
本記事では、日本オラクル株式会社(東証プライム:4716)の配当金額や配当時期、配当性向、配当利回りについて解説します。
日本オラクルは、おもに企業向けのクラウドサービスやハードウェアを提供しているIT企業です。
2025年5月期(2024年6月1日〜2025年5月31日)の配当金は、1株あたり年間190円でした。
一時、2024年5月期には配当利回り6%超えを記録したこともあり、日本オラクルへの投資を検討している方の中には「なぜ配当が高いのか?」と疑問を抱く方もいるでしょう。
日本オラクルの株はNISAの成長投資枠でも購入できるので、非課税での運用も可能です。
目次
日本オラクルの配当金はいくら|1株あたり年間190円

2025年5月期の日本オラクルの配当金は、1株あたり年間190円でした。100株あたり年間19,000円がもらえます。
100株分の配当金を受け取るためには、1,359,500円※の投資額が必要です。※2025年12月18日の終値で計算
過去5年分の配当金の推移を、以下の表にまとめました。
(1株あたり)
| 事業年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計額 |
| 2026年5月期 | 未定 | 未定 | 未定 |
| 2025年5月期 | – | 190円 | 190円 |
| 2024年5月期 | – | 674円 | 674円 |
| 2023年5月期 | – | 162円 | 162円 |
| 2022年5月期 | – | 160円 | 160円 |
参照元:日本オラクル|決算短信
配当金には20.315%の税金が発生するので、100株を持っている株主に支払われる金額は15,140円です。
【税引後に受け取れる配当金】
(190円×100株)×(1−20.315%)=15,140.15円
配当金の税金や節税方法については、こちらの「配当金に税金はかからない?節税のコツや新NISAで非課税で受け取る方法を解説」の記事を参考にしてみてください。
日本オラクルの配当金はいつもらえる|毎年8月

日本オラクルの配当金は、年1回の期末決算時に支払われます。
配当金の支払い開始時期と株主確定日を、以下の表にまとめました。
| 項目 | 中間配当 | 期末配当 |
| 株主確定日 | – | 5月31日 |
| 支払い開始時期 | – | 8月 |
参照元:日本オラクル|配当金
2025年11月時点において、2026年5月期の配当予想はまだ公表されていません。
毎年、期末決算時の決算短信で公表されるため、次回の配当金が確定する時期は2026年6月頃となる可能性が高いです。
しかし、日本オラクルの配当金を受け取るには、株主名簿に名前が記載されている必要があります。
2026年5月期の期末配当を狙う場合、基準日の2営業日前までに投資判断を行い、株式を保有している状態にしましょう。
なお、証券会社によって約定日がずれるケースもあるため、余裕をもって早めに取引を済ませておくのがおすすめです。
日本オラクルの配当利回りと配当性向

2025年5月期において、日本オラクルの配当利回りは1.33%、配当性向は40.1%です。
直近5年分の推移については、以下の表をご覧ください。
| 事業年度 | 配当利回り | 配当性向 |
| 2026年5月期 | 未定 | 未定 |
| 2025年5月期 | 1.33% | 40.1% |
| 2024年5月期 | 6.08% | 155.2% |
| 2023年5月期 | 1.87% | 39.9% |
| 2022年5月期 | 1.75% | 40.0% |
参照元:みんかぶ|日本オラクル(4716)、日本オラクル|決算短信
日本オラクルは2024年5月期に特別配当を出しているため、一時的に配当利回りと配当性向が高くなりました。
特別配当の影響を除くと、直近5年間の配当利回りは約1〜2%です。
日経平均やプライム市場の平均配当利回り(約2%)と比べると、日本オラクルの配当利回りは低いと言えるでしょう。
配当性向について、具体的な数値目標は公表されていません。
直近の実施状況を見ると、40%前後という自社投資と株主還元のバランスが取れた水準を維持しています。
日本オラクルの配当はなぜ高いのか|特別配当の実施
2024年5月期において、日本オラクルの配当利回りは6.08%と高い数値を記録しました。
上記のおもな理由は、数年に一度の「特別配当」が実施されたためです。
日本オラクルは、業績に応じて積極的に株主還元を実施している企業で、過去にも数年おきに特別配当を実施してきた実績があります。
- 2021年5月期:特別配当992円
- 2016年5月期:特別配当420円
- 2011年5月期:特別配当297円
参照元:Oracle 日本|配当金
日本オラクルの配当利回りの高さは「特別配当」の影響が大きいため、高配当が毎年続くわけではありません。
それでも、積極的に株主に利益を還元する経営方針は、株主にとって大きなメリットだと言えるでしょう。
競合他社との比較
2025年度の日本オラクルの配当利回りと配当性向を、競合他社と比較しました。(2025年5月期実績)
| 会社名 | 配当利回り | 配当性向 |
| 日本オラクル(4716) | 1.33% | 40.1% |
| 富士通(6702)※ | 1.02% | 23.15% |
| オービック(4684)※ | 1.52% | 47.65% |
参照元:みんかぶ
※富士通とオービックは3月期決算
2025年度の日本オラクルの配当利回りは、競合他社に劣らない水準です。
配当性向に関しても約40%を維持しており、成長投資と株主還元のバランスが取れた現実的な数値だと言えます。配当性向と配当利回りは、企業を評価するときに使う指標です。
配当利回り
購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるかを示す指標です。計算式は次のようになります。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当性向
税金を差し引いた企業の純粋な利益である当期純利益のうち、配当に回される額を表した割合です。計算式は次のようになります。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
目安となる数値や詳しい計算方法については、こちらの記事で解説しています。
関連記事
配当利回りと配当性向とは?違いや計算式、目安となる数値を解説
日本オラクルの株主優待|なし

日本オラクルは、株主優待を実施していません。
しかし、業績やキャッシュフローなどを総合的に判断しながら、積極的に株主還元を行う方針を掲げています。
数年に一度、特別配当(一時的に追加で支払われる配当金)を実施した実績もあります。
そのため、今後も配当金で株主に利益を還元する可能性が高いです。
配当より株主優待がもらえるおすすめ銘柄が知りたいという方は「【お得な株主優待】初心者でも購入しやすい人気銘柄5選」をご覧ください。
日本オラクルの業績

2025年5月期(2024年6月1日〜2025年5月31日)を含む、過去5年分の業績を以下の表にまとめました。
(単位:百万円)
| 決算情報 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
| 2025年5月期 | 263,510 | 86,832 | 87,454 | 60,725 |
| 2024年5月期 | 244,542 | 79,820 | 80,277 | 55,603 |
| 2023年5月期 | 226,914 | 74,396 | 74,681 | 52,009 |
| 2022年5月期 | 214,691 | 73,213 | 73,543 | 51,182 |
| 2021年5月期 | 208,523 | 70,904 | 70,904 | 49,175 |
参照元:日本オラクル|決算短信
直近5年間で見ると、日本オラクルの業績は右肩上がりで推移しています。
2025年5月期には、売上高が2,635億円(前期比約8%増)、純利益は607億円(前期比約9%増)と過去最高を更新しました。
業績が伸びたおもな理由は、企業のクラウド移行需要の高まりにより、クラウドサービスのサブスクリプション収入が大きく伸びた(28%増)ことが挙げられます。
また、増収効果やサポート部門の生産性向上によって、営業利益率が33%上昇。コストを抑えつつ収益性を高める経営が実を結んでいます。
売上高も年々増加しているため、今後も日本オラクルの業績アップに期待が持てそうです。
日本オラクルの事業内容

日本オラクルはさまざまな事業を展開している企業で、おもに3つの分野にわかれて事業を行っています。
- クラウドサービス&ライセンス事業
- ハードウェア事業
- サービス事業
それぞれ紹介します。
クラウドサービス&ライセンス事業
クラウドサービス&ライセンス事業は、日本オラクルの主力となる分野です。
各拠点で150以上の共通クラウド・サービス(インターネット経由でITの機能を持たずに使える仕組み)を提供しており、2025年5月期の売上の約85%を占めています。
また、代理店販売方式によりライセンス※を販売しています。
※ソフトウエア・製品の使用権をあらかじめ購入して取得する契約形態
2025年5月期クラウドサービス&ライセンス事業の売上は2,230億円と、前年度より8.8%上昇しました。
ハードウェア事業
日本オラクルのハードウェアは、会社のシステムを安全かつスピーディーに動かすための専用コンピューターです。
サーバーとデータ保管の仕組みがひとつにまとまっているため、動作が速いうえにトラブルが起きにくいように設計されています。
また、自動で最適な設定に調整してくれる仕組みにより、専門知識がなくても高い性能を発揮できるのも特徴のひとつです。
2025年5月期ハードウェア事業の売上は155億円と、昨年より7.7%下落しました。
サービス事業
導入支援や保守運用、コンサルティングなど、システム活用のためのサポートを提供している事業です。
社内システムをクラウドへ移したり、アプリをより使いやすく改善したりと、企業のデジタル化を進めるための支援に力を入れています。
2025年5月期サービス事業の売上は248億円と、昨年より10.3%上昇しました。
日本オラクルと競合他社の業績比較

日本オラクルと競合他社の業績を比較してみましょう。前年度(2025年5月期)の業績は、以下のとおりです。
| 会社名 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
| 日本オラクル(4716) | 263,510 | 86,832 | 87,454 | 60,725 |
| 富士通(6702)※ | 3,550,116 | 265,089 | 273,445 | 232,126 |
| オービック(4684)※ | 121,240 | 78,378 | 89,770 | 64,621 |
参照元:みんかぶ
※3月期決算の情報を記載
上記3社を比べると、日本オラクルの売上は富士通に次ぐ2位でした。ただし、企業ごとに強みとする分野が以下のように異なります。
- 日本オラクル:世界で唯一、あらゆるクラウド環境で150以上のAI・クラウド機能を提供可能
- 富士通:日本でICT(情報通信技術を使って企業や社会の仕事を支えるサービス)サービスシェア1位
- オービック:ERP(企業の経営資源を一元管理するソフトウェア)市場ベンダー別売上金額シェア1位
なかでも、日本オラクルはクラウドとAIを融合させた新しいデジタル基盤を提供するのが強みで、企業のDXを加速させる取り組みを強化しています。
日本オラクルの株価

日本オラクルの株価は、13,935円(2025年11月17日終値)です。以下のチャートでは、直近10年間の株価の推移を示しています。

2016年頃、日本オラクルの株は6,000円前後で取引されていました。
2020年7月に米オラクルとオープンAIへのクラウド供給で約44兆円の契約を結び、株価は2021年頭には13,000円台まで上昇。
しかし、2022年6〜8月期の決算にはクラウド事業が減益となった影響もあり、株価は8,000円台まで下落しました。
以降、2024年5月期の決算で主力のクラウド事業が、官公庁や金融業、情報通信業向けに伸びたため、税引き利益は556億円で前年比7%増と13期連続の最高益を更新。
結果、2024年には15,000円台まで株価が上昇し、2025年11月時点では14,000円前後で取引されています。
また、日本オラクルと競合他社の株の値動きについては、以下の表を参考にしてみてください。
| 会社名 | 現在の価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
| 日本オラクル(4716) | 13,595円 (以下2025/12/18終値) | 17,875円(2025/6/27) | 13,550円(2025/11/25) |
| 富士通 (6702) | 4,202円 | 4,308円(2025/11/11) | 2,514円(2025/4/7) |
| オービック(4684) | 4,911円 | 5,658円(2025/7/1) | 4,236円(2025/4/3) |
参照元:Yahoo!ファイナンス|日本株
日本オラクルの自己株式取得

2025年5月期において、日本オラクルは自己株式取得を実施していません。
日本オラクルの還元方針は、業績やキャッシュフローなどを総合的に見ながら、積極的に株主還元を実施するものです。
今後も自己株式取得を実施せずとも、数年に一度の「特別配当」などで配当金メインの株主還元を継続する可能性が高いでしょう。
日本オラクルなどの個別株への投資は簡単だと思っていたけれど実際に難しかった。とくに売る時に迷ってしまい売り時を逃してしまったという方が多くいらっしゃいます。利益を確保するのは大事ですが時には損切も必要になり、これができないと株で資産形成は難しくなります。しかし自分ではできないという方には、投資顧問の利用をおすすめします。当サイトを運営するライジングブル投資顧問は、株の「売買サポート」を行っております。ライジングブルの売買サポートサービスは、3ヶ月9,000円で買い推奨だけではなく、売却、銘柄入替するところまで、リスク管理をしながらサポートします。
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まとめ

本記事では、日本オラクルの配当金について解説しました。
日本オラクルの2025年5月期の配当金は、1株あたり年間190円が予定されています。
100株あたり年間19,000円が支払われますが、実際に振り込まれる金額は税引後の15,140円です。
また、配当性向は特別配当が出た年以外は40%付近で推移しており、数年に一度は特別配当がでています。
過去5年も業績は右肩上がりなので、日本オラクルは今後も配当金で株主還元を継続する可能性が高いでしょう。
銘柄選びの参考になれば幸いです。



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