新興国ETF【VWO】の魅力を探る:構成銘柄、配当金、株価の徹底ガイド

バンガード社が販売する代表的なETFと比較のイメージ

VWOは、中国や台湾、インド、ブラジルなど全世界の新興国に投資をするETFです。

新興国とは、今後の成長が期待できる国のことで、株価上昇の可能性も高い投資先といいえます。ただし、法整備が整っていない、国の情勢が変わりやすいなど注意点があるのも特徴。

今回は、新興国ETF【VWO】について、特徴やメリット、デメリットもあわせて紹介します。

VWOとは?新興国ETFの特徴もあわせて紹介

VWOとは?新興国ETFのイメージ

VWOは、米国最大級の資産運用会社バンガード社が販売するETFです。名称は「バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(Vanguard FTSE Emerging Markets ETF)」といい、全世界の新興国株式に投資をしています。

VWOの特徴や新興国ETFについて解説していきます。

新興国ETFとは

新興国とは、現状では経済の水準が低いものの、高い成長が期待できる国のことをいいます。新興国に含まれる国については、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が発表している分類が参考になるでしょう。

この分類では、エマージング・マーケットとして、新興国を分類しており、中国、インド、ブラジル、メキシコなど24カ国が含まれています。

VWOの国別構成比やセクター構成比は?

それでは、VWOに含まれている国の構成比はどのようになっているのでしょうか?

バンガードのホームページで確認ができます。

上位10カ国の構成比は以下のようになっています。

順位銘柄名組入比率
1中国 27.10%
>2インド22.10%
台湾19.70%
4ブラジル6.30%
サウジアラビア4.70%
メキシコ3.00%
タイ2.30%
インドネシア2.20%
マレーシア 1.90%
10 UAE 1.70%

※2024年4月バンガードHPより

世界の新興国に分散をしていますが、中国、台湾で40%以上の構成比となっているのが特徴です。

続いてセクター別の構成比も確認しておきましょう。

順位セクター組入比率
1  金融サービス  21.58%
テクノロジー18.67%
3一般消費財12.23%
資本財8.36%
5素材8.15%
通信8.10%
7生活必需品6.13%
8エネルギー
9ヘルスケア4.39%
10 不動産 2.71%

※2024年4月 yahoo!financeより

金融サービスやテクノロジーなどの構成が高く企業名としては、台湾の半導体大手のTSMCや中国テンセント、アリババなどが上位となっています。

VWOのチャートや配当も確認

VWOの値動きを確認していきましょう。

【VWOチャート】

2020年コロナショックで下がったあと、大きく回復はしましたが、2023年末にはまた下がるなど、値動きが激しくなっています。

 

 

【VWOの配当利回りとトータルリターン】

年数1年3年5年 直近配当利回り
トータルリターン7.17%-4.00%2.45%0.37%

※2024年4月Bloombergより

24年に入ってから若干回復しているため、直近1年のリターンは好調ですが、3年、5年で見ると厳しい値動きでした。配当利回りも直近では、少ない状況です。

VWOに投資するメリットとは?

VWOに投資するメリットのイメージ

大きな値動きが特徴のVWOですが、投資するメリットとしてはどのようなものがあるであるでしょうか?大きくは以下の2点があげられます。

•    新興国に対して幅広く投資ができる
•    ほかの新興国ETFと比較して経費率が低い

それぞれ詳しく解説していきます。

新興国に対して幅広く投資ができる

VWOは、先ほど組み入れ割合で紹介した10カ国以外にも世界中の新興国市場で大型・中型株に投資をしています。新興国は、価格変動が激しいものの、長期的に見れば伸びが期待できる国と考えられます。

新興国の個別銘柄に投資する場合は、情報が入りにくいうえに、国の情勢によって大きく変動するため、非常にリスクが高い投資となります。

その点VWOの場合は、幅広い国の企業に投資をしているため、リスクの分散も可能です。

ほかの新興国ETFと比較して経費率が低い

経費率とは、ETFを保有している間に発生する費用です。主には信託報酬など、ファンドの運用にかかる費用となります。

VWOの経費率は、0.08%

米国のメジャーな指数S&P500などに連動したETFに比較すると若干高いですが、新興国を中心にしたETFの中では、非常に低い経費率といえます。

人気の新興国ETFとしては、iシェアーズ・MSCI新興国株ETFが経費率0.7%、SPDR S&Pアジア・パシフィック新興国株式ETFの経費率が0.49%など、新興国ETFは高めな経費率となっています。

VWOの場合0.08%ですので100万円を1年間運用しても経費は800円。経費率はかなり低いといえるでしょう。

VWOのデメリットと注意点

VWOのデメリットと注意点のイメージ

VWOに関するメリットを紹介してきましたが、デメリットや注意点もありますので確認しておきましょう。VWOのデメリットや注意点

• 中国と台湾の比率が高い
•価格変動が大きくリスクは高め

それぞれ解説していきます。

中国と台湾の比率が高い

国別の構成比で確認した通り、中国と台湾の構成比が高く、40%を超えています。

台湾は、半導体で大きく伸びていますが、中国は不動産バブルの崩壊や人口減少など先行きの不安があり、さらに台湾有事が発生する可能性もなくはありません。

中国や台湾で問題があると大きく下がる可能性があるのがデメリットです。

このあたりが気になるようであれば、中国を除く新興国ETF、iシェアーズMSCIエマージング・マーケット(除く中国)ETFも選択肢としてあります。ただし台湾は含まれています。

価格変動のリスクは高め

チャートや、トータルリターンでも確認した通り、新興国株式は、価格変動が激しいのが特徴です。そのため相場が読めて、大きく上がるときに投資できれば大きなリターンを得られますが、リスクも高めです。

新興国は国の情勢が安定せず、政権交代で国の方針が大きく変わったり、紛争や内乱などが発生したりなど短期的には大きく価格が動きます。

投資スタンスとしては、短期投資を前提に、新興国が上がるタイミングで売り抜けるか、新興国の成長を期待して長期で運用する場合は、他の先進国株式と組み合わせて保有するなどリスク分散が大切です。

VWOと他のETFとの比較

VWOと他のETFとの比較のイメージ

新興国への投資は、将来的に見れば国の発展とともに大きなリターンが得られると考えられますが、同時に政治情勢などのリスクもあります。ポートフォリオを組む際は、新興国だけでなく、先進国株式などと組み合わせてリスクヘッジをするべきでしょう。

ここでは、同じバンガード社が販売する代表的なETFと比較してみます。

【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETF

       VTは、先進国と新興国市場の両方を対象としており、米国内外の株式で構成されています。

       新興国も含んだ全世界に投資できるETFです。

【VTI】バンガード・トータル・ストック・マーケットETF

       VTIは、CRSP米国総合指数に連動したETFで、米国市場全体の3,500以上の銘柄を保有。

        米国全体に投資するETFです。 

 

【チャートで比較】


引用:TradingView

 

トータルリターン・経費率で比較

ティッカートータルリターン1年 トータルリターン3年 トータルリターン5年直近配当利回り経費率
VWO 7.17%-4.00%2.45% 0.37%0.08%
VT 22.30%5.43%10.27%1.54%0.07%
VTI 28.94%8.32%13.49%1.42%0.03%

※2024年4月Bloombergより

ここ数年では、米国の市場が好調なため、数字としては見劣りしてしまいますが、米国株の状況が悪くなれば、新興国株式が上昇する局面も考えられます。組み合わせてリスクヘッジするのがおすすめの投資方法です。

VWOに投資する方法

VWOに投資する方法のイメージ

VWOは、2024年からスタートした新NISAの成長投資枠での投資対象です。

NISAでの投資やそれ以外のおすすめの投資方法を紹介します。

NISA成長投資枠で投資する

NISAは、つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円の360万円まで投資が可能。合計で1,800万円までの投資に対して、売却益が非課税になる制度です。

通常投資信託やETFに投資した際の売却益には、約20%の税金がかかりますので、非常におトクな制度といえるでしょう。

成長投資枠で毎月買付をする方法もありますが、ETFの場合、1株単位での購入となるため、毎月固定の金額での買付はできません。価格変動にあわせて、無理のない範囲内での投資を行いましょう。

NISAで購入する際は以下の注意点があります。

•配当金に対して課税がされる
•損益通算ができない

配当金に課税される

ETFに投資した場合、投資額に応じて配当金が支払われますが、VWOの場合、米国の上場投資信託となるため、配当金に対して米国で課税されます。

配当金に対して源泉徴収されて支払われ、NISAの場合、国内では非課税のため二重課税には当たらず、課税分を取り戻すことはできません。

損益通算ができない

一般口座や特定口座で買付をした場合は、一方の株式がマイナスで一方の株式がプラスの場合、プラスとマイナスで相殺され、課税額を減らせます。

NISAの場合、一般口座や特定口座との損益通算はできませんので、マイナスとなっても、利益が出ている株式との相殺はできませんので、注意が必要です。

新興国へ投資ができる投資信託で買付する

毎月10,000円など決まった金額で投資をしたい場合は、ETFではなく、投資信託を買い付ける方法もあります。

VWOと同様の新興国に投資する投資信託には、三菱UFJアセットマネジメントが発売する、eMAXIS slim 新興国株式インデックスがあります。こちらはほとんどの証券会社で購入でき、運用にかかる経費は、0.15%とVWOよりも高いものの、証券口座で設定しておけば、毎月一定の金額を自動で購入できます。

NISAのつつみたて投資枠での買い付ができ、配当などの再投資の必要もありません。

あまり手間をかけたくない場合は、こちらで投資することもおすすめします。

関連記事
NISAはメリットばかりではない!意外と知らないNISAのデメリット・リスクを解説します。

まとめ

株式投資する企業情報を確認しているイメージ

VWOは、米国投資会社最大手のバンガード社が発売する新興国ETFです。

新興国は、将来的な成長が見込める国を指し、VWOは、全世界の新興国の大型・中型株に分散投資をしているため、長期的な成長が期待できるのがメリットでしょう。

しかし、国別の構成を見ると、中国・台湾で全体の40%を占めるなど、台湾有事などが発生した場合のリスクがあるのも注意点となります。

買付については、NISAの成長投資枠が使えますので、利益に対しては、非課税の恩恵が受けられるます。

リスクは高めの投資商品となりますので、先進国株式などと組み合わせて分散投資することをおすすめします。

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