資産運用業協会とは?一般の投資家とどんな関わりがあるのかを解説

資産運用業協会とは?一般の投資家とどんな関わりがあるのかを解説

投資信託を選ぶために情報収集をしていると、「資産運用業協会」という言葉を目にすることがあります。

資産運用業協会とは、投資家を守るために活動している自主規制団体です。

聞き慣れない団体名に、「怪しい団体では?」「自分には関係ないのでは」と感じる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、資産運用業協会が設立された背景や役割、自分の資産運用とどう関わってくるのかについて解説します。

協会について知っておくことで、資産運用に関する知識が深まり、目的に応じた資産づくりを無理なく進められるようになるでしょう。

資産運用業協会とは?|投資家を守るための自主規制団体

資産運用業協会とは?|投資家を守るための自主規制団体のイメージ

資産運用業協会とは、投資家を不利益や不正から守るために、会員企業に独自のルールを設けて守らせる自主規制団体です。2026年4月1日に「投資信託協会」と「日本投資顧問業協会」が統合して誕生しました。

新NISAの普及で投資が身近になった一方、投資初心者を狙った悪質な金融商品や詐欺も増えています。資産運用業協会は会員企業に自主規制ルールを遵守させることで、投資家が安心して資産運用に取り組める環境を整えています。

資産運用業協会の概要

資産運用業協会の概要のイメージ

資産運用業協会の概要について、以下の4つを解説します。

  • 略称|運用協会(IMAJ)
  • 設立の目的|投資家保護と業界発展
  • 沿革|投資信託協会と日本投資顧問業協会が統合
  • 会員・役員

それぞれ見ていきましょう。

略称|運用協会(IMAJ)

資産運用業協会の略称は「運用協会」です。英語表記は「Investment Management Association of Japan(IMAJ)」です。各種呼称を下表にまとめました。

名称の種類表記
正式名称一般社団法人 資産運用業協会
略称運用協会
英語表記Investment Management Association of Japan(IMAJ)

参照元:投資信託協会

投資資料や金融ニュースでは略称や英語表記で登場することもあるため、あわせて把握しておきましょう。

設立の目的|投資者保護と業界発展

資産運用業協会の設立目的は、「投資家の保護」と「資産運用業の健全な発展」の両立です。協会は独自のルールを定め、会員企業を監督しています。おもなルールは、以下のとおりです。

ルール内容
虚偽・誇大な広告の禁止「絶対儲かる」といった誇大な表現を制限し、投資家が誤った判断をしないよう広告内容を規制
不適切な勧誘の防止投資家の目的に合わないリスクの高い商品や手数料の高い商品への勧誘・販売を禁止
重要な情報の適切な開示手数料やリスクをわかりやすく説明することを義務づけ、投資家自身が適切な金融商品を選べる環境を整備

参照元:投資信託協会|投資一任・助言業務における広告、勧誘等に関する自主規制基準

だれもが安心して資産を運用できるよう、不正やトラブルから投資家を守る仕組みづくりに取り組んでいます。

沿革|投資信託協会と日本投資顧問業協会が統合

2026年4月1日、「投資信託協会」と「日本投資顧問業協会」が統合し、「一般社団法人 資産運用業協会」として新たにスタートしました。背景にあるのは、政府が掲げる「資産運用立国」の実現に向けた動きです。

これまで、投資信託は投資信託協会、投資運用・助言サービスは日本投資顧問業協会が別々に担当していましたが、統合によって窓口が1つにまとまりました。

団体の名前と相談先が一本化されたことで、投資信託や投資顧問について困ったときに「どこに聞けばいいかわからない」という迷いがなくなりました。

会員・役員

資産運用業協会の会員になれるのは個人ではなく、法人(企業)のみです。個人投資家が直接入会することはできません。おもな会員企業には、以下のような大手・有名運用会社が挙げられます。

  • 野村アセットマネジメント:野村グループの資産運用会社(業界最大手クラス)
  • 三菱UFJアセットマネジメント:三菱UFJフィナンシャル・グループの運用会社
  • 大和アセットマネジメント:大和証券グループの中核を担う大手運用会社
  • ニッセイアセットマネジメント:日本生命グループの豊富な資金力を背景に持つ大手
  • 三井住友トラスト・アセットマネジメント:三井住友トラストグループの運用会社

役員体制の一部を、下表にまとめました。

役職氏名所属・役職
会長菱田賀夫
副会長小池広靖野村アセットマネジメント株式会社 取締役会長
副会長大関洋ニッセイアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
副会長専務理事伊野彰洋

参照元:投資信託協会|役員名簿(2026年7月1日時点)

当協会の理事には、弊社ライジングブル投資顧問株式会社の代表取締役「藤村哲也」も就任しており、実務家・専門家の立場から協会の運営に携わっています。

資産運用業協会の役割・業務内容

資産運用業協会の役割・業務内容のイメージ

資産運用業協会の活動内容は、おもに以下の3つです。

  • 自主規制ルールの制定・運用
  • 投資家保護のための相談・苦情対応窓口
  • 「資産運用立国」の実現に向けた推進活動

それぞれ解説します。

自主規制ルールの制定・運用

資産運用業協会は、投資家を守るための独自のルール(自主規制ルール)を定めています。実際に制定されたルールの一部を、下表にまとめました。

規則名規則の内容
投資信託等の運用に関する規則投資信託の信託財産と投資法人の資産を適正に運用するためのルールが定められている
交付目論見書の作成に関する規則投資信託の目論見書(取扱説明書のようなもの)に記載すべき内容を定めている
投資一任・助言業務における広告、勧誘等に関する自主規制基準投資顧問会社が出す広告や顧客への勧誘に関するルールを定めている

参照元:資産運用業協会|定款・諸規則等

上記のようなルールを定めることで、運用会社が不透明な取引をしたり、誇大な広告で勧誘したりすることを防いでいます。結果、個人の投資家が安心して投資信託や投資顧問を利用できるのです。

投資者保護のための相談・苦情対応窓口

資産運用業協会は、投資家からの相談や苦情に対応する窓口を用意しています。「金融ADR制度」と呼ばれる、裁判をせずに専門家を交えて素早く・安く解決を目指す仕組みにもとづくものです。

ただ、実際の相談・苦情対応の窓口は、資産運用業協会自身ではなく、金融庁が指定した第三者機関「証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)」が担っています。

つまり、会員企業とのやり取りでトラブルが起きて解決できない場合でも、FINMACに相談すれば、あっせんや助言を受けられる仕組みです。

「資産運用立国」の実現に向けた推進活動

資産運用業協会は、政府が掲げる「資産運用立国」という方針を推し進める団体のひとつです。「資産運用立国」とは、貯金しているお金を投資に回してもらい、日本経済を元気にしていこうという政府の方針です。

上記の方針に沿って、資産運用業協会は業界全体のレベルアップに取り組んでいます。具体的な活動内容をピックアップしました。

  • 運用能力の向上:運用のやり方を分かりやすくしたり、優れた人材を育てたりして、資産運用会社の実力を高める
  • 新興運用会社の参入支援:新しく参入する運用会社を後押しし、多様で魅力的な投資商品が生まれる環境を整備する
  • 情報発信と投資教育:初心者でも安心して投資を始められるよう、正しい知識を発信する

新NISAも「資産運用立国」の取り組みから生まれた制度のひとつです。資産運用業協会は、投資家が安心して資産形成できる仕組みづくりを、業界の側から支えています。

資産運用業協会が自分にどう関係するのか?

:資産運用業協会が自分にどう関係するのか?

一般の投資家にとって、資産運用業協会はおもに以下の3つの場面で役に立ちます。

  • トラブルが起きたときの相談先になる
  • 目論見書に協会名があれば安心材料の1つになる
  • 投資初心者の学習コンテンツになる|なんでもQ&A

資産運用業協会を知っておくと、人に勧められるまま決めるのではなく、自分で納得したうえで資産運用を進められるようになるでしょう。

トラブルが起きたときの相談先になる

資産運用業協会は、会員企業との取引でトラブルが発生したときの相談先になります。

実際の相談窓口となるのは、資産運用業協会が苦情や紛争の解決業務を委託している「証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)」です。FINMACへの相談は無料なので、投資家側の費用負担はありません。

資産運用業協会の会員でなくても、取引先が会員企業であれば、費用をかけずに専門家のサポートを受けられます。

目論見書に協会名があれば安心材料の1つになる

投資信託を選ぶとき、目論見書(取扱説明書に相当する書類)に資産運用業協会の名前があれば、信頼できる商品選びの目安になります。

運用会社が資産運用業協会に加盟し、自主規制ルールに沿って運営されている証拠だからです。

一例として、投資信託のなかでも人気の高い「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の目論見書にも協会名が記載されています。※参照元:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)目論見書

投資信託選びで失敗しないためにも、目論見書に協会名があるかを一度確認してみてください。

投資初心者の学習コンテンツになる|なんでもQ&A

資産運用業協会のウェブサイトは、投資初心者向けの学習コンテンツとして活用できます。実際に提供されているコンテンツの一部を、以下に列挙しました。

  • 資産形成の必要性:なぜ「貯金」ではなく「投資」なのかが理解できる
  • 自分にあった投資商品の見つけ方:目的に応じた運用方法がわかる
  • 投資信託の仕組み:投資信託が初心者でも安心して利用できる理由がわかる
  • 資産運用用語集:専門用語の意味が理解できる
  • 投資信託Q&A100選:よくある悩みごとの具体的な解決方法がわかる

参照元:一般社団法人資産運用業協会|投資信託Q&A100選

なかでも「投資信託Q&A100選」は、初心者が抱きやすい100個の疑問と回答がまとめられており、気になる項目を検索するだけで答えが見つかります。

「これって何だっけ?」と疑問に思った際は、資産運用業協会のコンテンツを辞書のように使うことで、不安なく投資を続けられるでしょう。

まとめ

資産運用業協会のまとめのイメージ

資産運用業協会は、投資家を守るための自主規制団体です。自主規制ルールを定め、投資信託会社や投資顧問会社を会員として監督しています。

投資家個人は加入できませんが、無料の相談窓口が用意されており、加盟企業とのトラブルが起きた際には解決の手助けを受けられます。

資産運用に関しては、不確かな情報や誇大な広告も少なくありません。正しい知識を身につけ、自分に合った資産運用を見つけるためのツールとして活用してみてください。

 

【ご注意事項】
投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
記載のデータは2026年9月9日時点のものです。
最新情報は各企業のIR資料等でご確認ください。

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