IPO(新規株式公開)とは、企業が初めて一般投資家に向けて株式を公開するイベントです。上場直後に株価が上昇しやすく、値上がり益を狙える機会として投資家から注目されています。ただ、IPOで得た利益には約20%の税金がかかるため、非課税で運用できるNISAをIPO投資にも活かしたいと考える方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、NISAの成長投資枠を使ってIPO株を購入することは可能です。本記事では、NISA口座でIPOに参加するメリット・デメリットから、対応している証券会社・応募の流れまでを解説します。応募前に仕組みを理解しておくことで、非課税メリットを活かした投資判断ができるようになるでしょう。
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目次
IPO株はNISAの成長投資枠で買える

結論、NISA口座の成長投資枠であれば、IPO株への投資が可能です。NISAの成長投資枠は個別株や上場投資信託(ETF)など幅広い銘柄に対応しており、IPO株もその対象となる場合があります。
ただし、つみたて投資枠では投資信託のみが対象となるため、IPO株は購入できません。また、NISAで購入できるIPO株は原則として日本株のみです。米国株IPOは一部の証券会社・銘柄に限り対応している場合がありますが、例外的な扱いであり、基本的には参加できないと理解しておきましょう。
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NISA口座でIPO株を買うメリット|3つ
NISA口座でIPO株を購入するおもなメリットは、以下の3つです。
上記を理解すれば、特定口座と比べてNISA口座での手取りがどれだけ変わるか具体的にイメージできるようになります。
初値売りの利益が非課税になる
NISA口座でIPO株を購入した場合、初値売りで得た利益には税金がかかりません。本来、株式の売却益には約20.315%の税金が課されます。たとえば、公募価格1,000円のIPO株が初値2,000円で寄り付き(上場初日に最初の取引が成立)し、100株を売却した場合の利益は10万円です。
特定口座では約20,315円が税金として引かれますが、NISA口座なら10万円をそのまま受け取れます。IPOは初値が公募価格を大きく上回るケースもあるため、利益が大きいほどNISA口座の非課税メリットも大きくなります。
配当金を非課税で受け取れる
通常、配当金には約20.315%の税金が発生します。一方で、購入したIPO株を売却せずに保有し続けた場合、NISA口座で受け取る配当金は非課税です。
上場直後は配当が少ない企業でも、業績の成長とともに増配が続けば受取額は年々増える可能性があります。非課税で配当を積み上げられる点は、長期保有を前提とする投資家にとって大きなメリットだと言えるでしょう。
確定申告が不要になる
NISA口座の利益は非課税のため、原則として確定申告は不要です。税金の計算や書類の準備が不要なため、投資初心者でも手続きの負担なくIPO投資を始められます。ただし、特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合は、証券会社が自動で税金を計算・納付するため、もともと確定申告は必要ありません。
確定申告が不要になるメリットを受けられるのは、おもに「源泉徴収なしの口座を使っている方」や「複数の証券会社でIPOに参加している方」です。
NISA口座でIPO株を買うデメリット・注意点|3つ
NISA口座でIPOに参加するときは、以下の3つのデメリット・注意点を把握しておきましょう。
- 【デメリット】損失が出ても損益通算・繰越控除ができない
- 【注意点】成長投資枠を消費するため他の投資に回せる枠が減る
- 【注意点】当選確率は特定口座と変わらない
リスクを正しく把握した上で、NISA口座を使うべき銘柄かどうかを判断してみてください。
損失が出ても損益通算・繰越控除ができない
NISA口座で損失が出ても、特定口座や一般口座の利益との損益通算はできません。その上でとくに注意したいのが、初値が公募価格を下回る「公募割れ※」のリスクです。※上場初日の株価が購入時の価格を下回ること
IPOは必ず値上がりするわけではなく、上場直後に株価が下落することもあります。たとえば、以下のような状況が起こり得ます。
- 公募価格1,000円で100株購入→初値800円に下落→2万円の損失
- 特定口座ならほかの銘柄の利益2万円と相殺でき、税負担を減らせる
- NISA口座では相殺できず、2万円の損失がそのまま確定する
値上がりが不透明な銘柄をNISA口座で購入する際は、損失を他の利益で補えない点を念頭に置いておきましょう。
IPO株は成長投資枠を消費するため他の投資に回せる枠が減る
IPO株を成長投資枠で購入すると、その分ほかの個別株や投資信託に使える枠が減ります。成長投資枠の年間上限は240万円で、使った分が復活するのは翌年1月1日です。IPO株を購入してすぐに売却しても、その年の枠は戻りません。
短期間で複数のIPOに参加したい場合や、ほかの銘柄にも積極的に投資したい場合は、年間の限度額を考慮した上で判断してみてください。
当選確率は特定口座と変わらない
NISA口座を使っても、IPOの抽選で当選確率が優遇されることはありません。IPOの当選確率は証券会社ごとの抽選方式(資金量・申込数・完全平等抽選など)で決まるものであり、口座区分は関係ないためです。
また、1つのIPO案件に対して、NISA口座と特定口座の両方で申し込むことはできません。応募時にどちらの口座で受け取るかを選ぶ必要があり、当選後の変更もできません。
「当選したらNISAで、公募割れしそうなら特定口座で」という使い分けはできないため、応募前に口座を決めておきましょう。
NISA口座でIPOに対応しているおすすめ証券会社

NISA口座でIPOに参加できるおすすめの証券会社を、以下の表にまとめました。
| 証券会社 | おすすめポイント |
| SBI証券 | ・国内最多水準のIPO取扱数 ・落選時にIPOチャレンジポイントが貯まり、ポイントを使って当選確率を上げられる |
| 楽天証券 | ・100株単位で応募でき、少額から参加しやすい。 ・NISA口座との連携もスムーズ |
| マネックス証券 | ・完全平等抽選のため、資金量に関わらず当選確率が均等 ・資金が少ない投資家でも参加しやすい |
| みずほ証券 | ・スペースXなど一部の大型米国株IPOで、NISA口座での購入に対応した実績がある |
なお、みずほ証券で以前行ったスペースX IPOへのNISA口座での参加については、「スペースX(Space X)IPOの買い方|SBI証券・楽天証券で申し込む方法と注意点【2026年6月】」の記事も参考にしてください。
NISA口座でIPOに応募する流れ|4ステップ
NISA口座でIPOに応募する流れは、以下の4ステップです。
応募前に流れを把握しておくことで、当選後の手続きをスムーズに進められます。
1.IPO株の取り扱いの確認とNISA口座を準備する
まず、IPO株を取り扱っている証券会社でNISA口座を開設します。すでにNISA口座を持っている場合は、その証券会社がIPOを取り扱っているか確認しましょう。NISA口座を開設できるのは、1人1口座のみです。
IPOに強いSBI証券・楽天証券などでNISA口座を開設しておくと、取扱銘柄数や抽選方式の面で有利になりやすいです。どの証券会社が良いか迷っているときは、こちらの「NISA口座でIPOに対応しているおすすめ証券会社」で紹介した証券会社のなかから選んでみてください。
2.ブックビルディングに参加する
IPOの抽選前に、ブックビルディング(需要申告)に参加します。ブックビルディングとは、IPO株の公募価格を決めるために投資家の需要を集める手続きです。証券会社のIPO専用ページから申込ページにアクセスし、以下の内容を入力して申し込みます。
- 申込株数
- 希望価格(仮条件の範囲内で指定)
- 口座区分(ここで「NISA成長投資枠」を選択する)
口座区分を選択するタイミングは、証券会社によって異なります。
いずれにせよ、1つのIPOにNISA口座と特定口座の両方で申し込むことはできないため、事前にどちらで応募するか決めておきましょう。
3.抽選結果を確認し購入手続きをする
抽選結果は、ブックビルディング期間終了後に証券会社のマイページやメールで確認できます。通知のタイミングは証券会社によって異なるため、各社の告知ページで確認しておきましょう。
当選または繰上当選した場合は、購入申込期間内に手続きを完了させます。購入申込を忘れると当選が無効になるため、結果を確認したらすぐに手続きを進めるのがおすすめです。また、最終チェックとして、口座区分が「NISA成長投資枠」になっているかを購入前に必ず確認してください。
4.上場後に売却する
上場後、初値や任意のタイミングで売却できます。NISA口座での売却益は非課税のため、税金が引かれずそのまま受け取れます。なお、上場直後は株価の変動が激しくなることが多いです。事前に「〇〇円以下になったら売る」や「〇〇%値上がりしたら売る」といった自分なりのルールを決めておくと冷静に判断しやすくなります。
IPO株はNISA口座・特定口座のどっちで買うのが良い?|使い分け
IPO株をNISA口座と特定口座のどちらで購入するかは、銘柄の特性によって判断するのが現実的です。以下の表では、IPO投資における「NISA口座と特定口座の使い分け基準」を参考程度にまとめました。
| NISA口座 | 特定口座 | |
| 向いている銘柄 | 注目度が高く初値上昇が見込める銘柄 | 需要が弱く公募割れのリスクがある銘柄 |
| 判断の目安 | ブックビルディング期間中に多くの投資家から需要が集まり、公募価格が想定の上限に設定された銘柄 | ブックビルディング期間中に投資家からの需要が集まらず、公募価格が想定の下限に設定された銘柄 |
| 理由 | 利益が大きいほど非課税メリットも大きくなる | 損失が出た場合に他の利益と損益通算できる |
※上記はあくまで参考程度にご活用ください。
銘柄ごとの需要動向は、証券会社のIPO情報ページや金融ニュースで確認できます。まだ投資経験が少なく、特定口座で損益通算できる利益がない方は、まず非課税メリットを活かせるNISA口座でIPOに参加する方が取り組みやすいでしょう。
そのうえで、ほかの口座でも積極的に投資するようになってきたら、銘柄ごとに口座を使い分けることを検討してみてください。
NISA口座でのIPO投資に関するよくある質問
NISA口座でのIPO投資に関するよくある質問に回答します。
それぞれ見ていきましょう。
SBI証券のNISA枠でIPOに参加できる?
SBI証券にNISA口座をお持ちなら、成長投資枠を使ってIPOに参加できます。ブックビルディングの申込時に「NISA口座」を選択するだけで手続きは完了します。詳しい手順や注意点は、SBI証券の公式サイトで確認してみてください。
SBI証券でNISAを始める手順については、こちらの記事で解説しています。
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楽天証券のNISA枠でIPOに参加できる?
楽天証券にNISA口座をお持ちなら、成長投資枠を使ってIPOに参加できます。ログイン後、ブックビルディングの申込画面でNISA口座を選択するだけで手続きが完了します。
詳しい手順の流れは、楽天証券の公式サイトで確認しましょう。また、楽天証券でのNISA口座開設がまだの方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
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まとめ
本記事では、NISA口座でのIPO投資について解説しました。IPO株はNISAの成長投資枠で購入でき、初値売りの利益や配当金が非課税になります。ただし、公募割れした場合の損失は損益通算できず、当選確率も特定口座と変わりません。
初値上昇が見込める銘柄はNISA口座、公募割れのリスクが高い銘柄は特定口座という使い分けを意識することで、非課税メリットを活かしやすくなります。まずはNISA口座でIPO投資に参加してみて、経験を積みながら使い分けを検討してみてください。
【ご注意事項】
本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。配当金は企業の業績によって減額・廃止になる場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。記載のデータは2026年7月20日時点のものです。最新情報は各企業のIR資料等でご確認ください。


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