
企業が初めて一般投資家に向けて株式を公開するイベント「IPO」。
上場直後に株価が上昇しやすい傾向があり、投資家にとっては値上がり益が狙えるタイミングとして知られています。
スペースXやOpenAIなど注目度の高い米国企業のIPOが相次いで報じられるなか、「上場前に買えないか」と興味を持った方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、米国のIPO株を個人投資家が上場前に購入するのは原則できません。それでも米国株IPOで利益を狙う方法はあるため、本記事では米国と日本のIPOの違いから、実際の買い方・注意点までを解説します。
米国IPO株に興味がある方は、仕組みを正しく理解したうえで投資判断の参考にしてみてください。
目次
日本人は米国株IPOを上場前に買えるのか?|原則不可能

日本の個人投資家が米国のIPO株を上場前に購入することは、原則できません。
米国のIPOにおけるブックビルディング(上場前の株式割当)は、機関投資家や大手投資銀行の優良顧客向けが中心です。一定以上の預金残高や取引実績を持つ富裕層投資家でなければ、割当を受けることは極めて困難でしょう。
そのため、日本の個人投資家が米国IPO株を購入する場合は、上場直後に市場で買う方法が現実的な選択肢となります。
米国株IPOの買い方については、こちらの「米国株IPOを買う流れ|4ステップ」で解説しています。
米国株IPOと日本株IPOの違い

IPO(新規株式公開)とは、企業が初めて一般投資家に向けて株式を公開する手続きのことです。上場前に株式を取得できるため、初値上昇による利益を狙える機会として注目されています。
米国と日本では、IPOに対する考え方が大きく異なります。
おもな違いを下表にまとめました。
| 項目 | 日本株IPO | 米国株IPO |
| 承認~上場までの期間 | 数か月~1年 | 1~2週間 |
| 株式の配分先 | 機関投資家+個人投資家 | ほぼ機関投資家 |
| 個人投資家の購入方法 | 証券会社の抽選に当選 | 上場後に市場で購入 |
| 価格の決定時期 | 上場前 | 上場直前 |
| 個人投資家の参加目的 | 初値売りによる短期利益 | 企業成長を見極めながらの長期投資 |
日本では個人投資家も抽選で上場前に購入できますが、米国では上場後に市場で買うのが一般的です。また、米国は上場決定から実施までの期間が非常に短く、迅速な判断が求められます。
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IPO(新規株式公開)株初心者が知っておくべき基礎知識と成功のコツ
米国株IPOを買うメリット・デメリット

米国株のIPOに参加するメリットとデメリットを以下の表にまとめました。
| メリット | デメリット |
| ・上場直後に株価が上昇しやすく、短期的な利益が見込める ・成長が期待できる企業に早くから投資して大きな利益を狙える ・日本株や成熟株と組み合わせてリスク分散ができる | ・上場直後は価格が上昇しやすく、予定以上に費用がかかるケースがある ・株価推移に応じて瞬時に売買を決断しなければならず、ストレスが大きい ・為替の状況によっては円換算で損をする場合がある |
最大のメリットは、成長が期待できる企業に早い段階から投資できる点です。
上場直後から保有し続け、将来大企業へと成長すれば、大きな利益につながる可能性があります。一方、日本人が米国株に投資すると為替リスクが伴います。
ドルベースでは利益が出ていても、円高が進むことで円換算の利益が目減りしたり、元本割れになる可能性について理解しておきましょう。
米国株IPOの買い方|2パターン

米国IPO株の買い方はおもに2つです。
それぞれの特徴を把握したうえで、自分の投資目的に合った方法を選びましょう。
上場直後に国内証券会社で買う|ハードルが低め
米国のIPO株は、上場直後に国内の証券会社で購入するのが最もハードルの低い方法です。米国株取引に対応しているおもな証券会社※を、以下に列挙しました。※2026年5月時点
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
- 松井証券
- auカブコム証券
- 三菱UFJeスマート証券
- DMM.com証券
- moomoo証券
- IG証券
- JTG証券
上記のうち「SBI証券」「楽天証券」「moomoo証券」には米国株IPOに関する専用ページがあり、銘柄や注文に関する詳細な情報が載っています。
3社の情報については、以下の表を参考にしてみてください。
| SBI証券 | 楽天証券 | moomoo証券 | |
| 米国IPO株関連ページ | 米国株IPO銘柄のお取引の魅力 | 新規公開株式(IPO) | 米国IPO口座|IPO株の買い方と投資戦略 |
| 注文受付 | 16:30(日本時間)ごろ | 初値確認後 | 20:00(日本時間)※変更になる場合あり。最新情報はmoomoo証券公式サイトでご確認ください |
なお、取扱いは各証券会社が予定する銘柄に限られます。また、上場企業の判断で上場日が変更・延期になる場合があるため、事前にスケジュールを確認しておきましょう。
米国株IPO関連のETFを買う|国内証券会社を利用
個別のIPO株ではなく、IPO関連のETF(上場投資信託)を購入するのも方法のひとつです。
IPO株は上場直後に価格が大きく上下しやすいため、タイミングを誤ると想定外の損失につながるリスクがあります。
ETFなら複数のIPO株に分散して投資できるため、個別株IPOより損失を抑えやすいです。
例)First Trust US Equity Opportunities ETF」(FPX)
IPO投資が初めての方は、まずETFで感覚をつかんでから個別株に挑戦することを検討してみてください。
米国株IPOを買う流れ|4ステップ

一般の日本人投資家が米国株IPOを購入する場合、以下の流れで「上場直後に国内証券会社で買う」のが一般的です。
- 米国株対応の国内証券会社で口座を開設する
- IPOスケジュールと銘柄情報を確認する
- 上場当日に初値がつくのを待つ|日本時間の22:30~23:30以降
- 初値確認後に注文を出して約定させる
流れを事前に確認しておくことで、初めての米国IPO購入もスムーズに進められるでしょう。
1.米国株対応の国内証券会社で口座を開設する
まず、米国株取引ができる証券会社で口座を開設します。なかでも「SBI証券」「楽天証券」などの大手ネット証券がおすすめです。
証券会社によっては総合口座とは別に「外国株取引口座」の開設が必要な場合があります。
楽天証券のように別口座が不要な会社もあるため、利用予定の証券会社の手続きを事前に確認しておきましょう。
口座開設後は日本円を入金し、円貨決済の設定をするか、事前に米ドルへ両替しておきます。
なお、SBI証券・楽天証券など一部の証券会社では、対象銘柄に限りNISA(成長投資枠)で米国IPO株を購入できる場合があります。NISA口座をお持ちの方は、各社の公式サイトで取扱状況を確認してみてください。
関連記事
NISAで米国株を買う方法|口座開設から注文までの手順を解説
2.IPOスケジュールと銘柄情報を確認する
口座を開設したら、購入したい銘柄の情報とIPOに関するスケジュールを確認します。以下の表では、どこから・どのような情報を把握しておくべきかをまとめました。
| チェック項目 | 参考情報の例 |
| ・企業名 ・ティッカーシンボル (企業名を表す4文字程度の英数字) ・主要取引所 ・上場予定日 | ・証券会社の「米国IPO株一覧」 ・NASDAQのIPOカレンダー ・米国の金融ニュースサイト |
米国のIPOは決定から実施までの期間が非常に短いため、証券会社のページやNASDAQのIPOカレンダーをこまめに確認して、最新情報を把握しておきましょう。
3.上場当日に初値がつくのを待つ|日本時間の22:30〜23:30以降
市場がオープンしたら、IPO銘柄に初値がつくのを待ちます。初値がつくまでは個人投資家は注文を入れられません。ニューヨーク証券取引所とNASDAQ取引所の営業時間は、下記のとおりです。
| 時期 | 通常営業時間(日本時間) |
| サマータイム時(3月第2日曜日〜11月第1日曜日) | 22:30~翌日5:00 |
| サマータイム以外 | 23:30~翌日6:00 |
なお、初値は市場オープンと同時につくわけではありません。売りと買いの注文バランスが整うまでに時間がかかるため、オープンから数時間後に初値がつくケースもあります。証券会社の注文画面で気配値を確認しながら待ちましょう。
4.初値確認後に注文を出して約定させる
初値がついたら、通常の米国株と同じ手順で注文を出します。
ただし、個人投資家が最初に目にする価格は公募価格より高くなっているケースが多いため、当初の想定と比べて無理なく買える範囲かを確認してから注文しましょう。
注文方法は「成行注文」か「指値注文」のいずれかです。
| 注文方法 | 成行注文 | 指値注文 |
| 内容 | 銘柄と株数のみ指定 | 銘柄・株数・希望価格を指定 |
| メリット | 時機を逃さず売買できる | 希望価格より不利な価格では成立しない |
| デメリット | 意図しない価格で成立するリスクがある | 折り合いがつかず売買が成立しないリスクがある |
約定後は保有銘柄一覧に反映されているかを確認します。上場直後は価格変動が激しいため、購入後も値動きをチェックしておきましょう。
米国株IPOを買うときの注意点|3つ

米国IPO株を買うときは、下記の3点に注意しましょう。
上記のリスクを事前に把握しておけば、想定外の事態にも冷静に対処できるでしょう。
上場中止になることがある
IPO株は直前に上場中止・延期となるケースがあります。おもな理由は以下のとおりです。
| 中止の理由 | 詳細・具体例 |
| 市場環境の変化 | 供給過多により買い手が集まらない |
| 相場の急変 | 戦争、大企業の倒産、疫病の蔓延など |
| 事前告知ルール(ガン・ジャンピング)違反 | 上場申請で不適切な告知をおこない、申請が却下された場合 |
| 証券会社の発行キャンセル | 投資家の需要が不足した場合、主幹事証券会社が発行を取りやめられる |
上場中止になると、購入を見込んで準備した資金や調査にかけた時間が無駄になります。資金面での損失は発生しなくとも、機会損失として再スケジュールが必要になる点を念頭に置いておきましょう。
円高が進むと利益が目減りする|為替リスク
日本人が米国株取引をする場合、為替リスクが伴います。購入後に円高が進むと、円換算の利益が減少・消失するリスクがあります。以下の例で確認してみましょう。
- 購入時:1ドル=150円、1株100ドルの株を100株購入→購入額150万円
- 売却時:株価は1株120ドルに上昇するも、1ドル=110円に円高が進行
- 売却額:120ドル×100株×110円=132万円(購入額より18万円の損失)
株価が上がっても、為替次第で損失が発生するのが為替リスクです。円高傾向のタイミングでの売却時には、為替を考慮して計算する必要があります。
関連記事
米国株の確定申告|為替差益の計算方法と申告手順をわかりやすく解説
上場直後は価格変動が激しい|高値掴みリスク
IPO株は上場直後に価格が急騰しやすく、高値掴みのリスクが生じます。
IPO株の公募価格は、需要調査(ブックビルディング)の結果をもとに発行企業と主幹事証券会社が協議して決定されますが、低めに設定される傾向があるため
証券会社はIPO株の公募価格をあえて低めに設定する傾向があるため、初値が公募価格を大きく上回るケースが多いためです。米国株の場合、日本の個人投資家が公募価格で買うことはほぼできません。
最初に目にする価格がすでに急騰した後の水準である可能性が高く、勢いで飛びつくと直後の急落で損失が出るリスクがあります。想定より大幅に高値になっている場合は、購入を見送ることも-選択肢のひとつ 検討すべきです。
米国株IPOを買うときの注意点|3つ
米国IPO株を買うときは、下記の3点に注意しましょう。
上記のリスクを事前に把握しておけば、想定外の事態にも冷静に対処できるでしょう。
上場中止になることがある
IPO株は直前に上場中止・延期となるケースがあります。おもな理由は以下のとおりです。
| 中止の理由 | 詳細・具体例 |
|---|---|
| 市場環境の変化 | 供給過多により買い手が集まらない |
| 相場の急変 | 戦争、大企業の倒産、疫病の蔓延など |
| 事前告知ルール(ガン・ジャンピング)違反 | 上場申請で不適切な告知をおこない、申請が却下された場合 |
| 証券会社の発行キャンセル | 投資家の需要が不足した場合、主幹事証券会社が発行を取りやめられる |
上場中止になると、購入を見込んで準備した資金や調査にかけた時間が無駄になります。資金面での損失は発生しなくとも、機会損失として再スケジュールが必要になる点を念頭に置いておきましょう。
円高が進むと利益が目減りする|為替リスク
日本人が米国株取引をする場合、為替リスクが伴います。購入後に円高が進むと、円換算の利益が減少・消失するリスクがあります。
以下の例で確認してみましょう。
- 購入時:1ドル=150円、1株100ドルの株を100株購入→購入額150万円
- 売却時:株価は1株120ドルに上昇するも、1ドル=110円に円高が進行
- 売却額:120ドル×100株×110円=132万円(購入額より18万円の損失)
株価が上がっても、為替次第で損失が発生するのが為替リスクです。円高傾向のタイミングでの売却時には、為替を考慮して計算する必要があります。
関連記事
米国株の確定申告|為替差益の計算方法と申告手順をわかりやすく解説
上場直後は価格変動が激しい|高値掴みリスク
IPO株は上場直後に価格が急騰しやすく、高値掴みのリスクが生じます。IPO株の公募価格は、需要調査(ブックビルディング)の結果をもとに発行企業と主幹事証券会社が協議して決定されますが、低めに設定される傾向があるため、初値が公募価格を大きく上回るケースが多いためです。
米国株の場合、日本の個人投資家が公募価格で買うことはほぼできません。最初に目にする価格がすでに急騰した後の水準である可能性が高く、勢いで飛びつくと直後の急落で損失が出るリスクがあります。
想定より大幅に高値になっている場合は、購入を見送ることも選択肢のひとつです。
よくある質問
Q. 米国IPO株はNISA口座で買えますか?
SBI証券・楽天証券など一部の証券会社では、対象銘柄に限りNISAの成長投資枠で米国IPO株を購入できる場合があります。ただし取扱銘柄は証券会社・時期によって異なるため、各社の公式サイトで確認してください。
Q. SBI証券で米国株のIPOは買えますか?
SBI証券では米国IPO株の専用ページがあり、取扱銘柄の情報確認や注文が可能です。注文受付は日本時間16:30ごろから始まります。
Q. 米国IPOが上場中止になったらどうなりますか?
上場前に中止となった場合、資金の損失は発生しません。ただし、銘柄調査や資金確保にかけた時間は無駄になります。上場中止はよくあることなので、1銘柄に資金を集中させず複数の候補を持っておくことをおすすめします。
まとめ

米国株IPOの買い方をまとめると、日本の個人投資家が参加できる現実的な方法は上場直後に国内証券会社で購入することです。米国のIPO株は、個人投資家が上場前に購入することはできません。
上場後に市場で買うのが現実的な方法です。
ただし、上場直後はすでに価格が急騰しているケースが多く、勢いで飛びつくと高値掴みになるリスクがあります。
「〇〇円以下なら買う」や「購入後に〇〇%下落したら損切りする」など、事前にルールを決めた上で注文しましょう。
為替リスクや上場中止の可能性も念頭に置きながら、企業の将来性を十分に見極めた上で投資判断をしてください。
※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 ※株式投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。 ※記載のデータは2026年5月時点のものです。最新の情報は各証券会社の公式サイトでご確認ください。



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