
本記事では、キオクシアホールディングス株式会社(東証プライム:285A)の配当状況や配当開始時期、今後の株主還元方針について解説します。
キオクシアは、スマートフォンやデータセンターなどで使われるNAND型フラッシュメモリを開発・製造・販売する日本最大級の半導体メーカーです。
2026年9月時点では配当を実施していませんが、累進配当の導入方針を発表しており、早ければ2027年3月期下期にも配当を開始する可能性があります。
キオクシアの株はNISAの成長投資枠でも購入できるので、非課税での運用も可能です。
目次
キオクシアは配当金なし|2026年9月時点

2026年9月時点で、キオクシアは配当を実施していません。キオクシアの配当について、以下の3点を解説します。
無配の背景と配当開始の見通しを把握することで、キオクシアが自分の投資スタイルに合う銘柄かどうかを判断しやすくなります。
なぜキオクシアは配当金なしなのか|財務健全化と成長投資を優先
キオクシアが無配である理由は、成長投資と財務健全化を優先しているためです。
設備投資に年間約4,700億円、研究開発に年間約2,300億円を投じる計画を掲げており、現時点では株主還元より事業基盤の強化が優先されています。
AI需要の拡大によりNAND型フラッシュメモリへの需要が急増しており、余剰資金が生まれた段階で株主還元を検討する方針です。
いつから配当金が開始されるのか|予想は2027年3月期下期ごろ
日本経済新聞の報道によると、キオクシアは早ければ2027年3月期下期(2026年10月〜2027年3月)にも配当を開始する可能性※があります。半導体メモリーの需要増加に加え、財務体質が改善してきたことが背景です。
ただし、開始時期や配当金額は2026年8月時点で未確定であり、今後の業績・財務状況によって変わる可能性があることを理解しておきましょう。
※参照元:日本経済新聞|キオクシア、累進配当を導入 業績急拡大で27年3月期下期にも開始
今後の配当方針について|累進配当方針を発表
キオクシアは将来的に「累進配当※」を導入する方針を発表しています。(※配当金を減らさず維持または増額していく方針)公表されている株主還元方針は、以下のとおりです。
- 基本となる還元として累進配当を開始する
- 資金に余裕がある場合は追加還元も検討する
- 複数年で積み上げた余剰資金から株主還元を検討する
設備投資・研究開発に必要な資金を確保したうえで、余剰資金を株主還元に充てる考えです。配当の開始時期や金額は確定していないため、今後のIR情報を定期的に確認しておきましょう。
キオクシアの株主優待|なし

2026年9月時点で、キオクシアは株主優待を実施していません。
現在は財務改善と成長投資を優先する段階にあり、配当・優待による短期的な還元を目的とした投資には向きにくい銘柄です。
ただし、累進配当の開始方針が表明されており、今後の還元拡大に期待する長期投資家からは注目を集めています。
株主優待がもらえるおすすめ銘柄については、こちらの「【お得な株主優待】初心者でも購入しやすい人気銘柄5選」記事を参考にしてみてください。
キオクシアの業績

2026年3月期(2025年4月1日〜2026年3月31日)を含む、過去5年分の業績を以下の表にまとめました。
(単位:百万円)
| 決算情報 | 売上高 | 営業利益 | 税引前利益 | 純利益 |
| 2026年3月期 | 2,337,628 | 870,369 | 784,095 | 554,490 |
| 2025年3月期 | 1,706,460 | 451,748 | 370,669 | 272,315 |
| 2024年3月期 | 1,076,584 | -252,698 | -343,330 | -243,728 |
| 2023年3月期 | 1,282,101 | -99,015 | -186,443 | -138,141 |
| 2022年3月期 | 1,526,495 | 216,228 | 154,356 | 105,921 |
参照元:キオクシアホールディングス株式会社|決算短信、キオクシアホールディングス株式会社|有価証券報告書
※IFRS採用企業のため、経常利益に代えて税引前利益を記載
2023〜2024年3月期はNANDフラッシュメモリの価格下落により、2期連続の赤字※となりました。(※参照元:日本経済新聞|決算:キオクシアが過去最大赤字 メモリー不振、4〜12月最終)その後、生成AIの普及によるデータセンター向け需要の急回復で業績が一転。
2026年3月期は売上高・純利益ともに過去5年で最高となり、売上高は前期比約37%増の約2兆3,376億円、純利益は前期比約104%増の約5,545億円を達成しています。
今後の業績を左右するのは、AIサービスの拡大によるデータセンター向け需要が続くかどうかです。
過去に経験したような市況悪化が再び起きた場合、業績が大きく落ち込むリスクがある点は理解しておきましょう。
キオクシアの事業内容

キオクシアは、フラッシュメモリやSSDなどの研究開発・製造・販売を手がけています。
おもな製品分野は、以下の3つです。
それぞれ紹介します。
フラッシュメモリ
フラッシュメモリは、電源を切ってもデータが消えない半導体メモリです。スマートフォン・タブレット・車載機器など幅広い製品に使われており、キオクシアの事業の中核を担っています。
SSD
SSDは、フラッシュメモリを使ってデータを保存する記憶装置です。
キオクシアは個人向けパソコン用から企業のサーバー、データセンター向けまで幅広い製品を提供しており、AI需要の拡大によりデータセンター向けの販売が急増しています。
SDメモリカードなどのリテール向け製品
スマートフォン・デジタルカメラ・ドライブレコーダーなどで使われるmicroSD・SDメモリカードが主力製品です。データの持ち運びに使うUSBフラッシュメモリも展開しています。
キオクシアと競合他社の業績比較

キオクシアと競合他社の業績を比較してみましょう。前年度(2026年3月期)の業績は以下のとおりです。
(百万円)
| 会社名 | 売上高 | 営業利益 | 税引前利益 | 純利益 |
| キオクシアホールディングス(285A) | 2,337,628 | 870,369 | 784,095 | 554,490 |
| ルネサスエレクトロニクス (6723) | 1,321,212 | 201,166 | -30,275 | -51,763 |
| ローム(6963) | 481,148 | 10,864 | 19,222 | -158,424 |
参照元:みんかぶ
※ルネサスエレクトロニクスは12月期決算、※ロームは日本基準のため、税引前利益ではなく経常利益を記載
売上高・純利益ともに、キオクシアが3社のなかで最大規模です。各社のおもな強みは、以下のとおりです。
- キオクシア:世界最大級のフラッシュメモリ専業メーカー
- ルネサスエレクトロニクス:自動車制御用半導体で世界トップクラスのシェア
- ローム:自動車や家電向けの電力制御半導体に強み
なお、ルネサスとロームは2026年3月期に最終赤字を計上しており、半導体業界全体が事業分野によって業績格差が大きい状況にあります。キオクシアはAI需要の恩恵を受けて好調を維持していますが、市況次第で業績が大きく変動する点を理解しておきましょう。
キオクシアの株価

キオクシアの株価は、57,000円(2026年9月9日終値)です。以下のチャートでは、2024年12月の上場以降における株価の推移を示しています。

出典:Yahoo!ファイナンス|キオクシアホールディングス(株)【285A】:株価チャート
2024年12月の上場当初は1,500円前後で推移していましたが、その後急騰しています。
2025年はアメリカが中国向け半導体製造装置の輸出規制を強化したことで、中国以外のメーカーに需要が集まるとの見方が広がり、株価は1万円前後まで上昇。
2026年には日経平均株価への採用やAIインフラ向け成長戦略・株主還元方針の発表が相次ぎ、11万円台まで上昇しました。その後、OpenAIの上場延期検討報道をきっかけにAI関連株全体に売りが広がり、6月26日には12%下落。2026年8月現在は、50,000円前後で取引されています。

キオクシアホールディングスは、生成AI向けデータセンター需要を追い風に業績が大きく伸びている半導体メモリ大手です。ただし、現時点では普通株式の配当実績がなく、2027年3月期も期末配当は未定です。会社は将来的な株主還元方針を示していますが、半導体メモリは市況変動が大きく、設備投資負担も重い業界です。配当開始時期のアナウンスがあった段階改めてリサーチします。
また、キオクシアと競合他社の株の値動きについては、以下の表を参考にしてみてください。
| 会社名 | 現在の価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
| キオクシアホールディングス(285A) | 57,150円(以下26/8/18終値) | 112,700円(26/6/22) | 10,945円(26/1/6) |
| ルネサスエレクトロニクス (6723) | 3,807円 | 5,284円(26/6/23) | 2,136円(26/3/31) |
| ローム(6963) | 5,040円 | 6,099円(26/7/6) | 2,247円(26/1/5) |
参照元:Yahoo!ファイナンス|日本株
キオクシアの自己株式取得|実施あり

2026年7月31日の取締役会において、キオクシアは上場後初となる自己株式取得を決議しました。詳細は以下のとおりです。
- 対象:普通株式
- 取得総数:3,000万株(上限)
- 取得価額の総額:8,000億円(上限)
- 取得期間:2026年8月3日〜2026年10月30日
- 取得方法:東京証券取引所における市場買付
※参照元:キオクシアホールディングス|自己株式の取得枠設定に関するお知らせ
AI・データセンター向け需要の拡大により財務基盤が強化されたことを受けた実施であり、資本効率の向上と株主還元の充実を目的としています。現在は無配ですが、自己株式取得は株主への利益還元につながる施策のひとつです。
キオクシア 配当のまとめ

本記事では、キオクシアの配当状況と今後の株主還元方針について解説しました。
設備投資・研究開発への資金確保と財務健全化を優先しているため、2026年8月時点では無配が続いています。
ただ、累進配当の導入方針が表明されており、早ければ2027年3月期下期にも配当が開始される可能性があります。
現時点では配当収入を目的とした投資には向きにくい銘柄ですが、AI需要の拡大を背景に業績は急拡大しており、上場後初の自己株式取得も実施済みです。
今後の配当開始や増配の動向については、IR情報を定期的に確認しておきましょう。
銘柄選びの参考になれば幸いです。
【ご注意事項】
本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。配当金は企業の業績によって減額・廃止になる場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。記載のデータは2026年9月9日時点のものです。最新情報は各企業のIR資料等でご確認ください。



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