099% |
NEXT FUNDS日経225連動型投信 | 野村アセットマネジメント | 0.1007% |
MAXIS 日経225上場投信 | 三菱UFJアセットマネジメント | 0.12% |
SMDAM 日経225上場投信 | 三井住友DSアセットマネジメント | 0.14% |
One ETF 日経225 | アセットマネジメントOne | 0.155% |
上場インデックスファンド日経225(ミニ) | 日興アセットマネジメント | 0.225% |
iシェアーズ・コア 日経225 | ブラックロック | 0.045%以内 |
上場インデックスファンドTOPIXとの比較では
日本の株価指数連動型のETFの購入を検討する場合、日経平均株価(日経225)連動にするか、TOPIX連動にするかで悩む場合が多いです。
両インデックスを簡単に説明すると、日経平均株価(日経225)は、東京証券取引所のプライム市場から選出した225銘柄の株価平均型の指数です。値がさ株(株価の高い株)の影響を受けやすいという特徴があります。表示単位は円・銭です。
一方、TOPIXは現在は、旧市場区分からの移行期間中のため、現在はプライム、スタンダート、グロースの全ての市場から選出された2,000銘柄以上で構成された指数となっています。こちらは時価総額(株価×発行済株式数)の大きい銘柄の影響を受けやすいことが特徴です。
表示単位は、時価総額を数値化してポイントで表示されます。
大型株を中心に投資したい場合は、日経225連動ファンド、日本市場に幅広く投資したい場合はTOPIX連動ファンドを選ぶという形になります。
参考までに、日興アセットマネジメントが管理するTOPIX連動商品「上場インデックスファンドTOPIX」の実績をピックアップしてみたところ、現時点では、利回り、信託報酬率ともに上場インデックスファンド225よりも有利なようです。
【上場インデックスファンドTOPIX】
- 基準価額:276,315円(100口あたり)
- 取引所価格:2,772円(売買単位1口)
- 分配金利回り:2.06% (直近1年間)
- 分配金(2024年7月8日):1口あたり 57円
- 信託報酬率:年率0.053%(税抜)*純資産総額の増減に応じて変動
ETFと投資信託どちらが自分に向いている?
ETFとは
ETFとはExchange Traded Fundの頭文字を取ったもので、上場している投資信託のことを指します。これに対し、投資信託と一般的に呼んでいるものは、上場していない(非上場)の投資信託です。
一般の投資信託はリアルタイム取引ができませんが、ETFは市場を通して売買できるため、株式投資のように値動きに応じてリアルタイムで売買することができます。
ETFの主な特徴は下記の通りです。
- リアルタイム取引が可能は投資信託
- 指値注文も可能
- 信託報酬が低い
- 分配金は純粋な利益から分配される(投資信託の特別分配金の概念はない)
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ETFが向いているのはどんな人?
個別株投資の場合、株価の下落が資産の減少に直結しますが、投資信託は複数の株式が入った福袋のようなものですので、一般的には株価下落時のインパクトも薄まると考えられます。
リスクの高さから株式投資を避けているという方でも、ETFであればリスクを避けながら株式投資が行えます。
また、個別株投資をする際は、株価、業績、配当利回り等の最低限の項目を自分で調べる必要があります。複数の個別株に投資したいなら、数十万円~数百万程度の投資資金の準備も必要です。
しかし、ETFなら、複数の銘柄に少額から投資することができます。基本、インデックスとしている指数の動きを捉えてさえおけば良いので、個別株の値動きをチェックする煩わしさもないでしょう。加えて、ETFは運用コストの低さも魅力です。
ETFの運用にかかるのは、売買手数料と信託報酬のみ。一般の投資信託の信託財産留保額は、ETFにはありません。つまり、ETFは売買手数料が無料の証券会社なら、かかるコストは信託報酬のみです。
ETFが向いている人の特徴をまとめると・・・
- リスクを分散したい人
- リアルタイムで投資信託を売買したい人
- コストを低減したい人
などが思い当たります。
ETFはインカムゲインを得ながら、価格上昇時にはリアルタイムで売却してキャピタルゲインを得ることも可能という自由度の高い投資手法です。
ETFもNISAで取引できる
新NISAの登場で投資の裾野が広がる中、NISA対象のETFも多く存在しています。上場インデックスファンド225は新NISAの成長投資枠で購入可能です。
すでに、毎月定額を積立投資をしている方の中には、成長投資枠を活かしきれていない方もいるようです。成長投資枠は個別株式だけでなくETFの購入もできます。
積立投資は長期の資産形成に活用し、成長投資枠では短期的な売買で利益を上げるなどの活用法もあるでしょう。
広く周知されつつあるNISA制度。限度額までの投資から生じた利益が一生涯非課税となる制度です。
NISAの成長投資枠は年間上限240万円まで買付け可能、複数年で1,200万円まで保有することができます。投資から得られる分配金、売買差益に税金がかかりません。
売却したら非課税枠が復活しますので、限度額までは繰り返し売買を行えます。NISAの枠に余裕がある場合は、NISA枠でETFの運用を検討しましょう。
まとめ
上場インデックスファンド225は、日経平均株価(日経225)に連動した成果を目指すファンドです。上場は2001年と23年間にわたり運用されてきた歴史あるファンドです。
運用コストは他の類似ファンドと比較して低いといえます。日経平均株価をインデックスとするETFの購入を検討するなら十分、選択肢となり得るのではないでしょうか。
ETFは商品の特徴と投資手法から投資信託と株式投資の中間の商品と考えることができます。そのため、投資歴の浅い方にも比較的取り組みやすい投資です。
ETFの購入を検討するなら、上場インデックスファンド225を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
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