
給与がなかなか上がらない中、インフレが進む日本では、自分の生活を守るためにも投資が必要という雰囲気が出てきました。
NISAやiDeCoといった非課税優遇制度が生まれ、実際に投資をしている投資人口も増加しています。NISA制度をどのように活用するか?といった議論も活発化し、経済誌やWEB媒体でも取り沙汰されています。
巷では、NISA口座で米国株や米国株式で構成された投資信託を運用することをおすすめする記事などが多いです。
しかし、実際にNISAで米国株投資を行うのが良いのか悪いのか、投資初心者にはなかなか判断がつかないことでしょう。
米国株に投資するメリットを説明する記事は多くても、そのデメリットや対策方法について気になる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、NISAで米国株投資を行うメリットとデメリット、デメリットを補うための対策などについて説明していきます。
目次
NISAで米国株投資を行うメリット
まず、NISA制度を活用して米国株投資を行うメリットについて解説します。実際、NISA制度を利用して米国株投資を行うことは、資産形成層にとって有利に働くことが多いです。
日本株より株価上昇・高配当を期待できる
米国株式は、マイクロソフトやアマゾンといった世界中で活用されているサービスを提供する大企業が含まれています。
これまで株価が100倍、200倍と大きくなったIT関連株などもあり、日本株よりも株価上昇の期待ができる銘柄が多いです。また、米国株式は、基本的に日本株式よりも期待リターンが高い金融商品になります。
例えば、米国株式500銘柄で構成されるS&P500という指数は、設定された1928年以降の平均年率リターンが7.5%です。
日本株式では3%以上の配当がある株式を高配当と呼ばれますが、米国株式にはそれ以上の高配当株が多く存在しています。
そういった点から日本株よりも効率的に資産を増やせる投資先として米国株式が注目を集めているといえます。
売却益や配当金が非課税
米国株式に限ったことではありませんが、NISA口座は18歳以上の日本に現住所を持つ国民であれば、生涯投資枠として1,800万円まで金融商品を非課税で運用できます。
日本株式よりも株価が上昇する期待が高い米国株式も保有することが可能です。株価が上がった後に売却した場合、売却益には税金がかかりません。
売却益だけでなく、配当金などにも税金がかからないため、インカムゲインも非課税で受け取ることができます。
日本株式以上の高配当をそのまま受け取ることができるのは大きなメリットといえます。
1株から購入可能で少額で投資できる
日本株式は、基本的に100株が最低単元株となっています。それゆえ、1株が100円の株式でも購入金額として最低でも10,000円必要となります。
これが1株から購入できる米国株式だと同じ1株100円なら100円から購入が可能です。
日本株式もスマホ証券などから1株からの購入が可能ですが、最低単元株として購入するよりも手数料が割高になるといったデメリットがあります。
1株から購入できる分、少額から投資できるというメリットもあります。
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NISAで米国株投資を行うデメリット
NISA口座で米国株式を購入することをおすすめするメディアは多いです。確かにメリットは大きいのですが、必ずしもメリットばかりではありません。NISAで米国株投資を行うデメリットもあるので、デメリットもしっかり把握しておく必要があります。
損益通算などができない
まず、米国株に限ったことではありませんが、NISAで資産運用をする場合、損益通算ができないという大きなデメリットがあります。
損益通算とは、その年に金融資産から得られた利益と損失を相殺させることで税金を減らすことです。
例えば、特定口座などで取引を行なっている場合、金融商品Aで20万円の利益を確定していて、金融商品Bで10万円の損失を確定していたら20万円−10万円=10万円の利益に対してのみ税金がかかります。
しかし、NISA口座で金融商品Cが10万円の損失を出したとしても、特定口座などで取引した金融商品Dで20万円の利益を得た場合、相殺することができません。
つまり、金融商品Dで得た利益20万円そのままに税金がかかってしまいます。また、損益通算ができないだけでなく、その年の損失が相殺しきれない場合、その損失分を翌年以降の利益から控除できる繰越控除もできません。
これらのことから、NISA口座は損失を出すことに向いていないということが分かります。
一次情報が得にくい
日本企業の情報を知りたい場合、証券会社などの金融機関や経済系の雑誌やWEB媒体などさまざまなところから企業情報を知ることができます。
四季報といった企業の財務状況等を過去にまで遡って知ることできる書籍などもあります。また、日本企業も個人投資家向けに情報発信を積極的に行なっており、企業のIR情報も充実してきました。
これらの情報はすべて日本語で読むことができるので、日本人であることが有利に働きます。
これに対して、米国株式の情報は日本株式に比べるとかなり少ないです。以前に比べて情報量は増えているとはいえ、日本語でアクセスできる情報は限られています。
特に企業情報として一次情報を得たいと思ったら、企業HPなどにアクセスすることになります。基本的に英語で書かれているので、英語ができないと正確な情報を自分で取りにいくのは難しい状態といえるでしょう。
言語の壁だけでなく、英語を読むのは日本語を読むより時間がかかる人も多いでしょうから、情報収集に手間や時間がかかる点は大きなデメリットといえます。
外国額税控除は利用できない
損益通算や繰越控除などが使えない上、税金面でも不利になる部分があります。
NISAはNISA口座で取引する場合に非課税で運用できるとありますが、課税されないのは日本国内のみに限定されます。
日本国内で株式取引をした場合、基本的に株式の売却益や配当金などのインカムゲインには20.315%の税金がかかります。
NISAで課税されないというのは、この20.315%の税金ということになります。しかし、米国株式は配当などに対し、所得税が10%課せられます。
通常、外国株式の取引の場合、二重課税を防ぐために外国額税控除という外国で課された税金を所得税額から差し引ける制度が活用できるのですが、NISAを利用することで二重課税がなされないため、海外で課された税金は差し引かれたままになります。
日本株式であれば、NISAで非課税となることで税金が引かれないのですが、米国株式はじめとする外国株式では、その国の税制に応じた分は税金がかかることを覚えておきましょう。
NISAで米国株投資を行うリスク対策法
NISAを活用して米国株式を取引するのは、メリット・デメリット両方あります。デメリットは投資を行う上でのリスクとなりますが、リスクに対してある程度対策を立てることができます。
デメリットに対してできるリスク対策について、以下詳しく説明していきます。
投資信託などでリスクヘッジをする
外国税額控除などが使えないため、米国株式には米国内で課税がなされます。配当金を受け取る際に自動的に差し引かれてしまうので、一度差し引かれた税金を取り戻すことは基本的にできません。
なるべく課税されないようにするためには、得られた利益をそのまま再投資に回せる投資信託などが向いています。
米国株式を複数組み合わせた再投資型の投資信託は豊富に存在するので、課税を最小限に抑えたい場合の選択肢の一つといえます。
値上がりが期待できる株式に投資する
損益通算や繰越控除が使えないNISAでは、保有している金融商品が損失を出すのを避けたい部分があります。
損失を出さない米国株式を見つけるのは難しいですが、できるだけ株価が上昇していくような株式に投資したいところです。
値上がりが期待できる米国株式となると、世界的にもよく知られている企業の株などが候補の一つになります。
世界的な大企業は時価総額が大きく、倒産リスクなどが低いので投資初心者でも安心して保有できるメリットもあります。
投資の勉強をし続ける
米国株式の情報は日本株式に比べて得にくいというデメリットは今後も続くことが予想されます。ただ、投資環境的には米国株投資が推奨されている昨今、以前に比べて日本語でもいろんな情報が得られるようになってきました。
時間はかかるかもしれませんが、翻訳アプリなども充実している昨今、英語の企業情報を得るのもハードルは低くなってきています。米国株式で大きなリターンを得ていくためには、常に最新の情報にアンテナを張ることが必要となります。
米国株投資の情報を得続けるのは大変なことですが、常に投資の勉強をし続けるつもりでいれば、NISAで米国株投資を行うデメリットを補うことができることでしょう。
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まとめ
昨今は、金融業界の人でなくても投資をするような時代になってきました。
NISAやiDeCoといった非課税優遇制度を活用する人も増えてきて、そういった人たち向けの情報も豊富に出揃ってきています。
特に2024年1月からスタートしたNISA制度は生涯にわたって活用できる制度で、資産形成していく上でぜひ味方にしたい制度です。
ただNISA制度を活用する場合、米国株投資をおすすめする人や情報媒体は多いですが、米国株投資を行うにはメリット・デメリットいずれも存在します。
デメリットに対しては、ある程度リスク対策できる部分もあるので、リスクをコントロールしながら上手に投資をしていく必要があります。
自分のリスク許容度などと合わせて、デメリット部分も許容しながらNISAの恩恵をしっかり享受していきたいものですね。
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