
昨今、米国株投資は、投資初心者にとっても購入しやすく魅力的な投資対象として紹介されます。
アメリカには世界最大の株式市場が存在しており、多くの成長産業や優良企業が存在します。そのため、米国株に投資することで、これから資産形成を行う人にとっては企業の成長とともに資産を増やせるチャンスが十分にあります。
一方で、米国株投資で成功するためには、自分に合った証券会社の選択が不可欠です。
株式投資で必ず利用する証券会社は、投資家に株式取引に関してや投資対象の情報を提供し、個人投資家の投資をサポートしてくれる存在です。最適な証券会社を選択することで、安心して投資を行うことができます。
この記事では、これから米国株投資を始める人に向けて、証券会社の選び方について詳しく解説します。
手数料や取り扱い銘柄数、各社のサポート体制などを比較しながら、個々人に適した証券会社の選び方、見極めのポイントをご紹介します。米国株投資を始める第一歩を踏み出す前に、ぜひ参考にしてください。
プロが教える米国株投資:失敗しない証券会社選びと売買の注意事項
目次
1.証券会社の選定の重要性
米国株に限らず、投資を始める前に利用する証券会社は慎重に選ぶべきという声は多いです。なぜならば、証券会社は投資家に対して様々な役割とサポートを提供してくれる存在ですが、一度口座開設をして利用を開始すると容易に別の証券会社を利用するのはハードルが高くなるためです。
多少使いづらくても、口座解約の手続きも面倒なため、結局最初に選んだ証券会社を利用し続けてしまう人は少なくありません。
それゆえ、米国株投資を始める前に、しっかりと証券会社を吟味する必要があるのです。
1-1. 証券会社のサポート体制とは?
証券会社を選ぶ際に、もっとも注目したいのが証券会社のサポート体制です。証券会社は、株式取引の仲介のみならず、さまざまな投資情報を提供してくれる存在です。
昨今、投資初心者に対して分かりやすく銘柄分析のレポートなどを解説してくれる証券会社も増えてきました。米国株投資がしやすくなったのも、証券会社からの情報提供の精度が高まったからともいえます。
米国株投資の投資情報の一次資料は英語が基本ですが、英語ができなくても米国株投資はできます。それは、証券会社が信頼できる情報を開示してくれるからです。
投資初心者であれば、そうした信頼できる証券会社の口座を保有することが米国株投資成功への足がかりになるといえるでしょう。
さらに、証券会社は個人投資家の投資目標やリスク許容度に応じた投資アドバイスを提供してくれる場合もあります。セミナーやイベントなども開催されており、投資初心者にとって有益な情報を得られる情報源が証券会社であることも多いです。
したがって、証券会社がどういった情報提供をしているか?やどのような個人投資家へのサービスを行なっているかはしっかりとチェックしましょう。
1-2.投資初心者におすすめの米国株が買えるネット証券
最近は、投資初心者向けにネット証券を推奨することが一般的になりました。
従来の証券会社と比較して、ネット証券の利点は多いです。手数料が低くて使いやすいUIになっており、投資初心者でも簡単に株式取引を行うことができます。当社でも証券口座をおもちでないお客様にはネット証券をご紹介しています。
また、ネット証券の方がAIなどの活用も進んでおり、リアルタイムの株価情報や分析ツールを提供しています。市場の動向を素早く把握することが可能で、投資判断もスピーディに行えるので、投資初心者は基本的にネット証券を活用すると良いでしょう。
2. 投資初心者向け証券会社の選び方
すでに述べた通り、投資初心者は米国株投資を始める前に利用する証券会社を吟味する必要があります。なぜならば、最初に選んだ証券会社を変更することはあまりないことに加え、証券会社ごとに提供する情報やサービスが異なるためです。
既存の証券会社にも培ってきたノウハウや利点はありますが、手数料の安さや利便性を考えるとネット証券が優先的に検討されるべきです。さらに数あるネット証券の中から、自分に合った証券会社を絞り込むポイントとして、以下の3点について詳細に解説します。
2-1. 手数料などのランニングコストを比較する
米国株投資で成功するためには、投資対象からの利益を得ることも重要ですが、株式取引にかかる売買手数料などのコストをいかに抑えるかも重要です。
コストを抑えることで投資対象の購入などに資金を集中させることができ、大きなリターンを得られる可能性が高まります。もし、投資で利益が得られたとしても、コストがかかってしまえば手元に残る利益が少なくなってしまいます。
注意すべきは、手数料にはさまざまな種類があることと、その表示を注意深く確認する必要がある点です。まず、米国株投資において必要となる手数料には、売買手数料や為替手数料などが挙げられます。
売買手数料は株式の購入時・売却時にかかる手数料を指します。従来、証券会社によって売買手数料の金額や料金体系は異なっていたため、売買手数料の比較は重要でした。ただし、ネット証券大手3社(SBI証券・楽天証券・マネックス証券)での米国株投資にかかる売買手数料は各社横並びとなっており、比較する意味なくなっているのが現状です。
為替手数料は、外貨建てで株式取引を行う場合に円から外貨に両替する際にかかる手数料です。米国株の売買はドル建で行う人が多く、円からドルに替えるタイミングによってはランニングコストが増えてしまう可能性があります。ただ、為替手数料も基本的に上記3社は無料のキャンペーン等を行っており、比較が難しいところではあります。
・マネックス証券が買付時に限り為替手数料を0銭としているので、
・SBI証券、楽天証券ともに「リアルタイム為替取引(円⇔米ドルを即時で両替します)」にかかる為替手数料を0円にして対抗しています。ユーザーにとってはコストを抑えることができるので競争はウェルカムですね。
もちろん、手数料以外にも、重視すべきポイントはいくつかありますが、投資初心者は時間があっても初期費用が少ないケースがほとんどです。手数料などのコストを抑えることは、投資効率を高めることにつながるため、考慮すべきポイントとして重要度は高いといえるでしょう。
2-2. 取引プラットフォームの使い勝手は重要
米国株投資初心者とはいえ、証券会社は今後長く利用していくサービスになります。したがってランニングコストだけでなく、売買取引をスムーズに行えるかといった点は重要視すべきです。
投資初心者にとって、売買取引の操作が円滑に進まないとストレスになります。直感的かつシンプルに操作できることが重要です。インターフェース使いにくく適切なナビゲーションを伴っていないと適切な判断を実行に移せません。
操作性については、実際に触れてみないと分からないので、後述するようにデモ画面などで事前に操作を体験するのがおすすめです。また、注文の入力方法や売買履歴の確認などの基本的な機能に加えて、株価チャートやウォッチリストなどの追加機能があると便利です。
リアルタイムの株価情報や分析ツールの使い勝手も事前に把握できればなお良いでしょう。最初は株価を追うだけで精一杯かもしれませんが、経験を積み重ねていくうちにより精度の高い情報を求めるようになります。
各証券会社が提供する企業の財務データやレポート、業界ニュースなどは一般にも公開されています。そうした開示情報も事前に調べておくと、自分が欲しい情報を出している証券会社が見つけやすくなります。
2-3. 取り扱い銘柄は要チェック
米国株を取引できるネット証券で違いがでるのが取り扱い銘柄です。取引を始めてよい米国株の個別銘柄をみつけても、自分の取引中の証券会社に取り扱いがなければ取引することができません。選ぶ際にはどれくらいの銘柄数があるのかチェックしておきましょう。SBI証券は米国株式取扱銘柄数5,190銘柄超を、楽天証券は4,707銘柄超(2024年9月30日現在)と多くの銘柄を取り扱っています。
2-4. カスタマーサービスの対応も要チェック
忘れてはならないのは、証券会社のカスタマーサービスの対応です。米国株投資初心者は口座開設などの経験も少ないのでスムーズに事が進まないことがあります。いざというときに、問い合わせる連絡先もない証券会社は投資初心者向けではありません。
口座開設をする前に、各証券会社のお問い合わせ先に電話番号やメール、チャットサポートがあるかどうかなどを確認しておきましょう。
問い合わせ先が分かりやすいところに記載されているか、対応時間は明記されているかなどをチェックすると、初心者にとって使いやすいかどうかもより明確になります。
3. 具体的に証券会社を選ぶ際に参考にしたいこと
実際に口座開設をする証券会社を選ぶ際、以下の具体的な要素を参考にすることがおすすめです。ただし、鵜呑みにするのではなく「最終的に利用するのは自分である」ことを念頭に情報収集等をしましょう。
3-1. デモ口座や無料トライアルを利用してみる
証券会社は口座開設を検討する人向けに、デモ口座や無料トライアルのサービスを提供しています。実際の取引プラットフォームや利用できるサービスを確認することができるので事前にやってみるのがおすすめです。
デモ口座では仮想の資金を使って実際の取引同様の操作をすることができます。デモとはいえ、株価の上下動による資産額の推移を体感できますし、自分のリスク許容度なども確認できるのが魅力です。
3-2. ユーザーレビューや評判を確認する
証券会社のユーザーレビューや評判を確認することも重要です。最近は使いやすい証券会社ランキングなどの記事も充実しています。
他の投資家の生の声から、証券会社の信頼性や顧客満足度を把握することができます。ただし、レビューの中には特定の証券会社だけを褒めるものなどもあります。
口コミの情報の正確性や偏りが気になる人もいることでしょう。ランキング調査などは、第三者機関が提供するものなどを参考にしましょう。口コミや体験談も、複数のものを参考にすることで情報の偏りを防ぐことができます。
米国株投資をするのにおすすめの証券会社
弊社で米国投資をする際におすすめしている証券会社は下記の2つです。
SBI証券
SBI証券では米国株式個別銘柄は約5,400銘柄、ETF 約448銘柄などさまざまな米国ETFを取り扱っています。米国株式の場合の手数料は、1注文あたり約定代金の0.495%(税込)最低手数料:0ドル、上限手数料:22ドル(税込)
・多様な選択肢
SBI証券では、多種多様な米国ETFを取り扱っています。これには、S&P500を対象にしたもの、特定のセクターやテーマに焦点を当てたもの、高配当株に投資するものなどが含まれます。
・手数料無料の選択肢
SBI証券での外国株式の取引で下記の場合、手数料が無料となります。
①米国株式のお取引で、約定代金が2.02米ドル以下のお取引
②海外ETF(米国・中国・韓国)のNISA預りでの買付のお取引
③一部の米国ETFの買付のお取SBI証券では、「SBI ETFセレクション」と呼ばれる一部の米国ETFの買付手数料が無料となるサービスがあります。
「SBI ETFセレクション」 は、SBI証券が厳選した米国ETF10銘柄を指し、これらの銘柄は買付手数料が無料です。「バンガード トータルストックマーケットETF(VTI)」、「バンガード S&P 500 ETF(VOO)」や「SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD)」など、低コストで人気のある銘柄が厳選されています。
・情報提供
SBI証券では、各種の海外ETFに関する最新ニュースや投資情報を提供しています。また、「Eサーチ」を利用すれば、さまざまな条件から理想の米国ETFを探すことが可能です。
ただし、米国ETFの取引は、株価や為替市場の変動等により損失が生じる可能性があります。また、投資信託や米国ETFには、「信託報酬」や「経費率」と呼ばれる保有コストがかかります。具体的な手数料やリスクについては、SBI証券のウェブサイトや関連資料をご確認ください。
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SBI証券で購入できる S&P500連動型投資信託・ETF
楽天証券
楽天証券もSBIも負けず劣らず米国株銘柄、ETFの取引が可能です。個別銘柄 約4,756銘柄、ETF 約390銘柄(2024年5月13日現在)と多くの銘柄を取り扱っています。
・手数料
1回の取引につき約定代金の0.495%(税込)
最低手数料:0ドル、
上限手数料:22ドル(税込)
・貯まるポイント
取引で楽天ポイントが貯まります。また、購入にも1ポイントから利用可能です。
・多彩なサービス
楽天証券では、ETFにも使える自動積立サービス「米株積立」 が利用可能で、設定さえしてしまえば、ほぼ全自動で積立投資できます。米国上場ETFは15銘柄を対象に買付手数料を無料
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まとめ
米国株投資を始める際、利用する証券会社の選択はとても重要です。最近は、証券会社に関する情報も数多く出回っており、自分に合った証券会社を見つけるのは容易になりました。
ただし、情報過多な昨今、証券会社の選び方のポイントが見えにくくなっているのも事実です。今回ご紹介した通り、証券会社の選び方のポイント自体はシンプルなものばかりです。
証券会社選びに迷ったら、重要なポイントに立ち返って自分に合った証券会社を見極めてみてください。
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