
日本郵政株式会社(東証プライム:6178)は、おもに郵便局を運営している日本の物流企業です。
1株あたり年間50円の配当金を5年以上維持しており、2025年3月期(2024年4月1日〜2025年3月31日)の配当金も50円の予定です。
本記事では、日本郵政の配当金額やいつもらえるか、配当利回り、配当性向について解説します。
日本郵政の株はNISAの成長投資枠でも買えるので、非課税での運用できます。
目次
日本郵政の配当金はいくら|7年連続で50円予想
2026年3月期の日本郵政の配当金は、1株あたり年間50円の予定です。そのため単元株の100株を年間で持っていれば、5,000円の配当金がもらえます。
ちなみに、日本郵政の株価は1,350円なので、この100株を買うためには135,000円※が必要です。(※2025年7月18日終値を使用)日本郵政は、2019年3月期から7年連続で50円の配当金を維持しています。
運営方針としては、自社の成長に必要な資金を確保しつつも、株主への利益還元を行うことです。2026年3月期末までは「1株あたりの年間配当50円」を目安にすると公表しています。
そのため、次期の配当金を予想しやすいので、日本郵政はインカムゲインを狙った投資判断がしやすいです。しかし、あくまで50円の配当金は予想の数値なので、実際は変更される可能性があります。
株式の費用と配当の関係は下記のようになります。また日本郵政の配当で10万もらうための投資金額は下記のようになります。
配当からは税金が差し引かれます
ただし、配当所得として20.315%の税金が差し引かれるので、実際に支払われる金額は3,984円です。
【税引後に受け取れる配当金】(50円×100株)×(1−20.315%)=3,984.25円
配当金にかかる税金や節税方法を知りたい方は、こちらの「配当金に税金はかからない?節税のコツや新NISAで非課税で受け取る方法を解説」記事をごらんください。
以下、過去6年分の配当金の推移です。
事業年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計額 |
2025年3月期(予想) | 25円 | 25円 | 50円 |
2025年3月期 | 25円 | 25円 | 50円 |
2024年3月期 | 25円 | 25円 | 50円 |
2023年3月期 | – | 50円 | 50円 |
2022年3月期 | – | 50円 | 50円 |
2021年3月期 | – | 50円 | 50円 |
2020年3月期 | 25円 | 25円 | 50円 |
参照元:日本郵政|配当情報
日本郵政の配当金はいつもらえる|12月、6月予定
日本郵政の配当金は、中間と期末の合計2回にわけて支払われます。日本郵政の株主確定日と配当金の支払い時期を、以下の表にまとめました。
項目 | 中間配当 | 期末配当 |
権利確定日 | 9月30日 | 3月31日 |
支払い時期 | 12月 | 6月 |
日本郵政の配当金を受け取るには、株主名簿への登録が必要です。
反映に時間がかかるので、2025年3月期の中間配当を受け取るために、基準日の2営業日前(2025年9月26日15時30分)までに株を買いましょう。
日本郵政の配当利回りと配当性向|利回り3%以上キープ
2025年3月期の日本郵政の配当利回りは3.12%で、配当性向は41.9%です。2026年3月期の予想は配当利回り3.75%、配当性向は39.1%となっています。直近5年間の推移については、以下の表を参考にしてみてください。
事業年度 | 配当利回り | 配当性向 |
2026年3月期(予想) | 3.75% | 39.1% |
2025年3月期 | 3.11% | 41.9% |
2024年3月期 | 4.11% | 62.3% |
2023年3月期 | 4.91% | 41.4% |
2022年3月期 | 5.38% | 37.9% |
2021年3月期 | 6.13% | 48.3% |
過去5年間の日本郵政の配当利回りは、4%以上をキープしています。今期は4%を切っていますが、日経平均やプライム市場全銘柄の配当利回りは平均2%前後です。そのため、日本郵政の配当利回り(3.12%)は、高水準だと言えるでしょう。
また、配当性向は37〜62%程度で推移しています。日本郵政が掲げる「自社の成長資金を確保しつつも、株主に利益を還元する」という方針を実現できている数値だと言えるでしょう。
以下の表では、日本郵政の配当利回りと配当性向を、競合他社と比べています。
会社名 | 配当利回り(2025年3月期) | 配当性向 (2024年3月期実績) |
日本郵政(6178) | 3.11% | 41.9% |
ヤマト運輸(9064) | 2.56% | 41.11% |
佐川急便(9143) | 3.36% | 55.96% |
参照元:みんかぶ
直近5年間の配当利回りを見ると、ヤマト運輸は2%前後、佐川急便は1.5〜3.6%で推移しています。つまり、3%以上をキープしている日本郵政の配当利回りは高水準です。
配当性向と配当利回りは、企業を評価するときに使う指標です。
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるかを示す指標です。計算式は次のようになります。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当性向は、税金を差し引いた企業の純粋な利益である当期純利益のうち、配当に回される額を表した割合です。計算式は次のようになります。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
目安となる数値や詳しい計算方法については、こちらの「配当利回りと配当性向とは?違いや計算式、目安となる数値を解説」記事で解説しています。
日本郵政の株主優待|実施なし
日本郵政グループは、株主優待を実施していません。
運営方針は「自社の成長に必要な資金を確保しながら、株主への利益還元を行う」なので、日本郵政の株を持っていれば、今後も継続して配当収入が得られる可能性があります。
株主優待がもらえる銘柄を見たい方はこちらの「株のプロのアナリストが教える株主優待銘柄の探し方とおすすめ穴場銘柄8選」記事をご覧ください。
日本郵政の業績|前期の落ち込みを回復する見込み
2025年3月期(2024年4月1日〜2024年12月末時点)を含む、直近5年分の業績を以下の表にまとめました。
(単位:百万円)
決算情報 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
2025年3月期 | 11,468,368 | – | 814,596 | 370,564 |
2024年3月期 | 11,982,152 | – | 668,316 | 268,685 |
2023年3月期 | 11,138,570 | – | 657,663 | 431,045 |
2022年3月期 | 11,264,774 | – | 991,464 | 501,685 |
2021年3月期 | 11,720,403 | – | 914,164 | 418,238 |
参照元:日本郵政|決算発表資料
2025年3月期において、日本郵政の業績は好調です。2024年12月末時点で、純利益が約2,649億円(前年同期比19.4%増)となっており、すでに通期予想の2,800億円の94.6%を達成しています。
好調である理由は、以下2つの金融部門での業績が伸びているからです。
- かんぽ生命:純利益844億円(29.6%増※)
- ゆうちょ銀行:純利益3,083億円(17%増※)※前年同期比
しかし、郵便・物流事業では378億円の損失を出しています。2024年3月期に落ち込んだ純利益を今期は回復しつつあるので、今後は物流事業の見直しによる業績アップが課題となるでしょう。
日本郵政の事業内容
日本郵政グループの事業内容は、以下の3つにわかれています。
それぞれ見ていきましょう。
日本郵便|物流事業、郵便局窓口
日本郵便は全国の郵便局を通じて、郵便・物流・金融サービスを提供しています。
事業 | 概要 | 特徴 |
郵便・物流 | 郵便配達と宅配便サービス | ・全国3,100万カ所への配達 ・DXと機械化で効率化を推進 ・効率よく小型荷物を運ぶバイク配達 |
郵便局窓口 | 郵便、銀行、保険の窓口業務 | ・物販や自治体事務を実施 ・地域に合わせたサービス展開 |
国際物流 | 国際的な貨物輸送サービス | ・150カ国での事業展開 ・温度管理を徹底した物流システム |
2024年3月31日時点、日本郵政調べ
地域に根ざしたサービスを提供しながら、国際的な物流サービスにも力を入れています。
かんぽ生命|生命保険業
かんぽ生命は、日本郵政が全国の郵便局を通じて生命保険を提供している事業です。
他社の商品も取り扱っており、顧客のニーズや状況に合った内容の保険を提案しています。
身近な郵便局で手続きができるので、国内でも最大級の顧客数を誇ります。
ゆうちょ銀行|銀行業
ゆうちょ銀行は、全国に約2.4万箇所※にある郵便局で行なっている銀行事業です。(※2024年3月31日時点、日本郵政調べ)
国内最大規模となる1.2億人分の口座数※を誇り、預金や貸出などの金融サービスを提供しています。
投資信託や保険も取り扱っており、デジタル化や新NISAへの対応を進めています。
日本郵政と競合他社の業績比較
日本郵政と競合他社の業績を比較してみましょう。前期(2024年3月期)の業績は、以下のとおりです。
(百万円)
会社名 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
日本郵政(6178) | 11,982,152 | – | 668,316 | 268,685 |
ヤマト運輸(9064) | 1,758,626 | 40,059 | 40,458 | 37,626 |
佐川急便(9143) | 1,316,940 | 89,204 | 90,850 | 58,279 |
参照元:みんかぶ
日本の物流企業3社のなかでも、日本郵政の業績は圧倒的に高いです。2024年3月期において、日本郵政の純利益は、ヤマト運輸の約7.1倍、佐川急便の約4.6倍を記録しています。
また、佐川急便の今期(2025年3月期)の純利益は、前年同期より約6%高い純利益を記録していますが、ヤマト運輸は約38%減少しています。競合他社より大きく業績を伸ばしている日本郵政は、日本の物流企業と比べても成長が期待できる企業だと言えるでしょう。
日本郵政の株価
日本郵政の株価は、1,559.5円(2025年3月17日終値)です。以下のチャートでは、直近10年間の株価の推移を示しています。
出典:日本郵政|株価情報
日本郵政の株は、2015年11月4日に「東京証券取引所」に上場しました。
当時は1,600〜1,900円程度で取引されていましたが、徐々に値下がりして、2020年には700円台まで下落。その後の価格は右肩上がりで、2023年には1,000円を突破して、2025年2月現在は1,600円前後で取引されています。
日本郵政は配当利回り3.1%と安定性がバランス良く、少額投資(1株約1,610円)から始められる点も魅力的です。NISA活用で非課税メリットを享受しつつ、安心して保有できる選択肢の1つとなる銘柄です。
配当利回り3.2%は現状の定期預金を上回る利率!業績の柱である郵便・銀行・保険事業のバランスが取れているので配当投資をお考えの方には選択肢の1つになりえる銘柄です。不動産を多く保有しているので、今後の活用が成長のカギになる可能性があります。

また、日本郵政と競合他社の株の値動きについては、以下の表を参考にしてみてください。
会社名 | 現在の価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
日本郵政 (6178) | 1,559.5円(以下2025/3/14終値) | 1,698円(2024/7/16) | 1,185円(2024/8/5) |
ヤマト運輸(9064) | 1,952円 | 2,762円(2024/1/10) | 1,524円(2024/8/7) |
佐川急便(9143) | 1,595円 | 2,139円(2024/1/15) | 1,352円(2024/7/10) |
参照元:Yahoo!ファイナンス|日本株
日本郵政の自己株式取得
2025年3月期において、日本郵政は自己株式取得を実施しています。直近で実施された自己株式取得の概要を、以下の表にまとめました。
株式の種類 | 普通株式 |
取得総数 | 17,949,800株 |
取得価額の総額 | 26,230,448,000円 |
取得期間 | 2024年5月16日~2024年5月31日 |
取得の方法 | 株式会社東京証券取引所の立会市場における取引による買付け |
また、2024年5月16日〜2025年3月31日までの期間で、日本郵政は3.2億株(上限)の自己株式取得を予定しています。
自己株式取得のメリットは、市場に流通する株式数が減少するため、1株当たりの利益が増加します。 その結果、株価の安定や上昇、株主の投資意欲の高まりが期待できます。 また、配当金支払額の抑制にもつながり、企業の財務体質改善にも貢献します。
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まとめ
本記事では、日本郵政の配当金について解説しました。
2025年3月期において、日本郵政の配当金は「1株あたり年間50円」が予定されています。
100株あたり年間5,000円が支払われますが、実際に振り込まれる金額は税引後の3,984円です。
直近5年間で日本郵政の配当利回りは3%以上と、高い水準をキープしています。
2026年3月期までは50円の配当金を維持する方針なので、株価をチェックしておけば、来年度の利回りも予想しやすいでしょう。
2025年3月期の日本郵政は、とくに金融事業の業績が好調で、第3四半期決算時点での純利益は前年同期より19.4%多くなっています。しかし、物流事業では300億円以上の損失が出ているので、これから解決すべき課題もあるようです。
日本郵政の配当金は、中間配当は12月頃、期末配当は6月頃に支払われる予定です。
今期、日本郵政の期末配当を受け取りたい方は、基準日の2営業日前までに株を買いましょう。
銘柄選びの参考になれば幸いです。
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