ソフトバンクの配当金はなぜ高い?配当金額や利回り、株主優待について解説

ソフトバンクの企業のイメージ

本記事では、ソフトバンク株式会社(東証プライム:9434)の配当金額や支払日、利回り、株主優待について解説します。

ソフトバンク株式会社は、携帯電話やWiFiなどの無線通信サービスを提供する日本の電気通信会社です。ソフトバンクグループ株式会社の連結子会社にあたります。

2025年3月期において、ソフトバンクの配当金は1株あたり年間8.6円が見込まれており、5期連続で同額を維持する予定です。

ソフトバンクの株はNISAの成長投資枠でも購入できるので、非課税での運用も可能です。

ソフトバンクの配当金はいくら|5期連続維持で推移

ソフトバンクの配当金はいくらのイメージ

2025年3月期のソフトバンクの配当金は、1株あたり年間8.6円です100株持っていれば、年間860円の配当金がもらえます。

100株での配当金を受け取るためには、20,810円※の投資資金が必要です。※2025年4月4日の終値208.1円で計算

期末配当が予定どおり支払われれば、もらえる配当金は5期連続で同額となります。

過去5年分の配当金の推移を、以下の表にまとめました。

(1株あたり)

事業年度中間配当期末配当年間合計額
2025年3月期4.3円4.3円(予想)8.6円(予想)
2024年3月期4.3円4.3円8.6円
2023年3月期4.3円4.3円8.6円
2022年3月期4.3円4.3円8.6円
2021年3月期4.3円4.3円8.6円

参照元:ソフトバンク株式会社|株主還元・配当

配当金には20.315%の税金がかかるため、100株を持っている株主が実際に受け取れる金額は685円です。

【税引後に受け取れる配当金】(8.6円×100株)×(1−20.315%)=685.291円

配当金の税金や節税方法については、こちらの配当金に税金はかからない?節税のコツや新NISAで非課税で受け取る方法を解説」の記事を参考にしてみてください。

ソフトバンクの配当金はいつもらえる|12月末と6月末

ソフトバンクの配当金はいつもらえるかのイメージ

ソフトバンクの配当金は、中間と期末の合計2回にわけて支払われます。配当金が支払われる時期と権利確定日を以下の表にまとめました。

項目中間配当期末配当
権利確定日9月30日3月31日
支払い時期12月まで6月まで

ソフトバンクの配当金を受けとるには、株主名簿への登録が必要です。反映に時間がかかるので、2026年3月期の配当を受けとるためには、権利確定日の2営業日前までに株を買いましょう。

ただし、証券会社によって買付日が異なるケースがあるため、できるだけ早めに注文を完了させましょう。

ソフトバンクの配当利回りと配当性向

ソフトバンクの配当利回りと配当性向のイメージ

2025年3月期の予想では、ソフトバンクの配当利回りは4.13%、配当性向は80.7%です。

過去4年間で見ると、ソフトバンクの配当利回りは5〜6%です。また、配当性向は75%以上を維持しており、積極的に株主に利益を還元していると言えます。

直近5年分の推移については、以下の表をご覧ください。

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事業年度配当利回り配当性向
2025年3月期4.13%(予想)80.7%(予想)
2024年3月期5.04%83.4%
2023年3月期5.74%76.4%
2022年3月期5.82%78.2%
2021年3月期6.31%82.8%

参照元:ソフトバンク|株主還元・配当

配当がなぜ高いのか|自社グループ内での資金の好循環

 

ソフトバンクは「企業の価値を高めつつ株主に利益を還元する」ことを配当方針としています。

その上で、ソフトバンクが高配当金を維持できているおもな理由は、自社グループ内で資金を効率良く回しているからです。

たとえば、ソフトバンクの株の40%以上は、親会社であるソフトバンクグループ株式会社が保有しています。たとえ多額の配当金を出しても、そのうちの4割は自社グループ内に流れるため、実質的な負担を6割に抑えられます。

また、ソフトバンクグループ自体の安定した業績により、子会社のソフトバンクも支えられている部分があるでしょう。

自社グループ内で資金が好循環する仕組みにより、ソフトバンクはこれまで高い配当を維持できていると考えられます。

競合他社との比較

以下の表は、ソフトバンクの配当利回りと配当性向を競合他社と比較したものです。

(2024年3月期実績)

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会社名配当利回り配当性向
ソフトバンク(9434)5.04%83.4%
NTT(9432)2.97%33.79%
KDDI(9433)3.13%46.47%

参照元:みんかぶ

日本の3大キャリアで比べると、とくにソフトバンクは株主への利益還元率が高く、配当性向はダントツトップです。また、配当利回りも高めとなっています。

配当性向と配当利回りは、企業を評価するときに使う指標です。

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配当性向(%)配当利回り(%)
概要税金を差し引いた企業の純粋な利益である当期純利益のうち、配当に回される額を表した割合購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるかを示す指標
計算式1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×1001株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100

目安となる数値や詳しい計算方法については、こちらの「配当利回りと配当性向とは?違いや計算式、目安となる数値を解説」記事で解説しています。

ソフトバンクの株主優待|1,000円分の電子マネー

ソフトバンクの株主優待|1,000円分の電子マネーのイメージ

ソフトバンクは、株主優待を実施しています。株主優待の詳細は、以下のとおりです。

  • 優待内容:1,000円分のPayPayマネーライト(有効期限なし)
  • 対象者:100株以上を1年以上保有している株主

PayPayマネーライトは、サービス決済や請求書(税金以外)の支払いなどに使える電子マネーです。また、株主優待の受け取りには申し込みが必要です。

ソフトバンクのWebサイトや株主総会の通知などで案内される予定なので、確認のうえ申し込みましょう。

ソフトバンクの業績

ソフトバンクの業績のイメージ

2021年3月期から純利益は増加傾向でしたが、2024年3月期には前期比約8%の減益となりました。おもな理由として、以下が挙げられます。

  • 保有する株の価格が下がったから
  • 事前に裁判費用を用意していたが、使う必要がなくなったので戻したから
  • 2023年3月期は「特別利益」によって営業利益を伸ばしたが、2024年3月期には「特別利益」がなかったから(PayPay株式会社を完全子会社化)

それでも、2025年3月期の第3四半期決算(2024年12月末)時点では、主要5事業すべてで前年同期と比べて利益が増えています。

結果、2025年3月期の純利益は、前期比4.3%増の約5,100億円になる見込みです

2025年3月期(2024年12月末時点)を含む、過去5年分のソフトバンクの業績を表にまとめました。

(単位:百万円)

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決算情報売上高営業利益経常利益純利益
2025年3月期4,811,463821,861743,751436,610
2024年3月期6,084,002876,068805,912489,074
2023年3月期5,911,9991,060,168862,868531,366
2022年3月期5,690,606965,553858,011517,517
2021年3月期5,205,537970,770847,699491,287

参照元:ソフトバンク|決算短信 

ソフトバンクの事業内容

ソフトバンクの事業内容

ソフトバンクは以下の5つの分野にわかれて事業をおこなっています。

それぞれ紹介します。

コンシューマ事業

 

コンシューマ事業では、おもに国内の個人向けにモバイルサービスを提供しています。

また、携帯端末をメーカーから仕入れ、ソフトバンクグループの代理店や個人客に販売しています。

エンタープライズ事業

エンタープライズ事業では法人向けにモバイル、固定通信、ソリューションなどの3大サービスを柱として事業を展開しています。

各サービスを以下の表にまとめました。

サービスカテゴリーおもな提供サービス
モバイルサービス・モバイル回線の提供
・携帯端末のレンタル
固定通信サービス・固定電話回線の提供
・データ通信サービスの提供
ソリューションサービス・AI
・クラウド
・セキュリティ
・デジタルマーケティング

ディストリビューション事業

ディストリビューション事業とは、商品やサービスの流通を担う部門です。

  • 法人向け:クラウドサービスやAIなどを活用した商材の提供
  • 個人向け:ソフトウェア、モバイルアクセサリーなどの提供

市場の変化に応じつつ、IT関連製品の販売やサービス提供を行っています。

メディア・EC事業

メディア・EC事業では、インターネット上で物やサービスを提供しています。おもなサービスは、以下のとおりです。

  • インターネットサイト「Yahoo!」や「LINE」での広告サービス
  • 「Yahoo!ショッピング」「ZOZOTOWN」などの通販サービス
  • 「Yahoo!オークション」をはじめとするリユースサービス

ファイナンス事業

ファイナンス事業の主力は、PayPayです。個人客向けにキャッシュレス決済や証券サービスを提供しています。

また、法人向けにさまざまな決済を一括提供できる決済代行サービスも展開しています。

ソフトバンクと競合他社の業績比較

ソフトバンクと競合他社の業績比較のKDDIのイメージ

ソフトバンクと競合他社の業績を比較してみましょう。以下の表では、2025年度3月期の第3四半期決算(2024年12月末)時点の業績をまとめました。

(百万円)

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会社名売上高営業利益経常利益純利益
ソフトバンク
(9434)
4,811,463
(+6.6%)
821,861
(+12.3%)
743,751
(+7.7%)
436,610
(+7.4%)
NTT
(9432)
10,049,724
(+3.4%)
1,399,233
(-5.9%)
1,341,686
(-13.8%)
850,691
(-15.9%)
KDDI
(9433)
4,364,195
(+2.3%)
864,566
(+2.0%)
859,829
(-1.1%)
536,531
(-1.7%)

※各利益の()内の数字は前年同期比の増減を示す

参照元:ソフトバンク株式会社|2025年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)、日本電信電話株式会社|2024年度 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)KDDI株式会社 |2025年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

データからわかることは、以下のとおりです。

  • 売上高は3社すべてで増加
  • 営業利益はソフトバンクとKDDIは増加、NTTのみ減少
  • 前年同期と比べて純利益が増えているのはソフトバンクのみ

上の表を見る限り、上記3社で純利益が一番低いのはソフトバンクです。それでも、3大キャリアのなかでソフトバンクだけが前年同期より純利益を増やしています。

主要事業すべてで黒字を達成している点を含めると、ソフトバンクの収益性と成長力は高いと言えるでしょう。

ソフトバンクの株価

ソフトバンクの株価のイメージ

ソフトバンクの株価は、208.1円(2025年4月4日終値)です。以下のチャートは、2018年12月に上場してから現在までの株価の推移を示しています。

ソフトバンク(株)【9434】株価の推移チャート

出典:Yahoo!ファイナンス|ソフトバンク(株)【9434】

ソフトバンクは2018年12月19日に上場しており、当時は146.3円でした。その後、130〜140円台を推移していましたが、2020年に新型コロナウイルスの影響で110円台後半まで株価が下落。

コロナ禍の終息とともに株価が回復し、2023年後半には日本の株式市場全体が好調となり、ソフトバンクの株も値上がりしました。

2025年4月時点で、ソフトバンクの株は200円前後で取引されています。

藤村 哲也

ソフトバンクは配当重視の方には適した銘柄ですが、配当利回り4%前後なので大幅な上昇は期待できません。キャピタルゲイン狙いでは、AI・エネルギー分野の成長実現時期が鍵となり、短期より中長期視点が求められます。リスク要因としては通信事業における競争激化や投資事業の収益変動が純利益に影響する可能性があげられます。

また、ソフトバンクと競合他社の株の値動きを以下の表にまとめています。

← 表は横にスクロールできます →
会社名現在の価格年初来高値年初来安値
ソフトバンク(9434)208.1円
(以降2025/4/4終値)
218円(2025/3/4)191円(2025/1/17)
NTT(9432)144.1円159円(2025/1/6)140円(2025/4/3)
KDDI(9433)2382.5円2,656円(2025/2/5)2,227円(2025/4/3)

参照元:Yahoo!ファイナンス|日本株

ソフトバンクの自己株式取得

デイトレとは?初心者でもわかる仕組みと勝つためのコツ

ソフトバンクは、過去に何度も自己株式取得を行っています。直近3回分の詳細は、以下の表を参考にしてみてください。

← 表は横にスクロールできます →
取得期間取得方法取得株式総数(株)取得総額
2023年5月11日~2024年2月16日証券会社への投資一任勘定取引による市場買付56,179,1001,000億円
2020年10月1日~2021年3月5日証券会社への投資一任勘定取引による市場買付78,461,4001,000億円
2019年8月6日~2019年12月5日市場買付46,000,000687億円

引用:ソフトバンク|自己株式の取得

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まとめ

ソフトバンクの企業のイメージ

本記事では、ソフトバンクの配当金について解説しました。2025年3月期において、ソフトバンクの配当金は1株あたり年間8.6円の予定です。

100株持っていれば、税引後の685円が支払われます。配当金額は前期と同じで、利回りは4%以上をキープしています。また、株主優待ではPayPayで1,000円分の電子マネーがもらえるので、配当金以外でも利益が狙えるでしょう。

ソフトバンクは自社グループ内で資金を効率よく循環させており、これまでに高配当と自社への成長投資を継続しています。

2024年12月末の決算時点では、日本の大手3キャリアのなかで唯一純利益が増えているのがソフトバンクです。高い成長力を誇るソフトバンクの株を買っておけば、将来的に配当金で利益が狙える可能性があります。

銘柄選びの参考になれば幸いです。

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