
キヤノン(7751 東証プライム)は、オフィス複合機やレンズ交換式カメラ・レーザープリンター・半導体露光装置で世界シェアトップを獲得しているだけではなく、監視カメラや医療機関も手掛けている企業です。
3期連続増配を達成しており、来期もさらに増配が期待できます。本記事では、キヤノンの配当金額や配当時期・配当性向・配当利回りについて解説します。
目次
キヤノンの配当金はいくら
2024年12月期キャノン株の配当は、1株当たり年額で155円です。内訳は、中間配当75円と期末配当80円となっています。そのため、キャノンの単元株100株で年間15,500円となります。この配当をもらうには453,000円の投資額(2025年5月7日終値計算)が必要です。
2025年12月期の年間配当は160円の増配される予定です。この配当予測が実現すれば5期連続増配となります。
配当金の推移は次のとおりです。
(単位:円)
中間配当 | 期末配当 | 合計 | |
2025年12月期(予測) | 80 | 80 | 160 |
2024年12月期 | 75 | 80 | 155 |
2023年12月期 | 70 | 70 | 140 |
2022年12月期 | 60 | 60 | 120 |
2021年12月期 | 4 | 55 | 100 |
2020年12月期 | 40 | 40 | 80 |
なお、キヤノンの配当決定は、株主総会の決議により決定されます。
配当金にかかる税金
キヤノンの1株当たりの配当金は155円なので、単元株100株当たりでは、税引後で12,352円が支払金額となります。
(155円×100株)×(1-20.315%)= 12,352円
配当金には所得税と住民税などが課税されます。税率は20.315%です。内訳は所得税と復興特別所得税が15.315%、住民税が5%となっています。
なお、NISA(少額非課税制度)で非課税の扱いを受けている場合には、税金が差し引かれないので15,500円が受取額です。非課税となるのは国内の株式や投資信託に限られます。米国株や米国ETFは非課税とならない点に注意しましょう。
キヤノンの配当金はいつもらえる
キヤノンの期末配当金は12月末を基準日とし3月下旬頃、中間配当金は6月末を基準日として8月下旬頃にそれぞれ入金されます。配当金を受け取るには、権利付最終日(権利確定日の2営業日前)までに買い注文を約定(注文を成立)させておくことが必要です。
中間配当 | 期末配当 | |
権利付最終日 | 2025/6/26 | 2025/12/26 |
権利確定日 | 2025/6/30 | 2025/12/29 |
支払開始予定日 | 2025年8月下旬 | 2026年3月下旬 |
キヤノンの事業年度は毎年1月から翌年12月までです。配当は、株主総会の決議により決定されます。実際に投資家に配当が振り込まれるまでには約3か月かかるので注意しましょう。
キヤノンの配当利回りと配当性向は
2024年12月期のキヤノンの配当利回りは4.4%、配当性向は92.4%です。これまでの配当性向と配当利回りは次のとおりです。
配当利回り | 配当性向 | |
2025年12月期(予測) | 40.6% | – |
2024年12月期 | 4.4% | 92.4% |
2023年12月期 | 4.3% | 2.3% |
2022年12月期 | 4.2% | 1.6% |
2021年12月期 | 3.57% | -51.7% |
2020年12月期 | 4.04% | -35.8% |
企業が1年間で得た利益からどれだけを配当金として株主に還元しているかは、配当性向や配当利回りを見ると分かります。配当金額から企業を評価する指標として活用可能です。
キヤノンの株主優待
キヤノンの株主優待制度はありません。株主への利益還元は、優待制度ではなく配当を中心に考えられており、配当性向50%を目途として実施していくとしています
キヤノンの業績
キヤノンによれば、世界経済は減速していますが新規事業のメディカル・ネットワークカメラや商業印刷・半導体露光装置は堅調に成長しています。部品・物流のコストダウンが進展したことに加え、円安効果もあり、売上高は2007年に次ぐ売上高で3年連続の増収増益を達成しました。
2025年第1四半期(2025年1月1日~3月31日)を含めた6年分業績は下記のとおりです。
(単位:百万円)
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
2025年第1四半期 | 1,058,396 | 96,517 | 98,845 | 72,231 |
2024年12月期 | 4,509,821 | 279,754 | 301,161 | 160,025 |
2023年12月期 | 4,180,972 | 375,366 | 390,767 | 264,513 |
2022年12月期 | 4,031,414 | 353,399 | 352,440 | 243,961 |
2021年12月期 | 3,513,357 | 281,918 | 302,706 | 214,718 |
2020年12月期 | 3,160,243 | 110,547 | 130,280 | 83,318 |
なお、2025年12月期では、5期連続の増収増益を目指しています。また、配当金は5円増配し1株当たり160円を予定しています。
キヤノンの事業内容
キヤノンの事業内容は次のとおりです。
- プリンティング(売上高全体の21.8%)
- メディカル(売上高全体の37.5%)
- イメージング(売上高全体の21%)
- インダストリアル(売上高全体の40.6%)
詳しく見ていきます。
1.プリンティング
プリンティングの売上高は5兆7809億円で、全体の約58%を占めます。
ネットワーク機能を充実させたオフィス向けの複合機やITソリューションを提供しています。またテレワークの拡大により、サテライトオフィスや家庭にインクジェットプリンターを提供するなど幅広い製品ラインアップを擁し、多様化する働き方にあわせた製品やサービスを展開していることも特徴です。さらに商業印刷では、多品種・小ロットといった要望に柔軟に対応するようデジタル印刷を推進しています。
2.メディカル
メディカルの売上高は1兆3417億円で、全体の約13.5%を占めます。
世界的にヘルスケア分野へのニーズが増大している中で、医療の発展へ貢献するために、CTやMRI・超音波診断装置や眼科機器などの画像診断装置を幅広く展開しています。今後は、カメラやプリンターなどのコア技術をメディカル分野にも展開し、医療情報を統合、解析、加工するヘルスケアITを使った質の高い診断・診療をサポートすることや、検査装置周辺領域を含む体外診断分野へも本格参入する計画です。画像診断機器は国内シェア1位。
3.イメージング
イメージングの売上高は1兆7544億円で、全体の約17%を占めます。
映像表現にこだわりのあるユーザーの期待に応えるよう、優れた画質や感度の高いカメラを提供し続けています。また、世界的なセキュリティ意識の高まりによるネットワークカメラは、防犯・監視用途のみならず、マーケティングや工場の生産現場の自動化・遠隔モニタリングによる接触・密集回避ソリューションが用意されているのも特徴です。さらに3D映像を活用したソリューションなど事業領域の拡大も目指しています。
4. インダストリアル
インダストリアルの売上高は6,610億円で、全体の約6.7%を占めます。
AIやIoT・5Gなどの技術革新を背景に、世界規模で半導体デバイスや高精細ディスプレイの用途が拡大しており、製造装置も拡大基調です。キヤノン独自の光学技術や画像処理技術を産業用機器に応用し、産業分野の幅広いニーズに応える製品を提供しているのも特徴です。主な製品では、半導体チップ生産で重要な役割を担う半導体露光装置をはじめ、スマートフォンやテレビの生産に必要不可欠なFPD露光装置、高精細ディスプレイの生産の業界標準となっている有機ELディスプレイ製造装置などがあります。
参照・引用:事業情報 | キヤノングローバル
キヤノンの競合他社との業績比較
キヤノンと同じく、カメラや複合機を中心に幅広い事業展開をしている企業との業績比較を行います。富士フイルムホールディングスやリコー・ニコンとの業績を比較すると、次のとおりとなります。
銘柄(証券コード) | 時価総額(億円) | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 純利益(百万円) |
キヤノン (7751) | 58,138 | 4,180,972 | 375,366 | 264,513 |
富士フ(4901) | 45,277 | 2,960,916 | 276,725 | 243,509 |
リコー(7752) | 8,277 | 2,348,987 | 62,023 | 44,176 |
ニコン(7731) | 5,340 | 717,245 | 39,776 | 32,570 |
キヤノンは比較した他社に比べ、時価総額や売上高が大きく上回っていることが分かります。
キヤノンの株価
キヤノンの株価は、過去1年のスパンで確実に上昇し続けています。2025年の株価の推移は次のとおりです。
株価(円) | 日時 | |
現在 | 4,530 | 2025/5/8終値 |
年初来高値 | 5,233 | 2025/2/25 |
年初来安値 | 3,893 | 2025/4/7 |
株価は、2025年5月8日の終値で4,530円となっています。年初来高値は5,233円、年初来安値3,893円です。キヤノンの株価について詳しく知りたい場合は、こちらをご覧ください。
キヤノンの自己株式取得
キヤノンは、株主還元の充実策の一環として、自己株式を継続的に取得しています。直近では、2025年4月1日から同年4月30日までの間に16,464,900 株(70,760,399,000円)の普通株式を取得しています。なお、2023年12月末の自己株式の保有割合は25.9%です。
(2023年12月末現在)
所有者 | 株式保有比率 |
金融機関 | 26.7% |
自己株式 | 25.9% |
個人その他 | 21.1% |
外国法人等 | 17.8% |
証券会社 | 5.4% |
その他の国内法人 | 3.1% |
また、その他のキヤノンに関する株式情報は次のとおりです。
- 資本金:174,761,797,475円
- 発行可能株式総数:3,000,000,000株
- 発行済株式の総数:1,333,763,464株
- 株主総数 :398,914名
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まとめ
キヤノン株で2024年12月期に受け取れる配当は、1株当たり年間155円です。2025年12月期の年間配当は160円の増配される予定です。この配当予測が実現すれば5期連続増配となるので期待されています。
2024年12月期のキヤノンの配当利回りは4.4%、配当性向は92.4%です。
また、単元株の100株あたりの配当金額は、税引前で15,500円(税引後12,352円)となります。
なお、配当時期は6月の中間配当と12月の期末配当です(実際の支払時期は8月下旬と3月下旬)。
キヤノン株に株主優待はありませんが、2024年12月期も好調な決算が予想されています。四半期ごとの決算短信にも注目しながら、あなたの銘柄選びの参考としてください。
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