
本記事では、キリンホールディングス株式会社(2503:東証プライム)の配当金額や配当時期、配当性向、配当利回りについて解説します。
キリンは、サントリーやアサヒ、サッポロと並ぶ、日本の4大飲料メーカーのひとつです。ビールや清涼飲料水の販売で有名ですが、医療機器や新薬の開発などの幅広い事業を展開している企業でもあります。
1907年に創立してから100年以上、毎期欠かさず配当金が支払われており、直近20年間は減配もありません。
キリンの株はNISAの成長投資枠でも買えるので、非課税で運用ができます。
目次
キリンホールディングスの配当金はいくら
2024年度のキリンホールディングスの配当金は、1株あたり年間71円(見込み)です。
支払いは年2回に分かれており、2024年12月の期末配当は35.5円が見込まれています。単元株(100株)あたりで受け取れる配当金額は、年間7,100円(見込み)です。
直近6年度分の配当金の推移を、以下の表にまとめました。
年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計額 |
2024年度 | 35.5円 | 35.5円(見込み) | 71円(見込み) |
2023年度 | 34.5円 | 36.5円 | 71円 |
2022年度 | 32.5円 | 36.5円 | 69円 |
2021年度 | 32.5円 | 32.5円 | 65円 |
2020年度 | 32.5円 | 32.5円 | 65円 |
2019年度 | 31.5円 | 32.5円 | 64円 |
参考:キリンホールディングス|配当金・自己株式取得
2024年度の配当金は前年度と同じ金額ですが、年々右肩上がりとなっています。なお、直近20年間での減配はありません。
キリンの配当情報は、決算後45日以内に公表される「決算短信」で確認できます。2024年度の期末配当は2025年2月中旬に確定する可能性が高いので、株主になったらのキリンホールディングス公式サイトから、決算情報をご確認ください。
配当金にかかる税金|手取り
一般口座や特定口座でキリンホールディングスの株を買っている場合、受け取った配当金に対して、20.315%の税金が発生します。税率の内訳は、以下のとおりです。
- 住民税(5%)
- 所得税、復興所得税(15.315%)
2024年度のキリンの配当金は、100株あたり年間7,100円が見込まれています。つまり、受け取れる税引後の配当金額は、5,657円(100株あたり)です。
(100株×71円)×(1−20.315%)=5,657円
楽天証券では、NISAの成長投資枠でキリンの株を買えます。7,100円の配当金をそのまま受け取りたいときは、楽天証券を利用してみてください。
楽天証券でNISAを始める方法は、楽天証券のつみたてNISAの始め方!お得に活用する5つのコツを紹介 の記事で解説しています。
キリンホールディングスの配当金はいつもらえる
キリンホールディングスの配当金が支払われる時期と権利確定日は、下表のとおりです。
項目 | 中間配当 | 期末配当 |
権利確定日 | 6月末日 | 12月末日 |
受け取り時期 | 9月初旬 | 翌年3月末 |
参考:キリンホールディングス|よくあるご質問
キリンの期末決算は12月末です。2024年度の配当金額は、2025年2月中旬までに公表される決算短信で確定します。
2024年度の100株(単元株)あたりの配当金額は年間7,100円が見込まれているので、実際に入金される金額は税引後の5,657円です。
また、配当金を受け取るには、企業の株主名簿に掲載される必要があります。株の購入から名簿の反映までに時間がかかるので、権利獲得日の2営業日前(当日15時30分まで)には株を買っておきましょう。
キリンホールディングスの配当利回りと配当性向
キリンホールディングスの配当利回り(2024年度予想)は3.36%、配当性向(2023年度実績)は51.02%です。直近5年間の配当利回りと配当性向を、以下の表にまとめました。
年度 | 配当利回り | 配当性向 |
2024年度 | 3.36%(予想) | 50.4% |
2023年度 | 3.4% | 51.02% |
2022年度 | 3.36% | 51.08% |
2021年度 | 3.11% | 90.61% |
2020年度 | 2.98% | 75.96% |
参考:みんかぶ|キリンホールディングス (2503)
直近5年間の配当利回りは、約3%前後で推移しています。キリンは企業の成長のために、2007年度から目標とする配当性向の目安を引き上げており、2019年度より連結配当性向(企業グループ全体の配当性向)の目安を「40%以上」に引き上げています。
以下の表では、キリンの配当利回りと配当性向を競合他社と比較してみました。
会社名 | 配当利回り (2024年度予想) | 配当性向 (2023年度実績) |
キリンホールディングス(2503) | 3.36% | 51.02% |
サントリー食品インターナショナル(2587) | 2.19% | 29.87% |
アサヒグループホールディングス(2502) | 2.91% | 37.36% |
サッポロホールディングス(2501) | 0.62% | 41.96% |
参考:みんかぶ
日本の4大飲料メーカーのなかで、2024年度の予想配当利回りはキリンが最も高いです。また、配当性向は振れ幅が大きいものの、2023年度はキリンの51.02%がトップ。
キリンの株を持っていれば、ほかの飲料メーカーの株より利益が狙えるかもしれません。
キリンホールディングスの業績
キリンホールディングスの事業年度は、1月1日から12月31日の1年間です。過去5年分の業績を、以下の表にまとめました。
(単位:百万円)
決算情報 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
2024年度(9月時点) | 1,699,720 | 123,262 | 156,005 | 79,268 |
2023年度 | 2,134,393 | 150,294 | 197,049 | 112,697 |
2022年度 | 1,989,468 | 116,019 | 191,387 | 111,007 |
2021年度 | 1,821,570 | 68,084 | 99,617 | 59,790 |
2020年度 | 1,849,545 | 102,919 | 124,550 | 71,935 |
参考:みんかぶ|キリンホールディングス (2503)
過去4年間の売上高は、年間1.8〜2兆円程度で推移しています。
新型コロナウイルスの5類移行によって業績が伸び、2023年度の売上高は約2.1兆円を記録。2024年度の9月決算時点では、前年の9月決算時を上回っているので、今年度も売上高が伸びると予想されます。
キリンは、お酒や飲料などの価格改定と他事業の展開により、利益が増加したと説明しています。
キリンホールディングスの事業内容
キリンホールディングスは、1907年の創業から100年以上、ビール事業を行っている企業です。現在は、食領域、医領域、ヘルスサイエンス領域の3つの分野で事業を展開しています。
食領域
食領域では、酒類・飲料を通じて人々の交流を促し、コミュニティの活性化を目指しています。主要ブランドと、提供している商品の一部は、以下のとおりです。
- キリンビール:一番搾り、晴れ風、氷結
- ライオン:オーストラリアのクラフトビール
- キリンビバレッジ:生茶、午後の紅茶、おいしい免疫ケア
とくに、コロナ禍をきっかけに人々の交流が減っているので、つながりの場を作る事業を行っています。
医領域
医領域で行っている事業の目的は、医療現場のさまざまな課題の解決です。
最新の技術を活用し、まだ治療法が見つかっていない病気の研究を行っています。また、患者さんの声を聞くことに力を入れ、より良い医療の実現に向けて取り組んでいます。
ヘルスサイエンス領域
ヘルスサイエンス領域で行う事業の目的は、健康寿命を延ばすことです。食を通じた健康維持をサポートするために、以下のような商品を開発しています。
- プラズマ乳酸菌入りのヨーグルトやサプリメント
- 減塩をサポートする電気スプーン「エレキソルト」
- ファンケルと共同開発した機能性表示食品「カロリミット」
上記の活動を通して、免疫機能の維持や生活習慣病の予防などを目指しています。
キリンホールディングスの競合他社との業績比較
キリンホールディングスと競合他社の業績を比較します。前年度(2023年度)の業績を、以下の表にまとめました。
(単位:百万円)
会社名 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
キリンホールディングス(2503) | 2,134,393 | 150,294 | 197,049 | 112,697 |
サントリー食品インターナショナル(2587) | 1,591,722 | 141,726 | 141,781 | 82,743 |
アサヒグループホールディングス(2502) | 2,769,091 | 244,999 | 241,871 | 164,073 |
サッポロホールディングス(2501) | 518,632 | 11,820 | 12,144 | 8,724 |
参考:みんかぶ
さまざまな事業に取り組んでいる上記4社の業績は、日本の飲料メーカーのなかでトップクラスです。さらに、キリンの業績は業界第2位で、アサヒグループに次ぐ規模となっています。
キリンホールディングスの株主優待
キリンホールディングスの株を持っていると、株主優待を受けられます。
もらえる優待品の内容は、株の保有期間と数量によって異なります。詳細は、以下の表を参考にしてみてください。
保有期間 | 保有株数 | 優待品 |
1年以上、3年未満(2024年9月末までに保有) | 100〜999株 | 500円相当 |
1,000株以上 | 1,000円相当 | |
3年以上 | 100〜999株 | 2,000円相当+プレミアム優待※ |
1,000〜2,999株 | 4,000円相当+プレミアム優待※ | |
3,000株以上 | 6,000円相当+プレミアム優待※ |
※特別な商品や割引サービスなどを、抽選で提供する予定
過去に実施された株主優待の内容は、キリンが提供している商品の「詰め合わせセット」でした。2024年度に受けられる株主優待の詳細は、2025年3月頃に「郵送」か「ホームページ」で公表されます。
2023年度までの優待内容と変わっているので、詳細はキリンホールディングスの公式サイトで確認しましょう。
キリンホールディングスの株価
キリンホールディングスの株価は、2,108円(2024年11月21日終値)です。過去10年の株価の推移については、以下のチャートを参考にしてみてください。
出典:Yahoo!ファイナンス|キリンホールディングス(株)【2503】
直近10年間の値動きを見ると、2018年に3,000円台を記録。その後、緩やかな値下がりを経て、直近5年間は2,000円台前半で推移しています。リアルタイムの株価を知りたいときは、こちらのYahoo!ファイナンスをご利用ください。
また、以下の表では、キリンと競合他社の株の値動きをまとめています。株選びに迷ったときは、他社の株価と比べながら判断してみてください。
会社名 | 現在価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
キリンホールディングス(8058) | 2,108円(2024/11/21終値) | 2,310円(2024/10/28) | 1,896(2024/8/5日) |
サントリー食品インターナショナル(2587) | 5,112円(2024/11/21終値) | 5,897円(2024/6/25) | 4,525円(2024/2/16) |
アサヒグループホールディングス(2502) | 1,611.5円(2024/11/21終値) | 2,000円(2024/5/21) | 1,525円(2024/8/5) |
サッポロホールディングス(2501) | 8,313円 (2024/11/21終値) | 8,518円(2024/11/20) | 5,120円(2024/5/29) |
参考:Yahoo!ファイナンス|日本株
キリンホールディングスの自己株式取得
キリンホールディングスは、過去に何度も自己株式の取得をしています。2013年以降に実施された買付状況は、以下のとおりです。
取得期間 | 取得方法 | 取得株式総数 | 取得総額 |
2022年5月18日~2022年9月5日 | 東京証券取引所における市場買付 | 23,714,800株 | 49,999,869,850円 |
2019年11月8日~2020年4月9日 | 東京証券取引所における市場買付 | 44,464,000株 | 99,999,990,450円 |
2018年2月15日~2018年9月13日 | 東京証券取引所における市場買付 | 34,669,000株 | 99,999,798,250円 |
2014年3月11日~2014年4月10日 | 公開買付の方法 | 15,996,866株 | 19,708,138,912円 |
2013年3月19日~2013年12月30日 | 東京証券取引所における市場買付 | 31,900,000株 | 49,998,747,969円 |
引用:キリンホールディングス|配当金・自己株式取得
また、2013年以降に実施された自己株式の消却状況は、以下の表をご覧ください。
キリンは過去に何度も自己株式の取得を行っているので、今後も自己株式の取得と消却を行う可能性があります。
消却日 | 消却株式の種類 | 消却株式総数 | 発行済み株式総数に対する割合 |
2015年2月27日 | 当社普通株式 | 51,000,000株 | 5.28% |
引用:キリンホールディングス|配当金・自己株式取得
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まとめ
キリンホールディングスの2024年度の配当金は、1株あたり年間71円(見込み)です。キリンは直近20年間で一度も減配していません。加えて、2023年度の年間配当金が1株あたり71円であったことから、2024年度の配当金は71円になる可能性が高いでしょう。
単元株(100株)の配当金額は年間7,100円ですが、配当金には税金がかかるので、実際の入金額は5,657円(100株あたり)です。配当金の権利獲得日は、6月末(中間)と12月末(期末)です。また、支払い時期は決算から2〜3ヶ月後であり、中間は9月初旬、期末は3月末を予定しています。
キリンには株主優待があり、株の保有数と保有期間によって500円〜6,000円相当の優待品がもらえます。キリンの業績は競合他社と比べても好調で、2024年9月の売上高はすでに前年9月を上回っています。
直近5年間で株価は2,000台前半をキープしており、配当金も右肩上がりです。そのため、キリンの株を持っていれば、今後も配当金の増配と安定した株価によって利益を狙えるでしょう。銘柄選びの参考になれば幸いです。
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