
本記事では、カシオ計算機株式会社(6952:東証プライム)の配当金額や配当時期、配当性向、配当利回りについて解説します。
カシオは、シチズンやセイコーと並ぶ日本の3大時計メーカーのひとつです。電卓やピアノといった電子機器だけでなく、教育アプリやシステム管理など、世界中でさまざまな事業を展開しています。
カシオは「2024年度に人員を大幅に削減する」と発表しており、経営が心配でカシオの株を買うべきか迷っている方もいるでしょう。しかし、直近10年では毎期欠かさず配当金が支払われており、過去5年での減配もありません。
また、カシオの株はNISAの成長投資枠でも買えるので、非課税で運用ができます。
目次
カシオ計算機の配当金はいくら
2024年度(2024年4月1日〜2025年3月31日)のカシオ計算機の配当金は、中間配当のみ公表されており、1株あたり22.5円です。支払い回数は年2回ですが、期末配当が公表されていないので、年間の配当金額はわかりません。
過去10年度分の配当金の推移を、以下の表にまとめました。
事業年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計額 |
2024年度(2025年3月期) | 22.5円 | -(未定) | -(未定) |
2023年度 | 22.5円 | 22.5円 | 45円 |
2022年度 | 22.5円 | 22.5円 | 45円 |
2021年度 | 22.5円 | 22.5円 | 45円 |
2020年度 | 22.5円 | 22.5円 | 45円 |
2019年度 | 20円 | 25円 | 45円 |
2018年度 | 20円 | 30円 | 50円 |
2017年度 | 20円 | 20円 | 40円 |
2016年度 | 17.5円 | 22.5円 | 40円 |
2015年度 | 12.5円 | 22.5円 | 35円 |
直近5年間の配当金額は1株あたり45円から変わらず、2023年度の中間配当は今期と同じ22.5円でした。そのため、今年度の配当金も45円になる可能性が高いと考えられます。
2025年3月の期末配当が22.5円だった場合、2024年度に受け取れる配当金額は、単元株(100株)あたり年間4,500円です。
カシオの配当情報は、決算後45日以内に公表される「決算短信」で確認できます。2024年度の期末配当は、2025年5月中旬に確定する可能性が高いので、株主になったらカシオ公式サイトから、決算資料をご確認ください。
配当金にかかる税金|手取り
カシオ計算機の株を一般口座や特定口座で保有していれば、受け取った配当金に対して、20.315%の税金が発生します。税率の内訳は、以下のとおりです。
- 住民税(5%)
- 所得税、復興所得税(15.315%)
2023年度のカシオの配当金は、100株あたり年間4,500円でした。2024年度も同額であれば、受け取れる配当金額は、3,585円(100株あたり)です。
SBI証券では、NISAの成長投資枠でカシオの株を買えます。4,500円の配当金を全額受け取りたいときは、SBI証券を利用してみてください。
SBI証券でNISAを始める方法は、SBI証券のつみたてNISAの始めかた!スマホアプリやお得な設定方法を解説 記事で解説しています。
カシオ計算機の配当金はいつもらえる
カシオ計算機の配当金が支払われる時期と基準日(株主確定日)は、下表のとおりです。
項目 | 中間配当 | 期末配当 |
基準日 | 9月30日 | 3月31日 |
受け取り時期 | 12月 | 6月 |
参考:CASIO|株式情報
カシオの期末決算は3月31日です。2024年度の配当金額は、2025年5月中旬までに発行される決算短信で公表されます。
配当金を受け取るには、企業の株主名簿に掲載される必要があります。株の購入から名簿の反映までに時間がかかるので、基準日の2営業日前には株を買っておきましょう。
2024年度の期末配当(3月31日)を受け取りたい場合、2025年3月27日(木)の15時30分までにカシオの株を買う必要があります。
カシオ計算機の配当利回りと配当性向
2023年度において、カシオ計算機の配当利回りは3.47%、配当性向は88.4%でした。直近5年間の配当利回りと配当性向の推移は、以下の表を参考にしてみてください。
年度 | 配当利回り | 配当性向 |
2024年度 | 3.47% | 88.4% |
2023年度 | 3.47% | 82.3% |
2022年度 | 3.2% | 68.7% |
2021年度 | 2.16% | 90.9% |
2020年度 | 2.97% | 62.3% |
2019年度 | 3.11% | 50.19% |
参考:IR BANK|6952 カシオ計算機 | 配当金の推移
過去5年間の配当利回りは、約2〜3.5%前後で推移しています。
以下の表は、2023年度のカシオの配当利回りと配当性向を競合他社と比較した結果です。
会社名 | 配当利回り(2023年度実績) | 配当性向(2023年度実績) |
カシオ計算機(6952) | 3.47% | 88.4% |
シチズン時計(7762 | 4.49% | 42.73% |
セイコーグループ(8050) | 2.90% | 32.74% |
参考:みんかぶ
日本の3大時計メーカーと呼ばれている上記3社のなかでも、2023年度の配当性向は88.4%のカシオがトップ。また、配当利回りはシチズン時計に次ぐ2位の成績なので、カシオの株主還元率は高いと言えます。
カシオ計算機の業績
カシオ計算機の事業年度は、4月1日から翌年3月31日です。過去5年分の業績を、以下の表にまとめました。(2024年11月現在)
(単位:百万円)
決算情報 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
2024年度 | 136,947 | 10,341 | 9,932 | 3,580 |
2023年度 | 268,828 | 14,208 | 17,920 | 11,909 |
2022年度 | 263,831 | 18,164 | 19,570 | 13,079 |
2021年度 | 252,322 | 22,011 | 22,174 | 15,889 |
2020年度 | 227,440 | 15,372 | 16,321 | 12,014 |
参考:CASIO|決算資料
過去4年間の売上高は、年間2,200億〜2,700億円程度で推移しています。
しかし、純利益は2022年から2年連続で減少傾向。2024年度の純利益は、前年の同じ時期(2023年11月)と比べて半分以下に落ち込んでおり、最終的には前年度より19%少ない100億円になる見込みです。
近年、カシオの業績が下がっている理由として、中国の不景気や電子ピアノが売れにくい状態が続いていることが考えられています。
そのため、カシオは50億円分の固定費の削減に加え、新しい商品の開発や販売先の変更にも力を入れています。これらの取り組みによって、2025年以降の業績は徐々に回復するかもしれません。
カシオ計算機の事業内容
カシオ計算機は、腕時計のブランドとして有名な企業です。創業した当時は計算機の製造から始まり、いまでは以下のような事業を行なっています。
- 時計
- 電卓
- ピアノ
- 電子文具|電子辞書、ラベルライター
- その他の事業|システム開発、スポーツ、医療
それぞれ見ていきましょう。
時計
カシオの腕時計はビジネスの現場だけでなく、スポーツやファッションなどの分野でも楽しまれています。
1983年に発売された耐衝撃ウォッチ「G-SHOCK」は、従来の壊れやすい時計とは違い、頑丈で実用的な製品として人気を集めました。
いまでは国内外で高い評価を受け、世界的にも有名なブランドに成長しています。
電卓
社名にもあるとおり、電卓の製造・販売はカシオが創業時から取り組んでいる事業のひとつです。約100の国や地域に対応した「関数電卓」は、海外でも広く活用されています。
ピアノ
カシオは1980年代から電子ピアノ事業に参入し、初心者からプロまでの幅広い層に向けた製品を開発しています。
ストリートピアノで人気のアーティスト「ハラミちゃん」も愛用者のひとりで、多くの音楽愛好家から支持されています。
電子文具|電子辞書、ラベルライター
電子辞書やラベルライターなど、カシオはデジタル文具の開発にも力を入れています。
とくに、ラベルライターは使いやすさだけでなく、テープの詰め替えができる設計により、環境に優しい製品としても評価されています。
その他の事業|システム開発、スポーツ、医療
その他にも、カシオは以下のような事業を行っています。
- 学習アプリの開発
- 人材マネジメントシステムの提供
- 水銀を使わない環境に配慮したプロジェクターの開発
- スマートウォッチを活用したスポーツや健康に関する事業
- 子宮頸がんや皮膚の病気を見つけるための医療用カメラの開発
事業の拡大により、今後はカシオの株価や配当金に良い影響が出てくるかもしれません。
カシオ計算機の競合他社との業績比較
カシオ計算機と競合他社の業績を比較します。前年度(2023年度)の業績を、以下の表にまとめました。
(単位:百万円)
会社名 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
カシオ計算機 (6952) | 268,828 | 14,208 | 17,920 | 11,909 |
シチズン時計 (7762) | 312,830 | 25,068 | 30,810 | 22,958 |
セイコーグループ (8050) | 276,807 | 14,737 | 15,894 | 10,051 |
参考:みんかぶ
中国の不況や電子ピアノが売れにくい状態が続いているため、直近2〜3年のカシオの業績は右肩下がりです。
実際に、シチズンの純利益は約230億円ですが、カシオの純利益は約120億円と、100億円以上の差があります。ただし、セイコーグループの純利益とは拮抗している状態なので、一概にカシオの業績が悪いとは言えません。
新規事業や市場の変更など、カシオは業績アップに向けた活動に力を入れているため、カシオの株を買ったら定期的に業績を確認しましょう。
カシオ計算機の株主優待
カシオ計算機には、株主優待がありません。その分、企業の運営に力を入れられるので、配当金の維持や増額を目指しながら、株主に利益を還元しています。
カシオ計算機の株価
カシオ計算機の株価は、1,152.5円(2024年12月2日終値)です。過去10年の株価の推移は、以下のチャートを参考にしてみてください。
出典:Yahoo!ファイナンス|カシオ計算機(株)【6952】
直近10年では、2015年〜2016年に最高額の2,800円台を記録。2020年には2,300円台になったものの、2021年の5月以降は1,000円台まで下落しました。その後、2022年から現在までの約2年間の株価は、1,000〜1,300円程度で推移しています。
また、カシオと競合他社の株の値動きを、以下の表にまとめました。どこの株を買うか迷っているときは、他社の株価と比べると判断しやすいでしょう。
会社名 | 現在価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
カシオ計算機(6952) | 1,152.5円(2024/12/2終値) | 1,379円(2024/4/10) | 1,056円(2024/8/5) |
シチズン時計(7762) | 886円 (2024/12/2終値) | 1,117円(2024/7/4) | 791円(2024/8/5) |
セイコーグループ(8050) | 4,190円(2024/12/2終値) | 5,120円(2024/6/20) | 2,583円(2024/1/26) |
参考:Yahoo!ファイナンス|日本株
カシオ計算機の自己株式取得
カシオ計算機は、過去に何度も自己株式の取得をしています。2007年以降に実施された買付状況は、下表のとおりです。
取得期間 | 取得株式数(株) | 取得総額(円) |
2023年5月12日-2023年8月31日 | 7,500,000 | 9,117,343,350 |
2022年2月22日-2022年4月28日 | 3,500,000 | 4,685,404,800 |
2019年6月4日-2019年7月4日 | 3,808,000 | 4,999,943,300 |
2016年11月4日-2017年1月30日 | 10,000,000 | 14,975,378,700 |
2016年2月3日-2016年2月22日 | 5,000,000 | 10,278,546,700 |
2014年7月9日-2014年8月27日 | 7,609,400 | 12,499,821,900 |
2014年7月8日-2014年7月8日 | 237,300 | 346,932,600 |
2010年11月18日-2010年11月18日 | 105,504 | 67,628,064 |
2010年7月29日-2010年9月14日 | 3,664,700 | 2,231,306,500 |
2010年7月5日-2010年7月27日 | 4,800,000 | 2,768,649,000 |
2007年2月9日-2007年2月9日 | 2,695,000 | 6,494,950,000 |
引用:CASIO|株式情報
また、2024年の7月にも「380万株」の自己株式の取得を行なっており、2024年の8月末には380万株をすべて消却しています。
カシオ計算機などの個別株への投資は簡単と思っていたけれど実際に難しかった。とくに売る時に迷ってしまい売り時を逃してしまったという方が多くいらっしゃいます。利益を確保するのは大事ですが時には損切も必要になり、これができないと株で資産形成は難しくなります。しかし自分ではできないという方には、投資顧問の利用をおすすめします。当サイトを運営するライジングブル投資顧問は、株の「売買サポート」を行っております。ライジングブルの売買サポートサービスは、3ヶ月9,000円で買い推奨だけではなく、売却、銘柄入替するところまで、リスク管理をしながらサポートします。
個人の方には難しい売り推奨のアドバイス実績も豊富にあり、
・これから株をはじめる方
・株をやっているが資産が一向に増えない方
・損切ができず株を塩漬けにしがちの方
・損切ができない方
には、ライジングブルの売買サポートをおすすめします。
18年の歴史と3万人以上サポートしてきた実績で、少額資金ではじめても成功できるよう株の売買をサポートします
まとめ
カシオ計算機の2023年度の配当金は、1株あたり年間45円でした。2024年度の配当額はまだ発表されていませんが、中間配当(12月)は前年と同額の25.5円です。
さらに、直近5年間は年間45円の配当金が続いているので、2024年度の配当金も45円になるかもしれません。
単元株(100株)の配当金額は年間4,500円でしたが、配当金には税金がかかるので、実際の入金額は3,585円です。
配当金の基準日は、9月末(中間)と翌年3月末(期末)です。また、支払い時期は中間で12月、期末は翌年の6月を予定しています。また、カシオには株主優待がありません。
直近2〜3年のカシオの業績は、中国市場の悪化や電子ピアノの売り上げ減少によって下がり続けています。2023年度の純利益はシチズンの半分程度ですが、セイコーとは同じくらいの水準です。
直近2年間の株価は1,000円台前半で推移しており、短期間での暴落は見られません。過去5年間は減配もないので、カシオの株を持っていれば、今後も配当金の維持と安定した株価によって利益を狙えるでしょう。銘柄選びの参考になれば幸いです。
コメントComment