キリンホールディングス(2503)の配当金は20年以上減配なし!いつ、いくらもらえるのかを解説

キリンホールディングスの配当のイメージ

本記事では、キリンホールディングス株式会社(2503:東証プライム)の配当金額や配当時期、配当性向、配当利回りについて解説します。

キリンは、サントリーやアサヒ、サッポロと並ぶ、日本の4大飲料メーカーのひとつです。ビールや清涼飲料水の販売で有名ですが、医療機器や新薬の開発などの幅広い事業を展開している企業でもあります。

1907年に創立してから100年以上、毎期欠かさず配当金が支払われており、直近20年間は減配もありません。

キリンの株はNISAの成長投資枠でも買えるので、非課税で運用ができます。

キリンホールディングスの配当金はいくら

キリンホールディングスの配当戦略のイメージ

2025年度のキリンホールディングスの配当金は、1株あたり年間74円(予想)です。

支払いは年2回に分かれております。単元株(100株)あたりで受け取れる配当金額は、年間7,400円(予想)です。

ちなみにこの配当金を受け取るための投資額は216,300円が必要になります。(2025年5月8日終値で計算)

直近7年度分の配当金の推移を、以下の表にまとめました。

年度中間配当期末配当年間合計額
2025年度12月期(予想)37円37円74円
2024年度12月期35.5円35.5円71円
2023年度12月期34.5円36.5円71円
2022年度12月期32.5円36.5円69円
2021年度12月期32.5円32.5円65円
2020年度12月期32.5円32.5円65円
2019年度12月期31.5円32.5円64円

参考:キリンホールディングス|配当金・自己株式取得

2025年度の配当金は増配予測です。基本は年々右肩上がりとなっています。なお、直近20年間での減配はありません。

配当方針の変更

キリンホールディングスは2025年12月期より配当方針を変更することが決まりました。

この配当方針の変更は、安定した配当収入を重視する中長期投資家にとって概ねプラスの変更と評価できます。特に配当の安定性と予測可能性が高まることは、長期資産形成においてメリットが大きいです。

一方で、キリンの成長性や急激な業績改善の恩恵を配当でもらいたい投資家にとっては、やや物足りない面があるかもしれません。

【変更内容のポイント】

変更後の配当方針変更前の配当方針
「DOE(連結株主資本配当率)5%以上」を目安に配当する「平準化EPS」に対して「連結配当性向40%以上」を基準に配当していた
  • 平準化EPSとは:(平準化当期利益)÷(期中平均株式数)
    ※平準化当期利益とは:親会社の所有者に帰属する当期利益から、特別な収益や費用を除いた、より実態を表す利益
  • DOEとは:配当金÷株主資本で、株主資本に対する配当の割合を示す指標
  • 連結株主資本 = 資本合計 – (その他の資本の構成要素 + 非支配持分)
  • 「原則として累進配当」を採用
    ※累進配当とは:配当単価を維持もしくは増額していく方針

配当方針変更による株主にとってのメリット

 

 

配当の安定性が大幅に向上

業績の一時的な変動に関わらず、株主資本を基準に配当が決定されるため、配当の安定性が高まります。景気変動や事業環境の変化による収益の一時的な落ち込みがあっても、配当が大きく減少するリスクが軽減されます。

累進配当の採用

「原則として累進配当」という方針は、配当単価を維持または増額することを意味します。これにより配当の下落リスクが実質的に排除され、長期投資家にとって将来の配当収入がより予測しやすくなります。

資本効率の向上への期待

DOE基準の採用は、経営陣に資本効率への意識を高める効果があります。効率的な資本活用が求められるため、無駄な内部留保が抑制され、結果として株主価値の向上につながる可能性があります。

株主還元の確実性

DOE 5%以上という明確な基準により、株主資本に対して一定以上の還元が約束されます。これは株主を重視する経営姿勢の表れであり、長期保有株主にとって好材料と言えるでしょう。

配当方針変更による株主にとってのデメリット

 

 

好業績時の配当上昇が限定的になる可能性

業績が大幅に好転した場合、従来の配当性向40%以上の方式では配当も比例して増加していましたが、DOE方式では急激な業績向上の恩恵が配当に十分反映されない可能性があります。短期的なリターンを重視する投資家にとっては物足りない面があるかもしれません。

株主資本の増加による配当成長率の鈍化リスク

企業が成長し株主資本が増加し続けると、同じDOE率でも配当額の増加率が徐々に鈍化する傾向があります。特に高成長期には、株主資本の拡大ペースに配当が追いつかないケースも考えられます。

成長投資とのバランス

安定配当重視の姿勢により、将来の成長に向けた積極的な投資への資金配分が相対的に制約される可能性があります。長期的な企業価値向上のためには、成長投資と株主還元のバランスが重要となります。

参考:キリンホールティングス配当方針の変更(DOE・累進配当導入)に関するお知らせ

配当金にかかる税金|手取り

配当金にかかわる税金のイメージ

一般口座や特定口座でキリンホールディングスの株を買っている場合、受け取った配当金に対して、20.315%の税金が発生します。税率の内訳は、以下のとおりです。

  • 住民税(5%)
  • 所得税、復興所得税(15.315%)

2025年度12月期のキリンの配当金は、100株あたり年間7,400円が見込まれています。つまり、受け取れる税引後の配当金額は、5,897円です。

【計算式】
(100株×74円)×(1−20.315%)=5,897円

楽天証券やSBI証券では、NISAの成長投資枠でキリンの株を買えます。7,400円の配当金をそのまま受け取りたいときは、そちらの証券会社を利用してみてください。

楽天証券でNISAを始める方法は、楽天証券のつみたてNISAの始め方!お得に活用する5つのコツを紹介 の記事で解説しています。

キリンホールディングスの配当金はいつもらえる

配当金はいつもらえるのイメージ

キリンホールディングスの配当金が支払われる時期と権利確定日は、下表のとおりです。

項目中間配当期末配当
権利確定日6月末日12月末日
受け取り時期9月初旬翌年3月末

参考:キリンホールディングス|よくあるご質問

キリンの期末決算は12月末です。2025年度の配当金額は、2026年2月中旬までに公表される決算短信で確定します。

また、配当金を受け取るには、企業の株主名簿に掲載される必要があります。株の購入から名簿の反映までに時間がかかるので、権利獲得日の2営業日前(当日15時30分まで)には株を買っておきましょう。

キリンホールディングスの配当利回りと配当性向

配当利回りと配当性向のイメージ

キリンホールディングスの配当利回り(2024年度予想)は3.36%、配当性向(2023年度実績)は51.02%です。直近5年間の配当利回りと配当性向を、以下の表にまとめました。

年度配当利回り配当性向
2025年度12月期(予想)3.42%98.8%
2024年度12月期3.30%98.8%
2023年度12月期3.4%51.02%
2022年度12月期3.36% 51.08%
2021年度12月期3.11%90.61%
2020年度12月期2.98%75.96%

参考:みんかぶ|キリンホールディングス (2503) 

直近5年間の配当利回りは、約3%前後で推移しています。キリンは企業の成長のために、2007年度から目標とする配当性向の目安を引き上げており、2025年度より連結配当性向(企業グループ全体の配当性向)の目安を「40%以上」に引き上げています。

以下の表では、キリンの配当利回りと配当性向を競合他社と比較してみました。

会社名 予想1株配当配当利回り配当性向(2024年度実績)
キリンホールディングス(2503)74円3.30% 98.8%
サントリー食品インターナショナル(2587)120円2.4%39.7%
アサヒグループホールディングス(2502)52円2.60% 38.7%
サッポロホールディングス(2501)60円0.75% 52.5%

参考:みんかぶ

日本の4大飲料メーカーのなかで、2025年度の予想配当利回りはキリンが最も高いです。また、配当性向は振れ幅が大きいものの、2023年度はキリンの98.8%がトップ。キリンの株を持っていれば、ほかの飲料メーカーの株より配当が狙えるかもしれません。

配当性向と配当利回りは、企業を評価するときに使う指標です。考え方については『配当利回りと配当性向とは?違いや計算式、目安となる数値を解説』をご覧ください。

キリンホールディングスの業績

業績のイメージ

キリンホールディングスの事業年度は、1月1日から12月31日の1年間です。2025年度予測を含め過去6年分の業績を、以下の表にまとめました。

(単位:百万円)

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決算情報売上高営業利益経常利益純利益
2025年度12月期(予測)2,440,000192,000230,000150,000
2024年度12月期2,338,385125,340139,72158,214
2023年度12月期2,134,393150,294197,049112,697
2022年度12月期

1,989,468

116,019191,387111,007
2021年度12月期1,821,57068,08499,617 59,790
2020年度12月期1,849,545102,919124,55071,935

参考:キリンホールディングス 決算短信

過去5年間の売上高は、年間1.8〜2兆円程度で推移しています。

新型コロナウイルスの5類移行によって業績が伸び、2023年度の売上高は約2.1兆円を記録。2024年度の9月決算時点では、前年の9月決算時を上回っているので、今年度も売上高が伸びると予想されます。

キリンは、お酒や飲料などの価格改定と他事業の展開により、利益が増加したと説明しています。

キリンホールディングスの事業内容

キリンホールディングスの事業内容のイメージ

キリンホールディングスは、1907年の創業から100年以上、ビール事業を行っている企業です。現在は、食領域、医領域、ヘルスサイエンス領域の3つの分野で事業を展開しています。

食領域

 

食領域では、酒類・飲料を通じて人々の交流を促し、コミュニティの活性化を目指しています。主要ブランドと、提供している商品の一部は、以下のとおりです。

  • キリンビール:一番搾り、晴れ風、氷結
  • ライオン:オーストラリアのクラフトビール 
  • キリンビバレッジ:生茶、午後の紅茶、おいしい免疫ケア

とくに、コロナ禍をきっかけに人々の交流が減っているので、つながりの場を作る事業を行っています。

医領域

 

医領域で行っている事業の目的は、医療現場のさまざまな課題の解決です。

最新の技術を活用し、まだ治療法が見つかっていない病気の研究を行っています。また、患者さんの声を聞くことに力を入れ、より良い医療の実現に向けて取り組んでいます。

ヘルスサイエンス領域

 

ヘルスサイエンス領域で行う事業の目的は、健康寿命を延ばすことです。食を通じた健康維持をサポートするために、以下のような商品を開発しています。

  • プラズマ乳酸菌入りのヨーグルトやサプリメント
  • 減塩をサポートする電気スプーン「エレキソルト」
  • ファンケルと共同開発した機能性表示食品「カロリミット

上記の活動を通して、免疫機能の維持や生活習慣病の予防などを目指しています。

キリンホールディングスはファンケルを連結子会社化し、ヘルスサイエンス事業の強化を図っています。これは今後の業績に大きな影響を与える可能性があり今後注目です。

 

キリンホールディングスの競合他社との業績比較

競合他社との業績比較のイメージ

キリンホールディングスと競合他社の業績を比較します。前年度(2024年度)の業績を、以下の表にまとめました。

(単位:百万円)

← 表は横にスクロールできます →
会社名売上高営業利益経常利益純利益
キリンホールディングス(2503)2,338,385125,340139,72158,214
サントリー食品インターナショナル(2587)1,696,765160,249161,04793,495
アサヒグループホールディングス(2502)2,939,422269,052 266,990192,080
サッポロホールディングス(2501) 530,78310,416 11,576 7,714

参考:みんかぶ

さまざまな事業に取り組んでいる上記4社の業績は、日本の飲料メーカーのなかでトップクラスです。さらに、キリンの業績は業界第2位で、アサヒグループに次ぐ規模となっています。

キリンホールディングスの株主優待

キリンホールディングス株主優待のイメージ

キリンホールディングスの株を持っていると、株主優待を受けられます。

2025年12月期では1年未満の株主に対する優待が廃止になりました。優待内容が変わっています。優待品の内容は、株の保有期間と数量によって異なります。詳細は、以下の表を参考にしてみてください。

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保有期間 保有株数優待品
1年以上3年未満100〜999株500円相当
1,000株以上1,000円相当
3年以上100〜999株2,000円相当+プレミアム優待※
1,000〜2,999株4,000円相当+プレミアム優待※
3,000株以上 6,000円相当+プレミアム優待※

※特別な商品や割引サービスなどを、抽選で提供する予定

2024年度12月期までの優待内容と変わっているので、詳細はキリンホールディングスの公式サイトで確認しましょう。

キリンホールディングスの株価

株価のイメージ

キリンホールディングスの株価は、2,163円(2025年5月8日終値)です。過去10年の株価の推移については、以下のチャートを参考にしてみてください。

キリンホールディングスの株価

出典:Yahoo!ファイナンス|キリンホールディングス(株)【2503】

直近10年間の値動きを見ると、2018年に3,000円台を記録。その後、緩やかな値下がりを経て、直近5年間は2,000円台前半で推移しています。

藤村 哲也

中期経営計画の見直し、ファンケル子会社化による事業シナジー効果、ヘルスサイエンス事業の成長戦略、増配予定など2025年は大きく飛躍する1年になる可能性が高いので注目していきたい企業です。

また、以下の表では、キリンと競合他社の株の値動きをまとめています。株選びに迷ったときは、他社の株価と比べながら判断してみてください。

← 表は横にスクロールできます →
会社名現在価格年初来高値年初来安値
キリンホールディングス(8058)2,163円(以下2025/5/8終値)2,310円(2024/10/28)1,896(2024/8/5)
サントリー食品インターナショナル(2587)4.999円5,121円(2025/5/25)4,521円(2025/2/14)
アサヒグループホールディングス(2502)1,997円2,047円(2024/4/21)1,562円(2025/1/8)
サッポロホールディングス(2501)8,019円 8,280円(2025/4/21) 6,583円(2024/1/16)

参考:Yahoo!ファイナンス|日本株

キリンホールディングスの自己株式取得

株の自己株式取得のイメージ

キリンホールディングスは、過去に何度も自己株式の取得をしています。2013年以降に実施された買付状況は、以下のとおりです。

← 表は横にスクロールできます →
取得期間取得方法取得株式総数取得総額
2022年5月18日~2022年9月5日東京証券取引所における市場買付23,714,800株49,999,869,850円
2019年11月8日~2020年4月9日東京証券取引所における市場買付44,464,000株99,999,990,450円
2018年2月15日~2018年9月13日東京証券取引所における市場買付34,669,000株99,999,798,250円
2014年3月11日~2014年4月10日公開買付の方法15,996,866株19,708,138,912円
2013年3月19日~2013年12月30日東京証券取引所における市場買付31,900,000株49,998,747,969円

引用:キリンホールディングス|配当金・自己株式取得

また、2013年以降に実施された自己株式の消却状況は、以下の表をご覧ください。

キリンは過去に何度も自己株式の取得を行っているので、今後も自己株式の取得と消却を行う可能性があります。

← 表は横にスクロールできます →
消却日消却株式の種類消却株式総数発行済み株式総数に対する割合
2015年2月27日当社普通株式51,000,000株5.28%

引用:キリンホールディングス|配当金・自己株式取得

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まとめ

キリンホールティングまとめ

キリンホールディングスの2024年度の配当金は、1株あたり年間71円(見込み)です。キリンは直近20年間で一度も減配していません。加えて、2023年度の年間配当金が1株あたり71円であったことから、2024年度の配当金は71円になる可能性が高いでしょう。

単元株(100株)の配当金額は年間7,100円ですが、配当金には税金がかかるので、実際の入金額は5,657円(100株あたり)です。配当金の権利獲得日は、6月末(中間)と12月末(期末)です。また、支払い時期は決算から2〜3ヶ月後であり、中間は9月初旬、期末は3月末を予定しています。

キリンには株主優待があり、株の保有数と保有期間によって500円〜6,000円相当の優待品がもらえます。キリンの業績は競合他社と比べても好調で、2024年9月の売上高はすでに前年9月を上回っています。

直近5年間で株価は2,000台前半をキープしており、配当金も右肩上がりです。そのため、キリンの株を持っていれば、今後も配当金の増配と安定した株価によって利益を狙えるでしょう。銘柄選びの参考になれば幸いです。

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