
東京エレクトロン株式会社(東証プライム:8035)は、半導体製造装置のシェア率で世界トップクラスを誇る日本の半導体メーカーです。
本記事では、東京エレクトロンの配当金額や支払い時期、配当利回り、業績について解説します。
8年以上100円を超える配当金を維持しており、2025年3月期(2024年4月1日〜2025年3月31日)の配当金は、直近10年での最高額が見込まれています。
東京エレクトロンの株はNISAの成長投資枠でも購入可能です。
目次
東京エレクトロンの配当金はいくら|1株あたり571円予想
2025年3月期の東京エレクトロンの配当金は、1株あたり年間571円の予定です。これは直近10年での最高配当額になっています。
配当金額だけをみると高配当で魅力的ですが、投資費用も高額です。
2024年3月期に東京エレクトロンの株を100株持っていれば、年間57,100円の配当金がもらえますが、この配当をもらうために必要な投資額は2,200,000円です。(2025年3月20日の株価22,200円で計算)。
ちなみに目標配当に対する投資金額は下記のようになります。
配当からは税金が差し引かれます
ただし、実際には配当所得として20.315%の税金が差し引かれるので、45,500円がもらえる金額です。
【税引後に受け取れる配当金】 (571円×100株)×(1−20.315%)=45,500.135円
直近6年分の配当金の推移を、以下の表にまとめました。
(1株あたり)
事業年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計額 |
2025年3月期 | 265円 | 306円 | 571円 |
2024年3月期 | 148円 | 245円 | 393円 |
2023年3月期 | 285.67円 | 284.66円 ※1 | 570.33円 |
2022年3月期 | 214.33円 | 253.34円 | 467.67円 |
2021年3月期 | 120円 | 140.33円 | 260.33円 |
2020年3月期 | 82円 | 114円 | 196円 |
2023年4月1日付の株式分割(3分の1)を考慮、※1(記念配当66.66円を含む)
配当金にかかる税金や節税方法を知りたい方は、こちらの「配当金に税金はかからない?節税のコツや新NISAで非課税で受け取る方法を解説」記事をごらんください。
東京エレクトロンの配当金はいつもらえる|12月上旬、5月下旬頃
東京エレクトロンの配当金の支払い時期は、中間と期末の合計2回です。東京エレクトロンの権利確定日と配当金の支払い時期を、以下の表にまとめました。
項目 | 中間配当 | 期末配当 |
権利確定日 | 9月30日 | 3月31日 |
支払い時期 | 12月上旬頃 | 5月下旬頃 |
東京エレクトロンの配当金を受け取るには、株主名簿への登録が必要です。反映に時間がかかるので、2026年の中間配当を受け取るために、基準日の2営業日前の2025年9月26日(金)15:30までに株を買いましょう。
東京エレクトロンの配当利回りと配当性向
東京エレクトロンの配当利回りは2.26%(2025年3月期予想)で、配当性向は50.14%(2024年3月期実績)です。直近5年分の推移は、以下の表を参考にしてみてください。
事業年度 | 配当利回り | 配当性向 |
2025年3月期 | 2.26%(予想) | ー |
2024年3月期 | 1.69% | 50.14% |
2023年3月期 | 3.67% | 56.59% |
2022年3月期 | 2.65% | 49.96% |
2021年3月期 | 2.48% | 49.99% |
直近5年間の配当利回りは、約1.7〜3.7%で推移しています。
また、東京エレクトロンは「業績に応じて配当金を出し続けること」を方針としており、配当性向50%を目安に株主還元を行うとしています。過去4年間の配当性向は50%前後をキープしているので、東京エレクトロンは方針に沿って株主還元を実施していると言えるでしょう。
以下の表では、2025年の東京エレクトロンの配当利回りと配当性向を、競合他社と比較しました。
会社名 | 配当利回り(2025年3月期予想) | 配当性向(2024年3月期実績) |
東京エレクトロン(8035) | 2.26% | 50.14% |
SCREENホールディングス(7735) | 2.53% | 30.11% |
アドバンテスト(6857) | 0.4% | 40.55% |
参照元:みんかぶ
日本の大手半導体メーカーである上記3社と比べても、東京エレクトロンの配当利回りは劣っていません。
また、SCREENの配当性向は30%程度で推移(過去4年間)しているので、東京エレクトロンの方が株主還元に力を入れていることがわかります。
配当性向と配当利回りは、企業を評価するときに使う指標です。
配当利回りとは
購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるかを示す指標です。計算式は次のようになります。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当性向とは
税金を差し引いた企業の純粋な利益である当期純利益のうち、配当に回される額を表した割合です。計算式は次のようになります。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
目安となる数値や詳しい計算方法については、こちらの「配当利回りと配当性向とは?違いや計算式、目安となる数値を解説」記事で解説しています。
東京エレクトロンの株主優待|実施なし
東京エレクトロンは、株主優待を実施していません。
しかし、2期連続で利益が出なかった場合を除き、東京エレクトロンは「1株あたり年間50円以上」の配当を予定しています。
そのため、今後も配当金で株主に利益を還元する可能性が高いです。
株主優待がもらえる銘柄を見たい方はこちらの「株のプロのアナリストが教える株主優待銘柄の探し方とおすすめ穴場銘柄8選」記事をご覧ください。
東京エレクトロンの業績|純利益は前年比44.5%アップ予想
2025年3月期(2024年4月1日〜2025年12月31日)を含む、直近5年分の業績を以下の表にまとめました。
(単位:百万円)
決算情報 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
2025年3月期 | 1,776,166 | 513,521 | 521,391 | 401,167 |
2024年3月期 | 1,830,527 | 456,263 | 463,185 | 363,963 |
2023年3月期 | 2,209,025 | 617,723 | 625,185 | 471,584 |
2022年3月期 | 2,003,805 | 599,271 | 601,724 | 437,076 |
2021年3月期 | 1,399,102 | 320,685 | 322,103 | 242,941 |
スマホやAIの普及により半導体の需要が高まっている影響で、東京エレクトロンの業績は右肩上がりに伸びています。
2025年3月期の第3四半期決算(2024年12月末)時点で、純利益が約4,011億円(前年同期比67.8%増)と前年同期を大きく上回る結果となりました。連結決算では純利益5,260億円が見込まれており、達成すれば前年比約44.5%アップの成績です。
東京エレクトロンには海外向けの製品が多く、北米や韓国、台湾、中国などでの売り上げが前年より大きく伸びています。為替の影響を受けやすいですが、現状の数値を見る限り、今期の業績には十分に期待できるでしょう。
東京エレクトロンの事業内容
東京エレクトロンは、おもに「半導体を作る装置」の開発や販売を行っている企業です。
半導体を作るうえで重要なすべての工程に対応できる装置を持っており、世界14ヶ所で部品製造や研究開発を進めています。
とくに、世界でのシェア率が高い製品は以下のとおりです。
世界シェア | 製品の種類 |
1位 | ・塗布現像 ・ガスケミカルエッチング ・拡散炉 ・バッチ成膜装置 |
2位 | ・洗浄装置 ・プラズマエッチング ・メタル成膜装置 ・プローバ |
保有する特許の数は2万件を超えており、業界トップを誇ります。
また、2025年〜2029年までの5年間では、技術開発に1.5兆円を投資する計画です。
世界中の研究機関や大学と協力して、環境にやさしい「次世代の半導体」をつくる技術開発を行っています。
東京エレクトロンと競合他社の業績比較
東京エレクトロンと競合他社の業績を比較してみましょう。前年度(2024年3月期)の業績は、以下のとおりです。
(百万円)
会社名 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
東京エレクトロン(8035) | 1,830,527 | 456,263 | 463,185 | 363,963 |
SCREENホールディングス(7735) | 504,916 | 94,164 | 94,279 | 70,579 |
アドバンテスト(6857) | 486,507 | 81,628 | 78,170 | 62,290 |
参照元:みんかぶ
上記3社は、どれも国内トップクラスの業績を誇る半導体メーカーです。
なかでも、東京エレクトロンの業績は圧倒的に高く、2024年3月期の売上高は、半導体メーカーのなかで世界4位※を記録しました。また、東京エレクトロンの純利益は、SCREENの約5.2倍、アドバンテストの約5.8倍です。※TechInsights Inc調べ
ただ、競合他社の業績も年々伸びています。
2024年12月末時点での純利益は、前年同期比でSCREENが約1.56倍、アドバンテストが約2.57倍です。これから半導体の需要がもっと高まれば、東京エレクトロン以外の半導体メーカーの業績も伸びる可能性があります。
半導体セクターへの投資を考えているときは、SCREENやアドバンテストなどの業績をチェックし、冷静な投資判断を心がけましょう。
東京エレクトロンの株価
東京エレクトロンの株価は、22,000円(2025年3月20日終値)です。以下のチャートでは、直近10年間の株価の推移を示しています。
出典:Yahoo!ファイナンス|東京エレクトロン(株)【8035】
2015年頃の東京エレクトロンの株は2,000円台で取引されていました。
株価は徐々に上がり、2020年12月に10,000円、2021年12月に20,000円を突破。その後、一時的に株価が下がったものの、2024年4月には過去最高額の40,860円を記録しました。
2025年3月20日時点では、23,000円前後で推移しています。

配当利回り2.66%は安定収益源として魅力的です。ただ、投資費用が高額になるため初心者には積極的におすすめしたい銘柄ではありません。もちろんキャピタルゲインも狙える可能性もあるので、投資金額に余裕があればポートフォリオに加えるのも選択肢の1つです。
また、東京エレクトロンと競合他社の株の値動きについては、以下の表を参考にしてみてください。
会社名 | 現在の価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
東京エレクトロン(8035 ) | 22,000円(以降2025/3/20終値) | 40,860円(2024/4/4) | 20,450円(2024/9/9) |
SCREENホールディングス(7735) | 10,960円 | 20,440円(2024/3/7) | 8,692円(2024/11/27) |
アドバンテスト(6857) | 9,600円 | 10,430円(2025/1/10) | 4,473円(2024/1/4) |
参照元:Yahoo!ファイナンス|日本株
東京エレクトロンの自己株式取得
2025年3月期において、東京エレクトロンは自己株式取得を実施しています。直近で実施された自己株式取得の概要を、以下の表にまとめました。
株式の種類 | 普通株式 |
取得総数 | 977,600株 |
取得価額の総額 | 21,866,170,491円 |
取得期間 | 2024年11月13日~2024年11月30日 |
取得の方法 | 東京証券取引所における市場買付 |
参照元:日経会社情報DIGITAL|東京エレクトロン[8035]:自己株式の取得状況に関するお知らせ 2024年12月2日(適時開示)
また、2024年11月13日〜2025年1月31日までの期間で、東京エレクトロンは350万株(上限)の自己株式取得を予定しています。
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まとめ
本記事では、東京エレクトロンの配当金について解説しました。
2025年3月期において、東京エレクトロンの配当金は1株あたり年間571円の予定です。100株を持っていれば年間57,100円が支払われますが、実際には税引後の45,500円が振り込まれます。
今期の配当利回りは2.26%程度の見込みです。また、東京エレクトロンは配当金での株主還元に力を入れている企業で、過去4年間の配当性向は50%前後をキープしています。ただし、株主優待の実施はしていません。
東京エレクトロンは半導体製造装置のシェア率が世界トップクラスの企業です。今期の業績も好調で、連結期の純利益は前年より約44.5%アップする見込みとなっています。
今後、もっと半導体の需要が高まれば、東京エレクトロン以外の半導体メーカーも業績が伸びる可能性があります。
銘柄を選ぶときは、競合他社の配当金や業績と比較しながら、冷静な投資判断を心がけましょう。
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