
iシェアーズ・コア日経225ETFは、日経平均株価(日経225)に連動した成果を目指すETFです。
本記事ではiシェアーズ・コア日経225ETFについて、徹底解説します。
また、ETFと投資信託の違い、ETFはどのような人に向いているのかもお伝えします。
目次
iシェアーズ・コア日経225ETFとは
iシェアーズ・コア日経225ETFの特徴
iシェアーズ・コア日経225ETFは、日経平均株価(日経225)に連動した成果を目指すファンドです。
投資指数である日経225は、プライム市場を代表する225銘柄から構成されています。そのため、iシェアーズ・コア日経225ETFを購入することで225社への分散投資が叶い、日経225の値動きと同等のパフォーマンスが期待できることが特徴です。
米国最大手の資産運用会社ブラックロックが販売するETFで、東京証券取引所に上場しているため、証券会社で国内株式と同じように値動きを見ながらの売買が可能です。
また、iシェアーズ・コア日経225ETFはNISAの「成長投資枠」で購入可能なファンドでもあるため、NISAを利用すれば非課税の恩恵を受けながら長期的な資産形成を目指すこともできるでしょう。
ファンドの詳細
(2024年7月29日時点)
純資産総額 | 1,382,225,051,200円 |
取引所 | 東京証券取引所 |
資産分類 | 株式 |
発行済口数< | 34,453,341 |
取引単位 | 1口 |
保有銘柄数 | 225 |
分配頻度 | 年2回 |
設定日 | 2001年9月4日 |
インデックス | 日経平均トータルリターン・インデックス |
信託報酬(税抜) | 0.045%以内 |
信託報酬(税込み) | 0.0495%以内 |
投資対象は?
iシェアーズ・コア日経225ETFの投資対象はプライム市場から日本経済新聞社が公表している225銘柄ですが、その中の組入上位10銘柄は下記となっています。
【2024年7月29日時点】
銘柄名 | 業種 | 保有比率 |
ファーストリテイリング | 小売業 | 10.61% |
東京エレクトロン | 電気機器 | 7.18% |
ソフトバンクグループ | 情報・通信業 | 4.77% |
アドバンステスト | 電気機器 | 3.81% |
信越化学 | 化学 | 2.73% |
TDK | 電気機器 | 2.49% |
KDDI | 情報・通信業 | 2.34% |
リクルートホールディングス | サービス業 | 2.09% |
ダイキン工業 | 機械 | 1.90% |
テルモ | 精密機器 | 1.87% |
*保有銘柄や組入比率は変更される場合があります。
資産別構成比は?
225銘柄を業種別に区分した場合の組入業種トップ10は下表になります。
【2024年7月26日時点】
業種 | 保有比率 |
電気機器 | 25.77% |
小売業 | 13.14% |
情報・通信業 | 10.83% |
化学 | 6.76% |
医薬品 | 6.31% |
機械 | 5.24% |
輸送用機器 | 4.33% |
サービス業 | 4.23% |
精密機器 | 3.79% |
卸売業 | 3.40% |
運用実績は?
iシェアーズ・コア日経225ETFの運用実績はベンチマークである日経225に追従する形の実績を示しています。過去5年間の年ごとのリターンと、一定期間運用継続した場合のリターンが下表です。
【1年ごと】
(2024年6月30日時点)
トータル・リターン(%) | インデックス(%)(日経225) | |
2023/6/30-2024/6/30 | 21.39 | 21.48 |
2022/6/30-2023/6/30 | 28.49 | 28.60 |
2021/6/30-2022/6/30 | ▲6.66 | ▲6.52 |
2020/6/30-2021/6/30 | 31.07 | 31.26 |
2019/6/30-2020/6/30 | 6.85 | 7.01 |
【運用期間ごと】
(2024年6月30日時点)
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
トータル・リターン(%) | 21.39 | 13.34 | 15.31 | 12.03 | 7.53 |
インデックス(%)(日経225) | 21.48 | 13.46 | 15.45 | 12.21 | 7.80 |
ただし、これらは分配金を再投資して運用コストを差し引いて計算した数字です。
受け取った分配金を再投資しない場合のパフォーマンスはこれより低くなりますので注意してください。
分配金実績は?
ETFの分配金は、決算期間中に生じた利子や配当金などの収益から運用管理費用(信託報酬)などのコストを除いた全額が分配される仕組みです。
分配金の頻度はETFによってまちまちですが、iシェアーズ・コア日経225ETFの分配回数は2月9日および8月9日の年2回です。過去8回の分配金の推移は次の通りです。
【分配金履歴】
権利確定日 | 分配金単価 |
2024年2月9日 | 297円 |
2023年8月9日 | 310円 |
2023年2月9日 | 275円 |
2022年8月9日 | 295円 |
2022年2月9日 | 220円 |
2021年8月9日 | 218円 |
2021年2月9日 | 161円 |
2020年8月9日 | 204円 |
ETFには、通常の投資信託(非上場)にある元本を取り崩して支払われる特別分配金(元本払戻金)に相当するものはありません。収益がなければ分配金は支払われないため、投資元本が目減りする心配はありません。
ただ、ETFの分配金は自動で再投資されず、再投資をしたい場合は自分で手続きしなけらばならないため多少の手間を要します。
iシェアーズ・コア日経225ETFに10年間投資した結果は?
iシェアーズ・コア日経225ETFを10年間運用した場合の投資成果をシミュレーションしてみました。
先述の通り、直近10年間のトータルリターンは12%です。
仮に200万円をiシェアーズ・コア日経225に投資したとしましょう。12%で運用できたとした場合、運用管理費用を考慮しなければ、10年後の予想資産額は約620 万円になる計算です。
ETFの運用には運用管理費用(信託報酬)がかかり、iシェアーズ・コア日経225の運用管理費用は0.0495%(税込み)以内とされています。
しかし、当ファンドの運用管理費用は純資産総額に応じて段階的に引き下げられる仕組みのため、純資産総額が多くなるほど運用コストは下がります。そのため運用コストが利益に与えるインパクトは大きくないと考えていいでしょう。
運用コストよりもインパクトが大きいのは税金です。
課税口座で投資をすると、運用益には20.315%が課税されてしまいます。たとえば、200万円を10年間運用して400万円の運用益が出ても、80万円超は税金として徴収されますので、手残りは約320万円ということになってしまうのです。
だだし、iシェアーズ・コア日経225ETFはNISAの成長投資枠で購入可能なファンドです。仮にNISA口座で同様の運用をした場合、運用益の全額が手元に残ります。NISAの非課税枠が残っている場合はNISAの活用を検討しましょう。
そもそもETFって何?
ETFは上場している投資信託
結論から言うと、ETFも「投資信託」です。
ETFと投資信託の違いは、ETFは東京証券取引所に上場している投資信託、そして我々が一般的に呼んでいる投資信託は上場していない(非上場)投資信託なのです。
ETFと投資信託の違いと共通点
ETFと投資信託の違いと共通点を下表にまとめました。
【2024年7月時点】
ETF | 投資信託 | |
銘柄数 | 333本 | 約6,000本 |
ファンドの種類 | 主にインデックスファンド、一部アクティブファンドあり | インデックス、アクティブファンド |
運用管理費用 (信託報酬) | 投資信託より低め | 低いインデックスファンドもあるが、アクティブファンドではETFより高い |
購入または売却のタイミング | リアルタイム取引可 | 1日1回 |
金融機関 | 証券会社 | 証券会社、銀行、郵便局など |
参考:JPX 日本取引所グループより抜粋
ETFのリアルタイム取引でリスク低減
そもそも投資信託は、投資商品を様々詰め合わせた福袋のようなもの。投資先を分散することでリスクの分散を図れる商品です。
ですが、一般の投資信託は基準価額が分からない状態で売買するため、買ってみたら思ったより高かった、売ってみたら予想より儲けが少なかったなどのリスクも伴う投資手法です。
しかし、ETFは株式同様に価格の変動を見ながら指値、成行などリアルタイムで売買ができるため、想定外の取引となることが少なくなります。
そういう意味では、一般の投資信託よりさらにリスクが低いという見方ができるでしょう。
iシェアーズ・コア日経225ETFはこんな人に向いている
ETFと投資信託の違いを踏まえ、iシェアーズ・コア日経225ETFへの投資が向いているのは次のような方でしょう。
・日経平均株価(日経225)に連動した運用成果を得たい
国内には日経225をはじめ、TOPIXなどいくつもの投資指数が存在します。日経225をインデックスとしている投資信託への投資を考えているのであれば、運用コストの低い当ファンドも選択肢となるでしょう。
・リアルタイムで売買がしたい
ETFは、リアルタイム取引が可能であるため、市場価格が下がったときに買付けたり、上昇局面で売却したりすることが可能です。投資信託を指値で売買したい方は、一般の投資信託よりも自由度の高いETFが向いています。
・定期的に分配金を受け取りたい
ETFは運用益から運用コストを除いた全額が分配金となり、投資家の保有資産の額に応じて分配されます。
運用益が少なかったりなかったりした場合は分配金が出ないこともありますが、一般の投資信託の元本払戻金(特別分配金)というものは存在しないため、分配金は純粋に運用成果として受け取ることができる点では安心です。
ただし、ETFの分配金は自動での再投資機能がありません。分配金を再投資したい場合には手動で手続きが必要です。
まとめ
iシェアーズ・コア日経225ETFは日経225に連動した成果を目指し運用される上場投資信託です。
ETFは株式投資のようにリアルタイムで取引ができること、運用コストが低いことが特徴です。
日経225をインデックスとしている投資信託をお探しの方は、上場投資信託であるiシェアーズ・コア日経225ETFも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
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