
旭化成株式会社(3407 東証プライム 以下旭化成)は総合化学企業で、マテリアルや住宅・ヘルスケアの各領域が経営の柱です。繊維や電子部品・医療機器など多彩な事業展開をしています。
また、株主への配当は安定しており、10期以上にわたり前期の配当金額を下回ったことがありません。本記事では、旭化成の配当金額や配当時期・配当性向・配当利回りについて解説します。
目次
旭化成の配当金はいくら
旭化成株の購入単位である単元株数は100株です。直近の2025年3月期の期末配当金は1株あたり38円でので、100株(単元株)で受け取れる年間配当金額は3,800円です。
来期の配当は年間40円と増配を予定しています。2026年3月期予想と過去6年間の推移は次のとおりです。
事業年度 | 中間配当金 | 期末配当金 | 年間配当金 |
2026年3月期(予想) | 20円 | 20円 | 40円 |
2025年3月期 | 18円 | 20円 | 38円 |
2024年3月期 | 18円 | 18円 | 36円 |
2023年3月期 | 17円 | 17円 | 34円 |
2022年3月期 | 17円 | 17円 | 34円 |
2021年3月期 | 18円 | 16円 | 34円 |
2020年3月期 | 17円 | 17円 | 34円 |
配当金にかかる税金
配当を受け取る際には、あらかじめ税金が引かれる源泉徴収が原則です。旭化成の2024年3月期の配当金は1株当たり38円だったので、単元株100株当たりでは、税引後で3,029円が受取金額となります。
(38円×100株)×(1-20.315%)= 3,029円
配当金には所得税と住民税などが課税されます。税率は20.315%です。内訳は所得税と復興特別所得税が15.315%、住民税が5%となっています。
ただし、NISA(少額非課税制度)で非課税の扱いを受けている場合には、税金が差し引かれないので3,800円が受取額です。なお、NISAで非課税となるのは国内の株式や投資信託に限られます。米国株や米国ETFは非課税とならない点に注意しましょう。
旭化成の配当金はいつもらえる
旭化成株の配当を受け取る権利が確定するのは、12月頃と6月頃です。確定後、約3カ月すると支払われます。2026年3月期の旭化成株の権利確定日と支払開始日を整理 すると、次のとおりです。
中間配当 | 期末配当 | |
権利付最終日 | 2025年9月26日 | 2026年3月27日 |
権利確定日 | 2025年9月30日 | 2026年3月31日 |
支払開始予定日 | 2025年12月頃 | 2026年6月頃 |
旭化成の事業年度は、毎年4月から翌年3月までです。決算に伴う権利確定日は3月末と9月末なので、期末配当金は3月末を基準日とし支払いは6月頃に、中間配当金は9月末を基準日として12月頃に支払われます。
配当金を受け取るには、権利付最終日(権利確定日の2営業日前)までに買い注文を約定(注文を成立)させておく必要があるので注意しましょう。
また、配当金額は、取締役会の決議により決定されます。株主総会の決議にはよりません。 実際に投資家の口座に配当が振り込まれるには、決議後、約3か月かかります。
旭化成の配当利回りと配当性向は
旭化成の配当利回りと配当性向 を解説します。2025年3月期の配当利回りは3.6%、配当性向は38.8%でした。
2025年3月期までの配当性向と配当利回りの推移をまとめると、次のようになります。
配当利回り | 配当性向 | |
2025年3月期 | 3.6% | 38.8% |
2024年3月期 | 3.62% | 113.92% |
2023年3月期 | 3.58% | -54.29% |
2022年3月期 | 2.92% | 29.13% |
2021年3月期 | 3.52% | 59.14% |
企業が1年間で得た利益からどれだけを配当金として株主に還元しているかは、配当性向や配当利回りを見ると分かります。配当金額から企業を評価する指標として活用可能です。
旭化成の株主優待
旭化成では株主優待がありませんが、配当による株主還元を基本としており、1株当たりの配当金額を前期並みに維持または増加を目指しています。
旭化成の業績
旭化成の過去4期の売上高や営業利益・経常利益・純利益の推移 は、次のとおりです。
(単位:百万円)
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | |
2024年3月期 | 2,784,878 | 140,746 | 90,118 | 43,806 |
2023年3月期 | 2,726,485 | 127,716 | 120,900 | -91,948 |
2022年3月期 | 2,461,317 | 202,647 | 212,052 | 161,880 |
2021年3月期 | 2,106,051 | 171,808 | 178,036 | 79,768 |
参照:2025年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
旭化成の発表によると、2024年3月期における連結業績は、マテリアル領域で中国を中心とした想定以上の需要減速や市況下落の影響を受けたものの交易条件は改善し、住宅・ヘルスケア領域は堅調に推移しました。
売上高は2兆7,849億円(前期比584億円増)、営業利益は1,407億円(前期比130億円増)です。一方、持分法による投資損失381億円を計上したこと等により、経常利益は901億円(前期比308億円の減益)となりました。
汎用石化・樹脂資産グループに関連する設備等の減損損失を計上しましたが、前期比で減損損失が減少したこと、Asahi Kasei Energy Storage Materials, Inc.株式譲渡に伴う税金費用の減少等があったことから、当期純利益は438億円と黒字に回復しました 。
なお、2025年3月期も好調に推移しており、2025年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結) では、いずれの数値も前期の第2四半期を上回っています。
旭化成の事業内容
旭化成が行う事業は、主に3つのセグメント からなっています。それぞれの概略は次のとおりです。
セグメント | 売上構成比率 | 内容 |
マテリアル領域 | 45.6% | サステナブルでカーボンニュートラルな社会の実現に向けた素材・技術から、次世代モビリティ社会に貢献する樹脂・ 繊維製品、電子材料等のデジタルソリューションや快適な日々の生活に貢献する「サランラップ®」等の消費財等に至るまで、先端技術を活かした付加価値の高い素材・製品群をグローバルに展開し、未来のくらしをリードしている。 |
住宅領域 | 34.5% | 高品質な商品とサービスの提供で、半世紀を超えてお客さまの高い満足度を維持する「LONGLIFE(ロングライフ)」 を軸とした住宅事業、高付加価値な製品とサービスを展開する建材事業により、豊かなくらしの舞台を生み出し ている。住宅事業では海外展開も加速。 |
ヘルスケア領域 | 20.0% | 整形外科、救急・集中治療、免疫等の領域で、グローバルに医薬品を提供しています。また、慢性・急性腎不全や難病治療に応える血液浄化関連製品、バイオ医薬品等の製造プロセス製品や開発・製造受託サービスで、医療の進歩に貢献。クリティカルケア事業では、AED、除細動器、体温管理システム等の製品で多くの人びとの救命に寄与している。 |
旭化成の競合他社との業績比較
旭化成と同じ総合化学企業との業績を比較します。
信越化学工業(4063 東証プライム)と三井化学(4183 東証プライム)、住友化学(4005 東証プライム)との業績比較 は次のとおりです。
銘柄(証券コード) | 時価総額(億円) | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 純利益(百万円) |
旭化成(3407) | 14,218 | 2,784,878 | 140,746 | 43,806 |
信越化(4063) | 114,636 | 2,414,937 | 701,038 | 520,140 |
三井化(4183) | 7,597 | 1,749,743 | 74,124 | 49,999 |
住友化(4005) | 6,478 | 2,446,893 | -488,826 | -311,838 |
旭化成は比較した他社に比べ、売上高が大きいことが分かります。
旭化成の株価
旭化成の現在の株価と年初来高値・年初来安値は、次のとおりです。
株価 | 日時 | |
現在 | 1,020.5円 | 2024/09/13終値 |
年初来高値 | 1,169円 | 2024/05/09 |
年初来安値 | 901円 | 2024/08/05 |
株価は2024年9月13日の終値で1,020.5円となっています。年初来高値は1,169円(24/05/09)、年初来安値901円(24/08/05)です。旭化成の株価について詳しく知りたい場合は、こちらをご覧ください。
旭化成(株)【3407】:株価・株式情報 – Yahoo!ファイナンス
旭化成の自己株式取得
旭化成では、2020年以降、自己株式の取得を行っていません 。
ただし、資本構成の適正化に加え、投資案件や株価の状況等を総合的に勘案して検討・実施するとしています。
株式の状況 は次のとおりです。
発行可能株式総数 | 普通株式 | 4,000,000,000株 |
発行済株式の総数 | 普通株式 | 1,393,932,032株 |
株主数 | 普通株式 | 212,114名 |
次に、所有者別株式数の分布状況 です。
金融機関 | 40.1% |
証券会社 | 3.7% |
外国人 | 34.3% |
その他国内法人等 | 3.2% |
個人その他 | 18.2% |
自己名義株式 | 0.4% |
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まとめ
旭化成の株式で2024年3月期に受け取れた配当は、1株当たり年間36円です。内訳は、中間配当・期末配当ともに18円となっています。単元株である100株当たりの配当金額は、税引前で3,600円(税引後2,868円)です。
なお、2025年3月期の年間配当予想は、今期と同様1株当たり36円です。
また、配当時期は中間配当が9月、期末配当が3月です(実際の支払時期は12月頃と6月頃)。
2025年3月期では、前期以上に好調な決算が予想されています。四半期ごとに発表される決算短信にも注目しながら、あなたに合った銘柄を選ぶ参考にしてください。
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