つみたて日本株式(TOPIX)は、三菱UFJ国際投信が運用するファンドで、多くの証券会社、銀行などで購入可能な商品です。
その名前の通り、TOPIXに連動した投資成果を目指すインデックスファンドです。
今回は、つみたて日本株式(TOPIX)を詳しく解説します。また、投資信託の種類や選び方についてもお伝えします。
目次
つみたて日本株式(TOPIX)とは
つみたて日本株式(TOPIX)の基本情報
つみたて日本株式(TOPIX)は三菱UFJ国際投信が運用する「つみたてんとうシリーズ」のひとつで、TOPIXに連動した投資成果を目指して運用されています。
【基本情報】
(基準日2024.6.19)
運用(委託)会社 | 三菱UFJ国際投信 |
設定日 | 017.08.16 |
償還日 | 無期限 |
純資産総額 | 361.89億円 |
基準価額 | 19,646円 |
決算日 | 6月25日 |
商品分類 | インデックス型 |
ベンチマーク | TOPIX |
投資対象地域 | 国内 |
投資対象資産 | 株式 |
購入時手数料 | 無料 |
運用管理費用(信託報酬) | 年率0.198%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
換金手数料 | 無料 |
NISA成長投資枠/つみたて投資枠 | 購入可能 |
つみたて日本株式 (TOPIX)のリターン
つみたて日本株式 (TOPIX)のリターンは、基本的に、TOPIXというプライム市場全体の株価に追従する形となり、設定来のリターンは下表の通りとなっています。
(2024年5月末時点)
1年 | 3年 | 5年 | 設定来 | |
リターン(年率) | +32.89% | +15.56% | +15.44% | +10.79% |
昨今、円安やインバウンド需要への期待感から国内株式市場が活況となっていることが影響しているようです。
つみたて日本株式 (TOPIX)の基準価額と純資産総額の推移
つみたて日本株式 (TOPIX)の基準価額と純資産総額の推移を確認しておきましょう。
【直近5年間の基準価額推移】
2018年決算日 | 2019年決算日 | 2020年決算日 | 2021年決算日 | 2022年決算日 | 2023年決算日 | |
基準価額(円) | 10,892 | 9,939 | 10,303 | 13,203 | 12,975 | 15,935 |
出典:交付運用報告書 第6期末(2023年6月26日)
基準価額とベンチマーク(TOPIX)との乖離はほぼなく、同じ動きをしていることがわかります。
つみたて日本株式 (TOPIX)の投資対象
つみたて日本株式 (TOPIX)はマザーファンドを通じて2,140の銘柄に投資をしています。(2024年5月末時点)
TOPIX株価指数は、4月末現在2,146銘柄で構成されているため、ほぼ全ての銘柄に投資をしていることになります。
組入上位10業種と銘柄は下表の通りです。
【組入上位10業種】
業種 | 比率 | ベンチマーク(TOPIX)構成比 |
電気機器 | 17.2% | 17.4% |
輸送用機器 | 8.7% | 8.8% |
銀行業 | 8.0% | 8.1% |
卸売業 | 7.7% | 6.8% |
通信・通信業 | 6.8% | 6.9% |
機械 | 5.5% | 5.6% |
化学 | 5.5% | 5.6% |
サービス業 | 4.3% | 4.4% |
医薬品 | 4.3% | 4.3% |
小売業 | 4.0% | 4.1% |
【組入上位10銘柄】 組入銘柄数:2,140銘柄
銘柄 | 業種 | 比率 | ベンチマーク |
トヨタ自動車 | 輸送用機器 | 4.7% | 4.8% |
三菱UFJフィナンシャル・グループ | 銀行業 | 2.5% | 2.5% |
ソニーグループ | 電気機器 | 2.3% | 2.3% |
日立製作所 | 電気機器 | 2.0% | 2.0% |
東京エレクトロン | 電気機器 | 1.8% | 1.8% |
三井住友フィナンシャルグループ | 銀行業 | 1.8% | 1.8% |
キーエンス | 電気機器 | 1.7% | 1.7% |
三井物産 | 卸売業 | 1.6% | 1.6% |
リクルートホールディングス | サービス業 | 1.5% | 1.5% |
(TOPIX構成比)
組入上位10銘柄で全体の約20%を占めており、残り約80%でその他の2,000を越す銘柄に幅広く分散して投資をしていることがわかります。
つみたて日本株式 (TOPIX)の信託報酬費用は?
つみたて日本株式 (TOPIX)の運用にかかる費用は、信託報酬のみで、売買手数料や信託財産留保額はかかりません。
そこで、TOPIXに連動している他のファンドの信託報酬はどのような設定となっているのか確認しておきましょう。
(2024年6月20日時点)
ファンド名 | 信託報酬費用 | 純資産総額 |
はじめてNISA・日本株式インデックス(TOPIX) | 0.143% | 10.03億円 |
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | 0.143% | 1868.45億円 |
購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | 0.143% | 815.48億円 |
iFree TOPIXインデックス | 0.154% | 160.84億円 |
たわらノーロード TOPIX | 0.187% | 126.11億円 |
つみたて日本株式(TOPIX)の信託報酬は、年率0.198%(税込)です。上表は、低コストのファンドから順にリストアップしているため、つみたて日本株式 TOPIXは最下位となってしまいますが、実際には0.4%~0.5%台のファンドもあることを勘案すると、低コストの部類と言えそうです。
つみたて日本株式( TOPIX)で運用シミュレーション
つみたて日本株式(TOPIX)は、NISAで購入可能なファンドです。
たとえば、社会人になってすぐに2万円ずつ積立投資を始めた場合を想定して、運用成果をシミュレーションしてみましょう。今回は、設定来のリターンである年率10%を用いて検証します。
(設定)
・毎月積立額:2万円
・積立期間:20年
(結果)
・元本:480万円
・運用益:1,039万円(課税口座の場合、208万円が税金として徴収、NISAなら税金0円)
・運用成果:1,519万円
*信託報酬を考慮しない
課税口座での投資では、運用益には20%の税金がかかりますので、運用成果として手元に残るのは1,300万円程になります。しかし、NISAという非課税制度で投資を行えば、運用成果1,500万円は全額を手にすることができます。
投資信託の選び方
投資信託は何を買ったらいいかわからない
2024年1月の新NISAの発足以来、様々なメディアで投資が取り上げられていることもあり、NISA制度の仕組みを理解している人は増えています。
時流に乗って何か始めないといけないような気持ちからNISA口座を開設した人も多いかもしれません。
一方で利用されていない、所謂、休眠状態のNISA口座も少なくないことがわかっています。
せっかくNISA口座を作ったのに、なぜ、投資を始めないのでしょうか?
「何を買ったらいいかわからないから」という理由で一歩を踏み出せない方もいるようです。
そこで、投資信託の種類や区別について簡単に解説します。
何もわからないから、ざっくりわかるようになることで投資のスタートラインに立てるでしょう。
インデックスファンドとアクティブファンドの違いを知る
最初に、インデックスファンドとアクティブファンドの違いを抑えておきましょう。
インデックスファンドは、世界の様々な株価指数に連動した運用を目指した投資信託です。
投資指数として耳馴染みのあるところでは、日経225、TOPIX、S&P500、NASDAQなどでしょうか。
インデックスファンドは、基本的にこの株価指数の変動に追従して利益が変動する仕組みです。
一方、アクティブファンドは、投資指数以上の利益を目指して運用されるファンドです。
そのため、インデックスファンドよりも大きな利益が出ることも、逆に損失が大きくなることもあります。つまり、インデックスファンドと比較すれば、ハイリターン・ハイリスクの商品と覚えておきましょう。
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株式型、債券型、バランス型?
インデックスとアクティブという運用用法の区別の他、投資信託は、投資先の国、地域、資産によって区別することができます。
投資先の国や地域とは、たとえば、国内のみ、全世界、米国、先進国、新興国などと投資先を限定することです。また、投資する資産は、株式、債券、不動産、コモディティなどに大別できます。
そして、株式に投資している投資信託を株式型投資信託、債券に投資しているものを債券型投資信託、株式、債券、不動産、コモディティなどに均等に投資しているものをバランス型投資信託というように分類できます。
現在、NISA口座で積立で購入可能な投資信託は293本です。(2024年6月7日時点)
内訳は、インデックスファンドが236本、アクティブファンドが49本、ETFが8本となっています。自分がどの地域の何に投資をしたいかを考えることで購入したい商品を絞り込むことが出来るでしょう。
投資初心者は積立投資から始めてみては?
積立投資とは、投資信託を定額で定期的に買い付ける方法です。
投資信託の運用方法の違いや種類を理解し、たとえば、「インデックスファンドで国内株式に投資をしたい」と思えば、日経225やTOPIXに連動した投資信託が選択肢になりますし、米国株へ投資がしたければ、S&P500やNASDAQなどの投資指数へ連動した投資信託から選ぶことができます。
NISAの積立投資は少額から投資ができることが特徴のひとつです。たとえば、ネット証券なら100円からの投資も可能など、株式投資など他の投資と比較しても投資のハードルは低いです。
なお、積立金額の変更はいつでも可能です。また、積立投資は長期運用が基本とは言え、中途換金(売却)することに制約はありません。
まとめ
つみたて日本株式(TOPIX)はTOPIXに連動した成果を目指すインデックスファンドです。
国内株式に幅広く投資ができることが特徴です。
ネット証券だけでなく、総合証券会社、銀行など様々な金融機関で購入できる商品ですのでネットに不慣れな方や、初めて投資をする方、相談しながら決めたい方に向いている商品と言えるでしょう。
NISAでは株式、投資信託、ETF、REITなど様々な商品に投資をすることが可能です。しかし、選択肢があるが故に迷いが生じ、なかなか投資に踏み出せないこともあるかもしれません。
投資経験のない初心者は、少額からインデックス型の投資信託へ積立投資を始めてみてはいかがでしょうか。
投資に元本保証はありませんが、買付け時期を分散する積立投資は、損失を抑える効果が期待できます。
NISAの積立投資で資産形成を始めてみてはいかがでしょう。
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