日本郵船の配当金は100株でいくらもらえる?海運株の配当がなぜ高いのかを解説

日本郵船のイメージ

日本郵船株式会社(東証プライム:9101)は「商船三井」と「川崎汽船」と並ぶ、日本の3大海運メーカーのひとつです。

中東情勢やコロナ禍の影響により、世界的に海運輸送の需要が高まっており、2025年3月期も日本郵船は安定して高い業績を維持しています。

日本郵船の株は「配当金の高さ」が魅力的で、2025年3月期の配当金は1株あたり325円がもらえます。つまり、日本郵船の株を100株持っていれば、年間32,500円の配当金がもらえます。

本記事では、日本郵船株式会社の2026年の配当金額といつもらえるか、配当利回り、株主優待について解説します。

日本郵船の株はNISAの成長投資枠でも買えるので、非課税での運用も可能です。

日本郵船の配当金はいくらもらえる|1株あたり260円予定

日本郵船の配当金はいくらもらえるイメージ

2024年度の日本郵船の配当金は、1株あたり年間260円(見込み)です。過去5年度分の配当金の推移を、以下の表にまとめました。

事業年度中間配当期末配当年間合計額
2026年3月期(予想)115120円235円
2025年3月期130円195円325円
2024年3月期60円80円140円
2023年3月期350円170円520円
2022年3月期67円417円483円
2021年3月期7円60円67円

参照元:日本郵船株式会社|配当・株主優待

日本郵船の株価は4,941円なので、100株(単元株)を買うためには494,100円が必要です。(2025年6月4日の終値で計算)

2025年3月期に日本郵船の株を100株持っていれば、年間32,500円の配当金がもらえます。ただし、配当所得として20.315%の税金が差し引かれるので、実際に支払われる金額は25,898円です。

【税引後に受け取れる配当金】(325円×100株)×(1−20.315%)=25,898円

配当金の税金や節税方法については、こちらの「配当金に税金はかからない?節税のコツや新NISAで非課税で受け取る方法を解説」で解説しています。

日本郵船の配当金はいつもらえる|権利確定日は9月と3月

配当がいつもらえるかのイメージ

日本郵船の配当金は、中間と期末の2回にわけて支払われます。日本郵船の配当金が支払われる時期と株主権利確定日を、以下の表にまとめました。

項目中間配当期末配当
株主権利確定日9月30日3月31日
支払い時期11月〜12月頃5月〜6月頃

配当金を受け取るには、企業の株主名簿に登録される必要があります。

反映に時間がかかるので、2026年の中間配当を受け取るには、基準日の2営業日前(2025年9月26日(金)15時30分)までに株を買いましょう。

日本郵船の配当利回りと配当性向|海運株が高配当な理由

配当金年間30万円を大幅に増やす方法のイメージ

2025年3月期の日本郵船の株は、配当利回りが5.39%、配当性向が30.4%でした。2026年は配当利回り4.71%、配当性向40.7%の見込みです。

直近5年度の推移を、以下の表にまとめました。

← 表は横にスクロールできます →
事業年度配当利回り配当性向
2026年3月期(予想)4.71%40.7%
2025年3月期5.39%30.4%
2024年3月期3.62%29.9%
2023年3月期16.33%26.1%
2022年3月期19.18%24.3%
2021年3月期9.73%24.3%

参照元:日本郵船株式会社|配当・株主優待

直近5年間の日本郵船株の配当利回りは、3.62〜19.18%と変動が大きいです。それでも、日経平均やプライム市場全銘柄の配当利回りは「1.8〜2.3%」なので、日本郵船の配当利回りは高水準だといえるでしょう。

日本郵船は2024年度の中間決算において、配当性向を「30%目安」にすると公表しています。また、配当金額は「1株あたりの配当下限を100円に設定する」と公表しており、日本郵船の株を持っていれば、今後も安定的に高い配当金がもらえる可能性があります。

以下の表では、2025年3月期の日本郵船の配当利回りと配当性向を、競合他社と比較しました。

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会社名配当利回り(2024年度予想)配当性向(2023年度実績)
日本郵船(9101)5.39%30.4%
商船三井(9104)3.05%30.33%
川崎汽船(9107)5.12%57.37%

参照元:みんかぶ

海運メーカーが高い配当金を維持しやすい理由は、長期契約によって安定した収入が見込めるからです。実際に、2025年3月期の配当利回りは、上記3社すべて5%を超えています。

なかでも、日本郵船は「海運以外の事業」にも幅広く投資しているので、海運の需要の波に左右されず、より安定して配当金を出せるのが強みです。

配当性向と配当利回りは、企業を評価するときに使う指標です。

配当利回りとは
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるかを示す指標です。計算式は次のようになります。

配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100

配当性向とは
配当性向は、税金を差し引いた企業の純粋な利益である当期純利益のうち、配当に回される額を表した割合です。計算式は次のようになります。

配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100

目安となる数値や詳しい計算方法については、こちらの「配当利回りと配当性向とは?違いや計算式、目安となる数値を解説」記事で解説しています。

日本郵船の株主優待|飛鳥クルーズの優待割引券

日本郵船の株主優待|飛鳥クルーズの優待割引券のイメージ

日本郵船の株を一定数持っていると、株主優待を受けられます。

優待内容は、日本郵船グループが運営する船旅「飛鳥クルーズ」の優待割引券です。詳細は、以下の表を参考にしてみてください。

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対象100株以上を保有する株主 (3月の期末決算時点)
割引内容1名分のクルーズ料金から10%割引 (優待割引券1枚につき)
有効期限決算後の7月1日〜翌年9月30日まで
配布枚数・100株以上~1,500株未満:4枚 (2024年に送付分は3枚)
・1,500株以上3,000株未満:6枚
・3,000株以上:10枚
送付時期6月の定時株主総会後

参照元:日本郵船株式会社|配当・株主優待

1クルーズにつき、1人1枚のみ有効です。それでも、株主本人以外も使えるので、家族や友人とも「非日常的で最高にくつろげる船旅」を楽しめます。

日本郵船の業績

業績の右肩上がりのイメージ

2025年3月期は、大幅増収増益となりました。

売上高2兆5,887億円(前年比8.4%増)、経常利益4,908億円(同87.8%増)、純利益4,777億円(同109.0%増)。定期船事業や航空運送事業が好調で、自動車事業も増収増益となりました。

2026年3月期は米関税や地政学的な情勢により純利益は前期比47.7%減の2500億円を見込んでいます。最も大きな影響を受けるとみられるコンテナ船事業は、関税措置などの影響は織り込んでいないので今後の業績を確認していく必要があります。

米国も関税政策等で、海運業界への影響は相当大きくなると想定されいますので、今後の動向には注視していく必要があります。

過去5年分の業績は下表のとおりです。

(単位:百万円)

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決算情報売上高営業利益経常利益純利益
2025年3月期2,588,700210,820490,866477,707
2024年3月期2,616,066296,3501,109,7901,012,523
2023年3月期2,280,775268,9391,003,1541,009,105
2022年3月期1,608,41471,537215,336139,228
2021年3月期1,668,35538,69644,48631,129

参照元:日本郵船株式会社|決算短信

 

日本郵船の事業内容

日本郵船の事業内容のイメージ

日本郵船が行っているおもな事業は、以下の5分野です。

  • 物流事業
  • 定期船事業
  • 自動車事業
  • エネルギー事業
  • ドライバルク事業
  • その他の事業

それぞれ見ていきましょう。

物流事業

 

物流事業は、日本郵船の「売上高」のなかでも占める割合が大きい分野です。45カ国以上、約650カ所に拠点を持っています。国内外への海上・航空輸送から倉庫運営、配送まで一貫したサービスを提供。

世界中に商品を届けるため、トラックや鉄道による輸送、通関手続き、保管、検品など、海運以外の分野でも物流に関する業務を幅広く行っています。

定期船事業

 

定期船事業は、日本郵船の「経常利益」のなかでも占める割合が大きい事業です。以下の2つの部門に分かれて、事業を行っています。

【コンテナ船部門】

・食料品、日用品、電化製品などを輸送
・川崎汽船、商船三井との3社合弁会社「ONE」を通じてサービスを提供

【ターミナル関連部門】

・全国でコンテナターミナルを運営
・環境に配慮した荷役機器の導入や、船舶の入出港をサポートする港湾関連サービスを提供

自動車事業

 

自動車事業では、世界最大規模となる約120隻の船隊を持ち、完成した車を「海上輸送」と「陸上物流」で運んでいます。また、建機や重機、中古車などの輸送も可能です。

各地で完成車専用のターミナルを運営しており、車両の納品前点検や補修などの自動車物流サービスを提供しています。

ドライバルク事業

 

ドライバルク事業では、鉄鉱石、石炭、穀物、木材チップなどを梱包せずに運ぶ「バラ積み船(ドライバルク船)」を運行しています。

必要に応じて船の大きさを変えながら、世界中の鉄鋼会社、電力会社、製紙会社などに資源を運んでいます。

また、風力発電設備の輸送も手がけているのが、ドライバルク事業の特徴のひとつです。

エネルギー事業

 

エネルギー事業は、原油、石油製品、LNG(液化天然ガス)などのエネルギー資源を輸送している分野です。

「海底資源の探査船」や「石油生産設備」の運営を手がけており、世界にエネルギーを供給するために事業を行っています。

近年は脱炭素化に対応し、アンモニアなどの次世代燃料や洋上風力発電の分野にも進出中です。

その他の事業

その他の事業では、豪華客船「飛鳥Ⅱ」による郵船クルーズを展開。1991年から続く伝統的な船旅サービスで、和のおもてなしと快適な世界一周クルーズなどを提供しています。

ほかにも、不動産事業も手がけており、日本郵船は物流以外の分野でも広く事業を行っている企業だと言えます。

日本郵船と競合他社の業績比較

競合他社の業績比較のイメージ

日本郵船と競合他社の業績を比較してみましょう。前年度(2023年度)の業績は、以下のとおりです。

(百万円)

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会社名売上高営業利益経常利益純利益
日本郵船(9101)2,588,700210,820490,866477,707
商船三井(9104)1,775,470150,851419,703425,492
川崎汽船(9107)1,047,944102,855 308,089305,384

参照元:みんかぶ

日本の3大海運メーカーの業績を比較すると、日本郵船の業績はダントツトップを誇ります。とくに、日本郵船の純利益は、商船三井の約3.9倍、川崎汽船の約9.7倍の成績です。

それぞれのおもな特徴を、以下にまとめました。

  • 日本郵船:海運業以外の事業にも幅を広げる「バランス型」の企業
  • 商船三井:少しずつ海運以外の事業を展開し始めている「成長型」の企業
  • 川崎汽船:海運業をメインとする「特化型」の企業

現状は、日本郵船の業績が高いですが、それぞれに強みやリスクがあります。配当金狙いで投資先を決めるときは、競合他社の業績もチェックしましょう。

「商船三井」と「川崎汽船」の配当金や業績については、こちらの記事でそれぞれ詳しく解説しています。
商船三井の配当金は前年比36%アップの予想!利回りや配当がなぜ高いのかを解説
川崎汽船(9107)の配当金と配当時期は? 気になる株主還元を解説

日本郵船の株価

株価のイメージ

日本郵船の株価は、4,941円(2025年6月4日終値)です。以下のチャートでは、直近10年間の株価の推移を示しています。

日本郵船(株)【9101】の株価チャート

出典:Yahoo!ファイナンス|日本郵船(株)【9101】

日本郵船の株は、10年前の2015年頃に1,000円台で取引されていました。しかし、2016年に入ってから1,000円を下回り、約6年間は株価が停滞。

その後、コロナ禍や中東情勢の悪化などによる海運需要の高まりに影響され、2021年に株価の急上昇を記録しました。2022年から1,000円ずつ株価が上がり、2025年1月現在は5,000円前後で推移しています。

また、日本郵船と競合他社の株の値動きについては、以下の表を参考にしてみてください。

← 表は横にスクロールできます →
会社名現在の価格 年初来高値年初来安値
日本郵船(9101)4,941
(以下2025/6/4終値)
5,389円
(2025/02/12
4,133
(2025/4/7)
商船三井(9104)4,862

5,699円
(2025/1/8)
4,336
25/04/07
川崎汽船(9107)2,062.52,30825/01/061,57225/04/07

参照元:Yahoo!ファイナンス|日本株

日本郵船の自己株式取得

株の自己株式取得のイメージ

日本郵船は、2024年度に自己株式取得を実施しています。詳細は、以下のとおりです。

← 表は横にスクロールできます →
株式の種類普通株式
取得期間2025年5月9日~2026年4月30日
取得総額上限1,500億円
取得方法東京証券取引所における取引一任契約に基づく市場買付
取得実績 (2025年5月31日時点)株式総数:2,389,600 株
(総額:12,293,137,600 円)

参照元:日本郵船株式会社|(開示事項の変更)「自己株式取得に係る事項の決定及び自己株式の消却に関する お知らせ」の自己株式の取得枠の拡大

株価の維持や株主への利益還元を目的として、日本郵船は今後も自己株式取得を行う可能性があります。

まとめ

日本郵船の配当金まとめのイメージ

本記事では、日本郵船の配当金について解説しました。

日本郵船の2025年3月期の配当金は、1株あたり325円がもらえます。100株あたり、年間32,500円が支払われますが、実際に振り込まれる金額は税引後の25,898円です。

日本郵船の株を100株以上持っていると、株主優待として「クルーズ船の割引券」がもらえます。

株主の権利確定日は、毎年「9月末」と「3月末」です。一般的には、決算から2〜3ヶ月後に証券口座に支払われます。

直近5年間の日本郵船株の配当利回りは、3.62〜19.18%と変動が激しいです。それでも、日経平均やプライム市場全銘柄の平均値をゆうに超えているので、日本郵船の株は、高い配当利回りが期待できる投資先だと言えます。

コロナ禍や中東情勢、ロシア・ウクライナ戦争の影響により物流需要が高まっており、日本郵船の業績は好調が続いていましたがトランプ政権が関税政策を発表しその影響を受け2026年が減益予測となっています。

2026年3月期の配当は2025年より⤵予想ですが、それでも他企業に比べて高配当ですので、日本郵船の株を持っていれば、インカムゲインで効率良く資産を増やせる可能性があります。

銘柄選びの参考になれば幸いです。

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