
最近は資産運用や株式投資を行う人が増えてきています。テレビのワイドショーなどでも盛んに投資について取り上げられるようになりました。
ただ、投資で成功をおさめる人がいる一方、無知なままに投資をして大損した人の情報なども出回っています。失敗する人の多くは、投資への勉強もそこそこに投資を始めているケースが多いです。
実際に「株価が安いときに買って高いときに売れば儲かる」といっても、そもそも株価とは何か?どうして安いのか?高いのか?を理解していない人もいるのが実情です。
この記事では、投資をする前に知っておきたい「株価」について基本的なことや変動の理由などを解説していきます。投資をする前にしっかりと株式投資の基礎部分を押さえていきましょう。
目次
株価の定義等について
まずは株価とは何か?という基本的なことについて説明します。投資を始めるとよく目にする時価総額との違いについても解説していきます。
そもそも株価とは?
まず株価というのは、企業が発行している株式の価格、基本的には1株あたりの値段のことです。平易にいえば、企業の価値を示すもので、企業によって株価はさまざまです。
1株あたり100円しない企業もあれば、数十万円・数百万円の株価の企業もあります。
株価はどうやって決まる?
株価は需要と供給のバランスによって決まります。
よく人気投票に例えられますが、みんなが魅力的だと思う企業の株価は需要が高いので高いことが多く、反対にみんなが魅力的だと思わない企業の株価は需要が低いので低いことが多いです。
人気の企業というのは、高い成長性があったり、安定的な成長が見込めるなどの理由があります。
多くの投資家から注目を集めるような要素があれば、株価に反映されて高値になる傾向が強いです。
ただし、株価は単純に企業に魅力があるかないかだけで決定するわけではありません。さまざまな要因が絡み合い、株価は常に変動しています。
時価総額との違い
株式投資の中で、株価とともによく出てくる言葉として、時価総額という言葉があります。
時価総額とは、企業の価値や規模を示すもので、一般的に時価総額が大きいほど企業の価値が高いと評価されます。
時価総額は「株価×発行済株式総数」で導き出される数値です。時価総額が大きいということは、株価が高かったり、発行済株式数が多いということです。
日本で上場している企業で、時価総額が大きい企業は、トヨタ自動車やソフトバンクグループなどがあります。いわゆる大企業が多く、多くの投資家から注目を集めている企業でもあります。
主な株価変動の要因について
株価は、常に変動していますが、上述の通り株式の需要と供給の関係が変化するためです。
どうして需要と供給のバランスが変化するのかについては、いろんな要因が考えられます。
時に複数の要因が重なり合うため、株価の変動は複雑な状況下で決定しているといえるでしょう。
以下に主な変動要因を解説していきます。
企業の業績や将来性
個別の企業の株価を決める主な要因は、やはりその企業の売上高や利益額などが示す企業業績になります。
投資家たちは過去や現在の業績や、同業他社の業績などと比較してその企業の未来の業績を予想しながら投資をしています。
それゆえ、現在の業績が芳しくなくても、将来性が期待される企業の株価は上がる傾向にあります。
株を買いたい理由で一番強いのは、やはり「業績が良い」ことでしょう。業績向上が予想される銘柄は人気が出て買われ、逆に、利益の減少や赤字が予想される銘柄は嫌われて売られ株価は下がります。
投資家は、業績の結果が出る前に好業績につながる材料(ニュース)を見て、銘柄を選びます。
例えば、「今年の夏は猛暑となるでしょう」という予想を聞けば、クーラーがたくさん買われることが予想されて家電メーカーや家電販売の会社が買われるでしょう。画期的な素材の衣料品を売るアパレル企業なども注目されるかもしれません。そういったニュースから株式市場での注目産業が生まれます。
また、企業側からの材料もあります。例えば、A製薬会社の医薬品に副作用が発見されれば、A社株価固有の下落要因になります。C社とD社が合併するといったニュースでも、その合併でメリットが大きいと考えられる銘柄は株価上昇要因となる一方で下落要因となることがあります。
ニュースを見たら、それが個々の企業の業績にどのように影響するか連想を働かせることが株式投資には重要です。

自然災害等や国際情勢
個別企業の状況だけでなく、マクロな視点からも株価は大きく変動することがあります。
社会の状況の中でも、大地震や戦争といった大きな災害等が起きると資産を安全な場所に移そうとする傾向が高まります。
それゆえ、個人の力では覆せないような大きな株価変動が起こる可能性があります。
為替や金利の変動
株価の変動要因として、為替や金利の変動も大きな要因となります。
例えば日本企業の中でも、自動車や半導体などの製品を海外の輸出している輸出企業と、石油会社などの輸入企業だと為替の変動に影響が異なります。
輸出企業の場合、海外に製品を売って利益を得るため、基本的に円高の場合利益が減少し、円安の場合利益が増加します。
輸入企業の場合は海外から商品などを購入して国内で販売するといった形で利益を得るため、基本的に円高の場合利益が増加し、円安の場合利益が減少します。
また、企業の多くは借入金等で資金を調達し、得られた利益の一部を返済に回しながら事業を展開しています。それゆえ、借入金が多い企業は金利が下がれば返済する際につく利息が減少するため、利益が増加します。
同時に金利が低くなれば、それだけ企業はお金を借りやすくなるため、一般的に企業が設備投資にお金を回して商品を市場に提供し、個人消費などの伸びも期待できるので景気が上昇→株価が上昇する傾向にあります。
反対に金利があがれば企業の金利負担が増えるため、利益が減少してしまいます。お金の借入のハードルもあがるため、経済の停滞を招いて景気の悪化や株価の下落を引き起こします。

企業が収益を上げやすいのは、景気の良い環境下で、「景気が良い=経済成長率が高い局面」では株式が買われ、市場全体が上がりやすくなります。景気の良し悪しは、GDP(国内総生産)成長率や雇用統計などで判断されます。
国内外の景気や外国人投資家の動向
基本的に景気が良くなれば、モノやサービスが売れるので、企業の業績が上がります。企業の業績が上がれば、株価は上昇する可能性が高いです。
反対に景気が悪化すれば、経済活動が鈍るため株価は下落する可能性が高くなります。
日本株の場合は、国内の景気動向が大きな影響を与えますし、米国株の場合は米国の景気動向の影響が大きいです。ただし、海外の景気動向は日本の輸出企業などに影響することもあり、国内外の景気が国内企業の業績などに与える影響は少なくありません。
また、日本の株式市場には多くの外国人投資家が参入しています。年々、日本の株式市場の取引量に占める外国人投資家の割合は高くなっていて、外国人投資家の売買の注目度も高まっています。
外国人投資家の大量売却が大きな株価の下落を引き起こすことがあります。

あるニュースを見た時「A社の業績にとても良い影響が出そうだ」と自分が考えたとしても、市場に参加する多くの投資家が同じように考えないと株価は上がりません。
自分が知ったときには、他の投資家の多くが既に知っていて株が買われてしまった後であれば、それ以上には上がらない可能性が高くなります。これを材料の織込み済み(おりこみずみ)といいます。
また、その個別銘柄の材料よりも、市場全体に影響する別の材料が注目された場合、残念ながら全体に引っ張られて予想通りの動きをしないこともあります。市場全体の動き、業種全体の動き、個別銘柄の材料を総合的に見て、判断していきましょう。
代表的な株価指数について
株価が影響するものとして、株価指数が挙げられます。株価指数とは、株式市場全体の値動きをあらわす指標です。
株価指数はいろんな企業の株価の平均値などによって算出されています。
以下、日本と米国の主な株価指数についてわかりやすく説明します。
国内株式の代表的な株価指数について
国内株式の代表的な株価指数として、日経平均株価とTOPIXの2つが挙げられます。
2つの株価指数の特徴は以下の通りです。
日経平均株価 | TOPIX | |
呼称 | 日経平均・日経225 | 東証株価指数 |
対象 | プライム市場の中の225銘柄 | 市場にかかわらず市場編成前の構成銘柄は継続採用し、新規にプライム市場に新規上場する銘柄を含む |
銘柄数 | 225銘柄 | 2,160銘柄(2023年4月末時点) |
表示単位 | 円・銭 | ポイント |
算出元 | 日本経済新聞社 | 東京証券取引所 |
算出方法 | 【株価平均型】株価の平均 | 【浮動株時価総額加重型】基準時価総額からのポイントの増減 |
公表開始年 | 1950年 | 1969年 |
日経平均株価は、株価平均型のため、株価が高い銘柄の影響を受けやすい指数となっています。上位の株価による指数への影響も大きいのが大きな特徴です。
TOPIXは、時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすく、1つの銘柄による指数への影響は小さいのが特徴となっています。
日経平均株価の基礎を押さえる|日経225とインデックス投資も解説
米国株式の代表的な株価指数について
米国株式の代表的な株価指数として、NYダウとS&P500、NASDAQ100の3つが挙げられます。3つの株価指数の特徴は以下の通りです。
NYダウ | S&P500 | NASDAQ100 | |
構成銘柄数 | 30社 | 500社 | 100社 |
算出開始年 | 1896年 | 1957年 | 1985年 |
選定基準 | 米国を代表する30社(ただし、運輸業・公共事業の銘柄を除く) | 米国の大型株500社 | 米国Nasdaq市場に上場する企業のうち、時価総額上位の100社(ただし金融銘柄を除く) |
銘柄入替 | 定量的(定期的)ルールなし | 銘柄入替は必要に応じて | 定期入替は毎年12月 |
算出方法 | 株価加重方式 | 時価総額加重方式 | 時価総額加重方式 |
NYダウは米国の優良企業30社のパフォーマンスを測定することを目指す株価指数です。
銘柄選択は明確なルールに従ったものではなく、企業の評判が高くて持続的な成長を達成し、多くの投資家が高い関心を示すものに限られています。
S&P500は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社によって算出される米国の代表的な株価指数です。
ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場している主要500銘柄の時価総額を加重平均し、指数化しています。
「時価総額加重平均型」の株価指数であるため、時価総額の大きい銘柄の値動きに影響を受けやすいという特徴があります。
NASDAQ100は、米国Nasdaq市場に上場している企業から主要100銘柄に絞って数値化された株価指数です。
最先端技術を有するような、世界有数のハイテク企業やバイオテクノロジー企業などを多く含んでいます。
S&P500とは?初心者が迷わないおすすめの投資法をプロが伝授
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まとめ
「株価」などの株式用語は、基本的なものですが、その基本的なところを理解している人はそこまで多くありません。
しかし、株式投資で利益を得るためには、株価が安いときに買って、株価が高いときに売る必要があります。
つまり、「株価がどのような状況によって高くなったり安くなったりするのか?」を判断できるようにならなければいけません。
株価はいろんな要因によって変動しています。
株価の変動には、1つの要因だけでなく、複数の要因が関わっているため、まずはどのような理由で株価が変動するのかをきちんと理解しましょう。
また、株価はその時々の市場状況全体をあらわす指標である株価指数を構成するものです。
国内外の代表的な株価指数は、経済ニュースで取り上げられたり、それに連動する金融商品が多いです。
株価指数に連動する金融商品は、投資初心者向け商品として紹介されることも多いので、投資を検討しているならば、それぞれの株価指数への理解を深めていくと良いでしょう。
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