
オリックス(8591 東証プライム)は、1964年にリース会社として設立以降、金融からサービス関連までさまざまな事業分野に進出している大企業です。本記事では、オリックスの配当金額や配当時期・配当性向・配当利回りについて解説します。
目次
オリックスの配当金はいくら
2024年に受け取れるオリックスの配当は、1株当たり年額で98.6円です。内訳は、中間配当が42.8円と期末配当は55.8円となっています。配当性向(後述)は33%です。
また、2025年3月期の配当は現在のところ98.6円(中間・期末とも49.3円)か配当性向39%のいずれかが予想されているので、来期は今期以上の配当が期待できます
オリックス株の購入単位である単元株は100株なので、単元株で受け取れる配当金額は、年間9,860円となります。配当金の推移は次のとおりです。
中間配当 | 合計 | ||
2024年3月期 | 42.80 | 55.80 | 98.60 |
2023年3月期 | 42.80 | 42.80 | 85.60 |
2022年3月期 | 39.00 | 46.00 | 85.60 |
2021年3月期 | 35.00 | 43.00 | 78.00 |
なお、オリックスで配当の決定は、会社法第459条第1項に基づき、取締役会の決議により剰余金の配当をすることができる旨を定款に定めています。
配当金にかかる税金
オリックスの1株当たりの配当金は98.6円なので、単元株100株当たりでは、税引後で7,856円が支払金額となります。
(98.6円×100株)×(1-20.315%)= 7,856円
配当金には所得税と住民税などが課税されます。税率は20.315%です。内訳は所得税と復興特別所得税が15.315%、住民税が5%となっています。
なお、NISA(少額非課税制度)で非課税の扱いを受けている場合には、税金が差し引かれないので9,860円が受取額です。非課税となるのは国内の株式や投資信託に限られます。米国株や米国ETFは非課税とならない点に注意しましょう。
オリックスの配当金はいつもらえる
オリックスの期末配当金は3月31日を基準日として6月下旬頃に、中間配当金は9月30日を基準日として12月上旬頃それぞれ入金されます。配当金を受け取るには、権利付最終日(権利確定日の2営業日前)までに買い注文を約定(注文を成立)させておくことが必要です。
中間配当 | 期末配当 | |
権利付最終日 | 2024/9/26 | 2025/3/27 |
権利確定日 | 2024/9/30 | 2025/3/31 |
支払開始予定日 | 2024年12月上旬 | 2025年6月下旬 |
オリックスの事業年度は毎年4月1日から翌年3月31日までです。配当の決定は、定款により取締役会の決議により剰余金を配当できると定められています。
株主総会の議決を経る必要がありません。実際に投資家に配当が振り込まれるまでには約3か月かかるので注意しましょう。
オリックスで通常購入できる単位株式数は100株となっているため、1単元株で受け取れる配当金額は、所得税や住民税等20.315%が差し引かれた税引後の金額で、7,856円です(計算式は前述)。なお、NISAで購入した場合は、税引前金額の9,860円を受け取れます。
オリックスの配当利回りと配当性向は
2024年3月期のオリックスの配当利回りは3.66%、配当性向は33.02%です。オリックスのこれまでの配当性向と配当利回りは次のとおりです。
配当利回り | 配当性向 | |
2024年3月期 | 3.66% | 33.02% |
2023年3月期 | 3.78% | 34.79% |
2022年3月期 | 4.02% | 33.00% |
2021年3月期 | 5.28% | 50.14% |
企業が1年間で得た利益からどれだけを配当金として株主に還元しているかは、配当性向や配当利回りを見ると分かります。配当金額から企業を評価する指標として活用可能です。
オリックスの株主優待
オリックスの株主優待は、2024年3月をもって廃止されたので、今後は受けることができません。(2022年5月11日開催の取締役会で決定)。
これまでオリックスでは、グループでの多角的な事業に対する理解を深めることを目的に、2010年より「株主カード」によるサービス割引優待制度を開始 し、2015 年からカタログギフト方式の「ふるさと優待」を実施していました。
株主カードとふるさと優待は、2024年3月31日時点の株主名簿に記載のある株主へ届けることをもって廃止されています。
オリックスでは、今後は株主優待制度については廃止し、資本の効率的な活用と持続的な企業価値の向上に貢献するため、配当等による利益還元に集約するとしています。
オリックスの業績
オリックスの発表によると、米国事業で米国の金利上昇によるM&Aマーケットの不況の影響を受けたことや、与信コストが増加したことにより減益、レンタカー、宿泊施設運営、航空機リース、空港コンセッション、生命保険等の新型コロナウイルス感染症の影響を受けていた事業で増益となりました。
税引前当期純利益は前期に比べて20%増の4,700億円、株主に帰属する当期純利益は前期に比べて19%増の3,461億円になり過去最高益です。
これまでの推移は次のとおりとなります。
(単位:百万円)
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
2024年3月期 | 2,814,361 | 360,713 | 469,975 | 346,132 |
2023年3月期 | 2,663,659 | 335,923 | 392,178 | 290,340 |
2022年3月期 | 2,520,365 | 302,083 | 504,876 | 312,135 |
2021年3月期 | 2,292,708 | 258,814 | 287,561 | 192,384 |
なお、2025年3月期では、純利益を390,000百万円と予想し、前期と比べて12.7%増加を予想しています。
オリックスの事業内容
オリックスは、リース事業に留まらず、次のような多角的な事業を行っています。
区分 | 内容 |
1.法人営業・メンテナンスリース | 金融・各種手数料ビジネス、自動車および電子計測器・ICT関連機器などのリースおよびレンタル |
2.不動産 | 不動産開発・賃貸・管理、施設運営、不動産のアセットマネジメント |
3.事業投資・コンセッション | プライベートエクイティ投資、空港や水事業の運営 |
4.環境エネルギー | 国内外の再生可能エネルギー、電力小売、省エネルギーサービス、ソーラーパネル・蓄電池販売、廃棄物処理、資源リサイクル |
5.保険 | 医療保険や死亡保険などの生命保険 |
6.銀行・クレジット | 投資用不動産ローン、法人融資、カードローン、信託業務、無担保ローン、ほかの金融機関が取り扱う無担保ローンの保証、住宅ローン(フラット35) |
7.輸送機器 | 航空機および船舶のリースやアセットマネジメントサービス |
8.ORIX USA | 米州における金融、投資、アセットマネジメント |
9.ORIX Europe | グローバル株式・債券のアセットマネジメント |
10.アジア・豪州 | アジア・豪州における金融、投資 |
オリックスの競合他社との業績比較
オリックスはリースに留まらない幅広い事業展開をしています。リースの他にも事業展開している三菱HCキャピタルや東京センチュリーとの業績を比較すると、次のとおりとなります。
銘柄(証券コード) | 時価総額(億円) | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 純利益(百万円) |
オリックス (8591) | 41,539 | 2,814,361 | 360,713 | 346,132 |
三菱HCC(8593) | 15,263 | 1,950,583 | 146,176 | 123,842 |
東京センチュリー(8439) | 7,138 | 1,346,113 | 104,225 | 72,136 |
オリックスは比較した他社に比べ、時価総額や売上高・営業利益・純利益とも大きく上回っていることが分かります。
オリックスの株価
オリックスの株価は、過去2年上昇し続けています。
株価(円) | 日時 | |
現在 | 3,427 | 2024/6/5日終値 |
年初来高値 | 3,520 | 2024/05/09 |
年初来安値 | 2,628 | 2024/01/04 |
株価は2024年6月5日の終値で3,427円となっています。年初来高値は3,520円(2024/05/09)、年初来安値2,628円(2024/01/04)です。
オリックスの株価について詳しく知りたい場合は、公式サイトをご覧ください。
オリックスの自己株式取得
オリックスは、自己株式の取得に継続的に取り組んでいます。2024年3月期は、合計500億円の自己株式取得を行いました。また、自己株式の消却として、市場に流通している自社の株式を株主から買い戻して消滅させています。
オリックスの株式情報は次のとおりです。
- 株主資本 3,941,466百万円
- 発行可能株式総数 2,590,000,000株
- 発行済株式の総数 1,214,961,054株
- 株主総数 782,100名
また、自己株式の取得と消却の状況をまとめると次のようになります。
自己株式取得の状況(億円未満は四捨五入)
取得期間 | 取得株式数 | 取得総額 |
2023年5月17日~2023年12月13日 | 18,966,700株 | 500億円 |
2022年5月18日~2022年12月15日 | 22,255,900株 | 500億円 |
2021年5月17日~2021年12月16日 | 24,129,000株 | 500億円 |
2020年11月9日~2021年1月8日 | 28,230,500株 | 442億円 |
2019年11月1日~2020年5月8日 | 34,061,300株 | 558億円 |
2016年10月27日~2017年4月21日 | 29,993,100株 | 500億円 |
2024 年5月15日〜2025年3月31日も500億円規模の取得を実施する予定です。
自己株式の消却
消却期間 | 消却株式数 |
2024年1月19日 | 19,888,288株 |
2023年1月20日 | 23,427,745株 |
2022年1月20日 | 27,447,393株 |
2021年1月29日 | 28,230,500株 |
2020年5月29日 | 10,674,148株 |
株主総会や取締役会の決議で承認を得れば、自己株式の取得や消却を行えます。メリットは次のとおりです。
- 発行済株式総数の適正化
- 株価の調整
- 買収の防衛策
多すぎる株式を制限してガバナンスを適正にしたり、発行済み株式を減少させ市場での価値を高めたりします。また、株式数を減らすことで自社や既存株主の持ち株比率を高め、敵対的買収から防衛できるメリットもあります。(引用:配当方針・配当状況│オリックス株式会社)
株の売買は思っていたよりも難しい、とくに売る時に迷ってしまって売れないことが多いという方が多くいらっしゃいます。利益を確保するのは大事ですが時には損切も必要になり、これができないと株で資産形成は難しくなります。しかし自分ではできないという方には、投資顧問の利用をおすすめします。当サイトを運営するライジングブル投資顧問は、株の「売買サポート」を行っております。ライジングブルの売買サポートサービスは、3ヶ月9,000円で買い推奨だけではなく、売却、銘柄入替するところまで、リスク管理をしながらサポートします。
個人の方には難しい売り推奨のアドバイス実績も豊富にあり、
・これから株をはじめる方
・株をやっているが資産が一向に増えない方
・損切ができず株を塩漬けにしがちの方
・損切ができない方
には、ライジングブルの売買サポートをおすすめします。
18年の歴史と3万人以上サポートしてきた実績で、少額資金ではじめても成功できるよう株の売買をサポートします
まとめ
オリックス株で2024年3月期に受け取れる配当は、1株当たり年間で98.60円です。内訳は、中間配当は42.8円、期末配当は55.8円となっています。
100株あたりの配当金額は、税引前で9,860円(税引後7,856円)です。
なお、2025年3月期の中間配当は49.3円を予想しています。期末配当は未定ですが前期以上の配当が期待されます。
また、配当時期は9月の中間配当と3月の期末配当です(実際の支払時期は12月と6月)。
オリックスに株主優待はありませんが、2025年4月期も好調な決算が予想されています。四半期ごとの決算短信にも注目しながら、あなたの銘柄選びの参考としてください。
コメントComment