つみたてNISAは移管できる?NISA口座変更の基本的な手順大公開

つみたてNISAは移管できるかのイメージ

最近は、NISAやiDeCoといった非課税優遇制度ができて、投資に関心をもつ人も増えてきました。

実際にNISAやつみたてNISAの口座開設数は右肩上がりで、友人・知人が投資を始めたという人も少なくないでしょう。

しかし、そうした友人・知人のすすめで始めたことは、投資に限らず「このままでいいのか?」と不安を感じやすいもの。

投資であればなおさら、例えば「つみたてNISA」を始めたはいいけれど、人に言われたままでなく、もっとお得な投資をしたいと思うのはある意味当然の帰結です。

つみたてNISAの場合、銀行でNISA口座を開いたけれど、株式投資の取り引きができないことに気づいてしまったケースや自分が投資したい銘柄の取り扱いのない証券会社で始めてしまって後悔しているという声もだんだん多くなってきているので、口座変更などが選択肢に入ってきます。

今回はそんな自分らしい投資をしたいと考える人向けに、つみたてNISA口座の変更やつみたてNISAの移管できるのか?への回答についてまとめてみました。

今、NISA口座を変更したいけれどうしようとお悩みの方の参考になれば幸いです。

つみたてNISAの移管に関する基礎知識

まず、つみたてNISAの概要とその移管に関することや、口座変更の種類について説明します。

つみたてNISAとは?金融商品は移管できる?

まず、つみたてNISAとは、年間上限40万円を限度とする非課税口座枠で特定の投資信託の売買取引ができる制度です。

つみたてNISAでは、売却益やインカムゲイン、含み益に関して非課税で最大20年間資産運用ができます。

つみたてNISAの制度を利用するためには、つみたてNISA制度を利用できる金融機関につみたてNISA口座を開設する必要があります。

つみたてNISA口座は、20歳以上の国民1人あたり1口座しか開設できません。

NISA制度には、つみたてNISAとは別に一般NISA制度も存在しており、一般NISAとつみたてNISAの制度は現行のNISAでは併用不可となっています。

したがって、もし当初つみたてNISA口座を開設した金融機関ではなく、別の金融機関でつみたてNISAの制度を利用したい等の事態が発生した場合、つみたてNISA口座の変更をする必要が出てきます。

その際、保有している金融商品(つみたてNISAであれば特定の範囲の投資信託)を現行利用している金融機関から、新しくつみたてNISAを始める金融機関に移管(=金融商品の引越し)ができるか?といえば、残念ながらできません。

もし、つみたてNISA口座を複数の金融機関で管理したくない場合、つみたてNISA口座で買い付けた金融商品を、一度一般口座もしくは特定口座といった課税口座に振り替えてから、別の金融機関に移管する必要があります。

課税口座に振り替えた時点で非課税の恩恵を受けられなくなるため、資産形成の面では不利に働くことになります。

したがって、非課税の恩恵を受けるためには、つみたてNISA口座枠で保有する金融商品の移管は得策ではありません。

つみたてNISA口座を利用する金融機関を変える場合、もしくはNISA制度の利用を年度ごとに切り替えたい場合などは口座変更を検討しましょう。

関連記事→つみたてNISAは本当に利益が出てお得なのか?NISAについての基礎から解説

口座変更の種類について

つみたてNISAの口座変更と一口に言っても、以下の3種類のパターンが考えられます。

・既存の金融機関でのつみたてNISA口座→別の金融機関でのつみたてNISA口座

・既存の金融機関での一般NISA口座↔︎既存の金融機関でのつみたてNISA口座

・既存の金融機関でのつみたてNISA口座→別の金融機関での一般NISA口座

(もしくは、既存の金融機関での一般NISA口座→別の金融機関でのつみたてNISA口座)

現制度では、つみたてNISAと一般NISAいずれかの口座を1人1口座しか保有できません。しかし、所定の要件を満たしていれば、制度設計の違う2つのNISAを年度ごとに切り替えて利用すること等が可能です。

利用する金融機関も同じところを指定してもかまいませんし、別の金融機関に指定することもできます。

上手に口座変更を検討できれば、その時々に応じた自分に見合うNISA制度を活用することができます。

ただし、それぞれの口座変更の種類によって、メリット・デメリットは異なります。変更手続きの方法も変わるので、注意が必要です。

つみたてNISAの口座変更のメリット・デメリット

つみたてNISAの口座変更のメリット・デメリットのイメージ

つみたてNISA口座を口座変更することについては、メリット・デメリット両方存在します。

したがって、自分が本当に口座変更する必要があるのかどうか?しっかり見極めてから実行に移しましょう。

口座変更の手続きをすることで、長期的に不利益を被ることもあるので注意が必要です。

つみたてNISAの口座変更をするメリット

まず、つみたてNISAの口座変更をするメリットは以下の通りです。

最適な運用商品に切り替えられる
より適切な金融機関サポートを受けられる
手数料を抑えられる
引き落とし方法などが選べる

つみたてNISAの口座で購入できる金融商品は、金融庁が定める条件を満たした認可された投資信託のみです。購入できる投資信託は、以下の金融庁の提供する情報で確認することができます。

<参考:金融庁HP>つみたてNISA対象商品届出一覧

しかしながら、証券会社は認可された投資信託をすべて取り扱っているわけではなく、各証券会社ごとに取り扱う投資信託は異なります。

したがって、当初開設したつみたてNISA口座で投資したい投資信託を扱っていない場合、口座変更をすることで、つみたてNISA口座で思う通りの金融商品を購入できるメリットがあります。

また、各証券会社は扱う金融商品だけでなく、情報提供についても差があります。

初心者向けの情報が多い証券会社もあれば、専業投資家向けの情報に手厚い証券会社もあります。

投資を始めたばかりの人にとっては、つみたてNISA口座で購入する金融商品の選び方など初心者向けの情報が多い証券会社がおすすめです。

最近は証券会社も、X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeといったSNSなどを活用しているので、どのような情報を発信しているか?を調べてみるとより最適な口座変更先が見つけられるかもしれません。

また、つみたてNISA口座で購入する場合、売買手数料などについては各社差がありません。しかし、投資信託を保有する時に必要となる信託報酬は、投資信託ごとに異なります。

信託報酬は、必ずかかる必要経費ですので、なるべく低く抑えられる商品を選んだ方が資産形成には有利になります。

そして、見逃しやすい点として、投資信託の購入方法も証券会社ごとに異なります。

特定のクレジットカードで購入することでポイントをゲットできるなど特典があったりするので、長期的に資産形成をする場合は口座変更を検討しても良いでしょう。

つみたてNISAの口座変更をするデメリット

つみたてNISAの口座変更をするデメリットは主に以下の通りです。

複数の金融機関で口座を管理しなくてはならない
口座変更に時間がかかる

先ほど説明した通り、既存のつみたてNISA口座から新しいつみたてNISA口座に金融商品を移管することはできません。

したがって、〇〇年度のつみたてNISA口座は××証券で、⚫︎⚫︎年度のつみたてNISA口座は▲▲証券で管理するといった形になります。

口座を保有している限り、金融機関を閉じることもできないので、自分の資産を確認するのに複数の金融機関にアクセスする必要が出てきます。

また、つみたてNISA口座を変更するためには、諸手続きが必要です。

同じ証券会社でつみたてNISA口座からNISA口座に移行する場合、またはその逆の場合はネット上での手続きで終わるケースも多いのですが、金融機関を変更する場合は書類の提出が新旧両方の証券会社で必要となります。

詳しい手続きは以下で説明しますが、口座変更自体に時間がかかること、その間に投資のタイミングを逃してしまうかもしれないといった不利益が起こることは覚悟しておいた方が良いでしょう。

関連記事→NISAはメリットばかりではない!意外と知らないNISAのデメリット・リスクを解説します。

つみたてNISAの口座変更の注意点

つみたてNISA口座の口座変更には、いくつかの注意点があります。

口座変更をするための条件として、以下の注意点を頭に入れておくと良いでしょう。

  • 年に1回しか変更できない
  • 1回でも買付してしまうと変更ができない

まず、NISA口座の変更ができるのは年に1回のみです。

手続き期間は、10月1日〜翌年の9月30日までです。ただし、手続きに時間がかかるため、手続きの申し込みを9月半ばまでに設定している金融機関もあります。

また、変更前に1回でも買付してしまうと変更ができなくなってしまいます。

金額の大小は関係なく、1円でもつみたてNISA口座を使用してしまうとその年の変更は不可能になってしまいます。

つみたてNISA口座で投信を購入している場合、積立設定などをしているので注意が必要です。

つみたてNISAの口座変更の手順

つみたてNISAの口座変更の手順

つみたてNISAの口座を変更するためには、何を変更するかによって手続きが異なります。

ただ、同一の金融機関でNISA口座を保有する場合であれば、つみたてNISA→一般NISAでも一般NISA→つみたてNISAでも、区分変更の手続きをするだけで済みます。

金融機関の中には、ネット上でクリック一つで簡単に変更できる場合もあります。

ネット証券ではそうした手続きが簡便であることが多いので、自分の利用している金融機関で必要な手続きを調べましょう。

以下、一般的に必要な口座変更の手順を示します。

口座変更前の金融機関への申し込み

まず、口座変更する前のNISA口座を開いている対象の金融機関に変更手続きを申し込みます。

「勘定廃止通知書」と「非課税口座廃止通知書」といった書類を請求します。申し込みから書類が郵送されるまでは1週間ほどみておくと良いでしょう。

新しい金融機関での口座開設

口座変更する場合、変更先の金融機関で総合口座を保有している必要があります。まだ口座開設していない場合は、書類を請求している間に口座開設の手続きをしておくと良いでしょう。

新しい金融機関への届出

新しい金融機関の口座開設で、他社からの変更でNISA口座を開く選択肢を選んでおくと、総合口座とつみたてNISA口座を同時に申し込めます。

「勘定廃止通知書」と「非課税口座廃止通知書」が届いたら、必要事項を記入の上、新しい金融機関に本人確認書類とマイナンバーを確認できる書類と合わせて提出します。

提出した書類は証券会社と税務署で審査されます。この確認には1〜2週間かかり、審査が完了すると新しいつみたてNISA口座で取引ができるようになります。

まとめ

NISAで資産を増やすイメージ

投資を始めるきっかけは人それぞれです。資産形成は始めてみないことにはわからないことが複数あります。

とりあえずつみたてNISAを始めてみたけれど、本当にこれでいいのかな?と思うことは悪いことではありません。

つみたてNISA口座から金融商品を移管することはできませんが、利用する金融機関を変える口座変更などは誰でもできます。口座変更にはデメリットもありますが、より良い資産形成のために必要であれば検討しても良いでしょう。

つみたてNISAの口座変更をするメリット

• 最適な運用商品に切り替えられる
• より適切な金融機関のサポートを受けられる
• 手数料を抑えられる
• 引き落とし方法などが選べる

つみたてNISAの口座変更をするデメリット

• 複数の金融機関で口座を管理しなくてはならない
• 口座変更に時間がかかる

つみたてNISAの口座変更の注意点

• 年に1回しか変更できない
• 1回でも買付してしまうと変更ができない

新たな口座開設には時間がかかり、利用する金融機関ごとに手続きが若干異なります。
詳細については自分が利用する金融機関の定める方法をしっかり調べてからやるのがおすすめです。

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