【TECL】今話題のレバレッジ型ETF「Direxionデイリー・テクノロジー株ブル3倍ETF」とは何か?

TECLは怖いけどETC内容には魅力を感じる方にはXLKがおすすめ

近年、米国株の情報技術セクターに連動する「レバレッジ型ETF」の一つ「TECL」が注目を浴びています。アップル株やマイクロソフト株など米国IT株が上昇するときはレバレッジが効き、3倍上昇することから注目されています。

この記事では、TECLとは一体どのような金融商品であり、どのように運用されているのか、レバレッジETFとはどうのようなものであり、その特徴について詳しく解説していきます。

また、TECLが人気を集めている理由についても考察し、今後の投資においてどのような可能性を秘めているのかについても触れていきます。

TECLやレバレッジ型ETFの初心者でも、この記事を読めばTECLやレバレッジETFについて正確かつ詳細に理解できるでしょう。

TECLとは

引用元: tradingview.com

TECLとは、Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETFのことを言います“Technology Select Sector SPDR Fund” のレバレッジETF (上場投資信託)を指し、米国株のS&P 500に含まれるテクノロジーセクターに3倍連動するレバレッジETFです。

レバレッジとは日本語で「てこの原理」を意味し、 少額の資金で大きな金額を動かすことができることを指します。

つまり、借り入れをして自己資金を増やして投資方法です。

大きな利益が期待できる反面、損失額も大きくなる可能性があるので、注意が必要です。

ブル(bull)とは

相場が上昇したときに利益が出るように、設計された商品のことです。雄牛の角が上に向かっている姿から「上昇」を表します。ブルの反対はベア(bear)です。弊社の名称のライジングブルもこのブルが語源です。

TECLの特徴と値動きは?

TECLの特徴と値動きは?

TECLは、Direxion社が運用するレバレッジETFの1つで、S&P 500の情報技術セクターに限った投資が行われ情報技術セクター指数のパフォーマンスに連動する3倍レバレッジETFです。

S&P 500の中でも情報技術セクター指数に3倍連動することにより、それらの株が10%上がれ⤴ば30%上がり⤴、10%下がれ⤵ば30%下がる⤵ように設計された金融商品です。米国株が大きく下げた2022年には、情報技術セクター指数が大幅に下落したことにより、損失を被る投資家もいました。

上がることだけでなく下がることも考えておく必要があります。

ちなみに、2022年初の株価は86ドルで、安値は18ドルまで下げました。その時に100株購入したとしたら、102円/ドル(2022年当時の為替レート)×100株×86ドル=87万円が20万円を切るところまで下げたことを意味します。あっという間に価値が1/4になりました。

このような値動きの怖さを知っておくことは理解の第一歩です。

逆に、2023年6月は47ドルと上昇しています。あっという間に10%、20%上げ下げします。乱高下がとても激しいので投資する際には十分にお気をつけください。

レバレッジETFの運用が得意な運用会社

レバレッジETFの運用に特化した会社はいくつか存在しますが、TECLはDirexion(ディレクション社)が運用会社です。Direxion(ディレクション社)は、1997年に設立されたETF運用会社です。アメリカや香港などに拠点を置き、レバレッジやインバースETFを提供する運用会社です。その大部分が3倍のレバレッジを提供するレバレッジETFと逆ETFの広範なラインナップで知られています。製品は株式市場、セクター、商品など様々な市場をカバーしています。

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TECLはいくらで買える?経費は?

いくらで買える?経費は?

ETF(上場投資信託)の購入単位については、最小単位は通常1株です。TECLは1株あたり15,108円で購入ができます。(1株:78.71ドル×1ドル:141.79円(株価、為替レートは2024年9月12日現在)

10株で111,602円、100株で1116,029円です。

TECLのコスト

TECLの年間の経費率は0.94%。同じ米国ETFのVTIQQQに比べて割高です。

そのほかに、売買手数料は各証券会社で異なりますがSBI証券で税込0.495%がかかります。経費を知っておくことは重要です。

TECLの運用成績

TECLの運用成績

TECLのトータルリターン

 

期間トータルリターン
3ヶ月-12.72%
1年53.16%
3年
6.71%
5年
36.18%

(2024年9月12日現在)

TECLの配当金と配当利回り

TECLの配当金は通常、四半期ごとに配当が出ます。支払時期は3月、6月、9月、12月の年4回です直近の配当利回りは0.36%(予測値)です。

分配金

1年に1回分配金が支払われています。直近の分配金は0.098ドル(2024年9月12日現在)

TECLの組み入れ銘柄

構成銘柄のイメージ

TECLの目的はS&P 500テクノロジーセクターの日々のパフォーマンスを3倍にすることです。したがって、このETFは主にS&P テクノロジーセクターに含まれる銘柄に投資します。

具体的な銘柄とその比率は、時間の経過とともに変動する可能性がありますが、2023年7月12日現在ではアップル, マイクロソフト, Visa , エヌビディア, ペイパルなどが含まれます。アップル株とマイクロソフト株の割合が高い状態です。

順位銘柄名組入比率
1USドル24.78%
2マイクロソフト16.48%
3エヌビディア15.0740%
4アップル3.72%
5ブロードコム3.24%
6アドビ2.08%
7オラクル2.0%
8セールスフォース1.94%
9アドバンスト・マイクロ・デバイセズ1.9468%
10アクセンチュア1.76%

用元:Bloomberg

3か月前と構成銘柄が少し変わりました。アルファベットなどが上位ではなくなりましたが、多くはIT関連の企業が名を連ねています。 AI関連で話題のエヌビディアも上位ですね。

組み入れ銘柄について

・アップル(組み入れ比率23.09%)
iPhone、アップルウォッチ、IPADなどの端末の普及促進に加えて、各端末で使われるアップルストアでダウンロードしたアプリのレベニューシェアが稼ぎ頭。ゴーグル端末も話題。

・マイクロソフト(組み入れ比率22.50%)
マイクロソフトはChatGPTを社運をかけて、力を入れており、検索エンジン「Bing」にも入れております。アルファベット(GOOGLE)に比べ、この20年は後れを取りましたが、巻き返しを図ります。

エヌビディア(組み入れ比率4.72%)
AI時代に不可欠な半導体生産会社。ここ最近話題の株ですが、組み入れ比率はわずか1%です。

・セールスフォース(組み入れ比率2.54%)
世界中で利用されている世界NO1の顧客管理クラウド、営業管理クラウド

米国系のIT企業は、やはり世界的に強く、投資対象として魅力があります。

TECLはそれら魅力的な投資対象をパッケージ化し、複数有望企業に1株6,000円程度で購入できるので、いろいろな使い方ができます。

ただし、レバレッジが3倍掛かっていますので、下がるときもあっという間ですので、くれぐれも、購入は慎重にお願いいたします。

TECLのメリットとデメリット

メリット・デメリット

TECLのメリット

上昇するときはあっという間に資産が増加します。その時には管理費は気にならず、3倍のレバレッジ効果はすさまじいものがあります。上手く使っていけば、資産運用の武器になるでしょう。

●高いリターンの可能性

TECLの投資策は、アメリカのグロース株の比率が多いため、景気の良い時期は大きな基準価格の値上がりが期待できます。2023年4月時点のTECLの基準価格は36.49ドルです。最も基準価格が高かった86ドル台(2021年12月)よりは大きく低下していますが、10年前(2013年4月時点)では、1.45ドルのため、25倍に増加していることになります。

レバレッジETFは値動きが非常に激しいため、短期的な投資やトレーディングに使用されます。ただ少額投資が可能な利点を活かし、一定の条件の下であれば、中長期保有も検討余地はあります。

TECLのデメリット

リスクが大きいため、これらの商品を使う前に、十分な知識と理解が必要です。また、大きく下がってしまうリスクがあるため、つみたてNISAなどでは組み入れ対象銘柄にはなっていません。

●TECLはレバレッジETFの一種でハイリスクハイリターン商品

TECLはレバレッジ型ETFの中でもハイリスクハイリターン商品です。特定の指数の値動きに対して、レバレッジ倍率(2倍、3倍など)をかけた値動きを目指すためです。

●管理費用が高い

 レバレッジETFは、通常、非レバレッジETFよりも管理費用が高いのが通常です。TECLの管理費は0.95%です。ノーロード型のETFが管理費0に対して、年々管理費がかかることはデメリットの一つです。他にも手数料がかかります。

●為替リスクがある

米国ETFはドル建てで取引されるため、為替リスクがあります。為替市場は非常に変動しやすく、外部要因や経済情勢によって為替レートが大きく変動することがあります。これにより、TECLの投資パフォーマンスが予想外の方向に進展する可能性があります。たとえば、TECLの株価が好調だった場合でも、為替レートの変動によって日本円ベースでの収益が減少することが考えられます。

TECLの購入方法は?

米国株購入

TECLはどうすれば購入できるのか?

①TECLを取り扱っている証券会社で口座開設する
②外国株式口座を開設する
③口座に入金する
④外国株式口座に資金を振り替える
⑤注文を出す

TECLを購入するためには、証券会社の口座を開設しなければなりません。証券総合口座だけでなく外国株式口座の開設もお忘れなく。また、証券会社の中にはTECLを取り扱っていないところもあるので、事前に確認してから口座開設をしましょう。証券会社によっては、証券総合口座から外国株式口座に資金を振り替えないと、外国株式が購入できないところもあるので注意してください。また、レバレッジETFは高リスクであり、投資前にリスクを理解し、適切な投資アドバイスを受けることが重要です。

TECLが買えるおすすめネット証券

弊社では下記の2社をおすすめしています。

SBI証券楽天証券
米国株式の場合の手数料1注文あたり約定代金の0.495%(税込)
最低手数料:0ドル、
上限手数料:22ドル(税込)
1回の取引につき約定代金の0.495%(税込)
最低手数料:0ドル、
上限手数料:22ドル(税込)
外国株式の取引で無料は以下となります。
①米国株式のお取引で、約定代金が2.02米ドル以下のお取引
②海外ETF(米国・中国・韓国)のNISA預りでの買付のお取引
③一部の米国ETFの買付のお取引
米国上場ETFは15銘柄を対象に買付手数料を無料
貯まるポイントTポイント/Pontaポイント/dポイント/Vポイントなど楽天ポイント
NISAの取扱あり
(NISA/つみたてNISA/ジュニアNISA)
あり
(NISA/つみたてNISA/ジュニアNISA)
つみたてNISA195本192本

上記以外に一部のTECLの取り扱い大手証券会社の一例はマネックス証券、楽天証券、DMM株、IG証券など

TECLは今、買い時なのか?

TECLは今、買い時なのか?

2023年7月12日現在の株価は53.92ドル。2021年高値91ドルから2022年安値18ドルまで大暴落し、今はようやく戻ってきたところです。世界中の資金が米国のIT株に2021年は集まりました。その結果、金融引き締め、金利引き上げで、一気に熱が冷めていったのが2022年。ようやく2023年は傷が癒えてきた局面といえます。

2021年の過熱は冷めて、再度過熱感が高まるようであれば、再度利上げ気運が高まってくるでしょう。そのため2021年の高値91ドルを越えていくような展開は当面は難しいかもしれません。

レバレッジ3倍が効いているため、上げ方も下げ方もあっという間ですし、かつ為替が円高になった場合はダブルパンチになるリスクもありますので気をつけましょう。投資金額は少な目にし、少しづつ様子を見ながら、下がったら買い足していくようなイメージがいいかもしれません。

世界中の資金は、2023年6月現在は割安感の強い日本株に目がいっている時期です。米国株は1回、2021年にピークとなりましたので、割安な日本株にも目を向け、国際分散投資の視点をもつことも重要となります。

 

TECLは怖いけどETF内容には魅力を感じる方にはXLKがおすすめ

TECLは怖いけどETC内容には魅力を感じる方にはXLKがおすすめ

TECLは3倍レバレッジがかかっていますが、XLK(テクノロジー・セレクト・セクター・SPDR・ファンド)は対象は同じS&P 500のテクノロジーセクター株(マイクロソフトやアップル株、エヌビディア株など)ですが、レバレッジがかかっていません。

つまり、テクノロジーセクター株が100から110になれば、110になり、90になれば、90になるという連動型商品です。リスクを取るのは怖いけれど、米国株のIT株ETFに魅力を感じているのであれば、こちらの選択肢もありです。

TECL以外のセクター別レバレッジETF

TECL以外に2~3倍のレバレッジが掛かるレバレッジETFにはいくつも種類があります。TECLはセクター別レバレッジETFの部類に入ります。他のレバレッジETFも参考までにご紹介します。これらはレバレッジETFの一部の例であり、他にも様々な種類があります。

項目内容
株式レバレッジETF特定の株式指数(S&P 500、NASDAQ 100、NYダウ指数、日経225、TOPIXなど)を追跡し、そのパフォーマンスを倍化します。倍化の度合いはETFによって異なり、2倍、3倍などが一般的です。
セクター別レバレッジETFTECLはこの部類に入ります。特定の市場セクター(金融、エネルギー、テクノロジーなど)を追跡し、そのパフォーマンスを倍化します。これらも通常は2倍、3倍のレバレッジを提供します。
国際レバレッジETF国際レバレッジETFは、特定の国や地域の株式市場を追跡します。これらのETFを使用すると、投資家はその地域の市場パフォーマンスを倍化することができます。
商品レバレッジETF商品(金、銀、原油など)の価格動向を追跡し、そのパフォーマンスを倍化します。
逆レバレッジETFこれらのETFは、基準となる指数が下落するときに利益を出すように設計されています。つまり、これらのETFは指数が下落すると価格が上昇し、指数が上昇すると価格が下落します。これらは通常、ベアマーケットや市場が下落すると予想される期間に使用されます。

まとめ

TECLというレバレッジ型ETFは、現在注目を集めている投資商品の1つです。TECLが注目を集める理由は、S&Pテクノロジー・セレクト・セクター指数の運用実績の3倍のリターンを狙えることです。しかし、レバレッジ効果のために、株価・指数が大きく下落した場合、投資元本を大きく減らす可能性があることも忘れてはなりません。そのため、投資家はTECLへの投資に際して、リスクマネジメントを十分に行い、リターンとリスクのバランスを慎重に考慮する必要があります。

また、TECLは外国ETFであるため全ての証券会社で取引できるわけではありません。そのため、海外ETFへの投資に熟練した証券会社を選ぶことや、為替リスクを考慮した投資を行うことも重要です。

投資家は、TECLへの投資について十分な情報収集を行い、自身の投資スタイルに見合った、無理のない投資を行うことが求められます。

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