株の空売りの仕組みややり方を解説|気になる注意点やポイントも!

空売りとは

株式投資をしていると、空売りという言葉を聞くことがあります。実際に行ったことがないと、難しく怖いものと敬遠する人もいるかもしれません。

空売りにはリスクもありますが、うまく活用すれば投資の機会が広がります。本記事では、空売りの仕組みとやり方を解説します。注意点やポイントも説明するのでぜひ参考にしてください。

空売りの仕組み

空売りの仕組み

空売りとは、信用取引を利用して借り受けた株を売却し、株価が下落したときに購入することで利益を上げる方法です。

通常の株取引は、証券会社の口座に預けた手持資金の範囲内で株を買い、株価が値上がりした時点で売却する現物取引がよく知られています。

しかし、信用取引を使うことで、所有していない株を主に証券会社から借り受け、株価が下落したときに購入することで利益を得られるのです。

なお、証券取引所では一定の基準をクリアした銘柄を、空売りができる貸借銘柄に指定しているので参考にしてください。

ここでは分かりやすい例に基づき空売りの流れと、取引に必要な信用取引の内容について解説します。

空売りの流れ

空売りは、特定の銘柄の株価が今後下落すると予想して行います。例に基づいて具体的な流れを説明します。

(ステップ1)1万円の株100株を証券会社から借ります。100万円分の価値のある株を保有していることになります。

(ステップ2)売却すると、100万円分の収入を得られます。

(ステップ3)株価が5千円に下落したときに、市場から100株を市場に購入します。これにより50万円分を支出しました。

(ステップ4)100株が手元に帰ってきたので、証券会社に返します。これで株の貸し借りは無くなります。

収益を整理してみましょう。

収入100万円 ー 支出50万円 = 利益50万円

100万円の収入の内から50万円を支出して購入したので、手元には50万円の利益が残っています。これが空売りの大まかな仕組みです。なお、実際の取引では、株を借りている証券会社に手数料等を払う必要があります。

信用取引とは

空売りをするには、信用取引を理解しておく必要があります。

信用取引は、証券会社に現金や株式等などを担保として預けることで、証券口座に入金されている金額以上の取引を行えます。

取引できる額は、預けた担保の評価額の約3.3倍までです。

例えば、30万円を預けると約100万円分の取引が可能です。

入金額分しか取引できない現物取引とは異なり、信用取引では当初自分が持っていない株を借りて、売り注文から入ることができます。

空売りのやり方

空売りのやり方

空売りのやり方は次のとおりです。

1.信用取引用の開設
2.証拠金の入金
3.銘柄の注文
4.買戻

順を追って解説していきます。

1.信用取引用口座の開設

空売りを行うには、証券会社に信用取引用の口座を開設する必要があります。

どの証券会社でも開設できるので、普段から取引のある証券会社に申し込むのがよいでしょう。

信用取引は現物取引に比べてリスクが高いため、これまでの投資経験や保有している金融資産の状況などの審査を受ける必要があります。

申請を行うと証券会社による審査が行われ、通過すれば信用取引の口座が開設できます。

ネットの証券会社を利用していれば、オンラインで申込みができるので、窓口に出向く必要がなく便利です。

2.証拠金の入金

口座が開設できたら、証拠金(保証金)を入金します。証拠金とは、証券会社に対して担保として預ける自己資金(現金や株式など)のことです。

3.株式銘柄の注文

ここまでできれば、あとは実際に投資する銘柄を探して売り注文を行います。

4.株式買戻

売却した後、適切と考えられる株価のときに買い戻すことで、空売りの利益を得られます。

空売りのメリット

空売りのメリットのイメージ

空売りのメリットは次の3つです。

1.下落局面でも利益が得られる
2.リスクヘッジができる
3.株式優待のつなぎ目的にクロス取引ができる

1. 下落局面でも利益が得られる

現物取引しかできないと、最初に購入した株が値上がりしないと売却して利益を得られません。

空売りであれば、株価が下落している局面でも利益を得られます。

株価が上昇している局面のみではなく、投機会が増えるのは投資家にとってチャンスです。

2. リスクヘッジができる

持っている銘柄の株価が値下がりしそうなときに、空売りして追加で同じ銘柄を持っておくと、実際に値下がりしたときに損失を軽減できる保険のようなメリットがあります。

株価が下落していっても空売り分の利益が確保できれば、既に持っている株式を手放さないで済む場合もあるでしょう。

リスクヘッジするには、株価が下がりきる前に空売りして利益を確保することが大切です。

株価が底値の状態で空売りしても利益は得られないので注意しましょう。

3. 株式優待のつなぎ目的にクロス取引ができる

株価が下落している局面で損切りのために株を手放すよりも、保有し続けて引き続き株式優待を受けたい場合では、クロス取引が有効です。

クロス取引とは、同じ銘柄を同じ数量だけ買い注文と売り注文を行い、取引を成立させる取引です。株価の利益と損失を相殺する効果があります。

これを行うと下落局面でも株主優待を受けられます。ただし、配当は受け取れない点には注意が必要です。

空売りすると逆に配当金を支払わなければならないので、現物で持っている株式から受け取れる配当と相殺されてしまうためです。

空売りのリスク

空売りのリスクした際の株価下落のリスクのイメージ

空売りにはリスクもあるので説明していきます。

1.    損失に限度がない
2.    保有するだけでコストがかかる

1. 損失に限度がない

空売りで生じる損失には限度がありません。現物取引との比較で考えると理解しやすいです。

現物取引であれば、最初に株を買ってから売却するので、損失額の限度は購入額までです。どんなに損をしても購入した金額以上に損失は発生しません。

一方、空売りは借りた株を最初に売却して、後ほど買い戻す手順です。

売却した銘柄の株価が、売却時よりも下がらずに上がり続けると、売却しても利益が生まれず損失が発生することになります。

株価の値上がりに限度はありません。理論上はいくらでも上がる可能性があるので、暴騰すると空売りの損失は極めて大きくなります。

これが、空売りの損失に限度がない理由です。現物取引の損失限度が購入額までであることと対比して覚えておくと忘れないでしょう。

2. 保有するだけでコストがかかる

空売りする株は、主に証券会社から借りている株なので、保有しているだけでコストがかかります。

かかるコストには、売買手数料の他に貸株料や逆日歩(ぎゃくひぶ、品貸料ともいう)などがあります。

まず株式を借りる費用が貸株料です。さらに貸借される株式が不足した場合に証券会社が株を集めてくる費用が逆日歩です。

なお、逆日歩は制度信用取引で発生する場合がありますが、一般信用取引では不要です。

証券会社から株を借りていると、日数に応じて貸株料や逆日歩が発生するので、長期にわたり返済できない場合コストが膨らみ続けるので注意が必要です。

参考までに、制度信用取引と一般信用取引の主な違いを示すと次のとおりです。

制度信用取引一般信用取引
特徴 調達する株式が不足する場合、証券金融会社が株式の調達を融通する    証券会社と投資家が返済期限や金利・貸株料などを独自に定める
株式の返済期限 原則6ヶ月原則3年
逆日歩(品貸料)ある場合があるなし

空売りでの陥りがちな失敗

空売りでの陥りがちな失敗のイメージ

空売りでうまくいく場合がありますが、タイミングを誤ると損失が膨らんでしまう場合があるので解説します。投資家の間でよく言われる事例を挙げます。

1.    踏み上げ
2.    往復ビンタ

1. 踏み上げ

踏み上げとは、空売りしていた銘柄が予想に反して値上がりした際に、他の投資家が損切りをしてさらに株価が急騰することです。

株価が暴落をして底を打った状態から回復しはじめると、どこまで回復するか分からず回復途中でとりあえず損切りしてしまうことがあります。

他の投資家も同じように損切りの買い注文を多く出してしまうと、踏み上げに陥ってしまうので気をつけましょう。

2. 往復ビンタ

往復ビンタとは、同じ銘柄で二度続けて損失を出すことです。

例えば、株価が下落している途中でさらに下がることを予想してリスクヘッジのため空売りをしても、そこから上昇に転じて下がらなければ損失が生じます。

さらに株価の回復途中に下落を予想して空売りをしたにも関わらず、下落しないで上がってしまうとさらに損失が発生します。

空売りのタイミングが悪く続けて損失を出してしまうと、さらに被害が広がってしまうのです。

空売りのポイント

空売りのポイントのイメージ

株式投資に慣れないうちは株価の予想がつかず、空売りが難しい場合があります。それでも徐々に空売りの技術を会得していきたい場合は、次の点に気をつけてみましょう。

1.タイミングを見極める
2.損切りのラインを厳守する
3.少額から試してみる

1.タイミングを見極める

空売りで見極めなければならないのは、株価の下落が始まるタイミングと下げ止まるタイミングです。

株価が十分に上がっておりこれ以上の上昇が見込めないときが、空売りに最も適しています。一方、下げ止まった後に空売りをすると、株価が上昇するばかりで利益は生まれません。

いずれも、相場全体と個々の銘柄の動向を見極める必要があります。

2.損切りのラインを厳守する

空売りで損失を膨らませないためには、損切りラインを設定し厳守することです。

特に、空売りの場合は損失に限度がないので、必ず守る必要があります。

また、利益を確定するラインも決めておくと、個人の願望などに流されず確定できるのでよいです。

3.少額から始めてみる

空売りはリスクが大きい取引なので、慣れないうちは思わぬ損失を出してしまう場合があります。

本格的に利用する前に、少額から始めてみるのとよいでしょう。

もし損をしても許容できる範囲であれば、ノウハウを蓄積できる効果があるので将来役に立ちます。

まとめ

株取引のイメージ

空売りとは、信用取引を使って持っていない株を売却し、株価が下落したときに購入することで利益を上げる手法です。

空売りを始めるには、証券会社に信用取引用の口座を開設し、証拠金を入金する必要があります。

空売りには、株価が下落していても利益が得られ、リスクヘッジができるなどのメリットがあります。

しかし、損失を生じた場合には限度がなく、貸株を保有するだけでコストがかかるデメリットもあるので注意が必要です。

空売りは、株式投資を始めたばかりの人には使いこなすのが難しい手法です。

これから利用する場合には、株式相場の特徴や空売りに対する理解を深めて、少額から始めてみるのがよいでしょう。

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