
本記事では、ヤマハ発動機株式会社(東証プライム:7272)の配当金額や配当時期、配当性向、配当利回りについて解説します。
ヤマハ発動機は、二輪車や船舶、産業用航空機などの「陸・海・空」で幅広くビジネスを展開する輸送用機器メーカーです。
2025年12月期の業績は2期連続で減益で、2025年12月期の配当金は1株あたり年間35円と減配されました。ただし、2026年は増配予想が見込まれています。
ヤマハ発動機の株はNISAの成長投資枠でも購入できるので、非課税での運用も可能です。
目次
ヤマハ発動機の配当金はいくら|年間35円への減配予想
2025年12月期の予想において、ヤマハ発動機の配当金は1株あたり年間35円です。100株持っている場合、年間3,500円がもらえる計算になります。直近の配当金の推移は以下の表のとおりです。
(1株あたり)
| 事業年度 | 年間配当(調整前) | 年間配当 | ||
| 中間配当 | 期末配当 | 合計 | (調整後)※ | |
| 2025年12月期 | 25円 | 10円(予想) | 35円(予想) | 35円(予想) |
| 2024年12月期 | 25円 | 25円 | 50円 | 50円 |
| 2023年12月期 | 72.5円 | 72.5円 | 145円 | 48.33円 |
| 2022年12月期 | 57.5円 | 67.5円 | 125円 | 41.66円 |
| 2021年12月期 | 50円 | 65円 | 115円 | 38.33円 |
※2024年1月1日付で実施された株式分割(普通株式1株につき3株の割合)を考慮した金額
参照元:ヤマハ発動機株式会社|決算・発表資料
当初、2025年12月期の配当金は合計50円(中間25円、期末25円)の予定でした。しかし、米国の追加関税の影響によって最終利益が大幅に減少したことで、35円に下方修正※されました。ただし、2026年配当は50円へ増配予想となっています。
※参照元:ヤマハ発動機株式会社|2025年12月期通期連結業績予想および配当予想の修正ならびに個別業績見込みと前期実績との差異に関するお知らせ – ニュースリリース
配当金には20.315%の税金が発生するので、100株を持っている株主が実際に受けとれる金額は2,788円です。
【税引後に受け取れる配当金】(35円×100株)×(1−20.315%)=2,788.975円
配当金の税金や節税方法については、こちらの「配当金に税金はかからない?節税のコツや新NISAで非課税で受け取る方法を解説」の記事を参考にしてみてください。
ヤマハ発動機の配当金はいつもらえる|9月上旬と3月下旬の年2回

ヤマハ発動機の配当金は、中間と期末の合計2回にわけて支払われます。配当金の支払い開始時期と株主確定日は、以下の表のとおりです。
2026年配当受取カレンダー
| 項目 | 中間配当 | 期末配当 |
| 権利付最終日 | 2026年6月26日(金) | 2026年12月28日(月) |
| 権利確定日 | 2026年6月30日 (火) | 2026年12月30日(水) |
| 配当支払予定日 | 2026年9月上旬 | 2027年3月下旬 |
ヤマハ発動機の配当金を受けとるには、株主名簿への登録が必要です。
反映に時間がかかるので、配当金を受けとるためには基準日の2営業日前までに株を買いましょう。
なお、証券会社によって買付日が異なるケースがあるため、できるだけ早めに注文を完了させるのが無難です。
ヤマハ発動機の配当利回りと配当性向

2025年12月期において、ヤマハ発動機の配当利回りは3.18%の予想です。
配当性向は配当額が確定していないため、未定です。直近の推移については、下表をご覧ください。
| 事業年度 | 配当利回り | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2025年12月期 | 3.18%(予想) | 未定 |
| 2024年12月期 | 3.61% | 45.40% |
| 2023年12月期 | 3.96% | 29.54% |
| 2022年12月期 | 4.46% | 24.43% |
| 2021年12月期 | 4.06% | 25.80% |
ヤマハ発動機の配当利回りは3〜4%台で推移しており、東証プライム市場の平均(約2%)を上回る水準です。
配当性向は2024年12月期に45.4%まで上昇しており、配当による株主還元を強化する姿勢がうかがえます。
競合他社との比較
以下の表では、ヤマハ発動機と競合他社の配当利回り・配当性向をまとめました。
(2025年3月期決算)
| 会社名 | 配当利回り | 配当性向 |
|---|---|---|
| ヤマハ発動機(7272)※ | 3.61% | 45.40% |
| ホンダ(7267) | 4.37% | 38.00% |
| 川崎重工業(7012) | 2.43% | 28.54% |
| スズキ(7269) | 2.34% | 19.01% |
※ヤマハ発動機は2024年12月期決算
参照元:みんかぶ
競合3社と比べると、ヤマハ発動機の配当利回りはホンダに次ぐ高水準です。配当性向(45.4%)が競合3社より高く、配当による株主還元に積極的な姿勢がうかがえます。
配当収入を重視する投資家にとって、ヤマハ発動機やホンダのような配当利回りと配当性向の両方が高い銘柄は、検討する価値があるといえるでしょう。
配当性向と配当利回りは、企業を評価するときに使う指標です。
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるかを示す指標です。配当利回りが高いことは、投資した資金に対して多くの配当金を受け取れるということです。一方、株価の下落によって利回りが高くなっている場合は、企業の業績悪化を示す兆候であり、将来的な減配のリスクも考えられます。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当性向は、税金を差し引いた企業の純粋な利益である当期純利益のうち、配当に回される額を表した割合です。つまり配当性向が高いと、株主への利益還元が多くなります。投資家には短期的な利益が増えるなどのメリットがあります。しかし、高すぎると減配や無配、株価下落のリスクなど将来の成長性や財務の安定性に影響が出るリスクも存在します。計算式は次のようになります。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
目安となる数値や詳しい計算方法については、こちらの記事で解説しています。
配当利回りと配当性向とは?違いや計算式、目安となる数値を解説
ヤマハ発動機の株主優待|ポイント制で好きな優待品を選べる

ヤマハ発動機は株主優待を実施しています。
保有株式数と保有期間に応じてポイントが進呈され、ポイント数に応じて以下の優待品から好きなものを選べる仕組みです。
- 本社・グループ会社所在地の名産品(静岡、熊本、北海道、宮城など)
- ヤマハ発動機関連商品(バイクレンタル割引券、ボート免許割引券、マリンクラブ割引クーポン、ジュビロ磐田観戦チケットなど)
- 社会貢献基金への寄付
優待品の詳細は、ヤマハ発動機の公式サイトをご覧ください。
2026年12月期から制度変更|中間優待の廃止
2026年12月期から「中間優待」が廃止され、年1回(12月31日基準日)のポイント進呈に変更されます。
新しいポイント進呈条件は、以下のとおりです。
| 保有株数 | 保有期間 | ||
| 1年未満 | 1年以上3年未満 | 3年以上 | |
| 100株以上300株未満 | 対象外 | 1,000ポイント | 3,000ポイント |
| 300株以上1,000株未満 | 対象外 | 2,000ポイント | 4,000ポイント |
| 1,000株以上3,000株未満 | 対象外 | 3,000ポイント | 5,000ポイント |
| 3,000株以上 | 対象外 | 4,000ポイント | 6,000ポイント |
参照元:ヤマハ発動機株式会社|株主優待制度の一部変更に関するお知らせ
保有株数や保有期間を増やすことでポイントが貯まり、より多くの優待品を選べるようになります。
配当金と株主優待の両方を楽しみたい方は、ヤマハ発動機への長期投資を検討してみてください。
ヤマハ発動機の業績

2025年12月期予想を含む、過去4年分のヤマハ発動機の業績を表にまとめました。
(単位:百万円)
| 決算情報 | 売上収益 | 営業利益 | 当期利益 | 親会社の所有者に 帰属する当期利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 2,534,203 | 126,373 | 34,938 | 34,938 |
| 2024年12月期 | 2,576,179 | 181,515 | 124,570 | 108,069 |
| 2023年12月期 | 2,414,759 | 243,920 | 236,073 | 158,421 |
| 2022年12月期 | 2,248,456 | 224,864 | 239,293 | 174,439 |
ヤマハ発動機の売上高は、2021年~2024年まで4年連続で増収を続けていました。
しかし、2025年12月期は「マリン事業」と「アウトドアランドビークル事業」の販売台数が減少した影響で、減収に転じる見込みです。
利益面では、研究開発費や人件費などのコスト増加に加え、米国の追加関税の影響で繰延税金資産を取り崩したことから、2024年12月期に減益となりました。また、2025年12月期はさらに大幅な減益となり、過去5年間で最も厳しい業績となりました。
2026年予想は、売上収益2兆7,000億円、営業利益1,800億円で、2025年からの回復を見込んでいます。
説明資料では、コスト構造改革の効果が2026年から段階的に顕在化する見通し、さらに関税影響の拡大を前提に価格戦略とコスト削減の両輪で収益力を強化するとしています。つまり会社自身も、外部環境が楽観できない前提で計画を立てています。
ヤマハ発動機の事業内容

ヤマハ発動機は国内外でさまざまな事業を展開しており、事業はおもに5つの分野にわかれています。
- ランドモビリティ事業
- マリン事業
- アウトドアランドビークル事業
- ロボティクス事業
- 金融サービス事業
それぞれ紹介します。
ランドモビリティ事業
ランドモビリティ事業は、陸の乗り物を開発・製造するヤマハ発動機のメイン事業です。
おもな製品を下表にまとめました。
| 製造する乗り物 | 概要 |
|---|---|
| 二輪車 | ユーザーのさまざまなニーズに応えるべく、スクーターから大型二輪まで、幅広いラインナップを用意 |
| 電動アシスト自転車 | 1993年に世界初となる電動アシスト自転車「PAS」を発売。以来、全年齢層の移動を支え続けている |
| 電動車いす | 手動車いすの電動化や車いすの手動操作を電動でアシストするユニットを製造・販売 |
乗り物のほかに自動車用エンジンの開発・製造も手掛け、トヨタ自動車とは60年近くにも及ぶ共同開発の歴史があります。
マリン事業
マリン事業では「海の乗り物」と関連する部品の開発・製造をおこなっています。マリン事業で手がけている製品は以下のとおりです。
| 製造する製品 | 概要 |
|---|---|
| マリンエンジン | 船の「心臓」。小型・中型船舶に使われる「船外機」をおもに製造 |
| ボート | 漁業向けの漁船やレジャー向けの釣り、クルージングなどで使われるボートやヨットを製造 |
| ウォータービークル | いわゆる「水上オートバイ」。クルージング、釣りに次ぐマリンレジャーとして、米国を中心に製造・販売を展開 |
アウトドアランドビークル事業
アウトドアランドビークル(OLV)事業とは、RV事業とゴルフカー事業を統合して2025年に新設された事業です。
扱う製品には、バギーに代表されるオフロード用車両とゴルフ場やレジャー施設で使われるゴルフカーがあります。
北米をメイン市場に、スポーツ・レジャーだけでなく、農林水産業の場でもヤマハ発動機のOLV製品が活躍しています。
ロボティクス事業
ロボティクス事業では、産業用ロボットや無人航空機の製造をしています。手がけているおもな製品は以下のとおりです。
| 製造する製品 | 概要 |
|---|---|
| 表面実装機(サーフェスマウンター) | 電気製品に内蔵されるプリント基板に電子部品を装着するロボット。 1987年に販売を開始し、2020年に累計生産台数5万台を達成。 |
| 産業用無人航空機 | 政府団体からの委託で1987年に世界初の産業用無人ヘリ「R-50」を実用化。 薬剤散布をメインに農業分野で活躍。 自動航行可能モデルの発売を機に、観測や運搬などに活躍の場を広げている。 |
金融サービス事業
ヤマハ発動機は、海外向けに金融サービス事業を展開しています。
おもな事業内容は、製品を購入する個人向けの「小売金融(ローン、クレジットカードなど)」と、在庫を仕入れる販売店向けの「卸売金融」です。
ほかにもリースや保険、製品の延長保証といった多角的なサポートも提供しています。
収益の7割以上を占める米国では、多彩なニーズに応えて顧客や販売店との結びつきを強化。
製品販売の促進に貢献し、グループ全体の安定した収益源となっています。
ヤマハ発動機と競合他社の業績比較

ヤマハ発動機と競合他社の業績を比較してみましょう。2025年12月期の業績は、以下のとおりです。
(百万円)
| 会社名 | 売上収益 | 営業利益 | 親会社の所有者に帰属する当期利益 |
|---|---|---|---|
| ヤマハ発動機(7272) | 2,534,203(△1.6%) | 126,373(△30.4%) | 34,938 (△85.1%) |
| ホンダ(7267)※1 | 21,688,767 (+6.2%) | 1,213,486(△12.2%) | 835,837(△24.5%) |
| 川崎重工業(7012)※1 | 21,293,000 (+15.1%) | 143,100 (+209.8%) | 62,600 (+246.8%) |
| スズキ(7269)※1 | 5,825,161 (+8.7) | 642,851 (+30.2%) | 416,050 (+31.2%) |
カッコ内の数字は前年同時期の業績と比べた際の増減を%表示したもの
※1)2025年度3月期決算を掲載しています。
参照元:みんかぶ
ヤマハ発動機を除いて売上収益は増収となっており、二輪車・輸送機器のニーズは堅調に推移しています。
川崎重工業、スズキは売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益が大幅にプラスになっている一方で、ヤマハ発動機、ホンダは減益となっています。
競合が売上収益を伸ばす中、ヤマハ発動機は一人負けの状態です。売上収益だけでなく、収益性の改善が今後の課題と言えるでしょう。
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ホンダの配当金はいくら?利回りが高い理由や配当時期について解説
ヤマハ発動機の株価

ヤマハ発動機の株価は、1,101円(2026年3月20日終値)です。以下のチャートでは、直近10年間における株価の推移を示しています。
2016年ごろ、ヤマハ発動機の株価は約500〜600円で取引されていました。その後、業績の好調を受けて株価は上昇し、2018年には一時1,300円を超えるまで高騰。
しかし、2018年後半から業績が悪化し、米中貿易摩擦の影響も重なって株価は下落傾向に入りました。
2020年のコロナショックでさらに打撃を受け、株価は400円台前半まで下落しています。しかし、その後「密を避けられるレジャー」としてバイクやボートの人気が急上昇し、業績とともに株価もV字回復。
2024年初頭には下落前の水準を上回る1,500台にまで回復しましたが、その後は業績悪化により、株価は1,000円前後で推移しています。

「長期で拾う候補にはなるかもしれませんが、今は「配当利回りの高さ」より「2026年の回復の質」を確認してからでも遅くない銘柄」です。安定配当志向の会社ではありますが、直近は利益の落ち込みが大きく、配当の安全性は以前より下がっています。 逆に、2026年に利益回復が見えてくれば、4%前後の利回りを保ちながら株価の見直しも狙える余地があります。
ヤマハ発動機と競合他社の株の値動きについては、以下の表を参考にしてみてください。
| 会社名 | 現在の価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
|---|---|---|---|
| ヤマハ発動機(7272) | 1,060.5円(以下26/2/4終値) | 1,384円 (25/1/6) | 963円 (25/4/7) |
| ホンダ(7267) | 1,612.5円 | 1,730円 (25/9/5) | 1,156円 (25/4/7) |
| 川崎重工業(7012) | 13,910円 | 14,940円 (25/1/20) | 5,980円 (25/4/7) |
| スズキ(7269) | 2,181.5円 | 2,473円 (25/11/27) | 1,463円 (25/4/9) |
参照元:Yahoo!ファイナンス|日本株
ヤマハ発動機の自己株式取得|定期的に実施

ヤマハ発動機は定期的に自己株式取得を実施しています。直近で実施された自己株式取得の情報は、以下のとおりです。
- 取得した株式の種類:普通株式
- 取得した株式の総数:4,287,800株
- 株式の取得価格の総額:5,200,781,450円
- 取得期間:2025年3月1日~2025年3月18日
- 取得方法:東京証券取引所における市場買付
参照元:ヤマハ発動機株式会社|自己株式の取得状況及び取得終了ならびに自己株式の消却に関するお知らせ
また、ヤマハ発動機は自己株式の取得とともに「自己株式の消却」を実施しています。
継続的な自己株式取得と消却により、配当金に加えて株主還元を強化する姿勢がうかがえます。
まとめ

本記事では、ヤマハ発動機の配当金について解説しました。
ヤマハ発動機の2025年12月期の配当金は、1株あたり年間35円への減配が予想されています。
100株保有の場合「年間3,500円」が支払われますが、実際に振り込まれる金額は税引後の2,788円です。
株主確定日は毎年「6月末」と「12月末」で、それから2〜3ヶ月後に証券口座に入金されます。
また、100株以上保有している株主は、保有株数や保有期間に応じたポイント制の株主優待を受けられます。
今後の業績動向や配当方針に注目しながら、投資判断の参考にしてみてください。




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