知らないと損する株主優待の落とし穴と賢い活用法

間違えない株主優待のはじめかたのイメージ

テレビで桐谷さんの株主優待を使って生活する様を見「こんなにお得ならば株主優待をやってみたい」と思った方が多いのではないでしょうか?実は株主優待を受けるというのは、株式投資をすることなのです。

株式投資ってなんか怪しいと思っている方が多いので、驚かれるかもしれません。実際に株式投資している方にアンケート行った結果、株式投資をする理由の第2に「株主優待が受けられるから」(36.6%)が入ります。この高い割合が示すように株主優待は日本ではかなり注目度が高いのです。(調査は2021年12月15日日本証券業協会リサーチ結果、対象7000人)

注目度は非常に高い株主優待ですが、株式投資なので一歩間違えると「こんなはずではなかった」ということになることも。しっかりした情報を知った上で始める必要があります。この記事では株のプロの立場から「株主優待で損しない株主優待のはじめかた」について初心者向けにわかりやすく解説します。

この記事を読むと、株主優待がどういうもので、もらう方法、人気の株主優待がわかります。

さらに、株主優待投資で利益を出すために重要なことや、自分にとって株主優待はお得なのかなどホントは知りたかったことがわかります。

この記事を読み終えたらあなたは株主優待のメリット・デメリットを理解して投資ができるようになるはずです。

株主優待とは?

株主優待とは一定の株数以上を保有している株主に対して、年に1~2回、配当金以外のモノやサービスを贈呈する制度のことです。簡単に言うと企業が株主に対して 「うちの会社の株を持ってくれてありがとう」というお礼として自社の製品や優待券などをくれる制度です。

どんなものがもらえる?

国内上場企業のうち、優待制度を導入している企業は1480社。上場会社の約39%がこの制度を行っています。

優待商品には自社の食品や製品だけでなく食事券、お米、金券、体験など様々なものがあります。一例をあげると

企業株主優待商品条件
江崎グリコ(2206)自社グループ製品詰め合わせ100株以上、最低投資金額:37.8万
イオンモール(8905)自社商品券、カタログギフト100株以上、最低投資金額:17.8万
キリンホールディングス(2503)自社商品詰め合わせ100株以上、最低投資金額:20.9万
コジマ(7513)株主優待券100株以上、最低投資金額:5.5万

2023年6月9日現在

株主優待をもらうには?

株主優待とは一定の株数以上を保有している株主に対して、年に1~2回、配当金以外のモノやサービスを贈呈する制度の説明

株主優待をもらうにはその企業の株主になる必要があります。つまり、その企業の株を買うこと。 そして、この株を権利確定日までもっていれば株主優待をもらえることになります。

例えばオリエンタルランドの株主優待商品は株主用パスポート。これをもらうには下記の株を権利確定日に保有している必要があります。

保有株数贈呈枚数
500株以上1枚(年間 1枚)
2,000株以上1枚(年間 2枚)
4,000株以上2枚(年間 4枚)
6,000株以上3枚(年間 6枚)
8,000株以上4枚(年間 8枚)
10,000株以上5枚(年間 10枚)
12,000株以上6枚(年間 12枚)

例えば、家族3人で年1回行くなら、6,000株以上を保有していないといけません。では、この株主優待ももらうためには株にいくら投資をすればいいのでしょう?

購入株数投資金額株主優待内容と金額換算
6000株32,178,,000円金額換算56,400円/年(パスポート6枚)

※株価は2023年6月8日の終値5,363円で計算
※1デーパスポート大人¥9,400で計算
※税金などは計算に入れていません

「あれ?思ったよりもお得ではないかも」と不安になったかもしれません。 

株主優待はホントにお得なの?

株主優待は株主に贈られるもの。株主優待が欲しいなら、その会社の株を買って株主にならないといけないことはわかりました。株を買うということはまとまった費用が必要になります。その費用に対して株主優待はホントにお得なのかとても気になりますよね。

藤村 哲也

株主優待ありきで株を選ぶと損になる可能性が高くなります。

なぜ損になるのか理由を説明します。

1.投資額よりリターンが少なくなる可能性がある

例えば、テレビで人気のお米の株主優待(3,000円分)。お得だと思いその優待をしている企業の株をリサーチすることなく100,000円で購入した。権利確定まで株を持っていたけれど、その後、株価は下がってしまったので焦って90,000円で売ったとします

この場合、3,000円分の株主優待はもらえたけれど、投資では10,000円損をしたことになります。そうなると、このお米は実質13,000円で買ったことになります。結構高い買い物をした感じになりせんか?

2.株主優待を出している株は割高なことが多い

日本では株主優待は人気があるため、株主優待を行っている企業の株は人気になりやすいのです。そのため、企業の価値より株価が割高になるケースが多くなるので、売却時に損をしてしまう可能性が高くなります。

3.株主優待制度をやめれば株価は下落し、損になることも

株主優待はずっと続く制度ではありません。そのため、業績が悪くなれば優待価格が減額されたり、廃止になることもあります。そうなれば、株価は大幅に下落する可能性が高くなります。

例えば、高い優待利回りで人気だった「すかいらーくホールディングス」2020年9月に100株保有でもらえる食事券の株主優待金額を年間6,000円→4,000円に減額することを発表すると、翌日には株価が約10%も下落しました。

4.優待利回りの落とし穴

優待利回りとは優待を得るために必要な株数を買った金額に対して、1年分の優待の価値がどれくらいあるかを表したものです。

優待利回り(%)=優待の価値(円)÷ 株式購入にかかった金額(円)×100

この優待利回りが高いほどお得な投資先と言われ、株主優待利回りランキングが注目を集めています。しかし、必ずしもお得な投資先とは限りません。実際には「優待利回りが高い」ということは株価が安いということを示す場合があるからです。

例)
A企業:優待価値10,000円÷株式購入金額(5,000円×100株)×100=2%
B企業:優待価値10,000円÷株式購入金額(1,000円×100株)×100=10%

上記の企業A、企業Bは優待価格は同じですが、企業Bの方は株価が安いため利回りが高くなります。その利回りが本当にお得なのかは企業分析をしてしっかり把握する必要があります。

得をしたいからと優待利回りが高い株主優待企業に飛びついたら、業績が悪化中の企業で優待が廃止になり株価は買った時に半分になった。これはレアケースではありません。株主優待ありきで株を選ぶと損をする可能性があることをしっかり認識しましょう。

5.株式投資はリターンが大事

そもそも、株式投資は資産形成のために値上がりや配当を期待してするものです。投資家は、リターンを得るために株式投資を行っています。

  • 株式投資の主なリターンは株式の値上がり益
  • 配当金

そこに株主優待がついていればさらにリターンが増えてラッキーということになります。しかし、株主優待株は権利確定日以降で株価が下落するので、売り時を間違えれば全体のリターンが減ってしまう可能性があります。優待をもらうよりもリターンが減ればなんのための投資かわからなくなります。

株主優待はいつもらえる?

優待商品は、企業によって決められた権利確定日に、決められた株数を持っている方に対して、送られます。配布時期は企業よって異なりますので詳細は企業ホームページのIR情報で確認しましょう。

どれくらいの期間もらえるの?

これは会社によって異なりますが株主総会などで、すでに決まっている優待はその期間もらえます。近年、株主優待を辞める企業も増えてきているので、永久にもらい続けられる保証はありません。

また、基準日前に株を売ってしまえば、それまでずっともっていても株主優待をもらえる権利はなくなりますのでご注意ください。

人気の株主優待

2023年人気の株主優待をベスト5をランキングで紹介するイメージ

家族に人気の株主優待

順位企業優待内容
1位 日本マクドナルド 食事優待券
2位すかいらーくホールディングス 2,000円分の自社グループレストラン株主優待カード
3位イオン 株主優待カード(買い物5%キャッシュバックなど)
4位ダイドーグループホールディングス6,000円相当の株主優待品/株主優待価格販売
5位日清ホールディングス3,000円相当の寺社グループ製品詰め合わせまたは寄付

還暦時
株のプロのアナリストが教える株主優待の穴場銘柄の探し方とおすすめ穴場銘柄5選

女性に人気の株主優待

順位企業優待内容
1位ライオン自社製品の詰め合わせ
2位ポーラ・オルビスホールディングス優待ポイント15ポイント(1,599円相当)
3位ファンケル3,000円相当の自社製品または寄付など
4位資生堂自社商品または社会貢献活動団への寄付から選択
5位イオン株主優待カード(買い物5%キャッシュバックなど

 引用元:当ランキングはマイベストが「知って得する株主優待」2022年版で実施した読者アンケートの結果(有効回答数1,631件)

株主優待銘柄を投資金額で選びたい方には

5万円で購入できる株式優待銘柄はこちらから
10万円以下で購入できる株式優待銘柄はこちらから
30万円以下で購入できる株式優待銘柄はこちらから

株主優待は税金が増えるの?確定申告は必要なの?

基本的に株主優待は、企業から商品や金券などの収益を得ていることから所得とみなされ、税金がかかります株主優待を受け取ると「雑所得」扱いになります。雑所得とは、給与所得や事業所得、利子所得などの9つの所得に分類されない所得のことを指します。

雑所得の合計が20万円以下の会社員であれば、確定申告は不要ですので税金が増えることはありません。20万以上の優待をもらう場合は課税されます。また、個人事業主は、確定申告をするため、株主優待の額面に関わらず申告が必要になります。

株主優待投資で損をする人の特徴3選

株主優待で損をしてしまう人の特徴のイメージ

特徴1.優待内容だけを見て株を選ぶ。

株主優待をもらうにはその企業の株主になることです。つまり株式投資を行うことです。株に投資するなら、重要なのは下記の2つです。

  • 企業の業績・財務体質
  • 企業の将来性

業績や将来性を無視して優待品に飛びついた結果、株主優待がなくなり、株価は下げる一方で大損をしてしまう方も少なくないのです。

特徴2.「権利落ち日」直前の株主優待銘柄に飛びついてしまう

権利落ち日直前の株主優待銘柄は優待狙いの投資家に人気のため割高になることが多いのです。それに気づかずに購入をしたら損をする可能性が高くなります。

特徴3.優待利回り狙いで株を選ぶ

一般的に利回りが高い株は株価が安いということを示す場合があります。株価が安い理由が業績に関わることなら今後の株価に影響してきます。利回りの高さだけに目を奪われて投資すると、後々株価の下落で結局損をしてしまうことにもなりかねないので、注意が必要です。

間違えない株主優待投資のはじめかた

株主優待の本質は日本企業への個別投資と同じです。

自分なりの信念で株主優待投資するというベテランであれば良いですが、株主優待きっかけで初めて株式投資をしたいと思っているのであれば、きちんと企業分析して、投資をしてよい企業なのかを見極める必要があります。

優待目的でありきで何も調べずに投資することは危険です。

株主優待投資で損をしないために重要な4つのこと

1.投資を何のためにするのか目的を考える

株で得をしたいのか?株主優待が欲しいのか?株を長期保有するためのモチベーションとしてほしいのか?などその目的によって選ぶ銘柄は変わります。

弊社では「投資はお金を増やして未来に備える目的で行う」と考えております。そのため、株主優待でのリターンより値上がり益を重視した株式投資をおすすめしています。

2.適正な株価を見極める

優待制度がある会社の株価は割高になりがちです。優待商品ありきで企業を選ぶのではなくその企業の株価が適正なのかをしっかり見極めましょう

3.権利落ち日以降に株価は下落すると心得る 

優待制度を利用できる人を確定する権利確定日。その日を越えると株価は下落することが多いです。1,000円の商品券をもらうために100,000円投資して株価下落して90,000円になった。こうなると10,000円損失になるので本末転倒になってしまうことも。権利確定日付近の取引は要注意です。逆に買いたい人はこの付近で割安になった時を狙って購入するとお得になる可能性もあります。

4.株主優待制度が続くかは企業次第

株主優待は簡単に言うと企業が何かしらの思惑をもって行っている制度です。そのため、その思惑が達成されたり、業績が悪くなったりすれば、優待価格を減額したり、廃止することもあります。

実際に、年間数十社が株主優待を廃止しています。そうなると、その株を持っていても、株主優待はもらえないから株を売却しようと考えますが、皆同じように考えるので株価が下落し、結果、損をしてしまうこともあるのです。

優待内容が変わったり、廃止になる可能性があることを考慮し、企業業績等に注意を払うようにしましょう。他にも理由はいろいろありますが、弊社では株は優待が目的でなく株価の値上がりや配当などのリターンが大事と考えています。株の値上がり益を考えれば、株主優待でもらえるものは十分買えます。

株主優待の内容で株を選ぶのではなく、企業の業績や成長性などをしっかり吟味し本当にお得な株式投資をしていただく参考になれば幸いです。

まとめ

株主優待とは「うちの会社の株を持ってくれてありがとう」というお礼として自社の製品や優待券などをくれる制度です。優待商品には自社の食品や製品だけでなく食事券、お米、金券、体験など様々なものがあります。

株主優待をもらうにはその企業の株主になる必要があります。つまり株式投資をしてその企業の株を買うこと。この株を権利確定日までもっていれば株主優待をもらえることになります。もらえる期間は会社によって異なりますが、近年株主優待を辞める企業も増えてきているので永久にもらい続けられる保証はありません。

株のプロとして結論から言えば 「株主優待ありきで株を選ぶと損になる可能性が高くなります。」
理由は
①投資額よりリターンが少なくなる可能性がある
②株主優待を出している株は割高なことが多い
③株主優待制度をやめれば株価は下落し、損になることも
④優待利回りの落とし穴
⑤株式投資はリターンが大事

株主優待は、企業から商品や金券などの収益を得ていることから所得とみなされ、税金がかかる可能性があるので注意しましょう。

【株主優待投資で損をする人の特徴3選】
特徴1.優待内容だけを見て株を選ぶ。
特徴2.「権利落ち日」直前の株主優待銘柄に飛びついてしまう
特徴3.優待利回り狙いで株を選ぶ

【間違えない株主優待投資のはじめかた】

株主優待の本質は日本企業への個別投資と同じです。株式投資をしたいと思っているのであれば、きちんと企業分析して投資をしてよい企業なのかを見極める必要があります。

【株主優待投資で損をしないために重要な4つのこと】

1.投資を何のためにするのか目的を考える
2.適正な株価を見極める
3.権利落ち日以降に株価は下落すると心得る
4.株主優待制度が続くかは企業次第

「優待にひかれて株を買ったけど、株価がどんどん下がって損がでている。」 そんな状況にならないように、何を目的として株投資をするのかをしっかり考えてから投資を始めましょう。

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