テスラ(Tesla)株は配当なし?実施しない理由と投資メリット・デメリットを解説

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テスラ(Tesla)は、電気自動車と充電機器の開発・製造・販売をしているアメリカの自動車メーカーです。

EV車の販売台数は世界トップクラスを誇るため、米国株のひとつとして「テスラ株で値上がり益や配当益を狙いたい」と考えている方もいるでしょう。

結論、テスラはこれまで一度も配当金を出していません。

本記事では、テスラが配当金を出さない理由を解説し、その上でテスラに投資するメリット・デメリットを紹介します。米国株投資で失敗しないための参考にしてみてください。

テスラ(Tesla)株は配当金なし

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2025年11月時点において、テスラ(Tesla)は配当を実施していません。また、過去にも実施しておらず、今後も配当を実施する予定はありません。

そのため、テスラ株では配当金や株主優待などの利益を狙えないでしょう。

ただし、テスラの株価は徐々に高騰しているため、今後も成長が続けば値上がりによる利益を狙える可能性があります。

テスラ株で大きな失敗をしないためにも、こちらの「テスラ(Tesla)に投資する3つのデメリット」を正しく理解したうえで投資を検討してみてください。

テスラ(Tesla)が配当ないなのはなぜか|2つの理由

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テスラ(Tesla)が配当を出さないおもな理由は、以下の2つです。

企業の運営方針を理解したうえで、テスラ株への投資を判断しましょう。

自社の成長投資を優先しているから

テスラが配当を出さないのは、利益の多くを自社の成長投資に使っているからです。

実際に、投資家向けのテスラ公式サイトでは「利益はすべて将来の成長資金として内部留保する予定」※としており、今後も配当の支払いは予定されていません。 

※参照元:Tesla Investor Relations|Investor FAQs

テスラが成長を目指して投資している分野の一部を、下表にまとめました。

投資先投資目的
設備投資サイバーキャブ、EVトラック「セミ」の生産ライン増設
新規事業ロボタクシーの本格運用
研究開発FSDの進化による「完全自動運転」実現

現状、テスラ株では配当利益を狙えません。

しかし、成長投資によりテスラの企業価値が高まれば、株価の上昇で株主に利益を還元できる可能性があります。

約2年間の赤字経営を経験しているから

テスラは過去に約2年間の赤字経営を経験しています。

実際に、2017年〜2018年の利益はマイナス状態が続いており、配当金を出すほどの余裕はありませんでした。

2020年以降は黒字を維持していますが、現状のテスラの経営方針は利益の「内部留保」と「自社投資」です。

そのため、業績が安定してからも利益は企業の成長に使い、株の価値を高めて投資家に還元する方針を取っていると考えられます。

参考:Strainer テスラ【TSLA】 業績推移・財務諸表

テスラ(Tesla)とは|アメリカの電気自動車メーカー

テスラ(Tesla)とは|アメリカの電気自動車メーカーのイメージ

項目内容
名称Tesla Inc
設立2003年
本社アメリカ合衆国 テキサス州オースティン
代表者イーロン・マスク(共同創業者兼CEO)
事業分野・自動車事業・エネルギー生成(発電)・貯蔵事業(バッテリー)

参照元:Teslaジャパン|Elon MuskTesla|企業情報

テスラ(Tesla:ティッカー:TSLA)は、アメリカに本社がある電気自動車メーカーです。

製造する自動車はすべて電気自動車で、二酸化炭素を出さない地球に優しい自動車を世界中に提供しています。

現在、テスラは自動車を効率よく充電させるために、急速充電設備「スーパーチャージャー」の普及を進めています。

また、パワーウォールやメガパックといった蓄電池を製造しており、災害時の電力確保にも力を入れている企業です。

テスラ(Tesla)に投資する5つのメリット・強み

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テスラ株には以下の強みがあるのも事実です。テスラの強みを知り、自分に合った投資先であるかを総合的に判断しましょう。

電気自動車のトップブランドを確立している

テスラは電気自動車メーカーにおいて、世界トップブランドを確立していると言えます。具体的な実績は、以下のとおりです。

  • 2023年、EV販売台数でテスラの「モデルY」が世界トップ
  • 2021年〜2024年までの約4年間、自動車1台あたりの営業利益率はトヨタ超え
  • 2024年第1四半期のBEV(バッテリー式電気自動車)販売台数で「シェア率19%」を獲得しトップ
  • グローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2021」で、テスラがブランド価値の成長率トップ(前年比184%)

いまでは「EV車といえばテスラ」とイメージする方も増えており、今後もっと電気自動車が普及すれば、テスラ株で利益を狙えるようになるかもしれません。

自動車セクター以外でも事業を展開している

テスラは自動車セクター以外でも事業を展開しています。自動車事業が不調でも、ほかの事業でカバーできる可能性があります。

テスラの事業内容を、下表にまとめました。

事業分野内容
バッテリー・蓄電池の製造
・ホームバッテリー「Powerwall」
・業務用蓄電システム「Megapack」
太陽光発電システム・ソーラーパネルの製造、販売
・メガソーラー発電所の設置
AI・ロボット・AI搭載人型ロボット「オプティマス」の開発
・自動運転技術と組み合わせた「ロボタクシー」の開発

参照元:Tesla|企業情報

太陽光発電やバッテリーは災害時の非常用電源として活用できます。また、AIやロボットの開発が進めば、災害や工事などでの危険な作業を任せることも可能です。

テスラは将来的に需要の高まりそうな事業に力を入れているため、自動車分野が不調なときでも安定して利益を狙える可能性があります。

株価が徐々に成長している|2024年12月に最高額を達成

長期的に見ると、テスラの株価は徐々に上がってきています。以下のチャートでは、直近10年間の株価の推移を示しています。

 

参照:TradingViewTradingView

2016年ごろは10〜20円程度で取引されていましたが、2020年にテスラの時価総額がトヨタを超えたこともあって株価は急上昇。

その後、短期的に変動しながらも株価は上昇し、2024年12月に米大統領にトランプ氏が選出されたことも影響して過去最高値を記録しました。

2025年11月13日(終値)時点において、テスラの株価は1株:430.60ドル(約65,335円※)です。※1ドル=151.73円で計算

テスラは自社への成長投資を優先しているので、今後の株価にも期待できるでしょう。

高い成長率で利益を伸ばしてきた|2024年度から減速中

テスラの強みのひとつは、高い成長率で利益を伸ばし続けていることです。以下の表では、直近5年間の決算情報をまとめました。

(単位:百万米ドル)

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決算期売上高営業利益経常利益純利益
2024年12月期97,6907,0768,9907,091
2023年12月期96,7738,8919,97314,974
2022年12月期81,46213,65613,71912,587
2021年12月期53,8236,5236,3435,644
2020年12月期31,5361,9941,154862

参照元:みんかぶ(米国株)|テスラ(TSLA)

生産出荷台数の増加、値上げによる出荷単価の上昇などが影響し、売上高は右肩上がりに成長。また、2023年12月期の純利益は過去最高となる149億ドルを記録しました。

近年は中国EVメーカーとの価格競争もあって、2024年度以降の業績はやや減少傾向です。

それでも、太陽光発電や蓄電池、AIといった他事業が好調であるために、テスラ全体の利益率は同業他社と変わらない水準を保っています。

車1台の利益率はトヨタ超えの実績がある|2021年からの約4年間

テスラは車1台あたりの利益率が高いです。

実際に、2021年〜2024年までの約4年間において、テスラの車1台あたりの営業利益率はトヨタを超えていました。利益率が高いおもな理由は、以下のような企業努力で製造費用を抑えているからです。

  • 販売車種が少なく、他メーカーより製造コストが低い
  • テレビCMのような広告宣伝をしていない(広告宣伝費の削減)
  • ディーラーへの支払い費用が発生しない(オンライン販売が中心)

さらに、自動運転ソフトウェア(FSD)をオプションとして販売している点も、利益率が高い要因のひとつとなっています。

2023年以降の営業利益率は低下しているものの、ほかの大手メーカーより高い利益率を保っているのがテスラの強みと言えるでしょう。

参照元:日経モビリティ|トヨタの車1台利益、約4年ぶりテスラ逆転 BYDはVW抜く

テスラ(Tesla)に投資する3つのデメリット

株式投資のデメリットを伝える画像

テスラ(Tesla)への投資には、以下の3つのデメリットがあります。

リスクを理解したうえで投資すれば、自信を持ってテスラ株に挑戦できるでしょう。

為替リスクを伴う

テスラ株は米国株のため、投資には為替リスクを伴います。

為替リスクとは、ドルと円の交換レートが変動することで、保有する株式の価値が増減するリスクです。

たとえば、テスラ株を「1ドル=150円」で購入し、円高が進んで「1ドル=130円」になった場合、株価が変わらなくても円換算での価値が目減りします。

テスラの株価が上昇していても、円高が進めば日本円での利益が減る可能性があることを理解しておきましょう。

関連記事
【円安時に注目すべき株式銘柄ガイド】為替通貨変動の勝者になるために

配当金や株主優待がない

テスラ株には配当金や株主優待制度がありません。

インカムゲインが期待できないので、株価暴落時の損失ダメージが大きくなりやすいです。

そのため、配当金を出している企業に比べて、業績や経営方針の転換などをこまめにチェックする必要があるでしょう。

株価変動が非常に大きい

ほかの株式に比べて、テスラ株の価格変動は非常に大きいです。とくに、CEOのイーロン・マスク氏の言動に影響されやすく、下表のような事例がいくつもあります。

← 表は横にスクロールできます →

時期マスク氏の動向株価の推移
2022年4月Twitter社の買収で自己資金を投じると表明12%の下落
2024年10月来年の納品台数増加(30%)や新事業での黒字達成を発表22%の上昇
2025年4月トランプ政権下での活動を減らすと表明9%の上昇
2025年7月トランプ大統領がマスク氏の発言を非難6.79%の下落

イーロン・マスク氏は世界的に有名な人物であるうえに、第2次トランプ政権下では政府の要職を務めました。そのため、テスラ株はマスク氏の言動によって変動しやすいことを理解したうえで、投資を検討すべきでしょう。

テスラは現在、配当金を支払っていないのでインカムゲイン(配当収入)目的の投資には向きません。売却益を目的とした投資向きでテスラの成長ストーリーは長期的な視点で見るべきですが、過去に30%以上の急落を何度も経験しており、非常に値動きが激しい銘柄のため初心者は投資は慎重に検討すべきです。

藤村 哲也

テスラ(Tesla)の株に関するよくある質問

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テスラ(Tesla)の株に関するよくある質問に回答します。

それぞれ見ていきましょう。

テスラ株には将来性がない?

テスラ株は成長投資に力を入れており、将来的な株価上昇で利益を狙える可能性はあるでしょう。

ただ、以下のような懸念点から、一部では「将来性がない」という意見もあります。

  • 競合企業の台頭
  • EVに対する優遇措置の終了
  • イーロン・マスク氏の政治に対するスタンスへの反発

EV事業だけでなく、テスラはバッテリーや発電機、AIなどの他事業を展開しているため、将来的な成長が見込まれる企業だと言えます。

テスラ株は100株でいくら?

2025年11月13日(終値)時点において、テスラの株価は430.60ドル(約65,334円※)です。

テスラ株を100株購入するには、43,060ドル(約6,533,400円※)が必要となります。※1ドル=151.73円で計算

ただ、米国株には日本株のような「単元株(100株)」という概念がありません。そのため、テスラ株は1株単位で取引できます。

まとめ

テスラについてのまとめのイメージ

テスラ(Tesla)は自社の成長投資を優先しているため、これまでに配当金の支払いはありません。

また、為替リスクや株価変動の大きさなど、テスラ株への投資にはリスクを伴います。

それでも、テスラ株には以下のような強みがあるため、今後の成長を見越した投資先としては魅力的です。

  • 電気自動車のトップブランドを確立している
  • 自動車セクター以外でも事業を展開している
  • 株価が徐々に成長している|2024年12月に最高額を達成
  • 高い成長率で利益を伸ばしてきた|2024年度から減速中
  • 車1台の利益率はトヨタ超えの実績がある|2021年からの約4年間

米国株投資で損をしないためにも、お金や投資に関する勉強をしながらテスラなどの有望株への投資を検討してみてください。

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