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資産運用をする人が増えて昨今、投資で大きな利益をあげた人の話を耳にする機会が増えてきました。
1億円以上の金融資産を保有する億り人なども増えてきている今、投資家たちの投資遍歴などもさまざまですが、まとまった配当金を受け取るようになった人や短期間に株の売買で大きな利益を得た人などもいます。
いろんな話が出回っているため、投資初心者にとっては、株の売買での利益であるキャピタルゲインや配当金などのインカムゲイン、どちらを重視したら良いのだろうか?と悩む人も少なくないでしょう。
この記事ではそうした悩める投資初心者の方に向けて、キャピタルゲインとインカムゲインの基礎的なことから、それぞれのメリット・デメリット、2つの利益のどちらを追求するのが良いか、向き不向きについてそれぞれ解説していきます。
目次
キャピタルゲインとインカムゲインの違いとは
まずは、キャピタルゲインとインカムゲインの2つの利益について説明します。2つの利益の基本的なことからそれらの違いを明らかにします。
キャピタルゲインとは?
基本的に金融資産などを売却した場合に得られる利益のことをキャピタルゲイン(=売却益)と呼びます。
投資信託や株式といったペーパーアセット、不動産や地金といった現物資産のハードアセットいずれの場合も売却した時に得られた収益をキャピタルゲインといいます。
キャピタルゲインを得た際は、利益部分から税金を支払う必要があります。
インカムゲインとは?
基本的に、金融商品を保有している状態で得られる利益のことをインカムゲインといいます。
株式であれば配当金、投資信託であれば分配金などが該当します。
日本株式に投資をしている場合、株主優待制度を実施している企業からであれば株主優待なども得られるため、株主優待もインカムゲインに含まれます。
インカムゲインもキャピタルゲイン同様、利益に対して税金がかかります。
株主優待については雑所得として20万円以内までなら確定申告の必要はありませんが、それ以上となると確定申告の必要が出てきます。
2つの利益の違いについて
2つの利益の違いは以下の通りです。
キャピタルゲイン | インカムゲイン | |
特徴 | 資産の売却益 | 配当金や分配金、株主優待など |
税金の有無 | あり | あり(ただし株主優待は一定の範囲内でかからない) |
得られるタイミング | 資産の売却時 | 資産の保有期間中 |
リスクとリターン | (インカムゲインに比べて)ハイリスク・ハイリターン | (キャピタルゲインに比べてローリスク・ローリターン |
どういった人向けか | 投資上級者向け | 投資初心者向け |
キャピタルゲインとインカムゲインは、利益を得られるタイミングが異なる利益です。
一般的にキャピタルゲインに比べるとインカムゲインの方がローリスク・ローリターンのため、投資に慣れていない初心者におすすめされることが多いです。
ただし、それぞれの利益にはメリット・デメリットが存在し、資産管理を怠るといずれの利益も得られず、下手をすると大きな損失を抱えることになるので注意が必要です。
キャピタルゲインのメリット・デメリット
キャピタルゲインのメリットとデメリットについて具体的に解説します。
キャピタルゲインのメリット
キャピタルゲインのメリットは以下の通りです。
・短期間で大きな利益を得られる可能性がある
ある銘柄に集中投資をすることなどで短期的に元本を大きく増やせる可能性があります。
・市場における資産の価格(株価など)の変動に伴って利益を出せる
短期的な株価の変動に注目すれば良いため、企業の将来性や成長力などを吟味する必要がありません。
キャピタルゲインのデメリット
キャピタルゲインのデメリットは以下の通りです。
・大きな利益が期待できる分、大きな損失を抱える可能性もある
キャピタルゲインはハイリスク・ハイリターンのため、株価が上昇する場合もあれば大幅に下落してしまう可能性もあります。
元本保証ではない上、あまりに不人気だと売るに売れない事態も起こりうるので注意が必要です。
・売却のタイミングで利益の変動が大きくなる
キャピタルゲインは資産の売却時に発生します。
したがって売却のタイミングを間違うと本来得られたはずの利益を逃す可能性もあり、相場環境を常にウォッチできる人の方が有利となる側面があります。
インカムゲインのメリット・デメリット
インカムゲインのメリットとデメリットについて具体的に解説します。
インカムゲインのメリット
インカムゲインのメリットは以下の通りです。
・長期的な運用で利益を積み重ねられる
インカムゲインの良さは、長期的に金融資産を保有することで利益が得られることです。保有している期間中に発生するため、金融資産を保有する限り安定的に利益を享受できます。
・日々の値動きを逐一チェックする必要がない
キャピタルゲインのように売却のタイミングを考える必要がないので、日々の値動きを気にする必要があまりありません。それよりも長期的に株価が上昇していくかや配当金が順調に出されるだけの収益を上げているかなどをチェックする必要があります。
インカムゲインのデメリット
インカムゲインのデメリットは以下の通りです。
・短期的に大きな利益を得るのは難しい
株式にせよ投資信託にせよ、投資家に配分される利益はさまざまな諸経費などを引いた後の利益の一部になります。それゆえ、一度に得られる利益は限定的で、大きな利益を得るには時間をかける必要があります。
・期待した利益が得られるとは限らない
配当金や分配金は企業などが稼いだ利益の一部であるため、利益が出なかった場合投資家に分配されない可能性があります。
事前に予想配当金額などは提示されていますが、その金額を額面通りに受け取れない可能性があります。
株主優待なども任意の制度であるため、すべての企業が実施しているわけではありません。
また、株主の許可がなくとも企業側から優待を廃止することなどができるため、業績悪化などの影響を受けて、株主優待がなくなるといったことは大いに起こり得ます。
キャピタルゲインとインカムゲインどちらが良いのか?
キャピタルゲインとインカムゲイン、それぞれの利益には特徴があります。
どちらも資産運用をする中で得られる利益ではありますが、どの利益を得ていくかについては投資家個人の向き・不向きなどもあるので、しっかり検討してから方向性を定めていくのがおすすめです。
キャピタルゲインが向いている人
キャピタルゲインを得るのが向いている人は以下のような人です。
・資産運用にある程度の時間を割ける人
株式などでキャピタルゲインを得たい場合、短期で価格が上昇する企業の株式を探したり、売却のタイミングをはかる必要があります。
それゆえ、ある程度投資を行うための時間を捻出できる人が向いています。
・株価の値動きなどに耐性がある人
キャピタルゲイン狙いの場合、株価の値動きにしっかりついていき、時に損失を抑えるために売買をしたり、利益を積み上げるために頻繁に売買を繰り返す必要があります。したがって、1分1秒で大きく変動する株価の値動きに耐えられる人が向いているといえます。
インカムゲインが向いている人
インカムゲインを得るのが向いている人は以下のような人です。
・大きなリターンをいますぐ必要としない人
インカムゲインで一攫千金を狙うのはプロでも難しいです。それゆえ、短期的に大きな利益が必要ではなく、ある程度時間をかけて資産形成していく人向きといえます。
・定期的な収入を得たい人
配当金などは年1回や2回ほど企業から投資家に配分されます。
投資信託の分配金も投資家に分配されるもの、再投資に回されるものとありますが、分配されるものであれば、定期的に証券口座に現金が振り込まれます。
それゆえ、給与以外に比較的安定した収入を得たい人などに向いているといえます。
2つの利益どちらも得ることは可能
一般的に利益を出すためのトレードが必須なキャピタルゲインは上級者向け、大きなリターンは見込めないものの、安定的に利益を得られるインカムゲインは初心者向けとされますが、両方の利益を得ることも十分に可能です。
例えば、投資にそこまで時間はかけられないが、自分の知っている業界の流れはよく知っているので値動きが読めるといった場面では、投資初心者でも十分にキャピタルゲインを得る機会があります。
同時にキャピタルゲインばかりを狙っていると、思わぬところでキャピタルロス、売却時に大きな損失を抱える可能性もあります。
その場合、資産の一部をインカムゲイン目的で持ち続けるのも一つのリスクヘッジになるでしょう。
いずれにせよ、キャピタルゲイン・インカムゲイン両方を得ることは十分に可能です。
自分のリスク許容度などに合わせて、どちらの利益も最大化していけるよう、投資方針などを考えるのがおすすめです。
まとめ
キャピタルゲインもインカムゲインも資産運用をしていく上で重要な利益です。
しかし、それぞれに特徴があり、メリット・デメリットが存在しています。
大きな損失を抱える可能性があるため、誰もがキャピタルゲインを狙うのが得策ではないですし、インカムゲインばかりではなかなか資産は増えないという現実に直面します。
どちらの利益を優先的に享受していくかは、投資家自身の向き不向きもあるので、投資をしていく中でしっかりと考えていく必要があります。
ただし、キャピタルゲイン・インカムゲインどちらの利益も得る両立は可能なので、自分の身の丈にあった方法で2つの利益を最大限に得て資産を増やしていく道を考えるのが、資産形成の近道といえるでしょう。
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