
最近は、資産形成や株式投資といった言葉が世間的にも知られるようになりました。
NISAやiDeCoといった税制優遇制度を使って、長期的に投資をする人も増えてきています。
しかし、投資で大きな利益を得るためには、短期売買のイメージがある人は少なくないでしょう。
初心者に短期売買をおすすめする情報は少なく、それゆえとっつきにくいイメージがありますが、上手に活用できれば資産形成の大きな味方になってくれます。
この記事では、短期売買の基本的な知識から、メリット・デメリット、初心者でも始めやすい方法について説明します。
株の短期売買を正しく理解していれば、怖いものではありません。
ただ、慣れていないと失敗する可能性が高いので、慎重に始めるためにも、正しい知識を身につけましょう。
目次
短期売買の基礎知識
まず短期売買とは何か?について説明します。
投資には、短期・中期・長期と期間別に分かれています。
また、短期売買にも種類があり、初心者向けのものからプロ向けのものまであります。
投資初心者は、個人投資家としての特性を活かし、無理のない範囲で短期売買を始めるのがおすすめです。
短期売買と長期投資の違い
基本的に、短期売買は、短期間に何度も株式などの金融商品を売買することを指します。
繰り返し売買を繰り返すため、売買手数料を超える利益を確保しながら、小さなリターンを積み重ねていく取引になります。
長期的に株式を保有することで配当金や株主優待といったインカムゲインを得るのではなく、売却益というキャピタルゲインを得るのが短期売買の目的です。
「短期」とは、「長期」の対義語であり、明確な長さの定義はありません。
一般的に数分の間に行う売買から、数週間の間に行う売買、またはそれらの組み合わせすべてを短期売買と呼びます。
関連記事
長期的に行う株式投資のメリットとは?短期的な株取引との違いも紹介
短期売買の種類について
短期売買には、主に以下の2種類があります。
・デイトレード
取引が行われる1日の間で基本的には売買を終了させるトレード。
その日のうちの株価の値動きだけを対象とし、その日のうちに取引結果が分かる。
1日の間に頻繁に売買を行うため、売買手数料がかさむ傾向にある。
関連記事
デイトレ(デイトレード)とは?初心者でもわかる仕組みと勝つためのコツ
・スイングトレード
数日から数週間ほど金融商品を保有してタイミングをみて売買するトレード。
デイトレードに比べて、相場のチェックは少なくて済むが、自分の投資判断が間違っていると大きな損失を引き起こしやすい。
投資によっては、デイトレード・スイングトレード専門の人もいれば、どちらのトレードもする人などさまざまです。
短期売買は初心者におすすめされない理由
一般的に、短期売買は株初心者におすすめされません。
それには以下のような理由があります。
・すぐに損切りできる投資判断ができなければ大きな損失を抱えやすい
・勉強せずにやれば、単なる投機となってギャンブル性の強い投資になってしまう
・初心者は感情に左右されやすく、メンタル面でストレスを抱える可能性が高い
・売買時間は短くても、投資に時間をかける必要になってくる
頻繁に取引を重ねることは、簡単なように見えてとても難しいものです。
特に損切りの判断は重要ですが、人間は損失を確定したくない心理をもっているので、取引に慣れる必要があります。
また、利益を得るためには、投資の勉強も必要不可欠です。
短期売買はある程度、まとまった時間を投資に使える人に向いているといえます。
短期売買のメリット・デメリット
短期売買は、それ自体良いものでも悪いものでもありません。
ただし、その特性上メリット・デメリットをしっかり見極めてから取り組まないと、大事な資金をあっという間に失ってしまうことになりかねません。
短期売買を始める前に、しっかりとメリット・デメリットを理解しておきましょう。
短期売買のメリット
短期売買のメリットは以下の通りです。
・資金効率が良い
短期間で取引回数を重ねる短期売買は、取引スキルを上げるのには役立ちます。
損失を得たとしても、すぐに撤退すれば損失を最小限に抑えることもできます。
取引を重ねる中で軌道修正をしていけば、元手が少なくても短期間に利益を積み重ねられるようになります。
最初は少額なので、1回のリターンは小さいですが、積み重なることでまとまった利益となり、さらなる大きなリターンを狙えます。
・トレード1回あたりのリスクは小さい
日本株であれば、1日の値幅がストップ高・ストップ安と上下に制限されています。
したがって、1日の値幅の範囲内でしか利益が得られない反面、リスクもその範囲内に収まります。
最悪でもストップ安までしか下がらないというのは、投資家の精神的な負担が少ないことも意味します。
・企業分析はさほど必要ない
短期売買は、まさに短期間での株の値動きで利益を積み重ねます。
それゆえ、企業の業績や経営指標などを事細かに調べなくても短期売買には成功する可能性があります。
短期売買のデメリット
短期売買のデメリットは以下の通りです。
・取引コストがかさみやすい
特にデイトレードは1日に何度も売買を繰り返すことになります。
株式は購入時と売却時それぞれに手数料がとられるため、気をつけていないと手数料負けしてしまう可能性があります。
株式で得た利益には税金もかかります。
取引コストがかかりすぎると、リターンが小さくなるので、かかるコスト以上に稼ぎ出す必要があるのは注意が必要です。
・チャートを見て投資判断をする必要がある
短期売買で成功するために、企業分析はさほど必要ないことがあります。
しかし、株価チャート等を見ながら、自分で投資判断をしていかなければいけません。
時に利益確定のタイミングを逃すと、一転して損失を被ることもあり、常に売買のことを考えておく必要があります。
・結果的にハイリスク・ハイリターン
1回あたりのリスクは小さい短期売買ですが、日本株式だと値幅制限があるため、1日で狙えるリターンには限りがあります。
株の長期保有のようにインカムゲインがあるわけではないので、短期売買は投機的になりがちです。
利益を得られる可能性もありますが、大きな損失を被る可能性も高い点は肝に銘じておきましょう。
新NISAはスイングトレードに不向き?活用のメリットと3つの戦略を紹介
初心者におすすめの短期売買の始め方
短期売買は、ハイリスク・ハイリターンであるため、しっかりとしたリスク管理を行う必要があります。
株初心者といっても、相場に出れば誰もが平等です。
まずは短期売買を始めるに際してやるべきことをしっかりやってから取り組みましょう。
売買ルールを決めておく
まず、短期売買を行う前にやっておくべきことが売買ルールの設定です。
特にどのタイミングで利益を確定したり、損切りをしたりするかは事前にはっきりと決めておきましょう。
利益確定や損切りは、利益額や利益率で数値を明確にしておきます。
例えば、+10%になったら利益確定、−20%になったら損切りすると決めておきます。
重要なのは、決めたルールは守ることです。
もしかしたらこの後、値上がりするかもしれないと思って損切りをしなかったら、そのまま下落して損失が拡大してしまったなどということはよくある話です。
また、ルールを決めていないと、高値掴みや狼狽売りをしてしまいます。
結局「「安いところで買って高いところで売る」ということができず、いつまでも利益が出せないことになります。
とにかく、株初心者はルールを決めて守ることを徹底しましょう。
使いやすい証券会社を選ぶ
短期売買は、買うタイミングと売るタイミングで利益額が大きく異なるので、売買がスムーズにできることが重要になってきます。
それゆえ、自分にとって使いやすい証券会社を選ぶ必要があります。
最近は、スマホ1台で取引できる証券会社もあるので、証券会社を選ぶのは迷ってしまいかもしれません。
ただ、操作性とともに、サーバーがダウンしないかなどを考えると、初心者は大手ネット証券の中から選ぶのがおすすめです。
操作性については、デモ画面などで確認してから自分が使いやすいものを選びましょう。
実際の取引となると、最初は焦ってしまうことも多いので、デモ画面でトレードに慣れてから取引を開始するのが良いでしょう。
勝てるパターンを確立する
短期売買で利益を得るためには、自分の中で勝てるパターンを見つけるのが王道です。
最初はうまくいかないことも多いので、勝てるパターンを見つけるまでは少額で売買してリスクを避けていきましょう。
勝てるパターンが見つかれば、パターンにしたがってトレードすることで勝率が上がっていきます。
株初心者で短期売買をする場合は、資金管理をしっかり行いながら試行錯誤していくのがおすすめです。
まとめ
株の短期売買は、誰にでもおすすめできるものではありません。
短期間で利益を得るためには、それなりに時間をかけてチャート分析をしたり、相場をチェックしながら取り組む必要があります。
資金効率が良く、企業分析などは必要のないのが短期売買ですが、短期売買で利益を上げるためには、損切りの徹底や素早い投資判断が必要となってきます。
損切りなどに慣れるためにも、短期売買をする場合は事前にルールを決めて取り組むと良いでしょう。
また、素早く投資判断を実行するためにも、自分にとって使いやすい証券会社に口座を開設してください。
口座開設の後は、慣れと勝てるパターンの確立なので、資金管理をしっかりしつつ、トレードを繰り返していきましょう。
大きな損失を避けて短期売買をしていけば、勝率も上がっていくので短期売買でも利益を得られるようになります。
最初は小さく、確実に行うことが短期売買の成功では重要です。
コメントComment