
株式会社デンソー(東証プライム:6902)はトヨタを含む大手自動車メーカーに向けて、自動車の部品を製造・販売している企業です。
本記事では、デンソーの配当金について、予想金額や利回り、支払い時期を解説します。
10年以上減配なしで配当金を出し続けており、2025年3月期(2024年4月1日〜2025年3月31日)の配当金は、1株あたり年間64円を予定しています。
デンソーの株はNISAの成長投資枠でも買えるので、非課税での運用も可能です。
目次
デンソーの配当金はいくら|11円の増配予定
2025年3月期のデンソーの配当金は、1株あたり年間64円(予定)です。
予定どおり期末配当が支払われれば前年度より11円アップとなり、4期連続の増配を記録します。過去6年分の配当金の推移を、以下の表にまとめました。
(1株あたり)
事業年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計額 |
2025年3月期 | 32円 | 32円(予定) | 64円(予定) |
2024年3月期 | 25円 | 30円 | 55円 |
2023年3月期 | 22.5円 | 23.75円 | 46.25円 |
2022年3月期 | 20円 | 21.25円 | 41.25円 |
2021年3月期 | 17.5円 | 17.5円 | 35円 |
2020年3月期 | 17.5円 | 17.5円 | 35円 |
参照元:株式会社デンソー|2025年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
デンソーの株価は1,943.5円なので、100株を買うためには194,350円※が必要です。※2025年2月12日の終値で計算
2025年3月期にデンソーの株を100株持っていれば、年間6,400円の配当金がもらえます。ただし、配当所得として20.315%の税金が差し引かれるので、実際に支払われる金額は5,099円です。
【税引後に受け取れる配当金】(64円×100株)×(1−20.315%)=5,099.84円
配当金にかかる税金や節税方法は、こちらの「配当金に税金はかからない?節税のコツや新NISAで非課税で受け取る方法を解説」記事で解説しています。
デンソーの配当金はいつもらえる|11月下旬、5月下旬
デンソーの配当金の支払い時期は、中間と期末の合計2回です。権利確定日と配当金の支払い時期を、以下の表にまとめました。
項目 | 中間配当 | 期末配当 |
権利確定日 | 9月末日 | 3月末日 |
支払い時期 | 11月下旬 | 5月下旬 |
デンソーの配当金を受け取るには、株主名簿への登録が必要です。
2025年5月下旬に配当金を受け取りたい場合、基準日の2営業日前(2025年3月27日15時30分)までに株を買いましょう。
デンソーの配当利回りと配当性向|利回り2%以上をキープ
デンソーの配当利回りは3.27%(2025年3月期予想)で、配当性向は52.39%(2024年3月期実績)です。直近5年度分の推移については、以下の表をご覧ください。
事業年度 | 配当利回り | 配当性向 |
2025年3月期 | 3.27%(予想) | – |
2024年3月期 | 2.33% | 52.39% |
2023年3月期 | 2.52% | 44.47% |
2022年3月期 | 2.07% | 48.13% |
2021年3月期 | 2.79% | 86.74% |
直近5年間で、デンソーの配当利回りは2.0〜3.2%で推移しており、現在※の日経平均の配当利回り(1.86%)を上回る水準を維持しています。また、現在のプライム全銘柄の平均利回り(2.31%)と比較しても、同水準かそれ以上の水準で運用されています。※2025年2月18日時点
デンソーの配当利回りについては、40%以上を維持している状態です。なかでも、コロナ禍にあたる2021年3月期の配当性向は86%を超えており、デンソーの株主還元への姿勢が高く評価されました。
また、以下の表では、2025年のデンソーの配当利回りと配当性向を、競合他社と比較しました。
会社名 | 配当利回り(2025年3月期予想) | 配当性向 (2024年3月期実績) |
株式会社デンソー(6902) | 3.27% | 52.39% |
株式会社アイシン(7259) | 3.38% | 50.45% |
参照元:みんかぶ
デンソーとアイシンは、どちらもトヨタ自動車に商品を提供している自動車部品メーカーです。今期の配当利回りと配当性向は、どちらも同じ水準です。しかし、アイシンの配当利回りは5年連続で3%を超えており、デンソーより高い水準をキープしています。
配当性向と配当利回りは、企業を評価するときに使う指標です。
配当利回りとは
購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるかを示す指標です。計算式は次のようになります。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当性向とは
税金を差し引いた企業の純粋な利益である当期純利益のうち、配当に回される額を表した割合です。計算式は次のようになります。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
目安となる数値や詳しい計算方法については、こちらの「配当利回りと配当性向とは?違いや計算式、目安となる数値を解説」記事で解説しています。
デンソーの株主優待|なし
デンソーは、株主優待を実施していません。その分、増配を行ったり、新規事業や既存設備への投資で株価を上げたりすることで、株主に利益を還元しています。
デンソーの業績|純利益は前年比39.7%アップの予想
デンソーの業績は徐々に伸びてきています。
第3四半期決算(2024年12月末)時点で、すでに前期と並ぶほどの純利益を達成。最終的に純利益が4,370億円(前年比39.7%増)になると予想しており、今期の業績も好調だと言えるでしょう。
また、今期の営業利益は5,500億円になるとの予想で、達成すれば過去最高額を記録します。
2025年3月期(2024年12月末時点を含む、過去5年分のデンソーの業績を以下の表にまとめました。
(単位:百万円)
決算情報 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
2025年3月期 | 5,288,448 | 401,560 | 447,888 | 312,748 |
2024年3月期 | 7,144,733 | 380,599 | 436,237 | 312,791 |
2023年3月期 | 6,401,320 | 426,099 | 456,870 | 314,633 |
2022年3月期 | 5,515,512 | 341,179 | 384,808 | 263,901 |
2021年3月期 | 4,936,725 | 155,107 | 193,753 | 125,055 |
参照元:株式会社デンソー|決算資料
今期のデンソーの業績が好調であるおもな理由
- 円安の影響で海外での売上が増えている
- 社内での効率化や経費削減の取り組みが成功している
また、ハイブリッド車や電気自動車に関連する部品が売れている点も、業績の伸びに関係しています。なかでも、得意先である「トヨタ自動車」には、電気自動車向けの部品や安全運転支援システムの部品が好調に売れているようです。
トヨタ自動車も高配当が期待できる企業のひとつです。自動車産業への投資で配当収入を狙っているときは、こちらの記事「トヨタ自動車の配当金は15円アップ予想!いつもらえるのかや利回りを解説」も参考にしてみてください。
デンソーの事業内容
デンソーは、おもに自動車の部品を製造している企業です。そのなかでも、以下の2分野にわかれて事業を行っています。
それぞれ紹介します。
車載事業
車載事業では、自動車に搭載される機器やシステムの開発・提供を行っています。おもな製品は、以下のとおりです。
製品名 | 製品例 |
エレクトリフィケーションシステム | ・各種モーター ・ハイブリッド車や電気自動車向けの電動システム |
パワートレインシステム | ・燃料電池車向けの製品 ・ガソリン車やディーゼル車のエンジンを制御する装置 |
サーマルシステム | ・ラジエーターなどの冷却製品 ・自動車やバス用のエアコンシステム |
トヨタを主要顧客として、自動車の基幹となるシステムや部品を幅広く提供しています。
非車載事業
非車載事業では、産業機器や農業関連の製品・サービスを提供しています。おもな分野は、以下のとおりです。
分野 | 内容 |
産業向けシステム | ・店舗や食堂での支払いシステム ・社員証や会員証での出入り管理システム ・工場の生産ラインを自動化する装置やロボット |
農業・食品関連 | ・食品の品質を保つための車載用冷凍機 ・施設園芸向けの温室設備や栽培支援サービス |
自動車部品の製造で培った技術を活かし、産業や農業の分野で商品・サービスを提供しています。
デンソーと競合他社の業績比較
デンソーと競合他社の業績を比較してみましょう。前年度(2024年3月期)の業績は、以下のとおりです。
(百万円)
会社名 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
株式会社デンソー(6902) | 7,144,733 | 380,599 | 436,237 | 312,791 |
株式会社アイシン(7259 ) | 4,909,557 | 143,396 | 149,877 | 90,813 |
参照元:みんかぶ
同じ自動車部品メーカーであるアイシンと比べると、デンソーの売上高はアイシンの約1.45倍、純利益は約3.4倍です。
また、2025年3月期の第3四半期(2024年12月末)時点で、デンソーの純利益はアイシンの約6.28倍まで広がっており、今期もデンソーの業績の方が好調だと言えます。
デンソーの株価
デンソーの株価は、1,943.5円(2025年2月12日終値)です。以下のチャートでは、直近10年間の株価の推移を示しています。
10年前のデンソー株は、1,400〜1,500円で推移していました。その後、約900〜1,700円で変動していましたが、2021年〜2022年にかけて2,000円を突破。
2023年に1,500円代まで下がったものの、再び回復して2024年4月12日に過去最高額の2,994円を記録しました。2025年2月14日時点で、当時からは約1,000円値下がりしており、2,000円前後で推移しています。

デンソーは安定した配当と堅実な業績がバランス良く、少額から始めるのに適しています。NISAでの積立も視野に入れれば配当投資としては、安心して保有できる選択肢と言えます。
また、デンソーと競合他社の株の値動きについては、以下の表を参考にしてみてください。
会社名 | 現在の価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
株式会社デンソー(6902) | 1,943.5円(以下2025/2/12終値) | 2,994円 (2024/4/12) | 1,864円 (2024/8/5) |
株式会社アイシン(7259) | 1,733.5円 | 2,106円 (2024/4/16) | 1,396円 (2024/8/5) |
デンソーの自己株式取得
デンソーは定期的に自己株式取得を実施しています。2025年3月期(2025年1月31日時点)を含む直近5年間で取得した自己株式の総数と買取額を、年度ごとに下表にまとめました。
決算情報 | 取得数 | 買取額 |
2025年3月期 | 約6,000万株 | 約1,312億円 |
2024年3月期 | 8,500万株 | 2,000億円 |
2023年3月期 | 5,800万株 | 1,000億円 |
2022年3月期 | 4,800万株 | 975億円 |
2021年3月期 | – | – |
参照元:株式会社デンソー|自己株式の取得状況に関するお知らせ
また、デンソーは「2024年11月1日~2025年10月27日」の期間で、2億8,000万株を上限に、自己株式取得を実施する予定です。株価の維持や株主への利益還元のために、デンソーは今後も定期的に自己株式取得を実施する可能性があります。
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まとめ
本記事では、デンソーの配当金について解説しました。
デンソーの2025年3月期の配当金は、1株あたり年間64円の予定です。100株あたり年間6,400円が支払われますが、実際に振り込まれる金額は税引後の5,099円です。
10年以上継続して配当金を出しているうえに、今期も予定どおり配当金が支払われれば4期連続での増配となります。
配当利回りも5年連続で2%以上の高水準を維持しているので、デンソーの株は安定した配当収入が狙える投資先のひとつと言えるでしょう。
株主確定日は毎年9月末と翌年3月末で、証券口座に支払われる時期は11月下旬と翌年5月下旬の予定です。
デンソーの株主になってさっそく期末配当を受け取りたい方は、2025年3月27日までに株を買ってみてください。
本記事が、銘柄選びの参考になれば幸いです。
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