
任天堂(東証:7974)と言えば「マリオカート」や「ゼルダの冒険など」ゲームソフトだけでなく「Switch」などゲーム機でも人気で、知らない人はいないのではないでしょうか。
非常に身近な任天堂ですが、企業として考えた時に投資対象としての任天堂株にはどんな魅力があるのか?配当金を狙った投資ができるのかなど、任天堂株の特徴を交えながら資産の増やし方についてご説明します!
目次
1. 任天堂の配当はいくら?
任天堂株を100株持っていれば、年間11,600円の配当金がもらえます。この配当をもらうために必要な投資額は1,130,000円です。(2025年3月27日終値で計算)。
2025年3月期は当初129円予想となっていました。しかし2025年2月4日に発表された「通期業績予想および配当予想の修正に関するお知らせ」で業績予想を下方修正とともに配当も年間116円に修正されました。
任天堂の配当方針は、「連結営業利益の33%、または連結配当性向50%の高い方を年間配当金」としており、高い還元方針を掲げていますが、一方で業績に連動されやすい還元方針のため、安定した配当は狙いづらく良くも悪くも業績に左右されます。
例えば、直近ではNintendo Switchが業績を押し上げ、利益が増えていたので大きく配当金を受け取ることができていますが、2010年代には携帯型ゲーム機3DSの売れ行きが伸び悩んだことで大きな赤字を計上した時期は配当金が大幅に減りました。
そのため、長期的に安定した高配当は狙いづらいですが、一方で企業の規模やビジネスモデルなどを考慮すると、安定感があり長期の配当狙いとしては選択肢の1つにしてもよい銘柄ではないかと思います。
(参照:みんかぶ任天堂株価情報)
年度 | 年間配当金額 |
2025年3月期(予測) | 116円 |
2024年3月期 | 211円 |
2023年3月期 | 186円 |
2022年3月期 | 203円 |
2021年3月期 | 222円 |
2020年3月期 | 109円 |
2019年3月期 | 81円 |
2.配当金にかかる税金
配当金には所得税と住民税などが課税されます。税率は20.315%です。内訳は所得税と復興特別所得税が15.315%、住民税が5%となっています。
任天堂の1株当たりの配当金は116円(予測)なので、単元株100株当たりでは税引前:11,600円(税引後:16,814円)が支払金額となります。
(161円×100株)×(1-20.315%)= 9,243円
なお、NISAで投資をした場合は、非課税になるので、11,600円が受取額です。非課税となるのは国内の株式や投資信託に限られます。米国株や米国ETFは非課税とならない点に注意しましょう。
3. 任天堂の配当金はいつもらえる
任天堂の期末配当金は3月末を基準日とし6月頃、中間配当金は9月末を基準日として12月頃にそれぞれ入金されます。配当金を受け取るには、権利付最終日(権利確定日の2営業日前)までに買い注文を約定(注文を成立)させておくことが必要です。
中間配当 | 期末配当 | |
権利確定日 | 2024/9/30 | 2025/3/31 |
支払開始予定日 | 2024年12月上旬 | 2025年6月定時株主総会翌日 |
任天堂の事業年度は毎年4月から翌年3月までです。配当は、株主総会の決議により決定されます。実際に投資家に配当が振り込まれるまでには約3か月かかるので注意しましょう。
任天堂で通常購入できる単位株式数は100株となっているため、1単元株で受け取れる配当金額は、所得税や住民税等20.315%が差し引かれた税引後の金額で、 9,243円です(計算式は前述)。
4.任天堂の配当利回りと配当性向は
2024年3月期(1月現在)の任天堂の配当利回りは2.57%、配当性向は69.78%です。
これまでの配当性向と配当利回りは次のとおりです。
配当利回り(%) | 配当性向(%) | |
2024年3月期 | 2.57 | 50.1 |
2023年3月期 | 3.63 | 50.1 |
2022年3月期 | 3.29 | 50.2 |
2021年12月期 | 3.59 | 55.1 |
企業が1年間で得た利益からどれだけを配当金として株主に還元しているかは、配当性向や配当利回りを見ると分かります。配当金額から企業を評価する指標として活用可能です。

配当性向は一般的にプライム市場では30%くらいが平均的な印象があります。50%超えは配当性向は高く株主還元に積極的な会社という印象です。
配当利回りと配当性向の考え方と計算方法を説明します。
配当利回り
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるかを示す指標です。計算式は次のようになります。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当性向
配当性向は、税金を差し引いた企業の純粋な利益である当期純利益のうち、配当に回される額を表した割合です。計算式は次のようになります。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
5. 任天堂の株主優待
任天堂の株主優待制度はありません。
株主への利益還元は、優待制度ではなく配当を中心に考えられており、「連結営業利益の33%、または連結配当性向50%の高い方を年間配当金」としており、高い還元方針を掲げています。
6. 任天堂の事業内容
任天堂とは、主におもちゃやコンピュータゲームの開発・製造・販売を行っており、ゲーム機ハード・ソフトで総合首位を誇る会社です。
1889年 (明治22年)山内房治郎が、京都市下京区にて花札の製造を開始。創業以来、多くの玩具を製造しており、花札やトランプは創業初期から現在に至るまで製造、販売を続けています。
1970年代後期に家庭用と業務用のコンピュータゲーム機の開発を開始。「ファミリーコンピュータ」のゲームソフトとして1985年に発売した『スーパーマリオブラザーズ』が世界的にヒットしたことでゲーム機やゲームソフトを開発する会社として広く認知されるようになりました。Nintendo Switchやゲームソフトの『あつまれどうぶつの森』『スーパーマリオ』『ドラゴンクエスト』などは今も絶大な人気を誇っています。
証券コード | 7974 |
上場証券取引所 | 東京証券取引所 プライム市場 |
発行可能株式総数 | 4,000,000,000株 |
発行済株式の総数 | 1,298,690,000株 |
株主数 | 181,584名 |
(2024年3月31日現在)引用:任天堂ホームページ
任天堂の事業の特徴
(1)高い収益力
任天堂は世界に通用するゲームコンテンツを持ち、優れた収益力を誇っています。新型ゲーム機の発売時期に業績が大きく上昇する傾向があります。
(2)コンテンツ資産の長寿命化
人気キャラクターのゲームは、新しいプラットフォームでリメイク作品が販売されるなどコンテンツの長寿命化が図られています。
(3)高い技術力
独自のハードウェアとソフトウェアの開発能力が高く評価されています。ゲーム機の形状なども画期的なものが多くヒットしています。
(4) 高配当利回り
利益の多くを株主に配当しており、配当利回りは業界の中でもトップクラスです。
(5)売上高は海外比率が高い
任天堂の海外売上高比率は78.7%で、地域別の売上高割合は日本国内が21.3%、北米が43.9%、欧州が25%、その他が9.8%となっています。(2024年2月6日時点)
[任天堂HP]「2024年3月期 第3四半期 決算説明資料」を掲載しました。https://t.co/Vwa2l3GJXd
— 任天堂株式会社(企業広報・IR) (@NintendoCoLtd) February 6, 2024
任天堂の競合他社との業績比較
任天堂と同じハウスメーカーの業績を比較してみます。ソニー(6758)、バンダイサムコ(7832)との2023年度業績を比較すると、次のとおりとなります。
(単位:百万円)
銘柄 | 時価総額 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
任天堂(1928) | 9,960,952 | 1,601,677 | 601,070 | 432,768 |
ソニー(6758) | 16,687,801 | 13,020,768 | 1,208,831 | 970,573 |
バンダイナムコ(7832) | 2,187,240 | 1,050,200 | 90,682 | 101,493 |
任天堂は比較した他社に比べ、時価総額と税引き後の儲けである純利益が比較的大きいことが分かります。
任天堂の株価
任天堂の株価の基本情報は下記の通りです。
株価 | 11,030円(24/03/27) |
最低単元株 | 100株 |
最低取得金額 | 1,130,000円 |
PER(予想) | 46.72倍 |
PBR | 4.69倍 |
時価総額 | 14,071,306百万円 |
年初来高値 | 11,800(25/02/19) |
年初来安値 | 6,520(24/08/05) |
任天堂株の直近の業績状況
2025年2月4日、2025年3月期通期業績予想の売上高と全利益段階を下方修正すると発表しました。売上高は24年11月の公表比900億円減の1兆1900億円、営業利益は同800億円減の2800億円。主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」やゲームソフトの販売が計画を下回ったためです。
任天堂株の特徴
任天堂の株は、株価が上下しやすい特徴を持っています。
なぜなら、任天堂の様なゲーム株は、ハードやソフトがヒットするかどうかによって株価が値動きするからです。
例えば、2004年に発売したニンテンドーDS、2006年に発売したWiiがヒットし大幅に株価は上昇しましたが、2008年のリーマンショックの影響もあり大幅に下落、その後3DSやWiiUの商品を発売するも想定より売れず、株価は低迷。2020年に発売したNintendo Switchのあつまれどうぶつの森が大ヒットし、大幅に株価が上昇しました。
そのため、任天堂株は、世界的な規模の会社で、高い収益力やコンテンツを持つ安定した企業。技術力の高くヒット作が出るときは株価が大幅に上昇し、逆にヒット作が出ないときは、株価が大幅に下落もしくは低迷するという動きをする可能性のある株だと認識しておくことが大切です。
5.投資する際の注意点
任天堂株への投資を検討する場合、下記のような事項に考慮して行いましょう。
ゲームトレンドの変化への対応力
スマートフォン向けゲームやVR(ヴァーチャルリアリティー)など、新しいトレンドへの対応力が試される可能性があります。
新型ゲーム機やソフトの売れ行き
新型ゲーム機の発売時期やソフトの人気に合わせ、業績が大きく変動する可能性があります。
為替レートの変動
海外売上比率が高いため、為替レートの変動が業績に影響する可能性があります。

任天堂株は老舗企業ながら、根強い人気と収益力、技術力を誇る魅力的な銘柄と言えます。一方で、ゲームトレンドの変化やハードウェア売上の変動リスクにも注意が必要です。長期的視点で企業の成長性を見極めることが重要となります。
株の売買は思っていたよりも難しい、とくに売る時に迷ってしまって売れないことが多いという方が多くいらっしゃいます。利益を確保するのは大事ですが時には損切も必要になり、これができないと株で資産形成は難しくなります。しかし自分ではできないという方には、投資顧問の利用をおすすめします。当サイトを運営するライジングブル投資顧問は、株の「売買サポート」を行っております。ライジングブルの売買サポートサービスは、3ヶ月9,000円で買い推奨だけではなく、売却、銘柄入替するところまで、リスク管理をしながらサポートします。
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まとめ
任天堂は世界に通用するゲームコンテンツと優れた収益力を持つ企業です。配当金は業績に連動して変動するものの、配当性向が高く株主還元に積極的です。ただし、ゲーム業界のトレンド変化や新商品の売れ行きによって業績が大きく変動するリスクがありまが、ヒット作が出れば株価が大幅に上昇する可能性があるので、売却益を求める運用方法であれば魅力的な銘柄であると言える。
また配当は上下があるので安定した高配当投資には向かないかもしれませんが、技術力が高く、世界的な安定した企業なので長期投資の選択肢の1つになる銘柄です。
投資を検討する際は長期的な視点で企業の成長性を見極め、分散投資や資産の積み立てなどの工夫が必要です。
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