
「ニッセイ外国株式インデックスファンド」はニッセイアセットマネジメント株式会社が運用する投資信託です。
購入時、換金時に手数料はかからず、信託報酬も低いため人気の高いファンドです。
本記事では、ニッセイ外国株式インデックスファンドの概要と評価を確認しながら、NISAを活用した運用方法を解説します。
目次
ニッセイ外国株式インデックスファンドとは
ニッセイ外国株式インデックスファンドの基本情報
【基本情報】2023年12月18日更新
運用(委託)会社 | ニッセイアセットマネジメント株式会社 |
ベンチマーク | MSCIコクサイ・インデックス(配当金込み・円換算ベース) |
設定日 | 2013.12.10 |
償還日 | 無期限 |
純資産額 | 5886.99億円 |
分配金 | なし |
分類 | インデックスファンド |
基準価額 | 32,839円 |
購入時(販売時)手数料 | 無料 |
信託報酬(運用管理費用) | 0.09889%(税込み) |
信託財産留保額(換金時手数料) | 無料 |
為替ヘッジ | なし |
NISA口座 | スポット・積立購入可能 |
ニッセイ外国株式インデックスファンドは、その名の通りインデックス指数に連動した運用成果を目指すファンドです。運用会社独自の計量モデルによりポートフォリオを構築して、日本を除く主要先進国の株式に投資をしています。
ベンチマーク(MSCIコクサイ・インデックス)とファンドの基準価額の騰落率は下記の通りです。
1ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 | 設定来 | |
ニッセイ外国株式 | 7.9% | 13.3% | 22.2% | 75% | 227.2% |
ベンチマーク | 7.8% | 13.2% | 22% | 74.4% | 227.8% |
【2023年11月30日基準】
暴落率とは一定の期間の始めと終わりでどれだけ価格が変化したかを表すものです。
ニッセイ外国株式インデックスファンドはベンチマークとしているMSCIコクサイ・インデックスと同等の動きをしており、基準価額は設定来2倍以上に増えていることを示しています。
なお、ニッセイ外国株式インデックスファンドは、原則、為替ヘッジは行いません。
為替ヘッジなしの取引では、円高、円安という為替変動が資産価値に影響を与えます。
ニッセイ外国株式インデックスファンドの組入れ銘柄
ニッセイ外国株式インデックスファンドは約95%を外国株式で運用し、投資先の国は米国が7割強、以下、イギリス、カナダ、フランス、スイス、ドイツと続きます。
組入銘柄数は約1270社にものぼり、組入比率の上位は下表の通りですが、トップ10をトータルしても全体の20%程度、残り80%はほかの銘柄へ投資されていることから、広く薄く分散投資されていることがわかります。
【組入上位銘柄】 2023年5月末現在
銘柄 | 業種 | 比率 |
アップル | 情報技術 | 5.5% |
マイクロソフト | 情報技術 | 4.6% |
アマゾン・ドット・コム | 一般消費財・サービス | 2.2% |
エヌビディア | 情報技術 | 2.0% |
アルファベット(A) | コミュニケーション・サービス | 1.5% |
アルファベット(C) | コミュニケーション・サービス | 1.3% |
メタ・プラットフォームズ | コミュニケーション・サービス | 1.1% |
テスラ | 一般消費財・サービス | 1.1% |
ユナイテッドヘルス・グループ | ヘルスケア | 0.9% |
エクソンモービル | エネルギー | 0.8% |
ニッセイ外国株式インデックスファンドの手数料
投資信託は、購入してから売却するまでの間に、主に次の手数料がかかります。
①購入時手数料
②信託報酬(運用管理費用)
③信託財産留保額(売却時手数料)
ニッセイ外国株式インデックスファンドは、売買時手数料、および信託財産留保額は無料ですが、ファンドの管理費用(信託報酬)は0.09889%に設定されています。(2023年12月18日現在)
この水準をどう見るかは、ニッセイ外国株式インデックスファンドと同様に先進国株式に投資をしているインデックスファンドの手数料と比較して確認してみます。
ファンド名 | 信託報酬 |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.09889% |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.09889% |
SBI・先進国株式インデックス・ファンド(雪だるま) | 0.1017% |
iシェアーズ 先進国株式インデックス・ファンド | 0.4125% |
信託報酬は、ファンドを保有している期間中、個々の保有資産から毎日差し引かれるコストであり、1日あたりのコストは次の計算で求めます。
信託報酬額=保有資産x信託報酬(%)÷365日
たとえば、保有資産が100万円とした場合、1日あたりの信託報酬は次の計算式で算出します。
信託報酬:0.09889%の場合 | 信託報酬:0.4125%の場合 |
約2.7円/日(約986円/年間) | 約11.3円/日(約4124円/年間) |
100万円x0.09889%÷365日 | 100万円x0.4125%÷365日 |
運用期間が長く、運用成果により保有資産が増加するほど信託報酬コストがかさみます。
なお、信託報酬は、ほかの同種のファンドとの比較で見直されることがあります。
現在、ニッセイ外国株式インデックスファンドは、運用コストが低いファンドと言えるでしょう。
ニッセイ外国株式インデックスファンドの評価の推移
1.基準価額・純資産の推移
短い期間では増減あるものの、10年のスパンで見ると、純資産額、基準価額ともに順調に増えているようです。(2023年5月現在)
2.2013年12月設定来の年間収益率推移
収益率を単年で見るとバラツキがありますが、2013年12月の設定以降、10年間ファンドを保有し続けた場合、収益率は約11%です。
(出所:ニッセイ外国株式インデックスファンド 投資信託説明書(交付目論見書)2023.8.19)
ニッセイ外国株式インデックスファンドの運用はNISAがお得
新しいNISAのしくみ
2024年より始まる新しいNISAでは、1,800万円までの投資から得られる利益が非課税となります。年間の投資上限額は360万円。
一括で投資するスポット購入と、定額積立の積立購入の両方が併用可能です。また、商品を売却しても翌年に再投資ができるなど、これまでのNISAと比較すると、使い勝手は各段に良くなります。
【新しいNISA概要】
併用可 | 成長投資枠(一般NISA後継) | つみたて投資枠(つみたてNISA後継) |
年間投資枠 | 240万円 | 120万円 |
>非課税保有限度額 | 1800万円(内数として成長投資枠 1200万円) | |
非課税枠の管理 | 簿価方式(買付けベース)管理 | |
購入方法 | スポット・積立 | 積立 |
非課税枠の再利用 | 可能(保有資産を売却すれば翌年非課税枠が復活) | |
非課税運用期間 | 無期限 | |
対象年齢 | 18歳以上 |
NISAで購入可能な投資信託は、投資期限や運用コストの面で、長期的な資産形成に適した一定の要件をクリアした投資信託に限られています。
ニッセイ外国株式インデックスファンドはNISAで買付け可能な商品です。
NISAの非課税効果とは
NISAは非課税口座であるため、NISAで買い付けた投資商品の運用益や売却益が非課税となります。通常口座(課税口座)で投資を行った場合、収益から約20%が税金として徴収され手元に残るのは8割です。たとえば、100万円の利益があっても、20万円が税金、手元に入るのは80万円です。
同じ投資商品でもNISA口座で運用していれば、100万円全額が収益として手元に残るお得な制度です。
NISAでニッセイ外国株式インデックスファンドをNISAで運用した場合
ニッセイ外国株式インデックスファンドのリターン率を10%として、積立金額と運用期間を次のように設定し、資産運用シミュレーションをしてみましょう。
①予定利率:10%、積立額:毎月10万円、運用期間:10年
②予定利率:10%、積立額:毎月5万円、運用期間:20年
【運用結果】
定利率:10% | ①毎月10万円、運用期間:10年 | ②毎月5万円、運用期間:20年 |
投資元本 | 1,200万円 | 1,200万円 |
運用収益 | 848.4万円 | 2,596.8万円 |
運用成果 | 2,048.4万円 | 3,796.8万円 |
ニッセイ外国株式インデックスファンドは分配金が再投資されるファンドであるため、投資元本が同額(1,200万円)の場合、運用期間が長くなるほど複利効果が高まり資産が増えることがわかります。
新しいNISAでは資産を途中で売却しても翌年に再投資ができるためライフプランに合わせた資産運用が可能です。一方、分配金が再投資されるファンドでは長期保有が資産形成により効率的であることを知っておきましょう。
NISAで積立投資がおすすめな理由
積立投資には次のメリットがあります。
1.まとまった資金が必要ない
積立投資であれば、毎月、数千円から数万円の資金で投資が始められます。資金に余裕があれば積立金額を増額することも可能です。
2.手間と時間がかからない
値動きのチェックが欠かせない個別株への投資ではある程度の時間と手間が必要です。
その点、積立投資は、一度買付け設定をすれば、以後、自動で継続買付けされるため手間なしで投資ができます。忙しい方や、値動きに一喜一憂したくない方に取り組みやすい投資方法です。
3.安定運用が期待ができる
積立投資のように定額ずつ買い増していく方法は、買付けタイミングを分散することにつながり損失リスクを低減させる効果があります。
また、積立投資の場合は長期保有が前提となるため、年ごとのリターンのバラツキを吸収でき安定運用が期待できます。
まとめ
ニッセイ外国株式インデックスファンドの概要、評価を検証しました。
ニッセイ外国株式インデックスファンドは、売買手数料は無料で、かかるコストは信託報酬のみです。信託報酬は同種のファンドと比較した場合、低めの設定といえます。
設定来の収益率も順調といえそうです。
ニッセイ外国株式インデックスファンドはNISAで買付けができるファンドです。
NISAの対象となっている投資信託は長期運用に適していると認められたファンドです。
ニッセイ外国株式インデックスファンドで資産運用するならNISA口座を活用しましょう。
NISAは投資の利益が非課税となる口座です。年間360万円、累計1,800万円までの投資の利益に税金がかかりません。
ただ、NISAで非課税投資といっても投資である以上、元本保証や過去の実績通りに資産が増える保証がないことは理解しておかなければいけません。
投資のリスクとリターンを理解した上で、NISAを活用し上手な資産形成を始めませんか。
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