
本記事では、三菱商事株式会社(8058:東証プライム)の配当金額や配当時期、配当性向、配当利回りについて解説します。
三菱商事は、エネルギーや金属資源、食品産業など、合計8グループ体制でビジネスを展開する総合商社です。
近年の業績は右肩上がりで、2024年度の配当金は1株あたり年間30円の増配が見込まれています。
三菱商事の株はNISAの成長投資枠でも購入できるので、非課税での運用も可能です。
目次
三菱商事の配当金はいくら
2024年度における三菱商事の配当金は、1株あたり年間100円(見込み)です。
受け取り回数は年2回に分かれており、2024年度の期末配当は1株あたり50円が見込まれています。つまり、単元株(100株)あたりで受け取れる配当金は、年間10,000円(見込み)です。
過去5年間の配当金の推移を、以下の表にまとめました。
年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計額 |
2024年度 | 50円 | 50円(見込み) | 100円(見込み) |
2023年度 | 35円 | 35円 | 70円 |
2022年度 | 26円 | 34円 | 60円 |
2021年度 | 24円 | 26円 | 50円 |
2020年度 | 22円 | 22円 | 45円 |
2019年度 | 21円 | 23円 | 44円 |
参考:三菱商事|配当情報
三菱商事の配当金は、2019年度から4年連続で値上がりしています。2024年度は前年より年間30円アップする見込みです。
配当金額は、年度終了後の6月に開催される「定時株主総会」で決定されます。実際に、2023年度定時株主総会は2024年6月21日(金)開催されているので、三菱商事の株主になったら、毎年6月の総会をチェックしましょう。
配当金にかかる税金|手取り
配当金には、20.315%の税金が発生します。税率の内訳は、以下のとおりです。
- 住民税(5%)
- 所得税、復興所得税(15.315%)
三菱商事の2024年度の配当金は、1株あたり年間100円が見込まれているので、単元株100株当たり10,000円(税引き前)の配当金になります。税金が引かれた後の受け取り配当金額は、7,968円です。
【計算式】(100株×100円)×(1−20.315%)=7,968円
ただ、NISAの成長投資枠で運用すれば、税金は引かれません。SBI証券ではNISA口座で三菱商事の株を運用できるので、10,000円の配当金をそのまま受け取りたいときは利用を検討してみましょう。
SBI証券でNISAを始める方法は、「SBI証券のつみたてNISAの始めかた!スマホアプリやお得な設定方法を解説記事」で解説しています。
三菱商事の配当利回りと配当性向
三菱商事の配当利回り(2024年度予想)は3.65%、配当性向(2023年度実績)は30.42%です。これまでの配当利回りと配当性向については、以下の表を参考にしてみてください。
年度 | 配当利回り | 配当性向 |
2024年度 | 3.65%(予想) | ー |
2023年度 | 2.94% | 30.42% |
2022年度 | 4.13% | 22.23% |
2021年度 | 4.31% | 23.61% |
2020年度 | 5.30% | 114.65% |
直近5年間の配当利回りは、約3〜5%で推移しています。また、三菱商事の配当利回りと配当性向を競合他社と比較した結果を、以下の表にまとめました。
会社名 | 配当利回り(2024年度予想) | 配当性向(2023年度実績) |
三菱商事(8058) | 3.65% | 30.42% |
三井物産(8031) | 3.09% | 24.1% |
伊藤忠商事(8001) | 2.57% | 28.9% |
住友商事(8053) | 3.90% | 39.6% |
三菱商事の2024年度の配当利回りは、住友商事に次ぐ成績が予想されています。さらに、2023年度の配当性向は30.42%であり、成績としては競合他社に負けていません。三菱商事の株を持っていれば、他社の株より大きな利益が狙える可能性があります。
三菱商事の配当金はいつもらえる
三菱商事の配当時期は、中間と期末の2回に分かれています。それぞれの権利確定日は、以下のとおりです。
- 期末配当金:3月31日
- 中間配当金:9月30日
一般的な入金日は、上記の権利獲得日から2〜3ヵ月後です。三菱商事では6月に開催される株主総会で、配当金の最終金額が決定したのちに支払われます。2024年度の予想配当金額は年間10,000円(100株あたり)で、実際に入金される金額は税引後の7,968円です。
また、配当金を受け取る権利を得るためには、企業の株主名簿に掲載される必要があります。株の購入から名簿の反映までに時間がかかるので、権利獲得日の2営業日前には株を所有しておきましょう。
三菱商事の業績
三菱商事の事業年度は、4月1日~翌年3月31日までです。過去4年間の業績を、以下の表にまとめています。
(単位:百万円、2024年9月時点)
決算情報 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
2024年度 | 9,354,751 | – | 903,514 | 618,055 |
2023年度 | 19,567,601 | – | 1,362,594 | 964,034 |
2022年度 | 21,571,973 | – | 1,680,631 | 1,180,694 |
2021年度 | 17,264,828 | – | 1,293,116 | 937,529 |
2020年度 | 12,884,521 | – | 253,527 | 172,550 |
参考:三菱商事株式会社|IR
2023年度の決算情報を見ると、全体的に前年度より下回っているものの、3年前と比較すれば成績は右肩上がりです。事実として、純利益は2022年度に史上最高益を達成し、2023年度には前年に次ぐ第2位を記録しています。
2023年度の決算情報から、三菱商事は「資源の価格高騰やコロナ禍などの影響を除いても、自社の稼ぐ力は伸びている」と考察しています。
三菱商事の事業内容
三菱商事は合計8つのグループに分かれて、国内外で事業を展開しています。それぞれ説明します。
地球環境エネルギーグループ
地球環境エネルギーグループでは、安定したエネルギー供給を目的とした事業を行っています。天然ガス/LNG、石油、LPG事業などに取り組んでおり、目指す社会は「カーボンニュートラル」の実現です。
マテリアルソリューショングループ
日本の素材産業の活性化を目的とした事業を展開しているグループが、マテリアルソリューショングループです。セメントやコンクリート、鉄鋼製品の製造、半導体事業などを中心に活動しています。
金属資源グループ
金属資源グループは、工業用の石炭や銅などの金属資源に関する事業を行っています。主な目的は、低コストで世界最高水準の金属資源を生み出すことです。
社会インフラグループ
社会インフラ グループは、国内外での都市開発・運営、不動産開発・運用、デジタル社会を支えるデータセンターとしての役割を持つグループです。「街を創り、社会を創り、未来を創る」というグループミッションを掲げ、主に、船や宇宙航空機、産業機械、エネルギーインフラなどの事業に取り組んでいます。
モビリティグループ
国内での自動車製造や販売だけでなく、海外での生産や販売、アフターセールスなど、自動車関連の事業を世界的に行っているのがモビリティグループです。また、電気自動車や蓄電池などを普及させ、カーボンニュートラル社会や持続可能な省エネルギー社会の実現に向けても、活動の幅を広げています。
食品産業グループ
食品産業グループでは、食料や生鮮品、生活消費財などの「食」に関わる事業を行っています。おいしさと健康に資する食事を持続させるために、最先端技術やイノベーションを有効活用しながら活動しています。
S.L.Cグループ
お客様のニーズを第一に考え、コンビニやスーパー、ネットショッピングなど、日常生活に密着したサービス提供を目指すグループです。金融サービスやデジタル技術、物流ネットワークなどのビジネス向けサービスも展開しています。これらの事業を上手く組み合わせながら、便利で豊かな暮らしの実現を目指しています。
電力ソリューショングループ
太陽光や風力などの再生可能エネルギーを「つくる」、天気によって変動する電力を蓄電池などで「整える」、安定した電気を家庭や企業に「届ける」といったコンセプトで事業を展開しているグループです。環境にやさしい水素エネルギーの開発を進めており、地球温暖化対策や脱炭素化に貢献する新しいエネルギー社会を目指しています。
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三菱商事の競合他社との業績比較
三菱商事と競合他社の業績を比較してみましょう。前年度(2023年度)の業績について、詳細を以下の表にまとめました。
(単位:百万円)
会社名 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
三菱商事(8058) | 19,567,601 | – | 1,362,594 | 964,034 |
三井物産(8031) | 13,324,942 | – | 1,302,393 | 1,063,684 |
伊藤忠商事(8001) | 14,029,910 | 702,900 | 1,095,707 | 801,770 |
住友商事(8053) | 6,910,302 | – | 527,646 | 386,352 |
参考:みんかぶ
売上高と経常利益は、競合他社を上回る成績となっています。 純利益は、三井物産に次ぐ利益を達成。競合他社と比較した結果、三菱商事の業績は業界トップクラスだと言えるでしょう。
三菱商事の株主優待
三菱商事には株主優待がありません。その分、企業の運営に力を入れられるので、株価の上昇や配当金の増額によって、株主に利益を還元しています。
三菱商事の株価
現在の三菱商事の株価は、2,732.5円(2024年11月8日終値)です。過去10年の株価の推移については、以下のチャートを参考にしてみてください。
出典:Yahoo!ファイナンス|三菱商事(株)【8058】:株価チャート
三菱商事の株価を直近10年間で見ると、年々上昇しているのがわかります。2024年5月に過去最高額を記録しており、2024年11月時点では3,000円前後で推移しています。
また、以下の表では、三菱商事と競合他社の株の値動きをまとめています。株選びに迷ったときは、他社の株価と比べながら判断してみてください。
会社名 | 現在価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
三菱商事(8058) | 2,732.5円(2024/11/8終値) | 3,775円(2024/5/2) | 2,231円(2024/1/4) |
三井物産(8031) | 3,239円(2024/11/8終値) | 4,182円(2024/5/22) | 2,401円(2024/8/5) |
伊藤忠商事(8001) | 7,781円(2024/11/8終値) | 8,245円(2024/7/11) | 5,671円(2024/1/4) |
住友商事(8053) | 3,331円(2024/11/8終値) | 4,433円(2024/5/2) | 2,676円(2024/8/5) |
参考:Yahoo!ファイナンス|日本株
三菱商事の自己株式取得
三菱商事は2024年9月1日〜2024年9月17日の期間において、自社の普通株式を市場買付したと発表しています。詳細は以下のとおりです。
- 取得価額の総額:50,000,912,900円
- 取得した株式の総数:17,334,600株
- 取得方法:東京証券取引所における市場買付
しかし、上記の期間で取得した株式は、2024年10月31日にすべて消却済みです。三菱商事は過去に何度も自己株式の取得を行っているので、今後も定期的に行う可能性があります。
三菱商事からは、自己株式の取得や消却についての目的は公表されていません。一般的には、市場の株数を減らすことで株の値下がりを抑える、買収リスクを抑えるなどの目的で行われています。
三菱商事などの個別株への投資は簡単と思っていたけれど実際に難しかった。とくに売る時に迷ってしまって売れないことが多いという方が多くいらっしゃいます。利益を確保するのは大事ですが時には損切も必要になり、これができないと株で資産形成は難しくなります。しかし自分ではできないという方には、投資顧問の利用をおすすめします。当サイトを運営するライジングブル投資顧問は、株の「売買サポート」を行っております。ライジングブルの売買サポートサービスは、3ヶ月9,000円で買い推奨だけではなく、売却、銘柄入替するところまで、リスク管理をしながらサポートします。
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まとめ
三菱商事の2024年度の配当金は、1株あたり年間100円(見込み)です。予定されている期末配当(1株あたり50円)が実現すれば5年連続での増配となり、前年度より30円アップを達成します。
単元株(100株)の配当金額は年間10,000円ですが、配当金には税金がかかるので、実際の入金額は7,968円となります。
配当金の権利獲得日は、9月末(中間)と3月末(期末)です。配当金の支払い時期は、権利獲得日から2〜3ヶ月後で、三菱商事の配当金額は毎年6月に行われる総会で決定します。
三菱商事には株主優待がありません。それでも、業界トップクラスの業績を上げているうえに、株価も直近10年間で右肩上がりとなっています。
三菱商事の株を保有していれば、今後も配当金の増配や株の値上がりで利益が得られるかもしれないので、銘柄選びの参考にしてみてください。
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