
株式投資において誰もが恐れる「投資先企業の倒産」
この記事では、企業が倒産する主な要因や実際に倒産後の株がどうなるのか?倒産した場合の対処方法、さらには将来への教訓まで、初心者投資家が知っておくべきを内容を解説します。
この記事を読むことで、最悪のシナリオに直面した際の具体的な行動手順と、そのリスクを最小限に抑えるための対応策など実践的な方法を学ぶことができます。
また、投資の基本である分散投資の重要性や、企業の財務状況のチェックポイントなど、投資の基礎知識も身につきます。
この内容を理解し実践することで、たとえ投資先企業が倒産するというリスクに直面しても、冷静に対処でき、さらには投資ポートフォリオ全体への影響を最小限に抑えることが可能になります。
目次
会社が倒産する主な要因
値上がりすると思って買った株式でも突然の出来事により状況が急変したり、また、購入時の調査不足で気づかなかったリスクが露呈し、その株式の発行会社が倒産してしまう可能性があります。
会社が倒産してしまう要因として、主に次のようなパターンがあります。
- 販売不振による業績悪化
- 資金繰りの悪化
- スキャンダル、不祥事
詳しく見ていきましょう。
販売不振による業績悪化
まず、これが倒産の典型的なケースです。社会情勢や環境の変化に応じた競争力のある商品開発ができず、他業態への展開もできないなど、利益が上げられなくなり、経営が行き詰まって倒産に至ります。
また、取引先であった大手企業が業績不振になると厳しい価格交渉を受けたり、取引先大手企業が倒産してそのあおりを受けて倒産に追い込まれる連鎖倒産というパターンもあります。
資金繰りの悪化
自社の支払いと販売した代金回収の期間が合わないと、支払うべき時期に手元の資金(キャッシュフロー)が足りなくなる資金繰りの悪化を引き起こします。
商品は売れており業績が悪くなくても、支払いが遅延したり、手形が不渡りとなったりすれば会社は信用を失い、事実上ビジネスの世界から締め出され、実質的に倒産へ至るのです。黒字倒産ともいわれます。
また、工場を作ったり機械を増やしたりなど設備投資をした場合、それに使ったお金は将来の利益から回収するため、過大な設備投資も資金繰りの悪化を招きます。
なお、売上に比べて負債が大きすぎる場合も、返済金額が大きくなることから資金繰りの悪化につながります。
スキャンダル、不祥事
実際よりも利益の金額を大きく見せたり、巨額な使い込みや損失を帳簿に載せないなどの会計上の不正(粉飾決算)や、食品会社で大規模な食中毒を発生させるなど、経営の根幹を揺るがすスキャンダルは、大企業であっても倒産に追い込まれることがあります。
倒産した会社の株式はどうなるの?
会社が倒産すると上場廃止となり、株式市場での取引ができなくなります。株主としての権利は残りますが、優先順位は最後となります。
会社の資産が債権者への返済に優先的に充てられます。残余財産があれば株主にも分配されます。
残余財産とは、会社が解散する時に残った財産のことで、会社が倒産して清算されると株主はそれを持ち分に応じて受取ることができます。
残余財産の金額は、会社が解散する時に持っている資産から負債を差引いて計算されます。その結果がプラスになれば、それが株主に分配されます。ただ、会社が倒産する場合は、負債の方が資産より大きいのが通常です。
つまり、倒産した会社の株式を持っている場合、投資した金額はすべて損失となる可能性が高くなります。
ちなみに、残余財産がマイナスとなっても、株主は残った負債を返済する義務はありません。これを株主有限責任の原則といい、株主は株式を買うために出資したお金以上の責任を負わないことが会社法104条に明記されています。
投資企業の倒産によるリスクを最小限にするための対応策
リスクのない投資はありません。リスクがあるからこそ預金以上のリターンが期待できるのですが、投資企業が倒産するなどのリスクはできることなら避けたいものです。投資企業の倒産リスクから資産を守る対応策をご紹介します。
1. 事前の予防策:分散投資でリスクを抑える
大型株(発行されている株式の数量や金額が大きい大企業)よりも小型株の方が倒産リスクは大きいものです。
小型株は、歴史の浅い、規模の小さい企業が多く、今後の飛躍的な成長が期待できる反面、資金力、ブランド力や企業統治なども発展途上のことが多く、経営基盤は不安定です。
そのため、小型株に投資する時には、万一の場合も考慮に入れて、一銘柄に投資する金額を抑えた分散投資でリスク管理をしっかりしましょう。
例えば、ポートフォリオの5%を1社に投資していた場合、その企業が倒産して価値が0になったとしても、全体の95%は守られます。これにより、最悪のケースでも損失を5%に抑えることができます。
また、以下も考慮に入れておいて分散投資を行いましょう。
- 業種の分散(同じ業界に偏らない)
- 地域の分散(国内外の企業に投資)
- 時期の分散(一度に全額を投資せず、徐々に投資)
2.警戒サインを見逃さない:企業の健全性チェック
市場全体が上昇している局面でも、株価が継続的に下落している銘柄には注意が必要です。
目立ったニュースがなくても、株価が下落し続けるには何か原因があるものです。
倒産の前兆(債務超過、金融機関の融資停止など)などにも注意を払いましょう。不安を感じたら一旦、売却して様子を見ましょう。
定期的に以下の指標をチェックし、早めの対応を心がけましょう。
- 自己資本比率の急激な低下
- 営業利益の継続的な赤字
- 有利子負債の急増
- 金融機関の融資態度の変化
- 取引先からの支払い遅延の報道
また、定期的にPBRを確認しましょう。
PBR(株価純資産倍率)という投資指標があります。株価を1株当たりの純資産で割って計算しますが、その会社の資産(残余財産)の何倍の値段で取引されているのかが分かります。
つまり、PBRが1倍以上であれば、その企業が倒産しても株主は投資資金が回収できることを表わしています。この数値が低いほど割安株と言われ、買いの指標にすることが多いのですが、PBRが1倍を下回ってくる株ならば、解散価値以下にしか評価されない何らかの理由がある可能性を考えましょう。
3. 緊急時の対応:株価急落時の判断基準
企業の経営状態が悪化し、株価が急落した場合の対応方針を決めておきましょう。
- 損切りライン(例:取得価格の70%)を事前に設定
- 追加情報の収集(決算短信、適時開示情報のチェック)
- 必要に応じて証券アナリストのレポートを参照
4. 税務上の対応:損失の活用方法
企業が倒産して株価が0になり、損をしてしまった場合、税務上有効活用する方法を理解しておきましょう。
- 確定申告による損失の繰越控除(最大3年間)
- 他の株式投資の利益との相殺
- 特定口座(源泉徴収あり)での自動計算の活用
5. 心理的なリスク管理:投資継続のための準備
投資の失敗は心身にも大きな影響を与えます。許容を超えた失敗はその後に大きな影を残すことになります。そうならないために、以下の心構えを持ちましょう
- 投資可能な金額のみを投資に回す
- 定期的なポートフォリオの見直し
- 投資の成功・失敗の経験を記録し知見として活用
投資には必ずリスクが伴います。倒産は最悪のシナリオの一つですが、それも含めて投資なのです。もし、不幸にもこういった経験をされたら、それを糧に、より賢明な投資家として成長することができると思います。
株式投資は長期的な視点で取り組むことが重要です。一つの企業の倒産で投資自体を諦めるのではなく、リスク管理の重要性を学ぶ機会として捉えましょう。
なお、不安を感じたら、弊社のような投資顧問などの投資アドバイザーに相談することをおすすめします。プロのアドバイスを受けることで、より良い投資判断につながります。
投資は知識と経験を重ねることで、より良い結果につながります。一つの失敗で諦めることなく、着実に成長していきましょう。
株式投資は思っていたよりも難しい、とくに株を選ぶ際に迷ってしまって買えないし、買ったあといつ売っていいかわからないという方が多くいらっしゃいます。株の選定は大変大事ですが、売り時をみきわめることも大切です。しかし自分ではできないという方には、投資顧問の利用をおすすめします。当サイトを運営するライジングブル投資顧問は、株の「売買サポート」を行っております。ライジングブルの売買サポートサービスは、3ヶ月9,000円で買い推奨だけではなく、売却、銘柄入替するところまで、リスク管理をしながらサポートします。
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まとめ
重要ポイントの整理
1.予防が最大の対策
・分散投資の徹底
・定期的な企業の健全性チェック
・PBRなどの投資指標の活用
2.警戒サインの把握
・財務指標の悪化
・市場での評価低下
・業界動向の変化
3.緊急時の対応
・損切りラインの設定
・税務上の損失処理
・必要書類の管理
今後の投資に活かすべき教訓
1.リスク管理の重要性
・投資可能額の適切な設定
・定期的なポートフォリオ見直し
・複数の投資先の確保
2.継続的な学習の必要性
・失敗経験を知見として蓄積
・市場動向の定期的チェック
・専門家への相談活用
企業倒産は投資における最悪のシナリオの一つですが、適切な準備と対応により、そのリスクを最小限に抑えることができます。この記事で学んだ知識を活かし、より安定した投資戦略を構築していきましょう。
投資は長期的な視点で取り組むべき活動です。一時的な失敗に過度にとらわれることなく、着実に経験を積み重ねることで、より賢明な投資家として成長することができます。
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