
アルファベット(Alphabet)は、検索エンジン最大手のGoogleを傘下に持つ、アメリカのIT企業です。
自社への成長投資を優先するために、かつては配当を実施していませんでしたが、2024年6月に同社初となる配当金の支払いを実施し、利益還元の方針を大きく転換しました。
本記事では、アルファベットが初配当に至った背景や現在の配当利回り、投資する上での強みとリスクを解説します。
これからの米国株投資における判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。
目次
アルファベット(Alphabet)の配当金

アルファベット(Alphabet)の配当金について、以下の4点を解説します。
アルファベットが自分の投資スタイルに合うかどうかの判断材料にしてみてください。
日本円でいくら?|1株あたり年間約134円
2025年12月期において、アルファベットの配当金は1株あたり年間約0.84ドル(約134円※)です。※2026年3月13日終値(1ドル=159.74円)で計算
配当開始から現在までの配当金の推移を、以下の表にまとめました。
(1株あたり・単位:USドル)
| 事業年度 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 年間合計額 |
| 2025年12月期 | 0.21 | 0.21 | 0.21 | 0.21 | 0.84 |
| 2024年12月期 | 0.20 | 0.20 | 0.20 | 0.20 | 0.80 |
元々、アルファベットは配当を実施していませんでしたが、2024年6月に同社初となる配当金の支払いを実施。
2024年12月期は年間0.80ドルの配当が支払われ、翌年度は年間0.84ドルと増配を記録しています。
いつもらえる?|6月・9月・12月・翌3月の年4回
アルファベットの配当金は、毎年3月、6月、9月、12月の年4回に分けて受け取れます。配当金の受取時期と権利確定日を、下表にまとめました。
| 項目 | 権利確定日 | 受け取り時期 |
| 第1四半期 | 6月上旬~中旬 | 6月中旬 |
| 第2四半期 | 9月上旬~中旬 | 9月中旬 |
| 第3四半期 | 12月上旬~中旬 | 12月中旬 |
| 第4四半期 | 翌3月上旬~中旬 | 翌3月中旬 |
アルファベットの配当金を受けとるためには、株主確定日までに株式を保有する必要があります。
証券会社によっては注文反映に時間がかかる場合があるため、日時に余裕を持って株式を購入しておきましょう。
配当利回りと配当性向
2025年12月期において、アルファベットの配当利回りは0.26〜0.48%、配当性向は8.01%です。過去の推移については、以下の表をご覧ください。
| 事業年度 | 配当利回り | 配当性向 |
| 2025年12月期 | 0.26~0.48% | 8.01% |
| 2024年12月期 | 0.46~0.53% | 不明 |
参照元:Investing.com|アルファベット株式配当、Koyfin|Alphabet Inc. ( GOOG )Dividend Date & History
日本の「高配当株」の基準である配当利回り3〜4%と比較すると、アルファベットの配当利回りは低めです。
現状、アルファベットに投資する場合、配当収入より長期的な株価上昇を見込んだ保有が適しているでしょう。
競合他社との比較|アマゾン、アップル、マイクロソフト、メタ
アルファベットの配当利回りと配当性向を、世界的なテクノロジー企業「GAFAM」に含まれる4社と比較しました。
【2025年12月期の実績】
| 企業 | 配当利回り | 配当性向 |
| アルファベット(Google) | 0.26〜0.48% | 8.01% |
| アップル(Apple)※ | 0.40% | 13.15% |
| メタ(Meta) | 0.33% | 8.81% |
| アマゾン(Amazon) | 配当なし | 配当なし |
| マイクロソフト(Microsoft)※ | 0.89% | 21.19% |
※アップルは9月期決算、マイクロソフトは6月期決算
参照元:Investing.com|アップル株式配当、Investing.com|メタ株式配当、Investing.com|アマゾン株式配当、Investing.com|マイクロソフト株式配当
GAFAMで比較すると、アルファベットの配当利回りはアップルやメタとほぼ同水準です。
一方、マイクロソフトは配当利回り・配当性向ともにGAFAMのなかで最も高く、株主還元に積極的な姿勢が見られます。
アマゾンは配当を実施しておらず、各社の還元方針には差があります。
アルファベット(Alphabet)の事業内容|Googleを手がけるIT企業

| 項目 | 内容 |
| 名称 | Alphabet Inc. |
| 設立 | 2015年 |
| 本社 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州 アンフィシアターパークウェイ |
| 代表者 | Sundar Pichai(スンダー・ピチャイ) |
| 事業分野 | ・Googleサービス:インターネット製品、ハードウェア ・Googleクラウド:企業向けクラウド、業務用ツール ・Other Bets:新規技術開発事業 |
アルファベット(Alphabet)は、世界最大規模の検索エンジン「Google」を中心に、幅広いITサービスを展開するアメリカの企業です。
おもな売上は「広告収入」で、クラウドやサブスクリプション、端末販売が多角的な成長を支えています。
売上の約半分はアメリカ国外での売上のため、アルファベット株に投資する際は世界経済にも注目すべきです。
Googleサービス
Googleサービスはアルファベットの中核事業で、インターネット製品やハードウェアの提供をおこなっています。
おもな製品・サービスには、以下が挙げられます。
- インターネット検索(Google検索)
- 動画配信プラットフォーム(YouTube)
- モバイルOS・ウェブブラウザ(Chrome)
上記サービスを通じた集客により、広告や課金などで収益をあげています。
Googleクラウド
Googleクラウドは、おもに企業向けのクラウドと業務用ツールの提供をおこなう事業です。主力の広告事業に続く、アルファベットの成長に欠かせない事業と位置づけられています。
具体的には、Google Cloud PlatformやWorkspaceを拡大させ、事業向けのインフラ整備や営業体制の拡充に注力してきました。
インフラ系のクラウド市場で世界3位となり、2024年12月期に純利益が大幅に増えたことも配当実施につながった要因といえます。
Other Bets
Other Bets(アザー・ベッツ)は、AIや次世代テクノロジーを活用したプロジェクトに取り組む成長投資部門です。
代表的なものに、完全自動運転技術を開発する「Waymo(ウェイモ)」や、ヘルスケア分野の「Verily(ヴェリリー)」があります。
Other Betsでは、研究開発や設備投資を先行しておこない、長期的に優位な立場とさらなる収益を目指す方針です。
アルファベット(Alphabet)への投資メリットと5つの強み

アルファベット(Alphabet)への投資メリットと強みは、以下の5つです。
- 「Google配当なし」からの増配への転換
- AI業界で「Gemini」がトップ争いをしている
- 自社株買いの規模がGAFAMのなかでもトップクラス
- サブスクリプション収入が急成長している|YouTube
- 圧倒的なキャッシュフローを誇る|成長投資と株主還元を両立
上記を理解すると、アルファベットがあなたの投資スタイルに合う銘柄かを冷静に判断できるでしょう。
「Google配当なし」からの増配への転換|2024年6月
2015年に設立されたアルファベットは、当初から配当を実施していませんでした。
しかし、2024年6月に創業以来初となる配当金を支払い、約10年間の無配当から方針転換を図りました。配当が実施されたおもな背景として、以下の2点が挙げられます。
- 時価総額が2兆ドルを超え、財務的な余力が蓄積された
- 自社株買いで株主還元を続けてきたが、メタ(Meta)が初配当を実施したことで配当による還元に踏み切った
配当の開始は、成長投資を優先してきたフェーズから、株主還元を重視するフェーズへの移行を示すものといえます。
参照元:日本経済新聞|Google親会社のアルファベット2兆ドル企業へ 初の配当、投資両にらみ
AI業界で「Gemini」がトップ争いをしている
アルファベットの生成AI「Gemini」は、検索エンジンへのAI導入やGoogle Workspace・Android OSへの組み込みによってユーザーを急速に取り込みました。
結果、アクティブユーザー数でChatGPTに迫る勢いを見せています。
| サービス名 | 月間アクティブユーザー数(MAU) | 備考 |
| ChatGPT | 約8.1億人(MAU・2025年後半推計) | 先行者として高いユーザー数を維持 |
| Gemini(アプリ) | 約7億5,000万人 | 2026年2月公式発表。急成長中 |
現状では「ChatGPT」がリードしているものの、その差は縮まっており、AI業界のトップ争いに加わっています。
GeminiのシェアがChatGPTに並ぶ水準まで拡大すれば、広告収入やクラウド事業のさらなる成長に期待できるでしょう。
自社株買いの規模がGAFAMのなかでもトップクラス
アルファベットの自社株買いの規模は、GAFAMのなかでもトップクラスです。比較のために、2025年12月期におけるGAFAM各社の自社株買い総額をまとめました。
| 企業 | 自社株買い総額 |
| アルファベット(Alphabet) | 約457億ドル |
| アップル(Apple)※ | 約907億ドル |
| メタ(Facebook) | 約262億ドル |
| アマゾン(Amazon) | 実施なし |
| マイクロソフト(Microsoft)※ | 約184億ドル |
※アップルは9月期決算、マイクロソフトは6月期決算
参照元:アルファベット|2025年12月期決算資料、アップル|2025年9月期決算資料、メタ|2025年12月期決算資料、マイクロソフト|2025年6月期決算資料
アルファベットが実施した自社株買いは、アップルに次ぐ2番目の規模です。
さらに、2022年12月期から2024年12月期にかけても、各期およそ600億ドル前後の自社株買いを実施しています。
積極的な自社株買いを続けていることは、余剰キャッシュを株主に還元しながら1株あたりの価値を高めていく方針を示しています。
サブスクリプション収入が急成長している|YouTube
アルファベットは広告収入だけでなく、安定したサブスクリプション収入が成長しているのも強みのひとつです。
広告はクリックされて初めて収入が発生する仕組みですが、サブスクリプションは契約が続く限り収入が発生するため、収益の安定性が高まります。
たとえば、2025年12月期におけるYouTubeの年間総収益600億ドルのうち、約200億ドルはYouTube Premiumなどのサブスクリプション収入が占めています。
サブスクリプション収入が拡大すれば、広告頼みではない安定した利益成長が期待でき、長期保有に向いた銘柄としても注目されるようになるでしょう。
圧倒的なキャッシュフローを誇る|成長投資と株主還元を両立
アルファベットは成長投資に積極的な企業であり、結果として年々業績を伸ばし続けています。
そのため、株主への利益還元を両立できるキャッシュフローも圧倒的です。
以下2つの表では、アルファベットの成長投資と直近の業績についてまとめました。
【設備投資額・研究開発費の推移(単位:百万ドル)】
| 事業年度 | 設備投資額 | 研究開発費 |
| 2025年12月期 | 91,447 | 61,087 |
| 2024年12月期 | 52,535 | 49,326 |
| 2023年12月期 | 32,251 | 45,427 |
【直近3年分の業績(単位:百万ドル)】
| 事業年度 | 売上高 | 営業利益 | 税引前利益 | 純利益 |
| 2025年12月期 | 402,836 | 129,039 | 158,826 | 132,170 |
| 2024年12月期 | 350,018 | 112,390 | 119,815 | 100,118 |
| 2023年12月期 | 307,394 | 84,283 | 85,717 | 73,795 |
設備と研究開発への費用は年々増加していますが、純利益も右肩上がりの結果を残しています。
巨額の設備投資を続けながらも純利益が毎年増えていることは、アルファベットに設備投資と利益還元を両立できる財務力があることを示しています。
アルファベット(Alphabet)に投資する3つのデメリット

アルファベット(Alphabet)への投資には、以下のデメリットを理解しておきましょう。
それぞれ解説していきます。
配当利回りが低い|約0.2〜0.5%
アルファベットの配当利回りは、約0.2~0.5%と低水準です。
2025年12月期時点で、配当金は1株あたり1ドル未満であり、配当金での安定収入を狙うには多額の初期投資が必要になります。
配当収入を重視するのであれば、利回りが3~4%程度の国内株を狙う方が効率的でしょう。
反トラスト法(独占禁止法)などの規制リスクがある
アルファベットには、反トラスト法(独占禁止法)などの規制リスクがあります。
反トラスト法とは、特定の企業が市場を独占して競争を妨げることを禁じる法律です。
Googleは検索エンジン市場でデスクトップ検索市場での世界シェア約80%を占めており、その支配的な地位が問題視されています。
実際に2024年、米国司法省との裁判でGoogleの独占行為に対して有罪判決が下されました。
現時点では事業の強制売却といった極端な措置には至っていませんが、今後の是正措置の内容によっては事業モデルへの影響も考えられます。
参照元:Department of Justice|Department of Justice Prevails in Landmark Antitrust Case Against Google、ロイター|グーグル検索巡る独禁法訴訟、是正措置不十分と米政府・州が控訴へ
競合他社との「AI開発競争」が激化する可能性がある
AI分野は技術の進化が速く、Googleといえども現状維持では競争に取り残されるリスクがあります。
実際に、現在の対話型AI市場には、以下のような強力サービスが存在します。
- ChatGPT(OpenAI):対話型AI市場で圧倒的なシェア率を誇る
- Claude(Anthropic):高い精度と安全性で注目されている
- Perplexity:検索特化型AIとして急成長している
また、対話型AIが普及するほど「検索エンジン」の利用機会が減り、アルファベットの主要収益源である広告収入への影響は避けられません。
AI競争で後れを取れば、株価の下落や配当の減額・停止といった可能性もあるでしょう。
配当ねらいで個別株を検討するなら、買う前だけでなく保有中の判断も重要です。
配当利回りだけで銘柄を選ぶと、株価の下落や減配によって、思ったように資産形成が進まないこともあります。
そのため、個別株で資産形成を考える場合は、配当だけでなく、業績の見通しや分散、保有継続の判断まで含めて考えることが大切です。
一方で、
「どの銘柄を選べばいいかわからない」
「買った後にいつまで持つべきか判断できない」
と感じる方も少なくありません。
そのような方に向けて、ライジングブルでは売買判断をサポートするサービスを案内しています。
個別株の運用に不安がある方は、サービス内容をご確認ください。
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まとめ

2024年6月、アルファベット(Alphabet)は、創業初の配当を実施しました。
さらに、2025年12月期は年間配当を0.84ドルへ引き上げており、増配に意欲的な姿勢を示しています。
アルファベットは圧倒的なキャッシュフローで成長投資と株主還元を両立できている一方、法規制リスクやAI開発競争の激化といった懸念点もある投資先です。
アルファベットへの投資を検討する際は、以下のポイントを整理しておきましょう。
- 現在の配当利回りは低く、高い配当収入は期待できない
- 長期保有を前提に運用し、増配と株価上昇を狙う
- 反トラスト法による制裁や事業分離リスクで株価が停滞する可能性がある
配当と株価上昇の両方を期待したい人は、長期保有を前提にアルファベット株への投資を検討してみてください。
銘柄選びの参考になれば幸いです。
【ご注意事項】
本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
株式投資には元本割れのリスクがあります。
配当金は企業の業績によって減額・廃止になる場合があります。
投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
記載のデータは2026年3月12日時点のものです。
最新情報は各企業のIR資料等でご確認ください。



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