
「市場全体に投資するETF」と、「特定の企業に投資する個別株」。投資信託より効率よく資産を増やすために、ETFや個別株に挑戦する方は多いです。
しかし、いざステップアップしようと思っても、自分にとってETFと個別株のどちらが向いているのかがわからず、なかなか挑戦できない方もいるでしょう。
事実として、どちらを選ぶべきかは自身のリスク許容度や投資目的によって異なります。
そこで本記事では、ETF投資と個別株投資の違いを解説し、それぞれ向いている人を紹介します。
老後やライフイベントに向けて資金を確保するための参考にしてみてください。
目次
ETFと個別株はどっちが良いのか【結論】

ETFと個別株のどっちが良いのかは、個人の投資目的とリスク許容度によって異なります。おもなおすすめパターンは、それぞれ以下のとおりです。
- ETF投資が向いている方|低リスクでも積極的に利益を狙う方
- 個別株投資が向いている方|ハイリスクハイリターンを狙う方
それぞれの強みを知って、自分にあった投資先を見つけましょう。
ETF投資が向いている方|低リスクでも積極的に利益を狙う方
ETF投資は、分散投資のメリットは維持しつつ、投資信託より柔軟な運用をしたい方におすすめです。ETF投資が向いている人のおもな特徴を、以下に列挙しました。
- 少額から投資を始めたい方
- 市場全体の成長に投資したい方
- 分散投資でリスクを抑えたい方
- 投資初心者で銘柄選びに自信がない方
- 忙しくて銘柄分析の時間が取れない方
- 長期的に安定したリターンを狙いたい方
- 手間をかけずにほったらかし運用をしたい方
ETFは1つの商品で複数の銘柄に分散投資できるため、個別株投資に比べて価格変動リスクを抑えられます。
また、投資信託との違いとして、株式市場が開いている時間帯ならリアルタイムで売買できるのがETFの特徴です。
加えて、投資信託の価格は1日1回の「基準価額」が定められますが、ETFの価格は常に変動しているため、市場の動きを見ながら売買できる柔軟性がETFの強みだと言えます。
個別株投資が向いている方|ハイリスクハイリターンを狙う方
リスクを取ってでも大きなリターンを狙いたい方には、個別株投資が向いています。個別株投資が向いている人のおもな特徴は、以下のとおりです。
- 大きなリターンを狙いたい方
- 特定の企業や業界に詳しい方
- 企業分析や銘柄選びが得意な方
- すでに投資経験を積んでいる方
- 投資に時間と労力をかけられる方
- 株主優待や配当金を楽しみたい方
個別株の最大の魅力は、企業が成長すると資産が爆発的に増える可能性があることです。特定企業のみに投資しているため、株の値動きが自分の資産状況にダイレクトに反映されます。
値下がり時の損失は大きくなりますが、その分値上がり時には大きなリターンを期待できるのが特徴です。また、株主優待や配当金も個別株独自のメリットです。
ETFと個別株の違い

ETFと個別株の違いを以下の6つの項目ごとに解説します。
両者の違いを知ることで、自分に合った投資方法が見つかるでしょう。
投資対象
ETF投資と個別株投資では、投資対象が異なります。詳細を下表にまとめました。
| 項目 | ETF投資 | 個別株投資 |
| 投資先 | 複数銘柄をまとめたパッケージ商品 | 特定1社の株式のみ |
| 分散性 | 高い (1銘柄で数十〜数百社以上の銘柄に投資できる) | 低い (自分で複数銘柄に投資する必要あり) |
基本的な違いは、パッケージで投資するか、個別に投資するかです。
ETFは複数銘柄をまとめたパッケージ商品なので、1銘柄のみでも分散効果が期待できます。
一方、個別株投資は特定の企業のみに投資する方法であり、自分で複数銘柄に投資しない限りリスク分散ができません。
収益の仕組み
収益の仕組みについても、ETF投資と個別株投資で異なります。各投資先で狙える利益は、それぞれ以下のとおりです。
| ETF投資 | 個別株投資 |
| ・値上がり益 ・分配金 | ・値上がり益 ・配当金 ・株主優待 |
ETFを運用していると、決算ごとに分配金(運用によって企業が得た収益のなかで投資家に支払う資金)が支払われるケースがあります。
ただし、なかには投資資金の払い戻し(特別分配金)である場合があるので、必ずしも利益になるとは限りません。
対して、個別株には配当金を出している企業があり、決算ごとに副収入を得られます。
なかには株主優待(企業が株主に対して優待の商品やサービスを贈る制度)を実施している企業もあるため、個別株は持っているだけでも利益を得られる可能性があります。
リスク&リターン
ETF投資と個別株投資では、リスクとリターンも異なります。両者のおもな違いを下表にまとめました。
| 項目 | ETF投資 | 個別株投資 |
| リスク | 低〜中(ミドルリスク) ・複数への投資によりリスク分散が可能 ・企業の倒産による損失リスクが低い | 中〜高(ハイリスク) ・企業が倒産すれば資産価値が一気に下がる ・トレンドや業績の悪化による暴落リスクが高い |
| リターン | 中(ミドルリターン) 組入銘柄全体の平均値 | 中〜高(ハイリターン) 単一企業の株価上昇がそのまま資産アップとなる |
ETFは個別株よりリスク分散をしているので、損失リスクも低めです。損失リスクを抑えているため、リターンも平均並みとなるでしょう。
個別株は「投資先の倒産リスク」や「トレンドによる暴落リスク」を伴いますが、株価が上昇すると自分の資産アップに直結します。
運用コスト
ETF投資と個別株投資では、下表のように運用にかかるコストが異なります。
| 項目 | ETF投資 | 個別株投資 |
| 時間的コスト | 低い(銘柄分析の手間が少ない) | 高い(企業分析や情報収集が必須) |
| 金銭的コスト | ・売買手数料 ・信託報酬 | 売買手数料 |
ETFはあらかじめ複数銘柄をまとめた商品なので、リスク分散を目的とした銘柄選びの手間はかかりません。
ETFの時間的コストの低さは、忙しい会社員や主婦向けの強みだと言えます。ただ、証券会社などに銘柄選定や運用を任せる仕組みのため、保有しているだけで「信託報酬」という管理手数料が発生します。
対して、個別株は運用も銘柄選びも自分で行う必要があるため、運用にかかる金銭的コストを抑えられます。
投資経験のある方や銘柄選びに時間の取れる方は、個別株の方が効率的に利益を狙えるでしょう。
税金面
税金面において、ETF投資と個別株投資にはほとんど違いはありません。どちらも売却益の20.315%が税金として発生し、売却の際に自動で証券会社に支払います。
ただし、ETFの「分配金」と個別株の「配当金」は、それぞれ課税の仕組みが異なります。
| 種類 | 概要 | 課税のタイミング | |
| 分配金(ETF) | 普通分配金 | 運用で生じた利益から支払われる分配金 | 課税 (受け取り時に自動で差し引かれる) |
| 特別分配金 (元本払戻金) | 投資信託の購入にかかった元本から支払われる分配金 | 非課税 | |
| 配当金(個別株) | 株主に支払われる現金 | 課税 (受け取り時に自動で差し引かれる) | |
分配金については、こちらの「新NISAの再投資型とは?受取型とどっちを選ぶべきかを解説」の記事で詳しく解説しています。
購入金額
購入金額については、ETF投資と個別株投資で以下のような違いがあります。
| 項目 | ETF投資 | 個別株投資 |
| 初期投資額 | 数千円〜数万円程度 | 数万〜数十万円程度 |
ETFは数千円から購入できるものが多いため、個別株より挑戦しやすいでしょう。対して、個別株は原則として単元株(100株)単位での購入となるため、数万〜数十万円以上の初期投資が必要です。
ただし、いまではネット証券で「1株単位」で買えるサービスもあるので、両者の投資ハードルは低くなっています。
ETFと個別株のメリット・デメリット

ETF投資と個別株投資のメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
| 項目 | ETF投資 | 個別株投資 |
| メリット | ・銘柄分析の手間が少ない ・1銘柄で分散投資ができる ・倒産リスクが限りなく低い ・リアルタイム売買により柔軟に運用できる | ・ハイリターンを狙える ・株主優待を受けられる ・特定の企業を応援できる ・配当金で副収入を期待できる |
| デメリット | ・個別株より狙えるリターンが低い ・株主優待や配当金を受けられない ・信託報酬(運用手数料)が発生する | ・損失リスクが高い ・銘柄分析に時間と専門知識が必要 ・倒産で株価がゼロになるリスクがある |
ETF投資では複数銘柄に資産を分散できるので、低リスクでも投資信託以上のリターンを狙える可能性があります。
個別株投資ではETFや投資信託以上のハイリターンを狙えますが、企業の倒産やトレンドによる株価暴落の影響をダイレクトに受けてしまいます。
リスクとリターンは表裏一体なので、自分のリスク許容度と最終ゴールを把握したうえで投資先を決めましょう。
ETF投資と個別株投資で利益を狙うコツ

ETF投資と個別株投資で利益を狙うコツについて、以下の3パターンに分けて紹介します。
投資先ごとの強みとなる投資スタイルで利益を狙いましょう。
ETF投資の場合
ETF投資で利益を狙うコツは、以下のとおりです。
- 分散効果の高いETFを選ぶ
- 長期保有を前提とした運用をする
- 分配金を再投資して複利効果を狙う
- 低コストなインデックス型ETFを選ぶ
- 積立投資でドルコスト平均法を活用する
- 信託報酬(運用手数料)の低い商品を選ぶ|年0.1〜2%程度
ETFは複数銘柄へのリスク分散が強みの投資先なので、10年以上の長期で利益を狙うのがおすすめです。
少額ずつ積立を続ければ、ドルコスト平均法により損失リスクを最小限に抑えられます。
また、効率の良い運用を続けられるよう、できるだけ信託報酬の低いインデックス型ETFを選ぶのも戦略のひとつです。
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個別株投資の場合
個別株投資で利益を狙うなら、以下のような運用を心がけましょう。
- 感情的な売買を避ける
- 成長性の高い企業を選ぶ
- 財務状況が安定している企業を選ぶ
- ほかの個別株にも少額ずつ分散投資する
- 損切りや利益確定のゴールを事前に決めておく
- 配当金や株主優待の利益も考慮して銘柄を選ぶ
- 業界や市場動向を定期的にチェックする(インターネット/書籍/新聞など)
とくに、個別株は利益を狙うための銘柄選びが非常に難しいため、企業や市場全体の情報を集める習慣が欠かせません。
毎日5分でも良いので、普段から書籍やインターネットなどで学ぶ姿勢を持ち続けましょう。
分散投資は個別株投資でも必須の考え方であり、資金に余裕のある範囲で複数の企業に投資すると損失リスクを抑えられます。
また、事前に「株価が10%下がったら損切りする」や「10万円の利益が出たら売却する」といった運用のゴールを決めておけば、個別株投資でも利益を狙えるはずです。
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ETFと個別株を併用する場合
ETF投資と個別株投資を併用して利益を狙う方法のひとつに、コア・サテライト戦略が挙げられます。
低リスクの「コア資産」と高いリスクの「サテライト資産」を組み合わせ、自分の年齢やリスク許容度に合わせた割合で運用する手法です。
たとえば、S&P500やオールカントリーなどの安定的なETF(コア資産)で7〜8割の資産を確保し、残りの2〜3割で個別株(サテライト資産)に挑戦する方法があります。弊社では初心者の方にはこの方法をおすすめしています。
ETFと個別株を併用し、定期的にリバランス(割合調整)をしながら運用を続けられれば、初心者からでも十分に利益を狙えるでしょう。
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まとめ

ETFと個別株はどちらが優れているかではなく、自分の投資目的やリスク許容度に合わせて使い分けるのが理想です。それでも迷っているときは、以下のような基準で判断すると良いでしょう。
- ETF投資が向いている方|低リスクでも積極的に利益を狙う方
- 個別株投資が向いている方|ハイリスクハイリターンを狙う方
また、ETFの長期運用で老後に備え、個別株でリターンを狙う「併用戦略」なら初心者でも利益を狙いやすいです。いまでは個別株もETFも少額から挑戦できるようになっているので、まずは余剰資金の範囲内でETFや個別株を買ってみてください。


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